千葉・幕張メッセにて9月21日~24日にかけて開催の「東京ゲームショウ2023」。3gooより発売予定のPS5版「Welcome to ParadiZe」試遊レポートをお届けする。
目次
本作は、「How to Survive:ゾンビアイランド」シリーズを開発したEKOスタジオの最新作だ。ぱっと見の印象は精神的後継作という感じで、ジャンルも従来の見下ろし型ツインスティックシューターとなっている。最大4人でのマルチプレイが可能など、時代に合わせた進化にも注目だ。
「How to Survive」シリーズは、コバック先生のサバイバル講座を筆頭に、シュールコメディ風のテイストが魅力の作品であった。本作にもその雰囲気はきっちり受け継がれており、フレーバーテキストなどに意匠が感じられる。今回、筆者がゾンビ世界の楽しい生き残り方を体験してきたので、コバック先生に代わりその模様をお届けしていこうと思う。
ゾンビを“プログラミング”してコントロール。緻密な死体実験が生存のカギ
まずは、本作のストーリーを説明しよう。
ゾンビがあふれかえった世紀末で、人類文明が維持されているという「ParadiZe」(パラダイズ)の噂を聞きつけた主人公は、安寧の土地を求めて移住をめざす。しかし、そこにはゾンビが闊歩する崩壊した楽園があった。というのが大まかな流れだ。
でもご安心。このパラダイズではゾンビをコントロールする技術が発展しており、このコントロール装置を付けたゾンビは“ゾンボット”となり、良き友としてプレイヤーを手助けしてくれる。
このゾンボットが本作最大の目玉要素となっており、倒したゾンビに対して専用のアイテムを使うことで、仲間として使役できるのだ。クリティカルヒットで頭を吹き飛ばさない限り、倒したゾンビは基本的に仲間にできるとのこと。
ゾンボットは外見のカスタマイズ、武器の装備といったカスタムが可能。行動パターンも細かく設定でき、戦わせるだけではなくアイテムの収集を任せたり、サドルを付けて騎乗したり、自爆突撃を命令したりと結構なんでもできる。戦闘時と非戦闘時で命令を切り分けられ、個体ごとに細かな設定が可能だ。
「How to Survive」でもあったスキルによる強化は本作にももちろん搭載。レベルアップでもらえるスキルポイントで、プレイヤーのサバイバル能力を強化できる。しかも、本作からはゾンボットにまつわる専用のスキルツリーがあり、こちらを取得していけばゾンボットの足が速くなったり、ゾンボットを蘇生できるようになったりと、便利な機能が解放できるようだ。
キャンプ作りもゾンボットにおまかせ。雑用は全部プログラムで解決
本作では、プレイヤーがこのパラダイズで生き抜くための拠点となるキャンプを作れる。「How to Survive2」から登場した拠点システムに近いものだと思ってもらえればわかりやすいだろう。
本作では、資材を集めて、施設を開放して、襲撃を退けて……といった細かな雑務が、なんとゾンボットにお任せできちゃうそうだ。
開発スタッフの方が作った拠点を見せてもらったのだが、ゾンボットがせっせと働いている様子が見られた。
拠点では戦闘用とは別に、送電塔という施設を基点としてゾンボットが活動し、各送電塔別でゾンボットを管理、プログラミングできるようだ。
見せてもらった中から、いくつか紹介しよう。例えば、周辺から素材を集めて火力発電装置に放り込むプログラムを送電塔に設定すれば、その送電塔から生成されたゾンボットは勝手に木々を集めて勝手に火力発電装置に放り込んでくれる。襲撃に備えて周辺警戒を行うゾンボットなどもいた。
また、「敵を発見したら近くの装置を作動させる」というプログラムを組めば、敵が来たら罠を発動させて一網打尽にする、なんてこともできるらしい。これはかなり遊びがいがありそうだ。
筆者もゾンビと共闘してみた。火炎放射器片手に突撃するゾンボット!
ここまで、「Welcome to ParadiZe」をたっぷり紹介してもらったので、ここからは筆者もゲームをプレイしてみることに。助っ人として参加してくれたスタッフの方と協力プレイを体験してきた。
早速、群がるゾンビを倒してゾンボットにしてみる。大量のゾンビを銃やブーメランで捌いていく感じはまさに「How to Survive」といった感じ。
捕まえたゾンボットの装備は、「How to Survive」シリーズおなじみのパイプガンと、「絵面が派手でオススメ」だという火炎放射器にしてみた。
目的地を目指して進んでいると、味方同様の装置を付けた“敵のゾンボット”と送電塔が。通常のゾンビよりも硬かったり、銃を乱射してきたりとなかなか強敵。送電塔を壊すことで鎮静化できるらしい。
そもそもこの世紀末リゾートで、誰がゾンボットを放し飼いにしているのだ。ほかにもゾンボットを操る人類が残っているのだろうか? この辺りは、今後明らかになっていく部分だろう。
という感じで、なみいるゾンビを世紀末装備で切り抜けたところで試遊は終了。短いながらも、その自由な戦闘を堪能した。
本作は何度も名前を挙げている「How to Survive」の精神的後継作品として、UIや作品のシュールなノリ、ゾンビをなぎ倒す爽快感など面白かったポイントを引き継ぎつつ、ゾンボットという新しい“おもちゃ”でプレイヤーにワクワクを提供してくれている。
戦闘・拠点作りの両方でゾンボットのプログラムの自由度が高く、あれやこれやと試しているうちに時間が過ぎてしまうような作品だろう。「ディアブロ」シリーズのようなハック&スラッシュの要素もあるそうで、ハイクラスの素材からハイクラスの武器が作れるとのことだ。これは時間泥棒の香りがする。
如何にしてゾンビの楽園が築かれたか、ゾンボット技術を作り出したのは誰かなど、まだまだ謎の多い本作。「How to Survive」シリーズの大ファンだった筆者は、発売後絶対に購入して遊ぶことを決意した。ここまで読んでくれたみんなも、今後の続報から目を離さないようにしよう。