ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2024年9月6日に発売を予定しているPS5用ソフト「アストロボット」のメディア向け体験会が行われた。

目次
  1. “遊び”が軸にある王道3Dプラットフォームアクション
  2. “テクノマジック”という言葉から見えるゲームデザインと技術の融合

PS VR向けのタイトル「ASTRO BOT: RESCUE MISSION」やPS5にプリインストールされた「ASTRO's PLAYROOM」といったタイトルを世に送り出してきたTeam ASOBI。ユニークな遊びが評価を得てきた同スタジオが満を持してフルパッケージのゲームとしてリリースするのが、本作「アストロボット」だ。

これまでのタイトルと同様にアストロが冒険を繰り広げることになるのだが、6つの銀河と80以上のステージが探索できる過去最大のボリュームとなっている。また、歴代PlayStationの人気キャラクターがカメオ出演し、パラッパなどおなじみのキャラクターが150体以上登場する。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像
“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

また、「ASTRO's PLAYROOM」の続編として前作の続きからプレイできる点や、DualSenseのハプティックフィードバックをフル活用している点も本作の特徴として挙げられる。今回、本作の試遊版をプレイする機会が得られたので、筆者の所感とともに紹介していこう。

加えて、Team ASOBIのスタジオ代表であるニコラ・ドゥセ氏への合同インタビューの模様もお届けする。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

“遊び”が軸にある王道3Dプラットフォームアクション

今回は計5つのステージをプレイすることができたのだが、いわゆるチュートリアルに当たるような基本操作で構成されたステージをはじめ、多彩なギミックが散りばめられたステージ、巨大なボスに挑むステージと、一つひとつのステージに“遊び”が詰め込まれている。

ベースは「ASTRO's PLAYROOM」を発展させたタイトルという認識で問題ないが、その大きなポイントを担うのが、動物をモチーフとしたパワーアップ要素の数々。クリアの助けになってくれることはもちろんだが、ステージごとの操作感も大きく変わってくるため、プレイヤーを飽きさせない設計になっている。何より、各アクションが可愛らしくもユーモアを感じさせるものばかりで、ファミリーでも楽しめる要素になっている。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像
“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

また、ステージ上に点在するボットたちを見つけ出すのもプレイにおける大きなモチベーションになっている。分かりやすいところにいることもあれば、プレイヤー側がかなり細かく探さないと見つからない場面もあるため、一度クリアした後もコンプリート目指して繰り返しプレイしていくことになりそうだ。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像
“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

3Dベースのプラットフォームアクションとしては特別なサプライズはないものの、それだけにステージの設計が緻密で、ギミックに気づいた時の嬉しさやアクションそのものの気持ちよさにもつながっている。それらを増幅させる要素がDualSense ワイヤレスコントローラー(以下、DualSense)の機能であるアダプティブトリガーとハプティックフィードバックであり、「ASTRO's PLAYROOM」における良さを継承している部分でもある。また、本作では銀河を冒険するというスケールに合わせたサウンドも聴きどころとなっている。

そして、アクションゲームファンも楽しめる難易度ハードのステージも用意されている。こちらは通常のステージとは違ってチェックポイントもないため、クリアには少しのミスも許されないのだが、ギミック自体もより歯ごたえのある作りになっているため、失敗しながら覚えていく、プラットフォームアクションのよりコアな楽しみ方ができる要素だ。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像
“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

このように、ゲーム自体は王道の3Dプラットフォームアクションに仕上がっているのだが、ファミリーからコアゲーマーまでがターゲットになりうる遊びの広がりが、Team ASOBIとしてのブレないアプローチになっていると感じた。こればかりは実際に体験してもらわないとわからない部分なので、製品版を楽しみにしてもらうか、もしくは「ASTRO's PLAYROOM」で予習してもらうのが良いだろう。

“テクノマジック”という言葉から見えるゲームデザインと技術の融合

――今回、フルパッケージとしてリリースするにあたってどういった点を意識しましたか?

「ASTRO's PLAYROOM」の時に作っていたたくさんのプロトタイプがあり、それらをパッケージとして1つの体験に落とし込みました。「ASTRO's PLAYROOM」ではミニゲームの感じも少しありましたが、今回は1つの大きなゲームとして、前作の4倍以上のボリュームになっています。そのアプローチとして、ジャンプアクションゲームが基本的なベースとしてあって、その上にたくさんの新しいインタラクション(※相互的に作用する遊び)を用意しています。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像
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――「アストロボット」のVR対応は考えていますか?

「ASTRO BOT: RESCUE MISSION」の開発はとても楽しい経験でしたが、VRゲームをちゃんと作るためには本当にVRゲームとして作らないといけないと考えています。ハイブリッドにすると中途半端な感じになってしまうと思いますし、今回は「ASTRO's PLAYROOM」の上にもっと広くて大きな体験を作るという目標がありましたので、VRモードを作る予定はありません。

――Team ASOBIとして新作を作る際に、「ASTRO's PLAYROOM」を発展させようというのは最初から決めていたのでしょうか。

「ASTRO's PLAYROOM」を作っていた時から、もし人気があればその時に次の大きなゲームを作る希望はありましたので、「ASTRO's PLAYROOM」と「アストロボット」は1つのディレクションとして考えています。「ASTRO's PLAYROOM」の後もチーム内ではDualSenseの勉強や研究は続けていまして、そこで得た新しいアイデアやナレッジ(※知見)は次のゲームに入れる予定でした。

また、PlayStationの歴史もポイントとしてあり、前回は25周年を祝うということで(PlayStationの歴史に関する要素を入れる)チャンスがありました。今回は入れないオプションもあったのですが、(PlayStationの歴史に紐づく要素は)楽しいですし、今回は30周年を迎えることもありましたので、PlayStationを代表するキャラクターたちが登場することになりました。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

――小さなお子さんにも興味を持ってもらえるタイトルだと思いますが、そういう子たちに推したいポイントはありますか?

まずはゲームの遊び方やキャラクターの可愛さを楽しんでもらいたいと思っています。PlayStationはハイエンドなシステムで、コントローラーの中にいろいろな最新の表現を感じられるようにできていますが、そこに加えて今回は誰でもプレイできる、遊びやすいゲームになっています。

また、PlayStationは30年やっていますので、お父さんやお母さんと子供が一緒にプレイできたら、子供が知らない昔のキャラクターたちが出てきた時にコミュニケーションができると思います。作った時にはそのイメージが無くて、セレブレーションだけにしようと思っていたのですが、世代のブリッジになるということで、良いポイントだと思っています。

――プレイアブルキャラクターはアストロのほかにも出てくるのでしょうか?

PlayStationのキャラクターが150体以上出てくることはお伝えしていて、基本的にはコスチュームがメインとなりますが、ストーリー中に関係するキャラクターも中にはいます。申し訳ないのですが、現時点ではそこまでしかお伝えできないです。

――Team ASOBIのタイトルはギミックのバリエーションによる体験が楽しいと思っているのですが、「アストロボット」の中で新たに注目してもらいたい遊びはありますか?

今回の新しい遊び方については全てパワーアップに紐づいたものになっていますが、一番大きなイノベーションは動物のキャラクターをモチーフとしたところです。

ブルドッグブースターは最初はただのロケットでそれだけでも楽しかったんですが、なんかキャラクターが足りないという話をしまして、結果として全部動物にしたら良いんじゃないかということで、犬になりました。最初はコンセプトとしておかしいのではないかと思っていたのですが、その後にボイスが入ったことでしっかりハマりました。

“遊び”が詰め込まれた「アストロボット」の魅力を先行体験!Team ASOBI代表のニコラ・ドゥセ氏インタビューもの画像

それぞれのアイデアも最初からあったものではなく、ゲームの外にあるインタラクションを色々テストして、良い感じだったらそのままゲーム内に入れています。

例えば、トレーラーの中にアストロがスポンジのように大きくなる“ジャイアントスポンジ”というインタラクションがありますが、アストロはスポンジになるというアイデアだけでは想像しづらいと思います。でも実はジャンプアクションゲームの外にアダプティブトリガーのテンション(押し込み具合)をプログラミングできる機能があり、それを試す中でいろいろなアイデアがつながっていきました。

スポンジに水が入っているときはテンションも重くなりますが、徐々に水を出していったら軽くなります。それはみんな知っていることではあると思うのですが、ゲームの中で表現できるかをテストして、その結果、チームとしてはワクワクするものになりました。そのインタラクションをゲームにどう活かすかというところで、それであればアストロがスポンジになったらどうかということで、今回のかたちになりました。このように、新しいアイデアは全て研究から生まれています。

――実際に試したアイデアの中で、良いアイデアではあっても実際には入れなかったものはあるのでしょうか?

今回に限らず、毎回たくさんあります。「アストロボット」ではPS5のマザーシップを修理しないといけないのですが、そのインタラクション自体は4、5年前からプロトタイプとして存在していました。本当は「ASTRO's PLAYROOM」の中に使うつもりだったのですが、その時にはフィットする部分がなかったので、ずっと寝かしていて今回使うことになりました。タイトルごとではなく、昔チームとしてテストしたものを未来に使うという機会はあります。

――「アストロボット」の発売以降に力を入れていくことはありますか?

発売後に追加コンテンツなども用意したいと思っていますが、同時に今までと同じアプローチでお客さんの声を聞いて、その次のゲームなどにつなげていきたいと考えています。

――本作のような3Dのプラットフォームアクションを作ろうとした理由はありますか?

我々のチームは最初からコンパクトなので、できるだけ誰もいないところにフォーカスしようと考えていました。ゲームをオープンワールドにするべきかどうかも話にはあありましたが、世の中にたくさんありますし、PlayStationを遊んでいるゲーマーの方々にとって最近あまりないゲームは何かという時に、「アストロボット」がその答えになるのではということで、力を入れました。

――これまでTeam ASOBIとしてタイトルを届けていく中で、ユーザーに評価されたと感じている点はどこだと思っていますか?

ソニーが昔から素晴らしい技術を作っている中で、私たちはゲームデベロッパーとして、その技術を体験にしなくてはいけないという役割を持っています。チームの中ではいつも“テクノマジック”という言葉を使っていますが、段々とゲームデザインと技術の両方を考えられるメンバーが増えていると思います。

また、ゲーム自体はわざとコンパクトにしています。私は料理を例えに使うのですが、7コースの料理を食べると最後のほうはお腹がいっぱいになります。それよりもちょっと短くして3コースぐらいにしたほうがもっと欲しくなるという感じで、今回の12時間~15時間ぐらいがちょうど良いと思っています。最近はゲームごとプレイ時間もすごく大きくなってユーザーさんも時間があまりないので、そういうアプローチになっています。

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――ありがとうございました。

2011年イクセル入社後、Gamerをはじめとした媒体の運営に携わる。好きなジャンルはRPG、パズル、リズム、アドベンチャー(ほぼギャルゲー)。実はゲームよりもアニメが大好きです。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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