Nianticとカプコンが配信中のiOS/Android向けアプリ「モンスターハンターNow」。ここでは、ゲームディレクターのNiantic 菅野千尋氏へのインタビューを紹介する。
「モンハンNow」で距離の近いコミュニケーションを!
――リアルで歩き回るというスタイルになった経緯を教えてください。
菅野氏:会社のミッションとして、外へでかけて新しい場所と発見したり、人と出会ったり、家族や友達とより絆を深めていただきたいというのがあるんです。
「モンスターハンター」はポータブルの携帯ゲーム機を使って、会社や学校が終わるとみんなで集まってプレイしていた時期がありましたよね。それは、我々のミッションである“外でコミュニケーションを深めて遊んでもらう”ことを実現するためにスタイルとして合っているのではないかと考えました。
さらに、4人が協力してなにかを達成するというのも、普段ゲームをしない人でも教えてもらったり、人の役に立てて嬉しいというような体験ができるのもいいポイントなのかなと思います。
リアルでモンハンを楽しんでいただきたかったのでARも大切にしています。写真で撮影も可能なので、ぜひたくさん撮影して楽しんでください。
――モンスターや武器、装備は何種類くらい実装されていますか?
菅野氏:リリース時点ではモンスター13種類、武器の種類は6種類、防具はモンスターの数以上用意されています。今後のアップデートどんどん増やしていく予定なので、楽しみにしていてください。防具や武器の作成、強化には素材が必要になるのですが、「モンスターハンター」の面白いところである素材集めを存分に楽しむことができます。
――狩りはタップで行うそうですが、どのようなバトルになりますか?
菅野氏:1回の狩りの時間は75秒で、スマホでさくっと遊びやすくなっています。ですが、その時間でモンハンのバトルの楽しさを味わってもらえると思います。縦持ちで片手でも操作可能ですが、横持ちにも対応しています。
――近くの複数人でマルチプレイが可能とのことですが、フレンドと遠隔でのプレイはできますか?
菅野氏:フレンド自体は拡張していける要素だと思っています。近くでコミュニケーションを取ってほしいなと考えているので、遠隔でのマルチプレイは今のところ予定はしていません。
――採取では、場所によって違いはあるのでしょうか。
菅野氏:生態系エリアに紐づいて、素材を意識的に偏りを作っています。ですが、どのエリアにも小さい採取ポイントはあるので、バランスも取っています。
――地方では不利になるといったことはないのでしょうか。
―菅野氏:都心は人が集まりやすいのは事実だと思うんですが、郊外でも楽しめるように
道の近くには郊外であっても出現するようになっていますし、小さい採取ポイントはどこにでも出てきます。また、大きな公園やショッピングモールはモンスターが出現しやすいスポットになっているので、買い物のついでなどに遊びやすくなっていると思います。
――レイドのようなイベントはありますか?
菅野氏:具体的には申し上げづらいんですが、たくさんの人が遊べる機能自体は検討していきたいと考えています。
――イベントなどは開催されますか?
菅野氏:毎月のイベントやシーズンイベント、新モンスターをフューチャーするイベントなど開催予定です。ぜひ参加してもらえればと思います。
――今作にもオトモはいますか?
菅野氏:もちろんいます! ハンターの現実世界での狩りをサポートしてくれます。オトモに関しては、アップデートしていきたいと思っているのでご期待ください。
誰かの“ファーストモンハン”になりたい
――こだわりのポイントを教えてください。
菅野氏:「モンスターハンター」が大好きな方たちに「モンハン」として受け入れてもらいたい、そして、これまで触れていなかった方の“はじめてのモンハン”になりたいという想いでデザインをしてきました。
そのため、これまでの「モンスターハンター」シリーズが大切にしてきたことを同じように再現するのはもちろん、逆に当たり前にやってきたことをせず、はじめてプレイする人が遊びやすいようにしたりなどのバランスは大事にしました。
ペイントボールが実装された経緯というのも、「モンスターハンターNow」をプレイするために出かけていない日でも家に帰って5分だけでも遊んでくれたら嬉しいなと思っていたからなんです。初心者の方が「モンスターハンターNow」を開いたときに、最初は近くのモンスターを狩って、オトモがペイントボールでマーキングしたモンスターも狩って、そうしていくうちに装備が強化できるようになって、強くなったから明日は「モンハン」のために出かけようかな…というように、少しずつ少しずつプレイ時間が伸びていくと嬉しいですね。
――最後にメッセージをお願いします。
菅野氏:「モンスターハンターNow」は、マルチプレイを大事にしてデザインしてきました。ポータブルのゲーム機で集まって遊んでいたときの近くでのコミュニケーションの面白さを、オンラインでのマルチプレイが当たり前の若い方たちには新鮮に感じてもらえるんじゃないのかなと期待しています。
いきなり声をかけて一緒に遊ぶというのはハードルが高いと思うので、大きな公園の中に「もしかしたらこの人かな?」という距離感であれば気軽にプレイできるんじゃないのかなと考えています。その距離感が嫌じゃなくなったら、ペイントボールを共有してみようとか、フレンドを送ってみよう、とか自分に合った距離感でマルチプレイを楽しんでもらえると嬉しいです!