千葉・幕張メッセにて9月21日~24日にかけて開催の「東京ゲームショウ2023」。カプコンブースに試遊出展されている「ドラゴンズドグマ 2」のプレイレポートと、開発者インタビューをお届けする。

2012年に1作目が発売されて以来、ファン待望のナンバリングタイトルとなる「ドラゴンズドグマ 2」。長い充電期間があっただけに、どんな続編となっているのか、想像が付かない人が多いのではないだろうか? 筆者もそのひとりであり、どちらかと言えば不安も大きかったのだが、取材を終えたいま、本作への期待はとても大きく膨らんできている。

記事前半はプレイレポート、後半は本作のディレクターを務める伊津野英昭氏、プロデューサーを務める平林良章氏、2名へのインタビューとなっているので、筆者の期待が膨らんだ理由を感じていただけたら幸いだ。

また、9月21日に配信された「TGS2023 CAPCOM ONLINE PROGRAM」でも、覚者専用のジョブである魔剣士やマジックアーチャー、新たに登場する獣人の国“バタル”の詳細など、初解禁となる要素の紹介が行われている。あわせてチェックしてほしい。

“「ドラゴンズドグマ」の続編”であることを最大限に活かした無性に楽しいゲームプレイ

今回の試遊では、序盤でのレベル5のアーチャー、レベル15のファイター、同じくレベル15のシーフと、異なるジョブ、異なるシチュエーションの3つのセーブデータによるプレイが体験できた。筆者はまずアーチャー、その後、ファイターのデータでプレイすることに。

アーチャーでのプレイは、メインクエストと思われる目的地の街へと向かうところから始まった。まず驚いたのは、覚者(=プレイヤー)の従者であるメインポーンのライオンのような顔をした獣人が、プレイヤーに先行して駆け出し、目的地へと道案内してくれたことだ。

一方で、こちらが素材を採取するために立ち止まったり、気まぐれで目的地とは別方向の道に進んでみたりすると、いつの間にか引き返してきて、こちらに歩調を合わせてくれる。改めて目的地のほうを目指すと、ふたたび率先して走り出した。まるでプレイヤーの思考を先回りするように行動した上で、決してそれを押し付けてくる印象はない。この点だけでも、ほかのゲームでは味わったことのない、奇妙かつ興味深い体験だと感じられた。

移動している間は、クエストの進行状況やちょっとした世間話など、ほかのふたりのサポートポーンも交えて「覚者様! 覚者様」と、とにかく喋り掛けてくれる。筆者はシリーズに初めて日本語ボイスが導入された「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」をプレイしていないので日本語での会話自体が新鮮だったが、それにしたって過去のシリーズでは、パーティー間でここまで賑やかでバリエーション豊かな会話は行われていなかったはずだ。

道中ではゴブリンやハーピーなどのクリーチャーもたびたび出現。戦闘でも、ポーンたちは率先して行動してくれた。ジョブがファイターのポーンは真っ先に敵へと切り込んでくれるし、メイジのポーンはこちらが攻撃しようとすれば武器に火属性を付与して威力を強化してくれて、残りHPが危うくなったら声掛けをしつつ回復してくれる。十字キーでポーンへの簡単な指示は出せるのだが、指示を出さずともこの積極性だ。それでいて、プレイヤーの活躍の機会が奪われると感じるわけでもない辺りが絶妙なバランス。

アーチャーの場合、弱攻撃、強攻撃は自動で敵を狙って射止めることができ、ジョブ固有アクション“構え射ち”では、TPSのように狙いを定めての一撃が放てる。この構え射ちは、プレイの終盤で大型のクリーチャー“サイクロプス”が出現したとき、弱点と思われる目玉や顔面を狙うために大いに役立ってくれた。混戦時には扇状に矢を放つ、連続で矢を放つといった性能がある“カスタムスキル”の活用が有効だった。

サイクロプスとはファイターでのプレイ時にも出会った。ファイターでは、隙を突いて身体にしがみつきながらの攻撃が有効だった。ただし、足元に近づくと頭上からのさまざまな攻撃に襲われる羽目になるので、こちらの有効打も増える一方で、反撃を食らう危険性もアーチャーより大きく、スリリングな戦いが楽しめた。

いずれも戦闘時の操作性は、キビキビと軽快だった前作と比較すると重みを感じる印象。しかしそれは「もっさりしている」といったネガティブな感じではなく、武器の重量と、それを敵にヒットさせる手応えが、コントローラーを通して伝わってくるようなリアリティと爽快感を生み出している。

思うに、グラフィック表現が緻密になり、ファンタジー世界への没入感が増した「ドラゴンズドグマ 2」において、人物の動きが“軽い”と浮いてしまっていただろう。実際にプレイしてみれば、多くのプレイヤーが、進化の方向性としてこれが正しいと感じられるはずだ。

今回はプレイ時間が限られていたこともあって、ポーンと戦闘の基本となるアクションを重点的に紹介したが、それ以外の要素についても「ドラゴンズドグマ 2」のおもしろさの一端を味わうことができた。

たとえば戦闘における環境利用。川の流れをせき止めているモノを破壊することで、勢いよく溢れた水流によって敵に大ダメージを与えられるといったギミックがあるのだが、筆者はギミックであることに気付かず、敵もろとも攻撃したため、自分もいっしょに流されてお互いが深手を負うというコントみたいな状況になってしまった。

また、ファイターでのプレイ中には刺激を与えると爆発する樽のようなものを直接攻撃してしまい、ここでも敵といっしょに致命傷を受けた。あとから考えると“掴み”で持ってから敵めがけて投げ付けるべきだったのだろう。アーチャーでのプレイなら、弓で遠くから射ることもできたはずだ。

洞窟は複雑な構造をしている上、非常に薄暗く、明かりを灯しながら進むのがセオリーになる模様。あいにくランタンなどを持っていなかった筆者は、うっすら見える地形を頼りに進み、なんとか宝箱を手に入れることができた。洞窟の中ではゴブリンしか出現しなかったのでなんとか対処できたものの、もっと強力なクリーチャーが出てきたら力尽きていたかもしれない。製品版ではしっかり準備した上で臨もうと思った。

ポーンたちとの交流やほかのプレイヤーとの貸し借り、高度な戦い方が可能な上位ジョブ、クエストの仕様などについても、試してみたいことはまだまだある。今回のプレイで行けたのは人間の国である“ヴェルムント”で、雰囲気も前作とあまり変わらないものだったので、新たに登場する獣人の国“バタル”がどんな場所なのかも、早く知りたいところ。

この10年でオープンワールドのゲームは多様な進化を遂げている。前作と代わり映えのない要素を前面に押し出す「ドラゴンズドグマ 2」が楽しめるかどうか、プレイしてみるまでは不安があったというのが正直なところだ。

しかし、実際にプレイしてみると、ほかのタイトルに追従するのではなく、元々持ち合わせていた魅力をさらに引き上げる方向に注力したからこそ味わえたであろう魅力が、数多く存在していた。賑やかなポーンたちと共に旅する楽しさや、進化を遂げた戦闘アクションの手応えに魅了されながら、気付けば夢中でこのファンタジー世界に身を委ねている自分がいた。

そして、このように感じられた理由の中には、ここまでに言語化してきた要素以外の「なぜか無性に楽しい」と思わされる“何か”が存在していたことも、お伝えしておきたい。この“何か”の一部分は、この先のインタビューによって明らかになることと思う。引き続き読み進めていただけたら嬉しい。

ディレクター 伊津野英昭氏、プロデューサー 平林良章氏 インタビュー

平林良章氏(写真左)、伊津野英昭氏(写真右)

“ポーン”のコンセプトは「親の顔が見たい」。「2」では親の顔見たさアップ

――「ドラゴンズドグマ 2」は時代設定として、前作「ドラゴンズドグマ」の未来が舞台なのでしょうか? だとすれば、新たに獣人の国が登場するというのは、数年後ではなく数百年単位の遠い未来ですか?

伊津野:前提として「ドラゴンズドグマ」シリーズは共通して、プレイヤーごとに“無限の並行世界”があるという設定です。それぞれの世界に覚者がいて、ポーンだけが別々の世界を自由に行き来できます。

レッドドラゴンに心臓を奪われて、これを取り返しに行くという物語もまた、「ドラゴンズドグマ」と「ドラゴンズドグマ 2」で共通していながら、それぞれが別の並行世界での出来事なんです。

――では前作の冒険を経た同じ世界に獣人が現れた、といった歴史があるわけではなく、「ドラゴンズドグマ」、「ドラゴンズドグマ 2」それぞれが独立した並行世界であると?

伊津野:さぁ、どうでしょうね?(笑)

――おぉっ。

平林:前作と共通した時系列上での「未来や過去」という話ではないことは確かです。そのため、リリースなどの資料では「(前作と)同じ世界」ではなく、「同じ世界観」と表現しています。

――なるほど、大枠の設定はよくわかりました。「ドラゴンズドグマ 2」を開発する上で、前作からとくにパワーアップさせようとした点は、どういったところになりますか?

伊津野:まず、前作「ドラゴンズドグマ」の時点で、技術的、もしくは制作期間的に、やりたかったけど実現できなかったことが大量にありました。その中で、新たにできそうになったことが「ドバドバドバッ!」と入っています。獣人が登場することや、複数の国があることもそれらのうちのひとつです。

――試遊してみて、前作の要素が意外なほどそのまま継承されていて、その上であらゆる面をパワーアップさせる、まさに正当進化を遂げていることに驚きました。こういった方向での続編となったことに大きな理由などありますか?

伊津野:本作の開発に入る前に、「ドラゴンズドグマのどんなところが楽しかったですか?」というアンケートを、世界中のさまざまな地域のプレイヤーを対象に実施したんです。その上で、前作で大事にしていたところはしっかり受け入れてもらえていたんだなと再認識できたので、そこをグッとパワーアップさせる方針で開発を進められました。

――その好評だった要素とは?

伊津野:やはり大きかったのは「ドラゴンズドグマ」を特徴付ける要素である“ポーン”です。「ひとりプレイなんだけど、世界中のプレイヤーと冒険を共有できる」、この体験をよりよくする方法を模索しました。

前作の時点で、ポーンのコンセプトは「親の顔が見たい」でした。それぞれのポーンを通して、そのポーンを作ったほかの覚者(=プレイヤー)を感じてもらいたかったんです。そのために「ドラゴンズドグマ 2」では、よりポーンごとの差別化が行われるように、リソースを割きました。

性格や喋り口調が違う、同じシチュエーションでも何を優先するかはポーンによって変わってくる。まだ発表していない部分でもいろいろと“ポーンの差別化“のための要素を取り入れています。それらを表現するために、収録されているボイスの物量も、ケタ違いに多いです(笑)。ポーン同士のやりとりもたくさん用意しています。

――試遊では、ポーンたちの道中や戦闘中の賑やかな会話や、積極的に補助魔法でサポートしてくれることなどが印象に残りました。

伊津野:そういった積極性も、性格によって変わってくるかもしれません。

平林:試遊のバージョンでは、ある意味プレイヤーに手厚く“おもてなし”をしてくれる性格のポーンが揃っています(笑)。

伊津野:メインポーンを作るときに、ベースとなる性格を決めて、そこに冒険による新たな体験を通して変化が加わるようなイメージですね。ほかに、未発表の要素の中にもポーンの個性が際立つものが存在します。

――ポーンに「Go(行け)」「Wait(待て)」といった指示が出せますが、こういった指示の頻度などでも性格は変わっていくのですか? 「Go」が多いと好戦的になるとか。

伊津野:ポーンへの指示は影響しないですね。思う存分、そのときしてほしいことをお願いして大丈夫です。

平林:あくまで「覚者といっしょにどんな旅をしているか?」という部分で知識などが蓄えられていくイメージになっています。

伊津野:ほかのプレイヤーに貸し出した先で得た経験も影響します。よりたくさんのプレイヤーに借りてもらったほうが、多くの経験が得られて冒険に役立ててくれるはずです。

――貸し出したプレイヤーの影響を大きく受けすぎた結果、性格が様変わりして、戻ってきたときに「こんなポーン、自分は知らない!」みたいになったりはしませんか?

平林:そうなったらショックですよね(苦笑)。そんなふうにはならないはずです。

伊津野:違う服を着て帰ってくることはあるので「こういう服は自分の趣味じゃないな」みたいに思うことはあるかもしれません(笑)。そのままの服でプレイするのか、元の服に戻すのかは選択できるので、そこはご安心ください。

「平地を進むか? 山道を進むか?」にも現実と同じ葛藤が生まれる“実在感”の追求

平林:もうひとつ、アンケートの結果を反映して力を入れた部分として、作品世界をよりリアリスティックなものにすることも追求しています。それはビジュアル面だけではなくて、ゲームプレイを通して体感していただける部分も含めたものです。

伊津野:物理演算をはじめとしたツールの応用で、坂道ひとつ取ってもゲームプレイの上で意味のあるものになっています。戦闘では高所のほうが有利になっている。けれど、高いところに登るには平地を進むよりもコストが掛かる。モノを投げる場合も、上から下に放り投げたほうが痛い。坂道を上から下に走ると速度が付く。

これらはすべて、ファンタジー世界をシミュレートするために取り入れられているものです。「ファンタジー世界生活シミュレーションゲーム」を作ろうとしていると思っていただければと思います。

――戦闘時の立ち回りとして、坂道では上を取ったほうが攻撃力なども上がるのでしょうか?

伊津野:その通りです。あとは坂道全般に言えることとして、バランスを崩しやすくなりますね。これを利用して、足元などの末端部分を狙って攻撃するのが相手を転ばせるのに有効になったりします。普段、この世界で生活しているときに体感している法則が、そのままファンタジー世界でも活用できるように、いろいろな要素を組み込んでいるんです。

平林:その世界に入り込んでいただくためのこだわりですよね。

――確かにプレイしていて、傾斜のある坂を上っているときや、その途中で上のほうから迫ってきたゴブリンと戦っているとき、操作キャラクターが感じているしんどさが、コントローラーを通して伝わってくるような手応えがありました。

伊津野:「最短距離で山道を選ぶのか、それとも回り道をして平地を進むのか?」といった判断に、ゲームでは無視しがちだった現実的な法則性への考慮が加わるようになっています。

平林:平地を進むのと坂道を行くのとでは、移動の感覚が違う。坂道では上から攻撃したほうが、下から攻撃するよりも有利になる。そこに違いがなければ「有利な状況を作るために頑張ろう」と感じてもらうこともできません。プレイヤーの皆さんが能動的にさまざまな判断を下したくなって、その結果が納得いくものになるよう、必要なものを積み重ねてきました。

――リアルと言えば、持ち物の重量制限は前作からあったものでしたが、今回、プレイ中にオーバーして、捨てられるものがないか確認したらキャンプ用のセットがすごく重くて……。

伊津野:あれはねぇ、重いんですよ(笑)。日暮までに街に帰ると決めているのであれば、持っていく必要はないわけです。

――やはり「夜は危険だから」という理由で、日が暮れたら安全に夜を明かせるという点で重要なアイテムなのでしょうか?

伊津野:それもありますが、キャラクターの体力には“ロスゲージ”というものがあって、そこはアイテムでは回復しないんです。宿屋などに寝泊まりしないと完全回復はできません。キャンプをすればそこも回復するので、そういう意味でも数日にわたる長旅をするならば、キャンプできたほうが安全ですね。

――そこもすごく、現実に近い感覚が味わえそうですね……!

平林:「旅は計画的に」というのも、ゲームプレイを通して実感していただけると思います。

NPCから積極的に話しかけてくるのが「このゲームでは普通」。でも応じるかはすべてプレイヤーの自由

伊津野:AIに関する話に戻りますが、ポーンだけでなくNPCの行動も前作とは大きく変わっています。今回プレイしていただいた範囲だとそこまで頻繁ではなかったと思うのですが、活気のある街などに行くと、「いいところに居た!」みたいな感じで、プレイヤーのほうから話しかけるだけではなく、そこで暮らしているキャラクターたちのほうからも、積極的に声を掛けられるんです。

――確かにプレイ中、NPCの側から声を掛けられて、それが切っ掛けでサブクエストが発生したことがありました。

平林:プレイヤーがなんでも能動的に動くことでイベントを起こすというのではなくて「プレイヤーに用事があるキャラクター」に近づくと、そのキャラクターの側から話しかけてくる、というのがゲームの流れの根幹にあるのは、前作と明確に違う部分だと思います。

伊津野:「そのへんに居る人、全員にこちらから話しかけないとストーリーが進まない」みたいなことはなくて、用事がある人は向こうから話しかけてきます。プレイヤーもまた、用事がなければ無理に話しかける必要はありません。

平林:現実でも、実際にそうですよね?

伊津野:「普通の世界を普通に作る」ために取り入れたかった要素が、ようやく実現できました。

――ここ10年の、AI技術の発展によって。

伊津野:そうです、そうです。

平林:ストーリーが進む過程って、「こういう手順を踏めば必ずイベントが発生します」みたいにゲームらしいルールを定めたほうが、分かりやすいものにはなると思います。けれど、ゲームがさらに先に進んで、僕たちが生活している現実世界に近づこうとすると、ゲームらしいルールは少しずつ取り払われていくはずなんです。「ドラゴンズドグマ 2」では、そういった部分に挑戦しています。

――ほかのゲームでもNPCから話しかけられてはじまるイベントもありますが「ちょっと特殊なイベントがはじまったんだな」といった、良くも悪くも引っ掛かりを覚えるものだったように思います。「ドラゴンズドグマ 2」の場合、いろいろな局面でNPCから能動的に声を掛けられるので「このゲームではこれが自然なことなんだな」と、すんなり受け入れられた気がします。

平林:そう感じていただけたならよかったです。

伊津野:頼みごとをされたとき、引き受けたかったら引き受ければいいし、断りたかったら断ればいい。そこはプレイヤーの自由です。やりたいことだけやっていった結果、プレイヤーごとに異なる体験が生まれていくというのが目指しているゲームプレイです。

平林:“冒険のしがい”というのはすごく大事にしています。“おもてなし”が連続してしまうと、そこに冒険はないと思うんです。「ドラゴンズドグマ 2」が提供したいのはツアーパックではなく冒険である、と。

オープンワールド仕様になり、完成形に近づいた“RE ENGINE”

――「ドラゴンズドグマ 2」には自社開発のゲームエンジンである“RE ENGINE(アールイーエンジン)”が使用されていると伺っています。このゲームエンジンが「バイオハザード7 レジデント イービル」で初採用されて以降、カプコンのあらゆるゲームのクオリティがそれ以前よりもさらに向上したようにひとりのプレイヤーとして感じているのですが、本作の開発においてRE ENGINEはどのように用いられたのでしょう?

伊津野:RE ENGINEは、「バイオハザード7 レジデント イービル」で「リアルな世界を効率よく作る」というエンジンの基礎ができて、この点はのちのシリーズでも進化しています。「デビル メイ クライ 5」では、派手なアクションやエフェクトなど、非現実的な表現の幅が大きく広がりました。

「ドラゴンズドグマ 2」の開発ではそれらを活かしつつも、オープンワールドのゲームを開発するための、広大なマップを効率よく作成したり、キャラクターメイクしたりするための機能といったものが、大量に追加されています。

RE ENGINEに元からある機能で「ドラゴンズドグマ 2」が作れた、ということではなく、エンジンを“さらなる完成形”に近づけるために、本作の開発でもいろいろな部分を進化させていますね。

――広大なマップを作るための機能について、詳しくお聞きしてもいいでしょうか?

伊津野:例を挙げると地形生成などは、各種設定を行ってマウスでなぞれば自然な街道や山ができて、そこを塗りつぶしていくことで木が生えていくとか。そうしたツールは自前で用意しました。あとは海や空、天候なども含めた自然の表現もより幅広いものが描けるようになっています。

平林:「ドラゴンズドグマ 2」では時間や天候がリアルタイムで変化していくので、こうした表現を可能にしたのもオープンワールドならではですね。

――天候の変化は、ゲームプレイへの影響もあるのでしょうか?

伊津野:そこそこです。アクションの有利不利が大きく変わるほどではないですね。ごく一部、大きく変わるところもあると言えばあるのですが。

平林:なんでもかんでも大きな影響が生じると、ゲームプレイもがんじがらめになってしまいます。「ゲームではないもの」にしたい訳ではなく、「ゲームとしての楽しさ」を高めるために実在感のある世界を作る、という順序なので、そこは逆転しないように気を付けています。

伊津野:雨の影響をリアルに追求すると、ネガティブ要素ばかりになってしまいますから。その辺りはいい感じにしています。

平林:雰囲気を楽しんでいただきつつ……という。

伊津野:いただきつつ、ちょっと気に掛けてみると、利用できるものもなくはないよ、みたいな感じですね。

――なるほど。最後に、オープンワールドのジャンルはこの10年で大きく進化していると思うのですが、その中で「ドラゴンズドグマ 2」だからこそ味わえる楽しさを、改めてご紹介いただければと思います。

伊津野:1作目から掲げている「ファンタジーRPGのすべての要素をアクションで解決する」というテーマにこだわって、「ドラゴンズドグマ 2」も開発しています。謎解きもすべてアクションでやります。それはおそらく「ドラゴンズドグマ」だけだと思うので、ご期待いただければと思います。

平林:私も気持ちは伊津野といっしょなので、伊津野の言葉を我々の総意としていただければと思います。

――本日はありがとうございました。

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※画面は開発中のものです。

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