スパイク・チュンソフトより2025年7月25日に発売予定のNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル」の先行プレイレポートをお届け。
「AI:ソムニウムファイル」は、被験者の夢の世界に入り込み事件の手がかりを探すという設定と、奇っ怪かつショッキングな殺人事件やサイケデリックな演出が多大なインパクトを残し、日本のみならず海外にも根強いファンを持つシリーズ。その最新作が、今年3月のニンテンドーダイレクトで大々的に発表され、驚かれた方も多いのではないだろうか。
今回はその最新作「伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル(以下、「伊達鍵は眠らない」)」を、発売に先駆け序盤部分をプレイさせていただいたので、シリーズファンとしての期待も含めての先行プレイレポートをお届けしたい。
なお、執筆に際してのプレイと記事中のスクリーンショットはNintendo Switch版を使用している。

UFOにさらわれたイリスを救え!?「極限脱出」のDNAが融合した新しい「ソムニウムファイル」
「伊達鍵は眠らない」はシリーズ一作目「AI:ソムニウムファイル」と二作目「ニルヴァーナ イニシアチブ」との間の時間軸を描くスピンオフ。一作目で描かれたとある猟奇的な殺人事件を解決に導いた捜査官の「伊達鍵」は、とある有力者の手下から追われていると、突如空にUFOが出現。UFOは追手のマフィアたちと“ネット界の揮発性溶媒、あせとんことA-set”でおなじみ(?)ネットアイドルの「左岸イリス」をさらっていく、という驚きのオープニングから本作は幕を開ける。
イリスが目を覚ますと、彼女は宇宙船らしき場所に閉じ込められていた。イリスはどうやら危険な脱出ゲームに参加させられており、ゲームの主催者である「明美」は彼女に命がけの謎解きを強要する。窮地に陥ったイリスが助けを叫ぶのはもちろん、我らが伊達鍵。かくして、イリスの命をかけた「極限脱出」が始まるのである。


「極限脱出」の名前を見て、ピンと来た方も多いかもしれない。「AI:ソムニウムファイル」シリーズのシナリオを手掛けてきたゲームクリエイター、打越鋼太郎氏の代表作の一つとして2009年発売の「極限脱出 9時間9人9の扉」と、そこから続く二作を含めた三部作「Zero Escape」シリーズが挙げられる。今作で打越氏はシナリオ監修という立場ではあるものの、公開中のPVでも「TEAM ZERO ESCAPE」と銘打っており、打越氏の作品に魅入られてきたファンの一人としても、「伊達鍵は眠らない」は期待せずにはいられない一作だった。同じ想いを抱き、発売日を今か今かと心待ちにしている打越ファンの皆様と、この喜びを分かち合える日を筆者は待ち遠しく感じている。

手ごわい脱出パートは苦戦必死!?頭を悩ませメモを取りながら、“第三の活路”を探し出そう
まずはいきなり今作の目玉、脱出パートをご紹介したい。今回は2つのステージを遊ばせていただいたが、解法になるような情報は避けているので安心して読み進めていただきたい。


開始時の「SEEK A WAY OUT」の表示にニヤリとしつつ、いざ始まった脱出パート。ここではイリスを操作し、彼女が監禁された空間を探索しながら、情報やアイテムを集めて謎を解いていく。
遊び方としては従来のソムニウムパート(後述する夢の中を捜索するパート)に近いが、あちらは物体や事象へのリアクションを選択するのに対し、こちらは室内にあるアイテムを集めたり、パズルを解き明かしたりなど、主催者が用意したギミックを解き明かすためにいつもとは違った頭の使い方が求められる。夢の中ならどんな奇想天外な出来事も「夢だしな……」で受け入れられるが、こちらは一歩間違えたらイリスの命が脅かされる、危険で大掛かりな仕掛けが満載だ。とはいえ、“まだ”この段階では制限時間もなく、集めた情報を吟味しながらじっくり考えられる。

探索中に拾ったアイテムは拡大や回転させることができ、拾った際には気づけない重要な情報が隠されていることが多いため、手に入れたらまずはぐるぐる回してみる、をオススメしたい。また、アイテムの中には「組み合わせ」が可能なものもあり、見つけた際には用途もわからないものが後になって役割が生まれる場合もあるため、拾ったモノの形状や大きさなどを頭の片隅に入れておきながら探索すると、予想外のひらめきに繋がることも。
探索に行き詰まった時のお助け要素として、回数制限こそあるものの「Search」機能というものがあり、これは“今調べるべきもの”と“調べられるもの”を教えてくれるという優れもの。また、イリスは腕に装着したバングルを介して地上の人間と通話することが許されており、伊達と彼の相棒である眼球型AI「アイボゥ」がこれを介して、イリス(とプレイヤー)をサポートしてくれる。緊迫した状況下ではあるものの、時折挟まれるパロディやジョークを含めた会話劇は、一時の清涼剤としてつい笑ってしまうものが多かった。


2つ目の脱出ステージではイリスの他にも監禁されたキャラクターと操作を入れ替えることができ、ここではイリスの大ファンでもある「真津下応太」が登場。プレイヤーは複数のキャラクターが入手した情報を統合させながら謎を解く必要があり、ワンボタンで操作キャラを切り替えながらそれぞれの持ち物を確認したり、別々のギミックに挑戦したりと忙しさが増し、その分答えを導いた時の快感も大きいものとなっていた。いわゆる“ニチアサ”が大好きな応太節も炸裂し、シリーズファンならここも嬉しいポイント。

謎解きが佳境を迎え、もうすぐで脱出! というところで、“第三の活路”を見出す最後の謎解きが発動。ここでは制限時間が設けられ、時間内に答えを見つけない限り、イリスが死ぬといった最悪な結果が訪れるものとなっていて、緊張感は一気にMAXに。与えられた情報や手元のアイテムを見返しながら、あーでもないこーでもないとやっている内に、最初のプレイでは時間切れにて脱出失敗。筆者はここで泣く泣く難易度を下げリトライし、ようやく二度目の挑戦で脱出に成功。イリスには大変心細い思いをさせてしまった。

謎解きの難しさについては個人差に左右されやすいため断言はしづらい部分だが、個人的には「思い込み」の裏をかくようなものが用意されていて、瞬時に気づけるものと中々答えにたどり着けないものの二種類に分かれ、今回遊んだ2つのステージでそれぞれにぶつかることとなった。とくに、イリスと別のキャラクターを切り替えて操作する場面では、操作キャラが持っていない(もう一人が所持している)アイテムは参照できないため、メモを取る、スマホで写真を撮るなどして情報を常にチェックできる状態を心がけることで、謎解きの手間は緩和するものと思われる。

脱出パートについては細かく難易度を選択することが可能で、「イージー」にすれば先述のSearch機能の回数制限撤廃や最後の謎解き時の制限時間が緩和される他、「ストーリー」の難易度であれば伊達やアイボゥのヒントが答えまでを教えてくれるものになり、謎解きで詰んでしまわないようセーフティが用意されていることを強くお知らせしておきたい。もちろん、謎解きに自身のある方はヒント少なめ、制限時間短めの「ハード」がオススメだ。
この難易度はステージ開始時に選択し、リトライ時に今の難易度から一段階下げるといったオプションが提案されるため、どうしても正解が思いつかない場合はこちらを頼ってゲームを進められるようになっている。せっかくゲームを買ってもクリアできない、ということはないため、脱出パートの難しさを不安に思っている方も安心して購入に踏み切っていただきたい。
伊達×アイボゥのバディ再び!捜査パートではあの人との再会も……
今作「伊達鍵は眠らない」は、過去2作が基本としてきた捜査パートとソムニウムパートに、第三の要素として脱出パートを追加して構成されており、前述の2パートは過去作と同じ感覚で楽しむことができる。


捜査パートでは、画面内のオブジェクトを調べたり、他者と会話して情報を集めることになる。調べたい/話したい対象にカーソルを合わせてボタンや方向キーで内容を選択するもので、ちょっとしたテキストにも細かいネタが隠されている。また場面によってはQTEが発生することもあるが、これに対しても難易度を選ぶことができ、咄嗟の入力が苦手という方にも安心してプレイいただけるようになっている。


先述した通り、今作はシリーズ一作目と二作目の間の時系列の物語ということで、過去作の登場人物が再び顔を見せてくれるのもファンにはたまらないポイント。脱出パートで奮闘する応太の他にも、マーメイドの亜麻芽ちゃん、伊達の後輩捜査官として着任したばかりの龍木と相棒のタマなど、序盤から続々と懐かしい顔ぶれと再会することができる。なお、冒頭から「レプティリアン」というワードも登場するため、「伊達鍵は眠らない」が発売される前に前2作を改めてプレイしておくと、よりスムーズに世界観に入り込める。

本シリーズの目玉でもあるソムニウムパートももちろん健在。これは「psync」という装置を使って対象者の夢の世界に侵入するというもので、ここでは普段は伊達の眼として彼をサポートしているアイボゥを操作して、無意識が織りなす世界に潜り込んでゆく。遊び方は従来と変わらず、ソムニウム世界に在るオブジェクトや対象者のトラウマに触れ、それに対するリアクションを選択することで事態が進行し、真相にたどり着くことを妨げている「メンタルロック」の突破を目指していくことになる。

ソムニウム世界に潜れるのは360秒(6分間)という制限があり、対象を調べたりする際は行動に応じて時間を消費してしまう、そのため、その夢の世界のルールともいえる「鍵則」を見抜き、正しいアクションを選び取るのが捜査の鉄則だ。しかし、明らかにネタだとわかっている選択肢を選んでもしっかりとアイボゥがノッて伊達が突っ込む、息のあったギャグ的な掛け合いももちろん健在で、その反応が気になってついつい事件解決そっちのけで寄り道に走ってしまう、というのもシリーズのお約束。
過去作同様に、ソムニウムパートも難易度が段階的に用意されていて、難易度を低くすれば制限時間が緩和される他、一度クリアしたソムニウムパートは制限時間のない「無制限psync」が選べるようになるため、一周目は真面目に事件解決を目指し、後でネタ選択肢を回収、なんて遊びにも対応。繰り返しになるが、捜査(QTE)、ソムニウム、脱出の3パートはどれも「詰まない」ためのセーフティが用意されているので、そのことを念頭に購入をご検討いただきたい。

危険な脱出ゲームの出口で待ち受けている結末とは!?続きが気になって眠れない「ソムニウムファイル」体験再び
打越氏が「監修」に回ったこと、スピンオフであることが明示されており、実際に遊んでみるまで少し不安を抱えていた今作。しかしその不安は、ゲームを開始してすぐに消え去ることとなった。セリフの応酬、SFや陰謀論が飛び交う怪しさ、一筋縄ではいかない奇妙な事件と、関係者の意識の世界を捜査するという無二の体験から生じるワクワクは、紛れもなく「ソムニウムファイル」シリーズの面白さそのもの。

そこに脱出ゲームの要素が追加されたものの、感覚としては「増築」ではなく「融合」という印象であり、今回遊ばせていただいた範囲でも脱出パートの謎解きの内容が捜査やソムニウム世界で得た情報に紐づいているなど、3つの遊びが入り交ざって一つの物語をきっちり形成していると感じた。「極限脱出」と「ソムニウムファイル」のゲームシステム的なクロスオーバーは、ゲームクリエイター・打越鋼太郎の集大成を思わせる、理想的なマリアージュが「伊達鍵は眠らない」として結実したのではないだろうか。その予感を本物だったと実感したくて、筆者も続きが気になり悶々としながら、今回のレポートを書かせていただいている。

伊達は監禁されたイリスを助け出すべく通話でサポートする一方、地上では不可思議な出来事が起きており、今作で初めてソムニウム世界に侵入する対象は、シリーズでも前代未聞の相手となっている。今のところバラバラに思える地上と宇宙(?)の事件だが、きっとそこにもあっと驚く真相が待っていることは、打越ゲーのファンであれば言わずもがなであろう。ミステリーの秋はもう少し先だが、この夏は「伊達鍵は眠らない」の続きが気になりすぎて寝不足になってしまうかもしれない。ぜひ7月25日の発売日を楽しみにしておいてほしい。

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