モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲームと銘打たれた「De:Lithe Last Memories」を正式サービスにさきがけレビュー。正式リリース前に体験可能な「先行プレイ」でのプレイ感を紹介する。

目次
  1. ブロックチェーンゲームとは?モバイルクオリティとは?
  2. スキルの選択と立ち回りが重要!骨太なローグライク・アクションRPG
  3. 「モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム」としての魅力を持った一作

「De:Lithe Last Memories(ディライズ ラストメモリーズ)」は、enishからリリース予定のスマートフォン向けローグライクRPG。本作はスマートフォン向けオンラインRPG「De:Lithe ~忘却の真王と盟約の天使~」の続編であるとともに、モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲームとして作られている。このレビューでは発売にさきがけ行われた「先行プレイ」の内容を元に、本作の内容を詳しく紹介したい。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

ブロックチェーンゲームとは?モバイルクオリティとは?

早速ゲームの紹介に入りたいところだが、その前に「モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム」という本作のコンセプトについて説明しておきたい。というのも、この言葉が本作の特長を示しているからだ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

まず「ブロックチェーン」とは、「ビットコイン」などの仮想通貨に使われている暗号技術のこと。この技術を使うことで、データの改ざんを防ぐことができるため、仮想通貨の取引に使われている。ただ、仮想通貨だけに留まらない。「データの改ざんを防ぐことができる」ということは、「そのデータの所有者は誰か?」を保証できるということでもある。なので、「NFTアート」のようにデジタルアートと組み合わせて、アートの所有権を売買することも可能。となると当然、ゲーム内アイテムを売買するのにも使える。こうした発想によって作られたゲームが、「ブロックチェーンゲーム」だ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

つまり「ブロックチェーンゲーム」として作られているゲームでは、なんらかのかたちでゲーム内要素の売買が用意されている。この売買には仮想通貨が使われており、現実のお金に換金することも可能。ゲーム内でお金を稼ぐことができることから、「ブロックチェーンゲーム」は「Play to Earn(プレイ・トゥ・アーン=稼ぐためにプレイ)」とも表現される。この「稼ぐためにプレイ」という言葉は象徴的で、これまでの「ブロックチェーンゲーム」の多くは、「稼ぐ」という点が重視されていたように思う。つまり、ゲーム性の部分は比較的カジュアルに作られていて、取引がメイン…というつくり。こうした、これまでの状況を踏まえると、本作の「モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム」というコンセプトの意味が見えてくる。

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スクリーンショットからもお分かりいただける通り、本作のビジュアルは非常に気合いが入っている。3Dの美少女キャラクターが動き回る会話シーンもさることながら、バトルパートの描写もド派手。スマートフォンゲームの中でも、かなり力の入った大作レベルのビジュアルといえるだろう。そして、力が入っているのは、ビジュアルだけではない。これから紹介するゲーム性の部分も非常に力が入っている。つまり本作は、「ブロックチェーンゲーム」であると同時に、一本スマートフォンゲームとしてゲーム性の部分だけプレイしたとしても成り立つゲームなのだ。

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スキルの選択と立ち回りが重要!骨太なローグライク・アクションRPG

本作の舞台は「大崩壊」と呼ばれる大規模爆発により、東京が吹き飛んでしまった日本。「大崩壊」後の東京には、あちこちに異世界「福音領域(エリシアン)」へとつながる「ゲート」が出現。人間たちは「ゲート」を閉じ、失われた東京を取り戻すため「ロギオス」という機関を組織した。プレイヤーはこの機関の一員として「ドール」部隊を率い、「福音領域」を探索することになる。

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「ドール」とは、エーテルと呼ばれる物質を使ってコピーした人間の肉体のこと。「福音領域」は危険に満ちているため、人間が生身で探索するのは現実的ではない。そのため、「ドール」を使い、意識だけ「ドール」に移して探索することになる。しかし「ドール」に対応できるのは一定の年齢の女性だけ。主人公はこの条件に該当しないものの、「ドール」と同調して強化できるという特異体質のため、オブザーバーという立場で「福音領域」へ挑むことになる。

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今回「先行プレイ」でプレイした本作冒頭では、ストーリーを描く会話パートと、「福音領域」の探索を行うアクションパートの繰り返しによって構成されていた。会話パートでは一般的なスマートフォンRPGと同様、キャラクターとテキストメッセージ、ボイスによって物語が描かれていく。この会話シーンで登場するキャラクターが非常に魅力的。3Dモデルで描かれていてよく動くし、動作もかわいい。また、そもそものキャラクターデザインがとても魅力的だ。

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アクションパートでは、ドールたちを操作して「福音領域」内に出現する敵・Unknownと戦っていく。「福音領域」内は大きな部屋がつながった形状となっており、部屋内の敵をすべて倒すことで次の部屋に進めるというかたち。

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「ドール」の操作は仮想パッドで行う。仮想パッドを使って360°自由移動が可能。また、ボタンをタップすることで、通常攻撃やスキル攻撃を行うことができる。探索開始直後は使用可能なスキルが少ないためボタンの数も少ないが、レベルアップによって新たなスキルを習得すると、ボタンも増えていく。

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Unknownを倒すと経験値アイテムがドロップ。経験値アイテムを取得してゲージが満タンになるとレベルアップし、ランダムに選ばれた3つの育成要素の中から1つをチョイス可能。スキルのほか、HPや攻撃力といったパラメーターを強化するものも育成要素として登場する。

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アクションパートの基本システムは、ローグライク要素を持ったアクションゲームとして標準的なかたちといえる。ただ今回プレイしてみて、スキルのチョイスがかなり重要だと感じた。というのも本作では、立ち回りが悪いと大量の敵に囲まれてしまう。そして本作は「ドール」と「敵」が物理的に干渉するため、「敵の攻撃をくらいつつも、移動で無理やり包囲を突破」ということができない。打開するためには、発生の速い範囲攻撃技が必要だ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

また、本作のボスキャラクターは、攻撃範囲が広い。このため、攻撃予測が表示された後、急いで範囲外へ逃げなければならない。こんな時は、高速移動可能なスキルが必要。

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こうしたスキルをめぐる立ち回りについて本作は、3種類の歯ごたえを持っている。ひとつは、今後の展開を踏まえて、事前にスキルを習得しておくという歯ごたえ。そしてふたつめは、状況に応じたスキルを適切に選択して繰り出す…というアクション的な立ち回りの歯ごたえ。そしてみっつめは、状況に最適なスキルがない場合にどうするのか、次善策を考えるという歯ごたえだ。筆者が今回の「先行プレイ」でプレイした範囲ではこうした歯ごたえがしっかり感じられ、ローグライク・アクションRPGとしての楽しさをしっかり味わうことができた。「ブロックチェーンゲーム」という部分を抜きにしたとしても成立する楽しさだ。

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「モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム」としての魅力を持った一作

ここまで書いてきた通り、本作は一本のローグライク・RPGとして成立する魅力を持っている。だがその一方で、「ブロックチェーンゲーム」という部分が本作の魅力を高めているとも感じた。特に強く感じたのが「ドール」だ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

「ドール」は本作において、会話パートで登場するほか、アクションパートで自分のキャラクターとして使用できる。つまり、一般的なスマートフォンRPGで登場するャラクターと同等の存在といえるだろう。入手手段も、ゲーム中ガチャとなっている。ただガチャだけに留まらず、「NFTドール」であればゲーム内のマーケットプレイスで売買が可能。さらにゲーム外のイベントして、NFTドールがオークション形式で購入できるパブリックセールなども実施されている。「ブロックチェーンゲーム」ならではといえる部分だ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

「NFTドール」について筆者は、「売買」という部分より、「所有」という部分に注目したい。これまでの「ブロックチェーンゲーム」では「稼げる」「売買」という部分にフォーカスが当たっていた。もちろん、「ゲームで稼ぐ」ということ自体を否定したいわけではない。これからの時代の新たな楽しさとして、価値があると思う。ただ個人的には、本作のようなキャラクター主体のゲームでは、「売買」という部分より「自分のお気に入りキャラクターを所有できる」という点に魅力を感じる。自分だけのお気に入りキャラクターを手に入れ、育成し、ゲームを楽しむ…。そこには、これまでのゲーム性を発展させた楽しさが感じられるのだ。

骨太なゲーム性とブロックチェーンによる発展性が魅力!「De:Lithe Last Memories」先行レビューの画像

最終的に筆者は今回の「先行プレイ」で、本作の「一本のゲームとして成立する楽しさ」と、「ブロックチェーンを使ったゲーム性の発展性」を感じることができた。正式リリースが楽しみな一作だ。

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ホラーに特化してゲームを作るインディゲーム作家。インディゲームデベロッパー株式会社ワーを一人でやってます。クリエイターとしてゲームライターとして講師として、そしてもちろんいちゲーマーとしてゲームとともに生きています。

※画面は開発中のものです。

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