アイディアファクトリーは、2024年2月18日に東京・TFTホール1000でオトメイトファンイベント「Dessert de Otomate 2024」を開催した。ここでは夜公演の模様をレポートする。

本イベントは「食後のDessert(デセール)のように心を満たす“至福のひと時”」をコンセプトとし、このイベントでしか見られないキャラクター同士のオリジナル朗読劇や、オトメイトファン事前参加型の企画コーナーなどを展開。
夜公演では「終遠のヴィルシュ」「天獄ストラグル -strayside-」「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」の3作品にフォーカスし、「薄桜鬼異聞 ベレジンスキーの魔女」「トラブル・マギア~訳アリ少女は未来を勝ち取るために異国の魔法学校へ留学します~」「Honey Vibes」の情報公開のほか、2024年8月17日・18日にパシフィコ横浜 国立大ホールで「オトメイトパーティー2024」が開催されることが発表となった。
本イベントはアーカイブ配信も行われており、昼・夜公演共に3月3日(日)23時59分までアーカイブを視聴できる(※販売期間は1公演のみの場合は3月3日(日)21時まで、2公演通しチケットは3月3日(日)19時まで)。2月25日には同時視聴会も実施され、イベント公式X(旧Twitter)では見どころも投稿されるのでこちらも併せて楽しもう。


出演キャスト
◆終遠のヴィルシュ
イヴ役:斉藤壮馬さん
アドルフ役:八代拓さん
ダハト役:土岐隼一さん
◆天獄ストラグル -strayside-
石川五右衛門役:八代拓さん
宇賀菊之助役:斉藤壮馬さん
JacK役:古川慎さん
魂緒役:佐藤元さん
◆テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団
ジョセフィ役:古川慎さん
トビアス役:小林裕介さん
エリック役:木村良平さん
※「終遠のヴィルシュ」マティス・クロード役の天﨑滉平さんは体調不良により欠席。公演内容を一部変更。
開演前には「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」の3人が登場。自由気ままなエリックに、ジョセフィやトビアスがしっかり注意しながら会場内の諸注意も届けていく。
すでに4回目の開催を迎え歴史を積み重ねてきた「オトファン」だが、意外にも古川さんや斉藤さんは「オトファン」初参加、佐藤さんはオトメイトのイベント自体が初参加だったという。なかでも佐藤さんは演じた役が猫のキャラクターだったため、イベントに呼ばれるとは思ってもいなかったようだ。

まずは「天獄ストラグル -strayside-」の朗読劇「夢のわんにゃん対決!?……かと思ったら愛の告白大会になった日」がスタート。主人公が見ていた雑誌をきっかけに、菊之助と魂緒から「犬派なのか!? 猫派なのか?」と詰め寄られてしまった五右衛門とJacK。2人は「それぞれを褒めちぎってうやむやにしよう」と頷き合い、それぞれが犬と猫の素晴らしさを語って大いに持ち上げる。五右衛門から「どちらも極卒殿(主人公)に愛されている」と優しく諭されて2人は仲直りをするが、魂緒は「人間である菊之助たちが羨ましい」という気持ちがあったと吐露する。

小野篁なら「人間になる」という魂緒の願いを何とかしてくれるのでは……と考えていたところ、ちょうど電話が。条件付きだが人間に変身できる薬を作ると約束してもらい、一同は喜ぶも、今度は魂緒が「人間になって姉貴に想いを伝えるためには、どうしたらいいのか」と悩み始めてしまった。そこで女性の口説き方を練習すべく、お手本として菊之助とJacKがスケート場でのシチュエーションを演じる。古川さんの演じる彼女役を前に、会場はさらに盛り上がっていた。
それでも不安がる魂緒のため、五右衛門がなんと「オトメイトパーティー」でお馴染みの「メロきゅん★ワード 獄スト出張版」を開催。会場の姉貴たちが受け止めてくれると背中を押し、3人と1匹は甘さたっぷりの言葉を届ける。演出もまさに本家メロきゅん★ワードらしさ全開で、会場からは大きな拍手も送られた。


「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」の朗読劇「大切な姫(あなた)を救うために」には、地方都市へ向かった姫(主人公)の留守を預かるジョセフィ、トビアス、エリックが登場。残されて不満たっぷりのジョセフィと留守をしっかり守ろうとするトビアスは鍛錬を重ねていた一方、暇を持て余したエリックはふらりとどこかへ消えてしまう。

鍛錬を終えたトビアスは部屋に戻るなり、そこにあるはずのないベネティー人形に気づくが、ここでエリックはその人形のフリをしながら「自分は呪いで姿が変わってしまった姫だ」と語りかけて2人をからかい始める。トビアスはあっさりとその言葉を信じて激しく動揺し、最初は疑っていたジョセフィもエリックの言葉にたたみ掛けられて人形が姫だと信じてしまう。
そんな中、姫が出先で体調をくずして帰還が遅れると連絡が。2人は姫の魂が人形に閉じ込められてしまったのではないかと考え、姫に対する労わりの言葉を投げかけていく。からかっていたエリックも想定外の事態に不安を募らせていくが、実際姫の体調不良は大したことがなく予定よりも早く帰還。すべての事情を理解したジョセフィは、エリックへの怒りを爆発させるのだった。
朗読劇後のトークでは、小林さんがトビアスを演じる際に受けたディレクションについて振り返る。古川さんは木村さん演じるエリックとの絡みが楽しかったと話し、朗読劇で披露したように明るくポップな面も多いが、ヘビーな部分もあるのでぜひゲーム本編も楽しんでほしいとコメントしていた。


「終遠のヴィルシュ」の朗読劇「優しき家族の味よ、永遠に」では、ダハトがアドルフから「死人が出るかもしれない」と切羽詰まった連絡を受けるところから幕を開ける。慌ててダハトが駆けつけたところ、“あの”イヴが「カステラ」のレシピを再現しようとしていた。【家族の味】を再現したいというイヴの願いを無下にはできないアドルフは、イヴに「絶対に余計なことはしない」と何度も念入りに復唱させ、ダハトの監視の下でカステラ作りをサポートすることにしたのだ。

イヴの割った卵からひよこが孵化し、食べる気満々だったイヴの手からアドルフとダハトがひよこを逃がすというトラブルもあったが、どうにかカステラを再現することに成功。それぞれが抱える【家族】への想いを口にするシーンで朗読劇は終了するが、感想を話そうとする出演者たちがキャラクターたちの抱えている深い感情を前に言葉へ詰まってしまう場面も。穏やかなシーンだからこそ思わず泣きそうになってしまったと口々に話し、改めて「終遠のヴィルシュ」は素敵な作品だとしみじみ振り返っていた。

それぞれの朗読劇の合間には、本イベントのテーマである「お菓子づくり」の様子を描くショートドラマも披露。ファン投票でキャラクターに作ってほしい3つのデザート候補の中から選ばれたものが公開され、ショートドラマの続きはチケット特典の「アフターストーリーブック」で楽しめるようになっている。
さらにファン参加型企画として行われた、今回出演している22キャラクターの“新たな魅力”を発掘する「この中で一番○○そうなのは?」という事前アンケートの結果も一部発表。お題に対してキャラクターとその理由を合わせて投票し、意外な共通点を見つけたり、より想像が膨らむきっかけとして楽しんだりしようというものだ。

ここでは選ばれたキャラクターとその理由をもとに、「何がこの中で一番」」に選ばれたのかをキャスト陣が予想していく。最初は大喜利をする気だったはずが、成績優秀者は八代さんから“よしよし”される権利が与えられることになり……木村さんをはじめ出演者一同は大真面目な推理を繰り広げていくことに。
イヴ(終ヴィル)、菊之助(獄スト)、エリック(ツイツイ)が一番に選ばれたお題では、運動神経に関わるような回答が並び、斉藤さん、小林さん、木村さんが「一番足が速そうなのは?」というお題をしっかり的中させる。ダハト(終ヴィル)、五右衛門(獄スト)、エリック(ツイツイ)は、言葉少なに語られたダハトへのコメントなどから小林さん、木村さん、斉藤さん、土岐さんの4人が「一番人狼ゲームが得意そうなのは?」という回答を導き出す。

結果、斉藤さん、小林さん、木村さんの3人に台本にはなかった「よしよしタイム」が急遽設けられ、土岐さんが仕切った結果、普段の苦労や悩みを言ってもらった後で八代さんが“よしよし”することになる。
スポットライトやロマンチックなBGMも瞬時に用意され、まずは八代さんが小林さんへ「頑張っているよ」と頭を優しくなでる。木村さんは八代さんを褒めちぎり、そんな木村さんを八代さんが後ろから抱きしめた後に改めて2人は抱擁を交わす。満足そうに崩れ落ちる木村さんを、小林さんが励ますシーンもあった。
最後に斉藤さんは八代さんの本公演MCとしての頑張りを褒め、逆に八代さんを“よしよし”してあげると会場からは大きな歓声が。そんな斉藤さんを八代さんが抱きしめ、斎藤さんが身を震わせながら感動する……といったライブならではの濃密な展開をたっぷり味わうことができた。
エンディングではキャスト陣からのゲームの続編や個別ルート追加など、作品への熱い思いも語られ、温かい空気の中でオトメイトファンイベント「Dessert de Otomate 2024」夜公演は終了する。昼公演と併せて発表となった新情報は特設サイトで確認できるので、こちらもチェックしておこう。
オトメイトファンイベント「Dessert de Otomate 2024」特設サイト
https://www.otomate.jp/event/dessert/
(C)IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY (C)IDEA FACTORY (C) IDEA FACTORY/ichicolumn inc.
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