ダークファンタジーとしての手堅い作りと、セクシーな着せ替えが売りの中華ソウルライク「明末：ウツロノハネ」先行プレイレポ明代末期の古蜀で、記憶喪失の侠客となって冒険するダークファンタジー

本作はLeenzeeが開発を手がけるソウルライクダークファンタジー。記憶喪失の侠客「無常（むじょう）」となって、敵を倒していくゲームだ。ソウルライクとしての丁寧で王道な作りと、衣装の着せ替えが楽しい作品だった。

須羽を溜め、敵を倒せ！ギリギリで回避する緊張感あるバトルシステム

まずは序盤をプレイさせていただいた。

今回のビルドでは普元寺という寺の近くから始まる。この世界では羽化病という謎の病に侵されているものが多く、患者は次第に怪物へと化していくようだ。

主人公の無常も羽化病に罹患しており、眼は真っ赤に染まり、肩には青い羽根が生えている。なんとも妖しい雰囲気をまとっていた。

本作のゲームプレイは全体的に「ダークソウル」シリーズを意識しており、高難易度3DアクションRPGの系譜だ。しかも、ジャンルの元祖とも言える「ダークソウル」のように動きが重厚であり、ひとつひとつの動作に正確性が求められる。

ジャンルの王道と外れている点としては、パリィが使えず、回避を主体としたアクションを求められる点だ。

（Xboxコントローラー基準で）Bボタンを押すと「瞬身」という回避行動を取ることができる。なるべく敵の攻撃を引き付けて瞬身を行うことで「須羽」を1つスタックすることができる。肩の青い羽根がいっそう光り、なんとも幻想的に見える。

この須羽を消費することで、瞬息斬や流派攻撃といった大技や、法術といった飛び道具を使用することができる。他にも、特定のスキルを取得することで、連続攻撃を当てることで須羽が手に入ることもある。

いずれにせよ、的確に須羽を貯めて、攻撃に用いるというのが肝要だ。

舞台は古蜀。古寺や雑木林など、いかにも昔の中国を思わせる雰囲気たっぷりなロケーションが続く。

本作はテキスト・ボイスともに日本語にフルローカライズされており、道行く野盗を斬ると今際の際に「痛くねえ……」などのセリフを吐いて倒れる。ちょっと間抜けな感じがして、このシビアな世界観の清涼剤になっていた。

普元寺にはNPCたちが身を寄せており、彼らから話が聞ける。皆、羽化病や怪物たちに悩まされており、主人公の無常が突破口を見出してくれるのではないかとほのかに期待を寄せているようだ。

寺から外に出て、いよいよ本格的に探索を始める。

一般的なソウルライクらしく、敵の攻撃は鋭く、回復アイテムは最序盤においては3つしかない。無常の攻撃も隙が多いため、間合い管理がとても重要だ。

戦闘に敗北すると、これまたソウルライクらしく同じ地点に経験値とお金に相当する「朱乑」をすべて落としてしまうため、取りに行く必要がある。

また、死ぬたびに「心魔」のゲージが蓄積されていき、一定以上溜まると攻撃力と被ダメージが増加する状態になる。苛烈な戦闘がさらに激しくなること必死だ。

最後にボス「唐王宮女」と戦闘した。妲己のような見た目の女で、踊るように攻撃を仕掛けてきた。なんとか隙を見て攻撃を返し、クリア。最後まで気の抜けないゲームだ。

ヒラヒラした美しい衣装から、ファンタジーらしい白装束まで様々な衣装を堪能

続いて中盤（レベル22）のデータをプレイ。

こちらのデータでは槍や斧がパワーアップしており、多種多様な攻撃を繰り出すことができた。

また、本作の売りである多様な防具（衣装）についても、本ビルドでじっくりと拝見することができた。

僧侶の袈裟を模した衣である「托鉢の衣」はざっくりと胸元が空いており、とてもセクシーだ。また「白衣無常」「夜行無常」といったファンタジーに振った衣装もあり、こちらもとても美しい。どれも見た目だけ他のものに変えることができるので、気に入った衣装で冒険することができる。

こちらのデータでも探索してみたが、敵が強くなっている一方で、こちらも法術や武器などが増えているために、序盤のデータよりもさくさく進めることができた。最初はいかにギリギリで回避できるかどうかだけが重要だったが、遠隔からチクチク攻撃したり、大技で無理矢理攻撃を通したりすることも可能になってくる。

遊んだデータの範囲では落下死は少なかったが、棘のトラップや死角から飛び出してくる敵など、いやらしい攻撃は多かった。なので、気楽にふらふらすると危うい目に遭うので注意だ。この点もソウルライクに共通するところだろう。

マップは立体的で横道も多く、ショートカットを開通していく遊びはジャンルならではだ。ただ、ミニマップがないので頭の中にルートを構築していく必要はある。

グラフィックは豪華で、エフェクトも派手、主人公も美しいので、ずっと遊んでいたくなるようなビジュアルだった。作りもオールドスクールながら最近のソウルライクのエッセンスが入っており、高難易度アクションRPGが好きな人はぜひとも遊んでみてほしい。

各務都心
ゲームシナリオライター

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作している。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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※画面は開発中のものです。