フロム・ソフトウェアとバンダイナムコエンターテインメントが2025年5月30日に全世界同時発売予定の「ELDEN RING NIGHTREIGN(エルデンリング ナイトレイン)」。来たるネットワークテストに先駆けて、某日メディア向けの試遊会が行われたので、その様子をレポートする。

2024年にDLC「SHADOW OH THE ERDTREE」が配信され、アクションRPG「ELDEN RING」がさらなる広がりを見せた昨年。そして、「ELDEN RING」のスピンオフタイトルとなる本作は、今までの「ソウル」シリーズとは異なるゲーム体験である協力型サバイバルアクションとして発売される。
クローズドで行われるネットワークテストを前にメディア向けの先行試遊会が行われ、約4時間に及ぶゲームプレイを堪能できた。試遊会で使用されたのは今回のネットワークテスト版であり、製品版とは異なる仕様があると伝えられた。それらを踏まえてレポートを読んでいただきたい。
3日間を生き抜く協力型サバイバル
ゲームは3日間という限られた日数と制限があるなかで、最後に登場するボスを倒すために広大なフィールドを探索し、さまざまな装備品とレベルアップで自キャラを強くしていくというもの。ゲームスタート時は必ずレベル1から始まる点や後述するプレイアブルキャラごとで固定された初期装備を持つという点では、ローグライク的な側面も強い。
フィールドは本編に登場した"リムグレイブ"にも似た景色だったが、中身は全く異なり、入場する度に地形や配置が変わるランダム生成のダンジョンに似た仕組みを持つ。フィールドの各地には拠点や廃墟などが点在しており、それらに配置された宝箱から装備品をゲットしていくのが基本。

また画面下部にHPバーが表示されるボスに匹敵する強敵を倒すと専用の報酬箱が出現し、通常よりも強力な装備品が入手できるなど、とにかく短いスパンで装備品が次から次へに入手できる。このスピード感は本編にはない新鮮さだ。
なぜこれほどスピード感のある内容になっているかというと、フィールドを囲むように円状に収縮する青い炎が常に迫ってきているからだ。この青い炎の外側にいるとHPが減り続け、最終的にはダウンしてしまう。安全に探索するには常に青い炎の収縮を意識しなければならない。要は安全区域が時間進行で失われていく作りとなっている。

ちなみに、ここで指す装備品とは主に武器や盾、弓矢、杖、聖印といった攻撃に関係のあるものに限定される。というのも、本作は指輪はあれど防具がない! 装備品にはカット率上昇やHP自動回復といったパッシブ効果が1つ付属しており、これらは装備スロットにセットしているだけで効果がある。
そのため本作の装備品集めはメインにしたい武器探しのほか、強力なパッシブ効果のある装備品を集めて自キャラを強くしていくゲーム性となっていた。
また驚きなのがステータスの概念がほぼないということ。「ソウル」シリーズの象徴とも言えるステータスの割り振りという行為すら一切なく、レベルアップ時はキャラクターごとで成長性が異なるスタンスを取っている。例えば近接タイプならHPが大きく上昇し、魔術師タイプはFPが大きく上昇するといった様子。
この利点は、ステータスがない=必要能力値がないので、どのキャラでも好きな装備品を携行できる点にある。次に装備重量の概念がないので、本編では悩まされた重量武器と防具の兼ね合いや二刀流の重量問題などをすべてクリアしている点もある。

本編では、自分が遊びたいビルドを目指してステータスを割り振りゲームを進行していたが、本作では手に入れた装備品からどのようなビルドが目指せるかを悩みながらゲームを進行することになる。運良く強力な装備品を入手できたらそれを軸にパッシブ効果のシナジーを考え直すなど、「ELDEN RING」の流れを汲むタイトルではあるのだが、サバイバルアクションの名の通り、取捨選択がより強調されたゲーム性となっていた。
2つの技を持つプレイアブルキャラクター
操作キャラのキャラメイキングもないのも異端ではないだろうか。本作には見た目と初期装備が固定されたプレイアブルキャラクター"夜渡り(よるわたり)"が存在し、彼らから1人選んで出撃することになる。
また本編の褪せ人とは異なり“夜渡り”たちは、“スキル”と“アーツ”の2つの技を持つ。例えばロングコートが特徴的な騎士風の"追跡者"というキャラはワイヤーを伸ばして敵を引き寄せる“スキル”と左腕のパイルバンカーのような装備で大爆発を起こす“襲撃の楔”という“アーツ”を持っている。

鳥の姿を持つ鎧の騎士は高高度から落下攻撃しながら着地地点周辺の味方を守る陣を展開する“救世の翼”という“アーツ”を持つタンク的な存在で、敵に赤い刻印を付与する魔術師風の“隠者”の“アーツ”は、刻印の付いた敵に攻撃するとHPとFPが同時に回復するなど、キャラによって非常にさまざまな能力がある。

各キャラの詳細や“スキル”に関しては動画内で細かく解説しているので、是非そちらもチェックしていただきたい。
本編のようなもどかしいコミュニケーションとアドリブの楽しさ
本作は3人1組でゲームが進行していくのだが、「ソウル」シリーズらしい密なコミュニケーションが取れないのは変わらず。そのため仲間が必要そうな装備品を渡したいが気付いてくれないといったもどかしさも体験した。この辺りの体験は本編で協力者活動をしているときと同じで、これもまた一興と楽しめるスタンスが自分には合っていた。

ただ、マップにピンを指して行きたい場所への意思表示は可能だし、ジェスチャーも行えるので完全にコミュニケーションが遮断されているわけではない。でもだからこそ、もどかしい交流にこちらの思惑が伝わったときの連帯、達成感はいつだって喜ばしい。
実際に自分が“大回復”の祈祷を所持していたとき、仲間に持っていることを伝えるために少しのダメージに対して"大回復"を使用しアピールしたら気付いてもらえたり。大盾で敵を引き付けている間に仲間2人が別の強敵を倒しているなど、言葉を介さない連携やアドリブの楽しさはかなり体験できた。
なによりも最終日のボスを倒せずとも、それまでの成果で報酬がもらえる仕組みとなっているのも優しい。報酬とはキャラクター個別の専用スロットに装備する遺物と呼ばれるアイテムで、それぞれ複数のパッシブ効果を持つ強力なもの。本来フィールドで披露装備品には1つしかパッシブ効果が付いていないので、複数のパッシブ効果があることの恩恵が感じていただけると思う。

3日間のサバイバルを生き抜き、クリア報酬を得てプレイアブルキャラを強くし、再びボスに挑むというサイクルはローグライクの楽しさ、面白さに非常に近い。そしてフィールドでは素早い取捨選択と探索が活路を開くサバイバル性と、熱中できる要素しかない。

マッチングの際は合言葉も適用できるので、仲間内と遊ぶもよし、協力者スタンスで一期一会のサバイバルを楽しむもよし。シングルプレイも実装されるとのことなので、プレイスタンスに応じた遊び方で体験して欲しい。まずは記事や動画でゲームの空気を把握してもらい、機会があれば触って欲しいタイトルだ。
(C)Bandai Namco Entertainment Inc. / (C)2025 FromSoftware, Inc.
※画面は開発中のものです。
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