バンダイナムコエンターテインメントより発売中のPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「鉄拳8」について、2024年10月1日に配信予定のVer1.08アップデート先行プレイレポートをお届け。
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ついに、「鉄拳」シリーズの看板キャラクターの一人、“鉄拳王”三島平八の帰還が、7月22日に行われた「EVO 2024」にて発表された。
三島親子が3代にわたって壮大な親子喧嘩を繰り広げる「鉄拳」シリーズ。前作「鉄拳7」で息子である三島一八に敗れ、マグマの川に放り込まれたのだがちゃっかり生きていたのが三島平八という男だ。「鉄拳」シリーズでは定期的に親子で火山に放り込みあっているのだが、今回もその例に習った形である。
“ポチャン”と入水するのを確認してから立ち去らないあたりが一八のお茶目さだろう。
本レポートでは、追加プレイアブルキャラクターとしてアーリーアクセスが10月1日、一般アクセスが10月4日より開始となる平八を使用してみたプレイレポートと、平八の実装とあわせて追加されるアップデート内容、そして「鉄拳」プロジェクト マーケティングプロデューサーの安田イースポーツ氏(以下、安田P)、「鉄拳8」ゲームディレクター兼開発プロデューサー 池田幸平氏(以下、池田D)へのインタビューをお届けしていく。
また、平八とあわせて、DLCのキャラクターが活躍する追加ストーリーが実装されるのだが、こちらについてはGamerのYouTubeチャンネル「Gamerチャンネル」にて実際のストーリー映像を公開しているので、あわせてご覧いただければと思う。
平八が無双連拳をひっさげて帰ってきた!特定条件で技が解放される「武の境地」システム
まずは、平八のキャラクター性能からご紹介していこう。従来の作品では、ほかの三島系キャラクターと比べて下段攻撃が控えめな代わりに、発生の早い小技が優秀というキャラクターになっていた。
「鉄拳8」での平八は、かつて悪鬼退治で知られた“三島流拳術”の後継者争いに敗れた一族“鉄拳僧”の元で修行を積んでおり、小技での制圧力はそのままに、鉄拳僧秘伝の技を習得している。
専用の構え2種「風神呼法」と「雷神呼法」を使った崩し、そしてヒート状態への以降を3回行うことで「三島流最終奥義・武の境地」という強化状態が解放され、専用の大技を使った豪快な戦い方が可能だ。
彼のステージは「拳磨寺」というお寺で、こちらのステージは昼&夕方/夜で切替が可能になっている。後ろで修行僧が風神ステップの練習をしていたり、素手で鐘をついていたりとコミカルな演出も特徴だ。
池田D曰く本ステージは楽曲も秀逸で、一部「鉄拳2」平八BGMのオマージュが入っているとのこと。
バトルにおける平八の基本的な使用感としては、従来の作品にあったジャブからの3段技「閃光烈拳」や、ガードで有利が取れる「右踵落とし」「空刃脚」など、従来作品の技は基本的に一通りそろっており、これまで平八を使ったことがある人なら特に違和感なく使えると思う。
火力も高めで、最速風神拳からお手軽なコンボで76ダメージが出た。空刃脚が空中きりもみやられ・強になっているので、トルネードからとりあえず撃ってから追撃するのが強そう。
本作からの新要素として、先に軽く話題に挙げた専用の構え2種「風神呼法」と「雷神呼法」がある。イメージとしては、前作にあった「三島流・封殺陣の構え」を細分化、一部技を最適化して二つに分けた感じだ。
これらの構えからは “鉄拳僧”秘伝の技が繰り出せるようになっており、風神呼法はオーソドックスな構えに近く、雷神呼法は強力な中段を活かした崩し特化の構えとなっている。投げ抜け不能の投げ技がどちらの構えにもついており、下段ではなく豪快な投げ技で崩していくという、平八らしく力強いプレイが可能だ。
よく考えれば、麗奈も投げ抜け不可の投げ技を持っていたので、彼女の戦闘スタイルはやはり平八由来なのかもしれない。
もう一つの新要素が、奥義カウントを溜めることで発動できる“三島流最終奥義・武の境地”だ。平八がいかにして武の境地を習得したか、という部分は追加ストーリーで描かれているので、アップデート後にそちらをチェックしてみよう。
奥義を解放するには、以下の3ステップが必要。
- ヒート移行をすることで奥義カウントが1上昇する。
- 奥義カウントが3以上の時に発動技を使用
- 発動ラウンド中のみ、奥義が無制限で使用可能
発動中に使える奥義はどれも非常に強力だ。その中にはなんと、「鉄拳5」で猛威を振るった“スゴ技”「無双連拳」の姿も! シリーズファンへの嬉しいサプライズだ。
無双連拳は、“発生13Fの浮かせ技(コンボ始動技)”というドンデモ技である。13Fというのは、多くのキャラクターのライトゥー(ジャンプステータス付きのコンボ始動)に対する確定反撃フレームだ。
普通のキャラクターはダメージの高いワンツー程度の反撃しかないが、無双連拳ならコンボを叩き込めるというわけだ。相手の攻撃をかわした際に、発生の速さを活かした反撃としても使いやすい。とにかく、鉄拳というゲームにおいて発生13Fのコンボ始動技というのは破格の性能なのである。
さらに、本作では前+両パンチで出る発生12Fのぱちきがヒット時に追撃可能となっているので、ぱちき→無双連拳でコンボができる。弱点だったしゃがみからの15F浮かせ技も習得しているので、確定反撃能力は全キャラクターでもトップクラスといえるのではなかろうか。
さらに、平八の奈落払いは通常だと初段ガードで多大な不利フレームを背負うが、奥義開放中は奈落払いが強化され、ガードされてもお構いなしで二段目以降の派生を出すことができる。つまり、コンボ始動の下段と強化された雷神拳で二択ができるというわけだ。強そう。
平八がコンボ始動の下段で二択を迫れるのというのはなかなか新鮮。アグレッシブな「鉄拳8」らしい調整だろう。
これまでの小技を活かした鉄壁の立ち回りに加えて、構え&奥義を使った攻め能力を手に入れた本作の平八。性能を抜きに見ても、非常に力強いモーションの数々は使っていて非常に爽快感があり、かなり面白い。
構えからの二択を使ったシンプルな使い方もできる上に、突き詰めていくと最速風神拳や各フレームへの最大反撃など、やりこみポイントが多いキャラクターとなっている。気になった人は、ぜひ使用してみてほしい。
アップデート内容を紹介!メインメニューの表示キャラ変更やコラボアイテム情報も
続いて、平八と同時に行われるアップデートで追加される内容をサクッと紹介していこう。
アップデートVer1.08は、2024年10月1日に配信予定となっている。また、シューズブランドの「NIKE」、アイウェアブランド「GENTLE MONSTER」とのコラボアイテムも配信予定となっている。
NIKE&GENTLE MONSTERとのコラボアイテム!
以前、抽選で当たるコラボアイテムとして登場した仁と一八モデルのスニーカーが、ゲーム内アイテムとして登場する。また、アーバンスクエアステージのビル広告もNIKEの広告に変化するとのこと。
こちらは鉄拳ファイトパスの無料ティアで入手できるので、たくさんプレイすればだれでももらえるものとなっている。
また、今回発表された新情報として、韓国のアイウェアブランド・GENTLE MONSTERと一八がコラボしたサングラスが登場。一八以外にも装着可能で、鉄拳ショップで期間限定販売される。
かなり奇抜でパンチの効いたデザインとなっているが、意外と似合うキャラクターがいるかも?
オンラインプラクティスモードが実装
鉄拳ファイトラウンジの中からオンラインプラクティスモードが使用可能となる。トレーニングモードの様々な機能をそのまま2人で使用できるようになっており、友達や師匠にキャラクターを教えてもらうときなどに有効活用できる。
メインメニューの表示キャラクターが変更可能に
DLCキャラクターが配信されるたびに、そのキャラクターがメインメニューで表示される機能が元々あったが、エディ実装時に多くあった「エディに睨まれるのが怖い」という意見を受け、平八実装時に表示キャラクターが変更できるようになる。
各キャラクターのモデリングを細部まで見ることができるので、開発スタッフのこだわりをぜひ体感してほしいとのことだ。
安田P、池田Dへのインタビュー!平八に過去の技を復活させた経緯や本アプデの魅力を語ってもらった
最後に本アップデートについて安田Pと池田Dにインタビューした模様をお届けする。平八になぜ過去の技を復活させたのか、本アップデートの魅力、ストーリーにおける平八の描き方などなど、気になる情報がたくさん詰まっているので、ぜひチェックしてほしい。
――追加ストーリーの制作はもとから決まっていたのでしょうか?
池田:もともとあったストーリーが完結したうえで、エディやリディアが何をしていたのか、平八と鉄拳僧の関わりとは? という部分を補完するという軸で、割と最初から制作は決まっていました。
――本編のような変則的なマッチも搭載されているんですか?
池田:普段の鉄拳でのマッチに近いもののみとなっています。変則的な試合というよりは、普段のルールでDLCキャラクターを使ってもらう事がメインになっています。
安田:リディアや平八って、DLCキャラクターなので買わないとプレイできないじゃないですか。なので、トライアル的にプレイしてもらいたいという狙いもありますね。
――今回の平八のコンセプトは?
池田:イラストレーターのヒロアキさんがデザインを担当してくれているのですが、今までの鉄拳シリーズの平八を踏襲しつつ、胴着に鉄拳僧のマークが入っていたり、背中の虎のアイコンにも変更が入っていたりと、新要素がふんだんに入っています。下半身のデザインをどっしりしたものにすることで表現された力強さも特徴です。
――どういった人にオススメのキャラクターにしあがっているのでしょうか?
池田:パワフルで派手な攻撃が多く、一撃の重みを感じたい人にオススメです。パワフルさに加えて、構えなどを使ったスピーディーさもあるキャラクターなので、スピード&パワーという感じのプレイスタイルが好きな人にオススメです。
――無双連拳など、懐かしい技が多く復活していましたが、条件付きにしてまでこれらの技を復活させてくれた意図をお聞かせください。
池田:昔からの平八ファンを喜ばせたい、というのが第一ですね(笑)。“鉄拳王”平八の帰還を待っていた人達が喜んでくれる要素はなるべく盛り込みたいと思っていたので、技構成やモーションもこだわって作りました。そのうえで、「鉄拳8」ならではの平八に気付いてもらえたら開発スタッフとして嬉しい限りです。
――性能を現代風にして実装する形にもできたかと思いますが、強い縛りを設けてまで最盛期の技をそのまま実装することにした経緯などはありますでしょうか?
池田:普段から今の性能だとバランスブレイカーになってしまいますので、武の境地という試合の後半で輝く盛り上がりポイントにしたうえで、使う人にとっても決めたら嬉しい技にしています。競技シーンでも実用的に使えるにはどうしたら良いか、ということで議論を重ねたうえで今の形になりました。
――平八の死亡は各所で名言されていましたが、元々「鉄拳8」で復活させる予定はありましたか?
池田:出すという事は決まっていましたが、「鉄拳7」での一八と平八の闘い、その中での一八の勝利をしっかり描きたかったので、平八は死亡したという形でお伝えしていました。復活させる際には、慎重に議論を重ねたうえで、やはり「鉄拳」の30周年に平八がいないのは寂しいということで復活させることになりました。復活の経緯などについても追加ストーリーでしっかり描き、皆様に納得してもらえるよう形になっていると思います。決して簡単な決断ではなく、覚悟をもって復活させています。
――平八が記憶を失っているような描写もありましたが、追加ストーリーでの平八の描き方で、意識されていたことはありましたか?
池田:見たことが無い平八を描きたい、という目標がありましたね。そこから普段の平八へ戻っていく過程でビックリしたり、ワクワクしたりしてもらいたいと考えています。表情や喋り方もかなりギャップがあるので、ぜひ楽しんでください。
――他のDLCキャラクターが追加された際も追加ストーリーが追加されるのでしょうか?
池田:今回の追加ストーリーは、本編の補完という立ち位置であり、物語を描くうえで必要であったため追加しています。追加ストーリーありきでDLCキャラクターを決めてしまうと、物語の本筋に関わりが薄いキャラクターを参戦させられなくなってしまいますし、もっと色々な挑戦をしていきたいと考えていますので、今後の追加ストーリーは現在考えていません。評判が良ければ追加したいと考えています。
安田:今回のように大掛かりな追加ストーリーを、今後も無料アップデートのために開発できるのかという、現実的な問題もありますね。今回も「そこまでやってくれと言ってない」レベルのボリュームで開発していますし、かなり魂のこもったものになってます。かなりしっかりしたものになっていますので、ファンの人に楽しんでもらえたらと思います。
――追加ステージの「拳磨寺」はどういったステージなのでしょうか?
池田:基本的にスタンダードな戦いやすいステージになっています。後ろの鉄拳僧たちの修行はコミカルで面白いので、注目して欲しいですね。こうやって雷神拳の練習してるんだ、みたいな発見があると思います。
安田:一八とか平八は絶対あんな練習していないですけどね(笑)。僕らみたいな一般人はああいった練習をしないと習得できないんですよ。
――メインメニューのキャラクター変更ですが、発売から今回のアップデートまで実装に時間がかかった理由についてお聞かせ願えますでしょうか?
安田:あれは、そもそも「エディに睨まれるのが嫌だ!」という声が出てから実装が決まりました。リディアが実装されたときは喜びの声が多かったのですが、でも、次が平八じゃないですか。じゃあ平八の参戦に間に合うタイミングで実装しようという感じですね。
池田:自分で遊んでみて、皆さんの気持ちが僕も分かったんですよね。対戦で負けたときにホーム画面でエディに睨まれると意外と気持ちが沈むなぁと。逆にリディアだったら少しモチベーションが上がるなぁという感じです。ただ、あのホーム画面って一からライティングやカメラワークを設定した空間なので、制作には非常に時間がかかるんです。キャラクター性の表現として、ファランのようなキャラクターはあんまり目線を合わせてくれないようなこだわりが入っています。
そういったこだわりのメニュー画面を35キャラクター×衣装4つ×メニューのタブ分作らなければならなかったので、時間がかかったというの点は少しくみ取っていただけると助かります。私もデザイナーになんで時間かかるの? って聞いたら「いやいや見てください。カメラ1個1個つけて、ライティングも麗奈の二面性を表現するためにここがこうで……」って言われて、そういった思いが積み重なった結果お待たせする形になってしまいましたが、その分こだわりがたくさん詰まっています。ぜひ、一回は見ていただけると嬉しいですね。
安田:そんな中で、「カスタマイズした衣装も出せないすかね?」とは言えなくて(笑)。ノビ選手※とかどうなるんですかね(笑)?
池田:カスタマイズ衣装の反映もそのうち実装したいですけどね(笑)。
※ノビ選手はかなり独特な衣装カスタマイズをすることで有名。
――最初のメインメニューキャラクターが一八だったのはどういった理由がありますか?
池田:もともと仁と一八のどちらを表示するかで議論になりまして、やっぱり悪役中心のゲームだし一八を見せたい、というところと、赤目が光るという演出がやりたかったので一八になりました。そこから、追加キャラクターを見せて興味を持ってもらいたいというところでエディに変えたのですが、「怖いです」という意見を結構もらいましたし、リディアに変えたら「最高です!」みたいな意見をたくさんもらったので、変更できるようにすれば皆楽しいだろうということで今回実装するに至りました。
TEKKEN(TM)8 & (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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