バンダイナムコエンターテインメントが2024年8月29日に発売を予定しているPS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「ガンダムブレイカー4」の先行プレイレポートをお届けする。
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「ガンプラ」をモチーフとした人気アクションゲーム「ガンダムブレイカー(以下、ガンブレ)」シリーズのナンバリング最新作となる「ガンダムブレイカー4」。
ロビーでミッションを受注し、ミッションに出撃してガンプラのパーツを集めて「俺ガンプラ」を強化、さらに難易度の高いミッションに挑むというゲームの基本的なサイクルは従来の「ガンブレ」シリーズナンバリングタイトルと同様。「ガンダムブレイカー3」のヒロイン、ミサが再登場したり、「ガンブレ3」からの流れを受け継いだ正統続編的な位置づけの作品となっている。
新たなガンプラバトルシミュレーター「GBBBB」で描かれる物語
本作では、「ガンブレ3」の世界観を引き続きつつも、雰囲気の一新が図られており「ガンプラバトルシミュレーター」は、「GUNPLA Battle Blaze Borders(GBBBB)」というネットゲームへと名前を変えている。「3」の時は「ガンダムビルドファイターズ」シリーズに近い世界観だったが、「4」ではどちらかというと「ガンダムビルドダイバーズ」シリーズの「GBN」を連想させる雰囲気になっている。
前述したミサの続投はあるが、ストーリーはほぼ「4」で独立しており、とくに「3」をプレイしていなくても何の支障もなく楽しめるだろう。
プレイヤーはそのβテストに参加し、その際に出会った同じ「GBBBB」初心者であるタオやリンらとクランを結成し、βテストを進めていくことに。しかしテストの最中には定期的に謎のノイズが発生したり、リンにそっくりなアバターを使う不思議な少女・リリンと出会ったりと、「GBBBB」に起きた異変を感じさせるような謎めいた展開が続き、ストーリーからも目が離せなくなっている。
個人的に、ちょっと懐かしい気持ちになるくらいの王道なツンデレヒロインであるリンと、対照的な無感情なキャラであるリリンの二人がお気に入り。ストーリー以外のミッションでは、2人までのNPCと一緒に出撃することも可能だ。
なお、今回はプレイヤー自身のアバターではなく、自分の作ったガンプラがアバターの代わりとなり、ロビーでもガンプラを直接操作する形式になったのだが、ストーリー中もアバターとして自分で作成したガンプラが登場する。キャラクターとの会話では、ガンプラが人間のようなモーションでリアクションを返すようになっており、ガンプラであるのに人間味を感じられるようになっていて、なかなか面白い感覚だった。従来の「ガンブレ」シリーズのストーリーにはなかった新鮮さも体験できるだろう。
OPのクールタイムは「CNT」の共通から「3」の個別に変更に
バトルシステムは「3」のものを踏襲しつつ、随所に新要素が加えられている。
各ミッションはWAVE方式で進行し、それぞれの勝利目標を達成するごとに次のWAVEへと進める。勝利目標は標的の破壊や敵の全滅の他に、HLVを防衛するような内容もあった。
バトル中には、あらかじめ装備した射撃と近接武器の他、パーツ固有のアビリティであるオプションスキル、攻撃をヒットさせるなどの行動で溜まっていくEXスキルといった攻撃手段を使い分けながら、出現する敵ガンプラを撃破していく。一定数攻撃がヒットすると手足のパーツが吹き飛んだり、ガンプラという題材ならではのバトルが展開される。
敵ガンプラは一定確率でパーツをドロップし、パーツは同じ種類でもレベルやレアリティ、アビリティの効果がランダムでつくため、より良いパーツを求めて何度もミッションをクリアする、ハック&スラッシュ的な楽しみができるのが特徴だ。
また「4」では、新たに右腕と左腕を個別にカスタマイズできるようになっており、左右それぞれに近接と射撃武器を1種類ずつ装備できる(近接2種と射撃2種の最大4種)。武器ごとに、敵ガンプラのパーツアウトが得意なツインブレード、単体へのダメージが高いアックス、突進で敵を大きく吹き飛ばせるランスなど個性があり、異なる武器を装備することで多彩な状況に対応できる。
「近接攻撃4段目までサーベル→5段目にアックス」といったように、コンボの中に左右の武器を組み込めるのが面白いところで、とくに近接攻撃は従来のシリーズよりも重要度が上がっていると感じた。
もう一つの新要素として、攻撃を継続して当て続けて得られる「ヒットボーナス」、敵を連続撃破すると得られる「ブレイクボーナス」も追加されている。
ゲージが一定に達するとボーナス効果が発動し、「ヒットボーナス」では敵を倒しやすくなる能力強化系、「ブレイクボーナス」ではドロップ率アップなどのパーツ収集に役立つボーナスが獲得できる。いかにダウンせずに攻撃を継続して当て続けられるか、というのも本作のバトルならではのポイントで、マシンガンやバルカンのような威力が低めの武器も、ボーナスを途切れさせずヒット数を稼げるという位置づけで存在感がある装備になっている。
なお、以前に実施された第1回クローズドネットワークテスト(CNT)では、オプションスキルのクールタイムが共通(バルカンを使用すると、バルカンに設定されたクールタイムが終わるまで他のオプションスキルも使用できない)となっていたが、製品版では「3」と同じ、各オプションごとに個別にクールタイムが挟まる形式に変更されている。従来のシリーズと同様に、オプションスキルをフル活用して戦うことができる。
「SDガンダム」世代にはたまらない新規参戦ガンプラたち
カスタマイズ面もシリーズ最高峰ともいえる充実度になっている。個人的に一番感動したのが、「3」ではNPCとしてのみの登場になっていたSDガンダムを「俺ガンプラ」として正式に組めるようになったことだ。
SDはHGでもMGでもない、SDという独自の規格での扱いとなっているが、他の規格のパーツと同様に混ぜてアセンブルができる。
筆者は初めて「ガンダム」シリーズに触れたのがSDガンダムで、子どもの頃はBB戦士のプラモデルをお小遣いで買い集めて、パーツを組み替えて「俺SDガンダム」を作る遊びをやっていたので、完全に童心に返ってアセンブルに夢中になっていた(BB戦士は共通のポリキャップを使っていたので、知識がない小学生でもパーツを組み合わせて遊べる作りになっていた)。
また、この時に役立つのが、追加された個々のパーツのサイズを微調整できる機能。調整できる大きさには限界があり、腕を身体よりも大きくするような極端なことはできないのだが、SDガンダムに取り付けた時にパーツがなじむように大きさを合わせたりできる。もちろんSDガンダム以外でも、胴体と頭のパーツの大きさのバランスが悪く見える組み合わせもあるので、役立つ場面が多い。細かい部分だが、見た目にこだわりたいプレイヤーにとっては非常にありがたい機能だ。
さらにSDガンダムは、表情の変化にも対応しており、ロビーでのエモート機能との相性が抜群にいい。加えて、通常のガンプラアバターは歩きやホバーに近いイメージで低空を飛んで移動するのだが、SDガンダムの脚部パーツを装備している場合は地面を歩く専用モーションに変わり、ブースト使用時もダッシュして移動する。地上を走る分通常のガンプラとは操作感が結構違っていてクセはあるが、それ以上にしっかりとSDガンダムらしさを感じられる動きになっているのが嬉しい。
満を持してプレイアブル化したこともあって、細かな部分まで制作陣のSDガンダムへの愛がひしひしと伝わってきて、直撃世代としてはたまらないものがあった。
もちろんSDガンダム以外の新ガンプラも見どころで、最新作「水星の魔女」のガンダム・エアリアルやダリルバルデといったキットだけではなく、「すーぱーふみな」がプレイアブル参戦していたりと、作成可能な俺ガンプラの幅も広がっている。ただしすーぱーふみなは、他のガンプラのパーツとの組み合わせは可能だが、カラーリングの変更に制限があった。
のめり込んだら止まらなくなるジオラマモード
個人的にかなり熱いと感じた新要素が、本作から追加された「ジオラマモード」の存在だ。
ジオラマモードは、作った「俺ガンプラ」などのプラモデルをジオラマ風に飾り、写真を撮影するためのモードだが、事前に想像していたもの以上に凝った撮影ができるようになっていたのに驚かされた。
ジオラマモードでは、まずベースとなる背景を選択し、その背景の上に任意のガンプラやオブジェクトを配置していく。この時、ガンプラにはさまざまなポーズを取らせることができ、その種類は歩きやジャンプなどの基本的なポーズだけではなく、実際のバトル中の武器やスキル、ロビーでのエモートなどのモーションからフレーム単位でポーズを調整できるようになっており、かなり自由度が高い。
バーニアから出る光やビームの発射エフェクト、攻撃が着弾した時のエフェクト、銃弾が当たった後の弾痕など、戦闘の臨場感を出すためのエフェクトの追加も可能で、ガンプラ同士が戦っているようなシーンも作れる。
また面白いのが、ジオラマを組み終わった後の撮影時につけられるアートフィルタやフレームで、3Dモデルの輪郭に線をつける「ふちどり」(ガンプラというよりもアニメ調の画像になる)や、HGやMGといったガンプラのパッケージ風のフレームをつけられること。とくにパッケージ風のフレームは、ガンプラの名称や型式番号、機体説明のテキストまで入力できるようになっている。
やはりガンプラの魅力を語る上では、パッケージアートの存在というのは欠かせない(パッケージアートに惹かれて買うことがあるのは筆者だけではないはず)ので、「俺ガンプラ」で本格的なパッケージアート風の画像を作れるのは個人的にかなり嬉しかった。
ジオラマにはコストの概念があり、オブジェクトやガンプラを配置できるのはコストの範囲内という制限はあるが、5~6機程度のガンプラなら余裕で配置できるし、ジオラマで作れるシチュエーションの幅はかなり広い。
これは筆者自身がそうなのだが、現実ではガンプラ作りに比べるとジオラマ作りはかなりハードルが高く、やってみたくてもなかなか尻込みして挑戦するのが難しい分野だった。本作を通してジオラマ作りを疑似体験できるようになるのは、ガンプラ好きにとっては大きなポイントで、SNSでの画像投稿がさらに盛り上がりそうだ。
いよいよ発売を迎える「ガンダムブレイカー4」。プレイして感じたのは、「3」をベースにブラッシュアップしつつ、スケール調整やSDガンダムの参戦など、かゆいところに手を行き届かせて、シリーズファンが満足する作品に仕上がっているということ。
とくにガンプラファンにとっては、アセンブルとジオラマの撮影だけでも無限に時間が溶けるはずだ。オンラインに潜って、パーツを集め続ける日が間もなく訪れるのが、今から楽しみだ。
(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS
※画面は開発中のものです。
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