ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2月8日に発売したPS5/PC用ソフト「HELLDIVERS 2」のレビューをお届けする。

目次
  1. 協力プレイの醍醐味を倍増させる! フレンドリーファイヤーの存在が面白い
  2. コマンド入力がスパイスに。戦闘の緊張感を一層高める!
  3. キャラクターの成長でカスタムの幅が生まれる。そこから生まれる無限の戦い方に注目

「HELLDIVERS 2」は、前作「HELLDIVERS」の続編で、スウェーデンのゲームデベロッパーArrowhead Game Studiosが手がける最新作だ。今回はソニー・インタラクティブエンタテインメントから商品の提供を受けたので、本作のレビューをお届けしたい。

協力プレイの醍醐味を倍増させる! フレンドリーファイヤーの存在が面白い

本作はタイトルの通り、「HELLDIVERS」の続編だ。前作は見下ろし型のツインスティックシューターだったが、今作の進化は要素を追加したり、システムをアップデートしたというレベルではない。というのも、前作は見下ろし型のツインスティックシューターだったところを、一気にサードパーソンシューティング(TPS)へとジャンルを大きく変えたのだ。そのため、ゲーム体験は前作と大きく変化している。

波のように襲ってくる大量の敵に対して、最大4人でチームを組み、激しい戦闘を繰り広げる。そうして、ミッション毎に設定されている「任務」を達成していくのが目的だ。それがゲームプレイの基本的な流れなのだが、「フレンドリーファイヤー」と「コマンド入力」という2つの要素がそこに加わり、ミッションに緊張感と危機を生み出す。そしてその危機をチームメンバーと乗り越えていくのが本作のユニークなゲーム体験であり、魅力でもある。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
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本作が珍しいポイントは「フレンドリーファイヤー」、つまり「誤射」のシステムにある。プレイヤーの銃撃はもちろん、「戦略支援」で呼び出す空からの攻撃支援などもほかのプレイヤーに当たってしまうのだ。もし、味方に当たることを気にせず弾をばらまいたり、攻撃を続けるようなスタイルでプレイしたら、チームはすぐに全滅してしまうだろうし、仲間からひんしゅくを買うことだろう。

味方を攻撃しないために常に緊張感を維持し続け、立ち回りを工夫する必要がある。具体的には、ほかのプレイヤーの射線を見たり、戦闘中に仲間がどちらを向いていて、どこの敵を攻撃しようとしているかを確認したりする。さらには、戦略支援を使うタイミングや、使う場所についても考えなければいけない。そういったことを考えることが楽しいのだ。

また、緊張感だけではなく、戦略的な意味でも位置取りを考える必要があるのも面白い。例えば味方の前の方に出るなら、しゃがんだり伏せたりした方が被弾する可能性は下げられるし、後ろに障害物が来るように立ち回るのもよい。ほかにも、味方の射線と平行になるように自分も立ち回るのも戦いやすい方法の1つだ。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像

そのためには、チームワーク、つまりプレイヤー同士のコミュニケーションが重要になる。理想を言えばボイスチャットをしながら遊ぶのが良いと思う。さらに贅沢を言えば、アクシデントが起きて、誤射したり誤射されたりしても笑い飛ばせるような、そんな仲でプレイするのが1番面白いと思う。

筆者は今回のレビューのためにプレイしていた時ははランダムマッチングが中心だったのだが、それもまた独特な体験があり面白かった。拙い英語でコミュニケーションを取ることも楽しいし、チャットができなくてもピンを立ててマップ上で指示を出せる機能もある。最後は、そのプレイヤーの動きから、察してサポートをするという無言のコミュニケーションもある。言葉が通じなくても、我々は共に戦場で戦う仲間なのだ。

ただ、それだけ気をつけていても誤射が起きてしまうのも事実。だが、そのアクシデントが逆に面白かったりもする。往々にして、ゲームにおけるアクシデントというのは面白いものだ。本作で倒されてしまうとアイテムや武器を落としてしまうというデメリットはある。

だが、一定数のリスポーン数がなくなるまでは、味方によってリスポーンしてもらうことができる(正確には増援として呼んでもらうことができる)ので、それほどペナルティは重くない。「さっきは間違えて撃ってしまい申し訳ない、ちゃんと復活させるから許してほしい」という無言のコミュニケーションが起きたりもする。

本作のゲーム体験は「フレンドリーファイヤー」というシステムがあるからこそ差別化とが図られており、そこが面白いのだ。

コマンド入力がスパイスに。戦闘の緊張感を一層高める!

先ほどの項目では「緊張感」というワードを強調した。その緊張感をさらに高めてくれる要素が「コマンド入力」だ。本作では味方の復活(増援)や、「戦略支援」を使用する際、コマンドを入力をする必要がある。筆者はPC版で、キーボードとマウスでプレイしているのだが、PC版の場合は戦略支援ボタンを押しながら、移動に使うWASDキーで入力するという操作が求められる。

シューターの基本的な遊び方だけでなく、このコマンド入力がゲームプレイのアクセントになるのだ。

敵に気づかれていなかったり、戦闘中でなければ、落ち着いてゆっくりとコマンドを入力できるが、問題は戦闘中だ。敵に攻撃され、なんとか攻撃を避けたいところでコマンドを入力をする。これがなかなか難易度が高いのだ。落ち着いていれば全く戸惑うことのない簡単なコマンドでもミスを連発してしまったりする。

コマンド入力に失敗すると当然焦ってしまうし、焦っている間に敵に倒されてしまうこともある。場合によっては、それをきっかけにチームが全滅してしまうことも起きる。こういったヒリヒリとした状況がまた楽しいのだ。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
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だが、コマンド入力で得られるメリットは大きい。味方を復活させるのもそうだし、空爆で敵を吹き飛ばしたり、自動砲塔で敵をなぎ倒したり……。メリットが大きいからこそ忙しい戦闘中でも使いたくなる。一方で、コマンド入力に戸惑い、逆に足を引っ張られるリスクも隣り合わせだ。その絶妙なバランスが面白い。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
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キャラクターの成長でカスタムの幅が生まれる。そこから生まれる無限の戦い方に注目

プレイしていくと、クレジットや経験値が入手でき、それをを集めていくと、使用できる武器の種類が増えたり、「戦略支援」の種類を増やせる。そうすることで戦い方の幅がさらに広がっていくのだ。空中支援を盛り込むのか、地上で自動で動く自動砲塔を使うのか、その2つの選択肢だけでも戦い方が大きく異なることが伝わるだろう。

ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取れる状況であれば空中支援と、地上の戦略支援を分担することもできるし、ランダムマッチングの時など、他のプレイヤーと充分なコミュニケーションが取れない場合でも、どんな装備を設定しているかは表示されるので、それらを元にどんな戦い方をするかという、無言のコミュニケーションを取るのもまた面白いのだ。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
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そうしてゲームを進めていくと、高い難易度に挑戦することができるようになる。難易度が上がると、当然だが厄介な敵も出現する。例えば、硬い装甲に守られていて、普通の銃撃が通らない敵などがいる。そういった時は「戦略支援」で入手できる強力な武器で、装甲を吹き飛ばしたり、装甲を抜けてダメージを与えられる武器を使う必要がある。ここでも、カスタマイズによって戦い方が変わるのだ。

ゲームをプレイし、キャラクターを成長させることで、カスタマイズ要素が増えていく。そうすることで戦い方の幅が広がり、次はどんな戦い方ができるかを試したくなる。それを繰り返してゲームを遊んで行くのが本作のプレイのモチベーションだ。

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像
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全体を通してお伝えしたとおり、本作は「緊張感」というワードがキーになると思う。緊張感が高いからこそ、慎重に立ち回るし、仲間がダウンするような困難な状況になっても、それを乗り越える楽しみと快感が生まれるのだ。そこに、コマンド入力というスパイスがあり、加えて成長要素とカスタマイズ要素がリプレイ性を高めてくれる。それが本作の魅力なのだ。

それではこの記事を読み、本作の魅力を感じた読者の皆さんが、ヘルダイバーに入隊してくれることを願っている。

「平和と民主主義を教えてやるのだ! 入隊を待っているぞ」

「HELLDIVERS 2」レビュー:押し寄せるエイリアンたちを蹴散らし、コマンドを入力して、奴らに平和と民主主義を教えてやるのだ!の画像

得意分野はビデオゲーム全般だが、メタバースやAI関連の記事も積極的に執筆中。ライター業以外にもVTuberとしての活動や、メタバース内ではラジオパーソナリティや、DJとしての顔もあり、肩書きが混雑してきたのが最近の悩み。

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HELLDIVERS 2公式サイト
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