「風雨来記5」プレイレポート:バイクでの旅を描くシリーズ最新作は三重県の現在をリアルに描く360度カメラの進化によって、旅の没入感が大幅にアップ

プレイレビュー
1コメント カワチ

日本一ソフトウェアが2025年7月31日に発売する「風雨来記5」の先行プレイレポートをお届けする。

「風雨来記」シリーズは旅を題材にしたアドベンチャーゲームシリーズ。現地で撮影した写真を使用したグラフィックや、旅をテーマに自分と向き合うことを描くストーリー、痛みを残すヒロインとの恋愛など、本シリーズ独自の魅力にあふれたシリーズだ。筆者も第1作に心を奪われてから、シリーズを追い続けているファンで最新作である本作も楽しみにしていた。

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この「風雨来記」シリーズは2021年に発売された前作「風雨来記4」で大幅にアップデート。「風雨来記3」までは静止画による表現だったが、「風雨来記4」より360度カメラによる映像表現が加わり、より自分自身で旅をしている雰囲気を味わえる作品に仕上がっている。

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本作「風雨来記5」は好評だった「風雨来記4」の表現やシステムを踏襲。ほぼ同じ感覚でプレイできる。とはいえ、プレイすると分かるが、360度カメラの性能が上がっており、前作ではぼやけた表現になってしまっていたような部分がほぼ無くなり、現実に引き戻されるようなことは減った。公式サイトで説明されているが、バイクで道を曲がるときのカーブ表現も実装されたため、画面のぶつ切り感も抑えられているので没入感がとても高い。

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これまでのシリーズと同様に主人公はルポライターで、取材のために舞台を取材して回ることになる。基本的にはツーリングモードで目的地まで移動することになるが、前作「風雨来記4」と同様にマップから選択地点に移動するファストトラベル要素も実装されている。とても便利な機能だが、地図には表記されていない場所もたくさんあるので、自身で開拓していく楽しみも存在。便利な部分は便利になりつつも、旅の楽しさは失っていない。

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また、今回は船で移動する“船舶モード”も。ツーリングモードと同じように動く景色も楽しめるし、視点を移動させて自由にカメラで撮影することができるので楽しい。

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現地に訪れてみたくなるご当地グルメの数々

目的地に到着したあとのアドベンチャーパートは、観光地や史跡、神社など多彩なスポットを探索、取材できるが、今回はとてもグルメ描写が多い(笑)。公式サイトにもグルメ描写を強化しているという説明があるのだが、実際にゲームをプレイするとその多さに驚かされる。食事をする場所があるスポットでは主人公がほぼ必ずといっていいほどなにかを食べるのでプレイしていて笑ってしまった。

個人的には「風雨来記」シリーズの孤独を感じる旅というより観光に来ている旅行っぽさが強くなってしまっている感じを受けもしたが、舞台となる三重県には猛烈に足を運んでみたくなった。そういう意味ではグルメ描写の強化は成功と言えるだろう。

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もちろん、訪れることができるスポットは観光地だけではなく、マイナーな場所もたくさんある。訪れることができる場所は360度カメラで自由に視点を移動させることができるので、インターネットで検索したときの写真では見れないようなこまかい部分や裏側まで自分の気になるところをチェックできるのがうれしい。グルメ描写の多い本作だが、三重は“天の岩戸”をはじめ、神話にもゆかりが深い土地であるため、ゲームをプレイしていくことでさまざまな知見を得ることができた。これらは文章で読むだけの情報よりも内容が頭に入ってきやすかった。

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さらに本作ならではの要素としてテキストと実写の融合がある。観光地や史跡には思わずツッコんでしまいたくなるようなものがあるが、主人公がしっかりキャッチアップして感想をつぶやいてくれる。この感想のおかげで主人公にキャラクター性を生んでいるし、物語にもなっている。現代では世界の背景を見るだけであればグーグルマップなどを利用することで簡単におこなうことができるが、本作は主人公の主観であるテキストがあるおかげで物語として楽しむことができる。

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さまざまな偶然の出会いが旅を彩ってくれることも「風雨来記」シリーズの醍醐味だが、それはシリーズ最新作の本作もおなじ。さまざまなバックボーンを持った人物たちとの出会いが待っている。

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主人公には雑誌社対抗の記事コンペ“みえコン”に参加して、上位入賞を目指すという目的があるのもゲームに目的をしっかり生んでいるポイント。1日の終わりに記事を作成できる“キャンプモード”では、実際に訪れた場所から記事にする題材を選び、撮影した写真から記事に掲載するものをチョイスすることができるので自分だけの記事を作っている実感が得られる。

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主人公と同様に取り上げておきたいのがヒロイン。ヒロインのひとりである鹿間 茜は主人公と同じく「みえコン」の参加者で主人公に取材の仕方や記事の書き方をレクチャーしてくれる。取材場所を訪れて写真を撮り、記事を書いてインターネットにアップロードする流れは「風雨来記」シリーズおなじみのものであるが、シリーズ初心者であっても茜のおかげですんなりと理解することができる。記者としての心構えも教えてくれるし、とてもいい立ち位置のキャラクターだ。

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もちろん、本作は自由度の高いゲームなので、彼女のことを追い続けてもいいし、自分の行きたい場所を訪れてもいい。ヒロインとの交流が作品の華であることは間違いないが、ひとりで三重を旅をするのも楽しい作品だ。ぜひ自分だけの旅を見つけて欲しい。

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1981年生まれ。東京都出身。2000年よりゲーム雑誌のアルバイトを経て、フリーライターとしての活動を開始する。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなどのジャンルを好み、オールタイムベストは「東京魔人學園剣風帖」。ほかに思い入れのあるゲームは「かまいたちの夜」「月姫」「CROSS†CHANNEL」「ひぐらしのなく頃に」「ダンガンロンパ」「カオスチャイルド」「ライフ イズ ストレンジ」「レイジングループ」など。 X(旧Twitter):https://twitter.com/kawapi YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCmN-juj7b73DGuIkRRh6U6A Twitch:https://www.twitch.tv/kawapi

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