バンダイナムコエンターテインメントが2024年10月3日に発売予定のPS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/Steam用ソフト「ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム」(Steam版は同年10月4日発売予定)。メディア向けに行われたオープンネットワークテスト(以下、ONT)先行体験会の模様をお届けする。
SAO家庭用ゲームシリーズ最新作となる本作は、世界中のプレイヤーたちと、最大20人でチームを組み、待ち受ける強大な敵に立ち向かうオンライン共闘アクションゲーム。さまざまな役割を持ったSAOシリーズのキャラクターが記憶を越えて参戦する。
体験会では、9月21日より開催されるONTを先行プレイすることができた。ONTでは、3月に開催されたクローズドβテストからいくつか改修されているほか、追加プレイアブルキャラクター「アスナ」、「レン」、「フカ次郎」が追加。さらに新ボス《ソードゴーレム》が登場する《ボスレイド》にも挑戦してきた。
基本的な操作感やゲームの流れについては、前回のCBTプレイレポート記事をチェックしてほしい。
アスナ、レン、フカ次郎の動きをチュートリアルでチェック
体験会では、メディアと開発陣を交えた20名での《Co-Opクエスト》と《ボスレイド》をプレイ。その前に、操作方法を確認するための《チュートリアル》をプレイする時間も設けられた。筆者はCBTの時にプライベートの時間を使ってやり込んでいたが、さすがに3月からだと間が空き、操作を覚えているか不安な部分もあったので、改めて一通りの動きチェックすることに。
それと同時に、今回のONTから追加されたアスナ、レン、フカ次郎はもちろん、CBT時からの調整項目も確認できたので紹介していく。
前線のアタッカーを務める《FIGHTER》に属するアスナ。《絶剣》と謳われたユウキに認められるほどの強さを持つ彼女は細剣(レイピア)を駆使し、長いリーチを生かしつつ、高速連撃とステップを絡めた戦闘スタイルが持ち味だ。中距離から、そして敵の意表を突くように一気に間合いを詰めて戦う姿は、《閃光》の異名にふさわしいなと、改めて感じさせられた。
使用できる《アドバンススキル》や《アルティメット》もリーチを生かしたものが多い中、《エクストラスキル》は自身を含めた仲間をサポートするものとなっており、エクストラスキルの発動中は攻撃力アップ、ダメージ軽減、即死ダメージを受けた時に一度だけHPが1残るという効果が付与される。
能力バランスの良い《FIGHTER》の中でも、スピード感のある攻撃で敵を撃破していきたいという人にはオススメのキャラとなっている。
素早い動きで敵を攪乱する切り込み役を担う《ROGUE》のレン。シノンと同様に射撃を主体としたキャラとなっているが、使用する武器はサブマシンガンとデュアルハンドガンと機動力に長けたものとなっている。
近接攻撃に用いるナイフはアドバンススキルでも健在。銃撃やナイフに加えて、グレネードなど手数の攻撃を叩きこむ姿はまさに“ピンクの悪魔”。メインとなるサブマシンガンは、レティクル周辺の敵を自動照準してくれるものとなっていたので、初心者でも扱いやすいキャラとなっているのもポイントだ。
遠距離攻撃を得意とする《RANGER》のフカ次郎は、一通りのキャラを触ってきた筆者としても一二を争うくらい特徴的なキャラになっていると感じた。シノンやレンと同じく射撃を駆使し、グレネードランチャーとハンドガンを切り替えて戦うことになる。
グレネードランチャー使用時には、他の射撃キャラで言うADS撃ちだと着弾予測位置が表示されるようになる。山なりで弾が飛んでいくため、少し癖があるかもしれないが、何度も試して感覚をつかんでほしい。
アドバンススキルにもロケット弾を使用した攻撃や空中からの射撃に加えて、着弾位置に回復エリアを作るものなど特徴的なものがラインナップ。さらにエクストラスキルでは、武器に付与された4つの攻撃属性を切り替え可能だ。若干ピーキーとなっているが、使いこなせればかなり楽しいキャラとなっているので、ぜひ挑戦してみてほしい。
先にも記載したCBT時からの調整点だが、何回か戦闘をこなしていくうちに「これは嬉しい」と思ったのが、(突進タイプの通常攻撃を除き)攻撃途中でもステップやガードを入れることで攻撃をキャンセルできるようになったことだ。
これにより、より戦闘がスピーディーに楽しめることはもちろん、回復手段が限られる本作の特にボスレイドでは重宝するものとなっている。
凄まじい効率で進んだ《Co-Opクエスト》プレイ
操作方法の再チェック、新たに加わったキャラたちの動きを確認した後は《Co-Opクエスト》プレイにチャレンジ。内容的には、CBTの時に遊べたマップを進んでいき、最奥で待つ《イルファング・ザ・コボルト・ロード》討伐を目指すというもの。
経験者はもちろん、何度もプレイしてきた人が多かったこともあり、クエストは順調に進行。CBT時に苦戦したタワーの起動ミッションも難なくクリアし、マップ最奥にたどり着くことができた。ボス戦においても手際よくモンスターたちを倒しつつ、“シンクロカウンター”もしっかりと決め、ボスにもダメージを与えていき、最終的には今までプレイした中でトップクラスに早いのではと思うくらいの速度でクリアしていた。
皆が仕様を理解していた分、“ラストアタック”を狙う動きもすさまじく、《Co-Opクエスト》プレイでは、MVPとともに勝ち取ることは叶わなかった。
完全初見の新ボス《ソードゴーレム》に挑んだ《ボスレイド》
《Co-Opクエスト》プレイまでは肩慣らしと言わんばかりに、続いては新ボスの《ソードゴーレム》に挑む《ボスレイド》に挑戦。CBT時の使用率1位で筆者も一番多く使用していたシノンが、《ソードゴーレム》戦においては少し使いづらいかも? というアナウンスを受けていたので、ここはあえてシノンを使ってみることに。合計2回挑戦することになったのだが、2回目ではフカ次郎を使用している。
完全初見だったため敵の動きがわからないというのはもちろんあったが、他のボスと比べると圧倒的に攻撃を受ける頻度が高く、HPが0になってしまうという場面が多々あった。その理由として挙げられるのが、射撃キャラならではの視界の問題だ。
よりダメージを与えられるよう部位を狙ってADS撃ちをしていたのだが、いかんせんソードゴーレムは縦に大きいモンスターとなっており、その分上を向いて射撃する必要があった。敵の攻撃時には地面にその範囲が表示されるのでわかりやすいものの、射撃に夢中になり表示の確認を怠ってしまったため、結果的にダメージを受けてしまうという場面が多かった。
ただ攻撃範囲が広いとはいえ避けられないというわけではない。回避やジャンプを駆使すれば攻撃を避けることができるので、冷静に対処しながらヒット&アウェイを心掛けた方が良いだろう。
またHPが0になってしまっても、システム改修により蘇生中にスーパーアーマー状態になる他、蘇生時には回復アイテムを獲得できるというメリットも生まれたので、周りのプレイヤーが率先して蘇生してくれる状況になっているのは非常にありがたいポイントとなっている。
2回目で選んだフカ次郎では、《ソードゴーレム》の地面に接している面が少ないため、攻撃が当てづらいこともあったが、戦闘中に「ジャンプ撃ちなら当たるのでは?」ということに気が付き事なきを得た。
敵のHPが残りわずかな場面で《アドバンススキル》を使用し、空中から射撃による攻撃を与えていった結果、ラストアタックとMVPに輝いた。
試遊会の少ないチャンスの中でどちらも獲得できたことに、心の中では喜びを爆発させていると、現場にいた開発陣とスタッフから拍手とお祝いのコメントをいただけた。あの光景はこの先も忘れることはないだろうし、製品版プレイ時にも獲得できるよう励もうと心に決めた瞬間だった。
今回の体験会の内容は、9月21日から23日まで開催されるONTで誰でもプレイすることができるので、ぜひ遊んでみてほしい。またONTのデータは、一部(武器・アクセサリー)を製品版へ引き継ぐことができる。ONTには登場しない他のキャラクターの使用武器もドロップするとのことなので、発売に備えてやり込んでみてはいかがだろうか。
さらに「東京ゲームショウ2024」には本作の試遊台が登場。相手は新たなボス《カオスドレイク》となっており、プレイヤーは21名の全プレイアブルキャラから選択可能とのことなので、興味のある人はこちらの情報もチェックしてみてほしい。
プロジェクトは5年前の2019年からスタート 開発陣インタビューでは開発初期から今後の展望の話題も
体験会の後には、本作の制作担当・最上頌平氏(バンダイナムコエンターテインメント)と開発ディレクター・後藤修一氏(ディンプス)へのインタビューが行われたので、そちらの模様もお届けする。
――改めてにはなりますが、「ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム」の見どころをお聞かせください。
最上氏:IP的な面でお話しすると、今まで絡んで来なかったキャラクター同士の絡みを見られるのが良い点だと思ってます。特に大きいのは「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(GGO)」のキャラクターが出てくるというポイントですね。
後藤氏:今回はゲームの世界線ではなく、原作/アニメ準拠設定での世界線になるのが大きな違いかと思います。原作/アニメの世界線になると死別した仲間もいますが、そういったキャラクターを再び登場させるにあたり、大変なことをお願いしてる自覚はありましたが、シナリオライターさんや版権元さんに確認を取っていきました。
ゲームシステム面では、20人を全プラットフォームでクロスプレイ可能にするのは技術的なハードルも高く、苦労しました。
――「SAO」ゲームとしては、前作「ソードアート・オンライン ラスト リコレクション(SAOLR)」から短期間での発表だと思うのですが、いつごろからゲームの構想・開発は進んでいたのでしょうか?
後藤氏:弊社がバンダイナムコエンターテインメントさんと一緒に制作していた「ソードアート・オンライン フェイタル・バレット(SAOFB)」が2018年2月に発売されました。1年間はアップデートや運営を続け、それが終わったタイミングで新しいゲームを作りませんかというお話を受けました。
今までのゲームは、疑似MMORPGというコンセプトがあり、1人でもオンラインっぽいゲームを遊べるところがポイントとなっていましたが、今回は1人ではなく大人数で遊べないかというお題をいただきました。例を出すと「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」の《カガチ・ザ・サムライロード》戦のようなバトルですね。
本格的にプロジェクトが動き出しのは2019年の8月です。なので前作「SAOLR」の発売からあまり時間経ってないように見えて、実は結構前から動いていました。
――ストーリーモードでは、「SAO」の家庭用ゲームとしては初めて原作/アニメ準拠の設定で描かれますが、原作/アニメをすべて知らないという人でも楽しめるようなフォローアップは用意されているのでしょうか?
最上氏:ストーリーとして追体験するものはありませんが、本作では原作と違う部分もあるので、実際のストーリーを紹介する要素はあります。
後藤氏:“世界観説明シナリオ”というものを用意しています。“アーカイブ”と呼ばれるゲーム中のイベントを確認できる場所があり、ストーリーを進行していくことで見られるようになります。
最上氏:アーカイブと聞くと読みものを連想するかもしれませんが、音声が入っており、TVアニメシリーズの場面写真を用いて紹介しています。
――“アーカイブ”ではTVアニメの物語の核心、一部の仲間の行く末なども描かれているのでしょうか?
後藤氏:本作のゲームから「SAO」に触れる方もいらっしゃるかと思いますので、楽しみを損なうような部分については触れておらず、流れをなぞるものとなっています。
――今までの「SAO」ゲームをプレイしてきた人にとって嬉しいポイント(キャラクターの参戦)などはあるのでしょうか?
最上氏:「SAO」作品で印象的であったり、ゲーム内の敵や武器のスキンなど、“前にこの作品で見たことあるな、このゲームで見たことあるな”というものは、随所にちりばめられています。
――3月にはCBTが開催されました。その時のユーザーの反応、寄せられた意見ではどのような内容が多かったのか教えてください。
後藤氏:CBTにしてはオンライン周りが安定していたという意見が多くて良かったです。
ただ、通常攻撃やスキルをキャンセルしたい、ロックオンを使いやすくして欲しい、スタンプ連打できないようにして欲しい、サポートキャラの回復量を多くして欲しい、自分が選びたいキャラを他の人に選ばれてしまうので改善して欲しい等の意見も多く、改善を行いました。
あとはこのキャラを出して欲しいという熱いメッセージも結構ありましたね…。
――CBTのキャラクター使用率ではシノン、キリト、リーファの順で多かったようですが、この結果について率直な感想などがあればお聞かせください。また、それぞれのお気に入り、注目キャラなどもいればあわせてお聞かせください。
最上氏:キャラ人気も影響していると思いますが、海外の人はやっぱり銃キャラが好きなのかシノンの人気が高い印象です。ONTではレンやフカ次郎がどうなるのか楽しみです。
キリトはやはり主人公なのでとりあえず触る人が多かったのかもしれません。実際扱いやすいキャラクターで安定して戦えるのが強みです。リーファは回復能力を持つのでパーティーのことを考えると選ぶ人が多くなるとは思います。
――ONTでは今回触らせていただいたアスナ、レン、フカ次郎が追加されますが、3人がどういったキャラクターなのか、性能なども含めご紹介お願いします。
後藤氏:アスナは隙の少ない素早い攻撃ができ、敵の反撃を受けづらいアタッカーです。さらに周囲のパーティメンバーにバフをかける能力を持っているため、キリトとは違う形でパーティーに貢献できるキャラクターです。
レンは近接よりの立ち回りが得意なキャラクターで、シノンとは違うタイプの銃撃キャラになります。移動速度が速く、特別なステップ移動も持っているため、ヒット&アウェイが得意なキャラクターになります。
フカ次郎はグレネードランチャーによる範囲攻撃が可能です。そのため、遠くから撃っているだけでも戦えるのですが、射撃の属性を変えて敵の弱点属性をつき、仲間の回復を行うことで更に活躍できます。豪快だけれども的確な判断が求められるキャラクターでもあります。
――追加キャラということで上記3人の使用率は上がってくると思いますが、製品版に向けて既存のキャラの練度を高めたいという人もいると思います。その点を踏まえて、今回のONTでのキャラ使用率はどのようになると考えていますか。
後藤氏:追加キャラのアスナ、レン、フカ次郎の使用率は高くなると思います。
今回はスカルリーパーに加えてソードゴーレムとも戦えますが、私の印象ではガードできる近接キャラの方が戦いやすかったりするので、もともと使用率の高いキリトはもちろんのこと、アルゴやエギル、オベイロンの使用率も上がってくるのでは? と考えています。
――ONTで特に注目、触ってほしいキャラがいればお聞かせください。
最上氏:やはり、アスナ、レン、フカ次郎ですが、全員触って欲しいです。アルゴは移動が速く、2段ジャンプもできるので触っていて気持ちが良いキャラです。背後攻撃でダメージが上がるのでそれを狙っていくプレイも楽しいと思います。
エギルは《エクストラスキル》を使うと、ゲージが無くなる前に渾身の一撃を繰り出せます。攻撃力の高い状態をなるべく維持してゲージが無くなる直前に繰り出すのが理想ですが、ダメージを受けてしまって技を出せなかったりして、その駆け引きが楽しいですね。
オベイロンは空も飛べるし遠距離攻撃もできるし、守護騎士を召喚して戦闘に参加させられるしで、結構強いです。原作ではあまり良い印象はないかもしれませんが、バトルでは活躍してくれるキャラだと思います。
――TGS2024試遊では全21人のプレイアブルキャラクターから選んで試遊可能とのことでしたが、参加する人も誰でプレイしようか迷う人も多いと思います。今までのONTなどで触れなかったキャラの中から特に注目してほしいキャラなどがいればお聞かせください。
後藤氏:CBTにもONTにもいないですが、私はユージオとかアリスは結構好きですね。《エンハンスアーマメント》を使うと全てのスキルがパワーアップします。また、自分の入力で解除もできるというテクニカルなキャラなのが遊んでて楽しいですね。使いどころがうまくハマると気持ちがいいです。
逆に使わなくてもいいところでゲージを使い果たして中ボスやボス戦で火力が出せなかったときはぐぬぬ、という感じになります。
――最後に発売を楽しみに待つ読者へメッセージをお願いします。
後藤氏:可能であればキャラクターの追加もしていきたいと考えています。どうぞご期待ください。
最上氏:今回はクロスプラットフォームですので、ぜひ友人や周りの人と一緒にチームを組んで遊んでもらえたらと思います。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
(C)2023 時雨沢恵一/KADOKAWA/GGO2 Project
(C)Bandai Namco Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。
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