「白猫プロジェクト NEW WORLD’S」や「モンスターストライク」のキャラクターたちが一堂に会するチームアクションゲーム「フェスティバトル」をレビュー。本作の持つお祭り的な魅力を紹介する。

目次
  1. 通常攻撃とスキルでチームを勝利に導け!
  2. アクションと立ち回りだけじゃない!育成の比重も高い
  3. 観戦もプレイスタイルのうち!もちろん配信も
  4. 協力・対戦・育成・配信・観戦!現代のゲームの楽しさが全部盛りとなったお祭り的一作

「フェスティバトル」は、コロプラとMIXIが共同で手掛けたスマートフォン向けチームアクションゲーム。コロプラの「白猫プロジェクト NEW WORLD'S」、MIXIの「モンスターストライク」といった人気タイトルのキャラクターが一堂に会するというお祭り的タイトルとなっているが、それだけじゃない。プレイヤーとして対戦を楽しみたい人から、キャラクターの育成を楽しみたいという人、そして対戦を観戦して楽しみたいという人まで、多種多様な楽しみ方ができる点が実にお祭り的!自分が踊っても、他の人の踊りを見ていても楽しめるというタイトルに仕上がっているのだ。

協力・対戦・育成・配信・観戦!ゲームの楽しさ全部盛りのお祭り的作品!「フェスティバトル」レビューの画像

通常攻撃とスキルでチームを勝利に導け!

本作はプレイヤー同士がチームを組み、相手チームと戦う協力&対戦型のアクションゲームだ。「白猫プロジェクト NEW WORLD'S」や「モンスターストライク」のキャラクターから自分のキャラクターを選び、バトルに挑戦。自分のチームの勝利へと導くことを目指す。

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プレイヤーの基本となるアクションは通常攻撃とスキル。仮想パッドによってフィールドを360°自由に移動し、相手チームのプレイヤーや、フィールドエネミーなどを通常攻撃&スキルで攻撃し、戦う。操作スタイルこそ両手持ちとなっているが、「白猫プロジェクト NEW WORLD'S」のような3Dアクションバトルといえる。

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ただ、バトルの目的は相手チームのプレイヤーを倒すことではない。ゲームプレイ開始直後に用意されている「チームサバイバル」の目的は最後の一人として生き残ること。その後に解放される「クリスタルハンター」では、クリスタル12個手に入れた上で30カウント経過することが目的。相手チームのプレイヤーを倒すことは最終目的ではなく、目的達成のための手段となっているのだ。

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相手チームのプレイヤーを倒すこと=最終目的としないことで、本作のバトルには奥行きが生まれている。たとえば「チームサバイバル」の「最後の一人として生き残ること」という目的は、一見「相手チームのプレイヤーを全滅させること」と大きな差がない。しかし、明確に「生き残ること」が目的として打ち出されているため、「相手チームのプレイヤーを回避して生存する」という戦術に価値が発生。これに伴い、「相手チームのプレイヤーを追い、攻撃する」「追撃を狙うプレイヤーから、味方チームのプレイヤーを守る」といった立ち回りにも価値が発生する。全プレイヤーがとにかく攻撃を狙うのではなく、それぞれの使用キャラクターの特性に応じた立ち回りで協力する意味があるのだ。

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3D空間を自在に移動し、敵を強力な攻撃で倒す3Dアクション的な爽快感は持ちつつ、チームの状況を踏まえた臨機応変な立ち回り変更も重要。協力&対戦型ゲームの醍醐味がしっかり味わえるバトルだと感じた。

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アクションと立ち回りだけじゃない!育成の比重も高い

また、育成の比重が高くなっていることも本作の特徴だろう。本作にはキャラクターのレベルアップや装備カスタマイズ、装備のレベルアップといった育成要素が存在している。アクションのテクニックと戦術性だけで勝負が決まるわけではない。

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純粋に対戦型ゲームを求める人の中には、操作技術や戦術といったプレイヤーの技術だけで勝敗を競いたい…と願う人もいるだろう。ただ、本作の育成要素は2つの意味で対戦の魅力に繋がっていると感じた。

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ひとつめは、対戦の立ち回りに変化がもたらされること。対戦ゲームは「こういう立ち回りをすれば基本的に勝てる」という「必勝パターン」が定まってしまうと、途端におもしろくなくなってしまう。「必勝」…すなわち「勝ち確定」の裏側には「負け確定」が存在する。誰だって「負け確定」の試合などプレイしたくない。この点で本作の育成要素は、各キャラクターの持つ強さのバランスを崩す要素として作用する。強いとされるキャラクターであっても育成度合いが低ければ脅威度は減るし、弱いとされるキャラクターであっても、レベルが高ければ脅威だ。このため、単純に相手のキャラクターに応じてパターン的に対処することはできない。臨機応変に立ち回るおもしろさが生まれている。

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ふたつめは、育成そのものの楽しさ。お気に入りのキャラクターを育成するというのは、それ自体が楽しいもの。人によってはバトルより、育成の方が好き…というケースもあるだろう。そもそも育成要素なしの純粋なアクションゲームにおいては、プレイヤー自身に技術がないと、自分の好きなキャラクターの活躍する姿を見ることができない。しかし本作であれば、育成することで、自分のお気に入りキャラクターが活躍する機会を作り出せるのだ。このことは、プレイヤー人口の拡大という点でも意味があると思う。

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観戦もプレイスタイルのうち!もちろん配信も

そしてプレイヤー人口の拡大という点で筆者が最もインパクトを感じたのが、観戦機能。本作のような対戦ゲームは、プレイヤー同士の駆け引きという楽しさがある一方で、課題も抱えている。それは、敗北の不快感だ。ソロプレイ前提のゲームの場合、極端にいうと、敵はプレイヤーに倒されるために存在している。もちろんボス敵などプレイヤーが苦戦するバランスに調整することもあるが、そうだとしても、最終的にはプレイヤーによって倒されることが大前提。しかし対戦ゲームは敵もまたプレイヤーなので、プレイヤーが必ず勝つように調整することはできない。どちらかの勝率が100%になれば、もう片方のプレイヤーの勝率は0%になってしまう。この課題はプレイヤー同士が勝敗を競うという性質上どうしようもない。とはいえ、この問題があるからこそ、対戦ゲームに二の足を踏んでしまう、あるいは途中でゲームをやめてしまう…というプレイヤーがいることは事実。ゲームが盛り上がるためには、なるべく多くのプレイヤーがいたほうがいい。…なんとも悩ましい問題だ。

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本作が用意した観戦機能は、こうした問題の回答となる機能だろう。本作はゲーム内に他プレイヤーの配信を観戦する機能が存在している。もっとも、最近の対戦型ゲームでは観戦機能を持っているものも多い。対戦の腕を磨くためには、他プレイヤーの立ち回りを研究することが不可欠だからだ。だが、本作の観戦機能は、こうした対戦研究用の観戦機能とは一線を画している。

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本作の観戦機能は、ゲームの一部として楽しむために作られている。このため、観戦しただけでゲーム内のアイテムをゲット可能。バトルパスも進行していく。

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一時期は「ゲームはプレイしてなんぼ」という声もあったが、最近は実況動画を観るというかたちででゲームを楽しむというプレイスタイルも定着したといっていいだろう。バリバリの現役ゲーマーである筆者も自分でプレイするのではなく、動画配信だけでゲームを楽しむということがある。また正直な話、プレイ中のゲームであっても「今日はプレイするほどの気力がない…」ということはゼロじゃない。そんな時、観戦というかたちでお手軽に楽しめるというのはとてもありがたい機能だ。

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また、配信したいプレイヤーにとっては、お手軽に配信できる上、観戦してくれる人がそこに存在する…という点も魅力だろう。筆者はゲーム配信を行ったことがないが、対戦ゲームでたまたま好プレイを繰り出せた時、「誰かに見せたい…!」と感じることはある。とはいえ実際に配信するわけじゃないのは、まずそもそも配信機材を揃えるハードルが高いから。しかも、そもそも配信機材を揃えて配信したところで、誰も見てくれないかもしれない。そう思うとますまずモチベーションが低くなってしまう…。しかし本作なら、ゲーム内で即座に配信できる上、観戦者もそれなりに見込めそうな気がする。もちろん、「見込めそう」というだけで実際に沢山の観戦者がつくわけではないかもしれない。けど、「配信してみようかな」というモチベーションを持つには十分な環境だ。

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協力・対戦・育成・配信・観戦!現代のゲームの楽しさが全部盛りとなったお祭り的一作

お祭りでは音楽に合わせて踊るのも楽しいし、踊りを見ているだけでも楽しい。あるいは踊りに目もくれず、屋台で食べ物や飲み物を買ったり、くじを楽しんだり…という過ごし方だってある。お祭りというのは「こういう楽しみ方じゃないとダメ」と決まっているものではなく、それぞれがそれぞれのスタイルで楽しめばいいものだ。本作には、そんなお祭りの楽しさが詰め込まれていると感じた。

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また、協力・対戦・育成・配信・観戦という本作に詰め込まれている要素は、現代的なゲームの楽しさすべてといっても過言ではない。現代のゲームが持つおもしろさをお祭り的に楽しめちゃうとは、なんとも贅沢な一作だ。

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ホラーに特化してゲームを作るインディゲーム作家。インディゲームデベロッパー株式会社ワーを一人でやってます。クリエイターとしてゲームライターとして講師として、そしてもちろんいちゲーマーとしてゲームとともに生きています。

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