スクウェア・エニックスから2024年2月29日に発売予定のPS5用ソフト「ファイナルファンタジーVII リバース」(以下、「FFVII リバース」)。東京ゲームショウ2023に出展される試遊版の先行プレイレポートをお届けする。

目次
  1. 5年前のニブルヘイムへ
  2. ジュノンエリアは、リニアながらオープンワールドのような探索要素も
  3. アンダージュノンでは、ユフィが登場!
  4. 今回の試遊範囲を振り返って
  5. プレイ動画

本作は、2020年4月10日にPS4にて発売された「ファイナルファンタジーVII リメイク」(以下、「FFVII リメイク」)から約4年を経ての続編タイトル。そして言うまでもなく、1997年に初代PSで発売された「ファイナルファンタジー」シリーズの7作目「ファイナルファンタジーVII」(以下、「FFVII」および原作)のフルリメイク作品となる。

今回試遊出展される内容では、5年前のニブルヘイム、そしてジュノンエリアをプレイすることができたので、その模様をお届けする。

……のだが、その前に述べたいことがある。

そもそも、「FFVII リメイク」をプレイしているファンには今更ではあると思うが、「FFVII リメイク」シリーズは、ただ「FFVII」を最新技術で綺麗な画面にした作品ではない。「FFVII」という作品を根底から覆しかねない、“新たなリメイクの可能性”を辿った作品である。

そして、今回「FFVII リバース」の試遊版を遊ばせてもらい、改めてしみじみとそのことを再確認した。本作は、「FFVII」である。だが同時に、異作でもある。それを念頭に、これからの記事を読み進めてもらえれば幸いだ。

なお、本稿は「FFVII リメイク」及び、原作のネタバレを多少なりとも含むので、ご注意願いたい。

また、今回の試遊を受けての、北瀬佳範氏(「FFVII」シリーズエグゼクティブプロデューサー)、野村哲也氏(「FFVII リバース」クリエイティブ・ディレクター)、浜口直樹氏(「FFVII リバース」ディレクター)3名へのインタビューもあわせて掲載しているので、そちらもぜひ参照してほしい。

5年前のニブルヘイムへ

まず今回の試遊は、5年前のニブルヘイムから始まった。クラウドが、セフィロスと共に、ソルジャーとしてニブル山を訪れる回想のシーンだ。もちろんガイド役として、ティファもテンガロンハット姿で登場する。バトル時のパーティメンバーは、クラウドとセフィロスの2人構成。

基本的なバトルについては、「FFVII リメイク」から大きな変更はないと思ってくれて良いのだが、一番大きな違いは「R1でガードしている時に各種ボタンを押すと発動する、”連携アクション”」なるものの存在だ。

今回はクラウドとセフィロスの連携で「ヴォイドブレイク」という連携アクションと、「カウンターシュート」という連携アクションを使用することができた。ヴォイドブレイクは、セフィロスがクラウドに魔法のようなものを掛けてクラウドを強化し、クラウドがそれを受けて攻撃する、というものである。この連携アクションは、ATBゲージを消費せずに使用することができるため、積極的に使いこなしていきたい。

敵のHPバーの下にバーストゲージがあるのも、「FFVII リメイク」から変わっていない。弱点属性での攻撃やアビリティ「みやぶる」で判明する敵ごとの様々な攻略条件を満たすと敵が「HEAT」状態になり、バーストゲージが上がりやすくなる。そしてバーストをさせれば、一気に大ダメージを叩き込める。

各キャラクターにATBゲージがあり、コマンドボタンでATBゲージのやりくりをしながら進めていくバトルも「FFVII リメイク」から変わっていないのだが、回避はPS5になったことで×ボタンから〇ボタンへと変更になっている。そしてコマンドを開くのが×ボタンだ。PS4版の動きに慣れていると少々戸惑う部分である。

通常攻撃ボタンは□ボタンで変更がないため、せっかく色々試せるチャンスだったのに、ついつい筆者は今回ほぼ□ボタン攻撃でゴリ押しする羽目になってしまったのだけが、もったいない。

コマンドバトルとアクションバトルを上手く融合させたと言える「FFVII リメイク」のバトルからベースは変わっていないのに、この連携アクションが加わることにより、バトルはかなりアクション寄りになったように感じられた。

せっかくだから連携アクションを使いたい、と思っている間に各キャラクターのATBゲージはどんどん貯まっていく。ATBゲージを使わなければもったいない。ATBゲージを使おうと右往左往しているうちにクラウドのHPがゴリゴリ削られていき、ケアルを使いたいと思った時にはATBゲージがない……、なんてこともザラにあった。本作でも相変わらず考えることが非常に多いバトルで、ATBゲージをいかに管理するかに頭を悩ませることになりそうだった。

ちなみに今回は難易度「NORMAL」に相当するものだと聞いていたため、オリジナル版のコマンドバトルのような感覚が楽しめるモードの難易度「CLASSIC」にすれば、アクションバトルが苦手な人ものんびりと楽しめるようになっているとのこと。その点は、「コマンドバトルが好きで、アクションは苦手」という人も安心してほしい。

さらに、連携アクションだけではなく「連携アビリティ」という新要素も登場。連携アビリティは(初回のチュートリアル時を除き)、各キャラクターがATBゲージを使用していくことでたまる「連携ゲージ」を消費することで、使用できる。

使い方は、コマンドメニューから「チェインアビリティ」を選択するだけ。クラウドとセフィロスの連携アビリティは「クロススパイラル」という大技で、今回はラストに控えていたボス「マテリアキーパー」を崖上から落とすためチュートリアル的に使用したのだが、実際のバトルではこの連携アビリティの使用をバトルに組み込んでいくことで、バトルを有利に進めることができる。

余談だが、この連携アビリティには固有のカットインが入るようなのだが、このカットインが、凄まじくかっこいい。特にクラウドとセフィロスの連携アビリティでは、クラウドの真剣な眼差しと、セフィロスの余裕めいた微笑が非常に美しい。ぜひプレイ動画のほうでも注目して見てほしいポイントだ。

さて、ここまでバトルの話が中心になってしまったが、5年前のニブルヘイムでのクラウドについて迫りたい。原作準拠であれば、この5年前のクラウドについては重大な秘密があるのだが、その“秘密”が実に素晴らしく声の演技で表現されているのだ。

恐らく秘密を知っている人ほど、声の演技で「おぉ……」という感嘆の声を漏らすことだろう。かくいう私も「これは〇〇〇〇だー!」と、思わず声を上げてしまった。プレイ動画でも、その片鱗を感じ取ってもらえることだろう。

原作(や、原作にまつわる関連作品)を知らない人は、ここで「声の演技から覚える違和感」を、どうか大事にしてもらいたいと思う。「FFVII リメイク」シリーズのストーリーが今後どう展開していくのか、どこがどう原作から変化するのか、その変化が何をもたらすのかはまだわからないものの、その違和感はきっとこの先プレイヤーの心情に、大きなものをもたらすだろう。

なお、マップは「FFVII リメイク」と同様、リニア式。だが、その装いは我々の知っているニブル山とは随分と異なる。原作にはなかった「魔晄ガスを吸い取るミニゲーム」なども存在し、随所で「FFVII リバース」ならではのニブル山を楽しむことができた。

ニブル山のマップのBGMは新調されているが、ボスバトルは「闘う者達」のアレンジBGMとなっており、相変わらず楽曲のクオリティは非常に高い。ボスのHPを一定まで削るとフェーズが変わり、それに伴い楽曲も変化していくインタラクティブミュージックも素晴らしい出来栄え。ぜひ新曲もアレンジ曲も、楽しみにしていてほしい。

ジュノンエリアは、リニアながらオープンワールドのような探索要素も

次の試遊では、ジュノンエリアからスタートし、アンダージュノンを目指すという部分までをプレイすることができた。物語としてはミスリルマイン洞窟を抜け、神羅軍からの逃走を続けているあたりで、試遊の最初から山チョコボに乗れるようになっていた。山チョコボは言うまでもなく、山を乗り越えられるチョコボのことだ。

このマップでは、クラウド、ティファ、エアリス、バレット、そしてプレイアブルキャラクターとして初めてレッドXIIIを使用することが可能となった。ちなみに、諸事情によりバレットの声優は船木まひとさんに変更になっているとのこと。このため、バレットの演技には少々注目して見ていたのだが、感情表現が素直な様や、バレットらしい野太い声は、ほぼ前作のバレットそのまま。我々が思い描く、忠実な“バレット”だ。なので、その点はどうか安心して、ゲームを楽しんでほしい。

まずは気になるワールドマップだが、リニア式でありながらオープンワールドのような探索要素が満載。ワールドマップの各所に強大なモンスターが待ち受ける「討伐拠点」があり、討伐拠点を制するとそこがファストトラベル先として選択できるようになる。「ファストトラベルができる」というところが原作とは大きく異なり、またほぼ一本道だった「FFVII リメイク」からも変わったところだ。

チョコボに騎乗中はR2ボタンかL3ボタンでダッシュ、ダッシュ中にもう一度R2 or L3ボタンで猛ダッシュができるようになり、猛ダッシュ中はかなりの速度で移動ができるので、ストレスなく広大なワールドマップを探索することができる。

また、「チョコボでお宝探し」というミニゲーム要素もあり、チョコボの頭に「?」マークが浮かんでいる時に「ニオイをかぐ」を使ってお宝の匂いを辿れば、様々なお宝を見つけることができる。

お宝は、「?」マークが浮かぶのが目印だ。

今回乗れたのは山チョコボだったが、浅瀬程度ならば水の中を泳ぐこともできる。ただし当然ながら、深い海には入れない。水の中を通った先に貴重なアイテムが落ちていることもあるので、探索は怠れない。

さらに、フィールドでは色々な「クラフト素材」を入手することが可能で、メインメニュー「アイテムクラフト」からアイテムや防具、アクセサリなどを作成可能となった。

今回の試遊の流れではポーションの素材をゲットできたので、ポーションを作成。アイテムクラフト欄では作成するアイテムのビジュアルを見ることができるのだが、ポーションは2007年に発売された7万7777セットの数量限定特別パッケージ版「FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY POTION」ボックスに付属していたあのポーションと同じデザインで、非常に懐かしい気持ちになった。

ポーションといえばこの形!

他にもハイポーションやフェニックスの薬、外のベンチで休む時に必要なざぶとん(詳細は後述)などがアイテムクラフトで作れたのだが、様々なアイテムのビジュアルが見れるという点で、ロア好きには大変楽しめた。今後更に多様なアイテムがクラフト画面から見れるようになっていくのかと思うと、ワクワクする。

スタート時の説明文から察するに、今回の試遊はミスリルマインを抜けてすぐのところだと想定される地点からのスタートだったが、その近くにチョコボファームがある。この構成も原作と異なるところで、原作ではチョコボファームを出た後にミスリルマインへ向かう順番だったが、今作ではミスリルマインの後にチョコボファームがくるようだ。

また、チョコボファームを経てアンダージュノンへと入ったが、道中にコンドルフォートらしき場所もなかったため、その辺りもアレンジが加えられている可能性が高い。なお、チョコボファームではチョコボの装甲を変更したりすることが可能。装甲のカラーリングもかなり自由に変えられるので、自分好みの装甲にしてみてほしい。

もちろんワールドマップ上には、敵があちこちに配置されており、戦うにはチョコボから降りる必要があるが、逆に言うとチョコボに乗ったままスルーすることも可能そうだ。バトルの基本はワールドマップだろうとこれまでと全く変わらないので、ここまで培ってきたものを存分に発揮していきたい。

ただひとつ、バトルで大きく違うのは、バトルパーティが選べること。今回の試遊版では、パーティ1がクラウド、ティファ、エアリス、パーティ2がクラウド、エアリス、レッドXIII、パーティ3がクラウド、バレット、レッドXIIIとなっていた。バトルパーティは製品版では自由な編成が可能だ。バトルパーティはバトル中以外であればいつでも変更可能で、×ボタンでコマンドメニューを開いたあとにR1やL1で簡単に切り替えることもできる。

強敵が待ち受ける討伐拠点でも、特にマップの切り替えは発生せず、シームレスにバトルに突入する。しかし、討伐拠点の敵は格段に強い。さらに討伐拠点の敵には「敵をヒート状態にする」「敵をバーストさせる」「制限時間内にすべての敵を討伐する」といったバトルレポートの目標が決められており、達成できなくても倒すことさえできればファストトラベル先として選べるようになるのだが、バトルレポートが不完全になってしまう。バトルレポートの報酬を狙いたい場合はリトライすることが可能なので、もう一度その場でやり直す、あるいはレベルを上げてくるなど、様々な攻略が考えられるだろう。

レッドXIIIの手触りも確認したが、レッドXIIIは牙や攻撃で戦う近接型キャラクター。また、□ボタン長押しで範囲攻撃を出すことができるので、数が多い雑魚戦などに向いていそうな印象を受けた。

ガードに成功するとリベンジゲージがたまり、ゲージを消費してリベンジモードに変化すると、攻撃が強力になり、素早い回避が可能になる。ガードが苦手な筆者には少々使いにくいテクニカルなキャラクターだったが、アクション上級者は使っていて楽しいキャラクターとなるだろう。

なおパーティの組み合わせによって、様々な連携アビリティが使用できる。ぜひ色んなパーティで色んな組み合わせを試してみてほしい。

ワールドマップを進んでいると、時折はぐれチョコボが現れる。はぐれチョコボが案内する先には、「チョコボストップ」と呼ばれるバス停のような看板が倒れているので、まずはそれを修理してやると(△ボタンを長押しするだけで良い)、ファストトラベル先として追加されてゆく。そのため、このはぐれチョコボをひとつの探索の目安にするのも良いだろう。

ちなみに修理が完了すると、はぐれチョコボを撫でることができる。それ以外特に何もないのだが、とても可愛らしいのでぜひ撫でまくってあげてほしい。

チョコボストップにはHP/MPを回復するベンチがあるのだが、屋外のベンチで休む場合、「ざぶとん」という前述の消費アイテムが必要になる。このざぶとんは使い捨てで、1回休むごとに1枚必要になる。

これも激しい余談だが、折り畳み式のざぶとんをさっと手際よくベンチに敷き、そこで休むクラウドの姿は一見の価値ありだ。実は綺麗好きなのかしらという、意外なクラウドの一面を知ることもできる。

ワールドマップにはマーカーを設置することができるので、目的地までの道も迷いにくい。

アンダージュノンでは、ユフィが登場!

メインストーリーの目的地アンダージュノンへと入ると、イベントが始まる。賞金首になっている、アバランチの面々。エアリスにも高額な賞金がかけられていた。

「FFVII リメイク」ほど旅の間ずっと喋っているという印象ではなかったが、要所要所ではしっかりと掛け合いが発生。アンダージュノンに入ってすぐのところでバレットが呟いた「神羅のしわ寄せは全部、下にくるんだ」という台詞が、ヤケに印象的だった。

アンダージュノンといえばプリシラとイルカのイベントを覚えている人も多いだろうと思うが、プリシラとイルカのイベントは随分と変更がされていた。そしてここで、ユフィが登場。ボートに乗っているうちに漂流してしまい、ボス敵の「ボトムスウェル」に絡まれているユフィを助けるべく、一行はボトムスウェルと戦うこととなる。

宙を飛ぶボトムスウェルといえば、近接攻撃が効かず「えんきょりこうげき」のマテリアが必須とも言えたが、一応今作では近接攻撃がまったく効かないことはない。クラウドなどでも普通にダメージを入れることが可能だが、ボスが宙に浮いているのと素早い動きとに翻弄されがちで、攻撃を当てるのは若干難易度が高めに感じられた。

原作では、アンダージュノン手前でユフィを仲間にできていた場合、バレットとユフィが活躍したボスだが、今回はユフィを仲間に加えてバトルに出ることができない。そのため、バレットやエアリスなどの遠距離攻撃可能な仲間でパーティを組むと攻略しやすそうに感じられた。

今回はクラウド、バレット、レッドXIIIのパーティで戦うことに。

原作のバトルにも登場した、味方ひとりの行動を封じてしまう「水球」は、本作でも健在。原作では魔法で破壊したが、今作では一応通常攻撃などでもダメージは通るようになっていた。しかし魔法のほうが破壊しやすそうなのは確かなので、ショートカットに魔法を入れておくとプレイしやすそうだ。

ボトムスウェルはフィールドの下部から水流を巻き上げるような攻撃をしてきて、これに巻き込まれると大ダメージを負ってしまうのだが、逃げようとしても、吸引力の凄まじい水流に、吸い込まれそうになる。巻き込まれないためには、必死に距離を取るしかなさそうだ。

水球が上手く壊せなかったり、連携アビリティをスカったりと、散々な戦いではあったものの、それでもなんとかボトムスウェルを倒すことに成功。

思い返せば「FFVII リメイク」のファーストインプレッションで最初にアプス戦を試遊した時などは、数回全滅し、そして結局勝てなかったという苦い思い出があった。

今回も試遊のために多少難易度は調整されている可能性があるとは聞いているものの、一応難易度Normalで一度も全滅せずにふたつの体験版を終わらせることができたことを思えば、自分の腕前も(「FFVII リメイク」を経ているのだから当然ではあるのだが)多少は上がっているのではないだろうか。

今回の試遊範囲を振り返って

あまりに盛りだくさんな内容だったため、かなり駆け足での紹介となってしまったが、今回の試遊でも、原作と同じ展開から原作からアレンジされている部分まで、実に多様な展開を見せてもらい、非常に満足できる内容だった。強いて言うならば、もう少し探索する時間がほしかった、というくらいにあっという間の時間だったので(それでも1時間以上、プレイさせてもらっているのだが)、5年前のニブルヘイムとジュノンエリアだけで、あと2時間は楽しく遊べる自信がある、という内容だった。

レッドXIIIもチョコボに乗っているのだが、その乗り方にはぜひ注目してほしい。

「FFVII リバース」は「FFVII リメイク」を正統進化させた作品で、元々盛りだくさんだった内容がさらにパワーアップしているのが感じられた。また、ワールドマップの搭載により、リニア式でありながら一本道感がなくなり、非常に楽しく遊ぶことができた。チョコボでお宝探しをしたり、討伐拠点を制覇したり、バトル苦手派からバトル大好き派までが様々な遊び方をできるような工夫がされている。

今回は5年前のニブルヘイム以外は主に探索がメインの試遊だったため、各キャラクターのキャラクター性などについてはそこまでわからなかったのだが、5年前のニブルヘイムについては前述の通り、とにかくクラウドが「すごい」のひとことである。

もちろん、まだ狂う前のセフィロスの演技も非常に素晴らしく、英雄の名に相応しい落ち着きと余裕のある演技を見せている。しかしクラウドに関しては、(少なくとも5年前のニブルヘイムのシーンにおいては)完全にそれを上回ったと感じられた。

セフィロスが、バトル中、クラウドに「子犬か」という台詞を言うシーンがあるのだが、まさにこの「子犬か」という台詞があまりにハマッてしまう、非常に可愛らしいクラウド(ちなみにこの「子犬」にも意味はあるのだが……ネタバレになるのでわかる人だけわかる程度でいいだろう)。

「ああ、声が入るとこういう見せ方があるのか……」としみじみ感じ入ってしまう、5年前のニブルヘイム。蘇る原作でのシーンと、「FFVII リバース」ならではの新たな展開が織り交ざった内容には、心底震えが走った。

キャラクターについては、他はアンダージュノンで少しイベントがあったきりだったが、ユフィが最高に可愛かったことについては強調しておきたい(筆者は原作ユフィ派である)。あとテンガロンハット姿のティファも、とても可愛い。

本作ではついにミッドガルの外が描かれるのだが、緻密で繊細だったミッドガルの街並みに比べて、今回は岩肌と荒野が目立った。生憎試遊に取れる時間があまりなく、そこまで詳細な探索ができなかったのが残念だが、少なくともミッドガルとは全く違った風景がプレイヤーを出迎えるのは間違いない。グラフィックの素晴らしさは言うまでもなく、むしろハードがPS5になったことでより高密度なグラフィックになったように感じられた。

なお、動画でも少し感じられると思うが、BGMの使い方にも「FFVII リメイク」より若干変化があるように感じられた。「FFVII リメイク」では「これでもか!」というくらい原作の音楽が目立つようにアレンジされ、BGMがゲームの前面に押し出されていることが多かったのだが、本作ではもう少し映画の劇判的な環境音にも近いようなアレンジがされていた。

特にそれを感じたのはワールドマップのBGMだ。チョコボに乗っているからといって、「チョコボのテーマ」がかき鳴らされることはない。もっと写実的なシーンに合うBGMを意識しているように感じられた。

「FFVII リメイク」では、ボスバトル曲も「闘う者達」と「更に闘う者達」のアレンジが多く使われていたのに対し、今回ニブル山で戦ったマテリアキーパー戦は「闘う者達」のアレンジだったものの、ボトムスウェル戦ではオリジナルのボス曲へと変わっていた。

このようにBGMの使い方に変化が訪れているように感じられ、今後製品版でどのようなBGMになっていくのか、非常に期待がもてる内容であった。

そしてプレイ時間は、前作よりも大分ボリューミーになるのではないかという予感がした。本作はPS5でディスク2枚組にて発売されることが決定しているが、つまりストーリーもディスク2枚分のボリュームがあるのだろうか……?

「FFVII リメイク」でも、原作5~10時間ほどで終わる内容を30時間以上のプレイ時間に膨らませてきたが、「FFVII リバース」の中心となるミッドガルを出てからの物語は非常に壮大で、原作にして何十時間分ものボリュームがある。

三部作である以上、本作だけでこれから先の全ての物語が描かれるわけではないのだが、「FFVII リメイク」での緻密な物語の描かれ具合からして、「FFVII リバース」でも「こ、こんなに色んな話が掘り下げられていくの!?」となる気がしてならない。となれば一層、果たして本作がどれだけのボリュームになるのだろうかと楽しみな反面、あまりに膨大な量が襲ってきそうで、嬉しい悲鳴が出そうだ。

本作でもきっと、「FFVII リメイク」の時のような細部へのこだわりを、見れば見る程感じられる内容になっているに違いない。今回、その片鱗を見た筆者だが、「この世界は絶対にプレイヤーを裏切らない!」と思えるほど、各所丁寧に作られた世界が映っていた。

もちろん、原作のイメージを損なうことなく、「FFVII リメイク」シリーズの2作目として相応しい“リメイク”がされていることだろう。ぜひ新たに公開されたPVと共に、楽しみにしていてほしい。

プレイ動画

※画面は開発中のものです。

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