2026年5月3日に都立産業貿易センター浜松町館で開催されたインディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン12」の現地レポートをお届けする。


2022年8月に第1回が開催された「東京ゲームダンジョン」。プログラマーやエンジニアの開発者コミュニティである“週末Unityもくもく会”を主催する岩崎匠史氏らによって企画・実施されているイベントで、出展にあたっての審査は無く、手頃な料金と充実した設備で自作ゲームの魅力を伝えることができることが大きな特徴となっている。



いつもは都立産業貿易センター浜松町館の2フロアを使って開催されているが、今回は2階・3階・4階を使った初の3フロア展開に。合計400以上の団体が出展した過去最大の規模となった。


じっくりやり込めそうな作品から、短時間で遊べるカジュアルな作品、独自のアイデアが光る斬新な作品まで、さまざまなゲームが出展。一部の人気作に関しては行列も出来たりしていたが、場内アナウンスで現在どのフロアが空いているのか随時教えてくれるため、快適に会場を回って気になるゲームを試遊できるイベントになっていた。




開発者との距離の近さも大きな魅力となっており、気になることをその場で聞けるのもこのイベントならではの楽しさと言えるだろう。
以下で筆者がプレイして気になったタイトルを紹介しよう。
「フィーリングデス」
“フィーリングカップル”でカップルになると死ぬデスゲームに巻き込まれた主人公が、ほかの参加者と交流したり捜査をしたりしながら生還を目指すミステリーアドベンチャー。

ゲームは、主人公の那由田巡が見知らぬホテルの一室で目を覚ますところから始まり、部屋を出たところで幼なじみである香久山立花と再会。外に出られないことに気付いたふたりは館内放送に従ってチャペルへと向かい、そこで自分たちと同様にこの場に集められた複数の男女と出会うことに。

キャラクターはそれぞれニックネームが付けられているのが特徴。白衣の女性であれば“センセイ”だったりと覚えやすい。また、主人公とヒロイン以外の本名が明かされていないことはミステリー的な伏線にもなっているのではないかと感じる。なお、夜清今人というキャラクターのニックネームが“イマジン”という細かなネタがあるのもおもしろかった。

デスゲームの主催者のような見た目をした“Mr.フィールグッド”が登場すると、「この人となら死んでもいい」という人を選ぶ“フィーリングカップル”を開催。主人公はヒロインの立花(=ニックネーム:カグヤ)を選び、見事にカップルが成立。しかし、そのまま立花が殺されてしまうことに。




主人公が目を覚ますとふたたびホテルの一室へ。時間が巻き戻っていることに気付く……というところで体験版は終了。体験版のラストのほうには選択肢で相手の好む選択を選ぶことで好感度が上昇することと、好感度が高い場合のみ選べる選択肢があることが示唆された。どうやらキャラクターたちの好感度を上げながらこのデスゲームの真相やループの謎を解いていく内容になりそうだ。


“Mr.フィールグッド”の正体や、主人公がこのデスゲームに参加させられていること、主人公がループする意味など気になることだらけで早く製品版をプレイしたくなった。
Steam
https://store.steampowered.com/app/2753180/
インタビュー
本作の開発を手掛けるSYUPRO-DXの横田純氏のインタビューをお届け。

――“フィーリングカップルでカップルになると死ぬ”という設定が斬新でおもしろかったです。フィーリングカップルものとデスゲームもの、どちらを作ろうと思って生まれた企画なのでしょうか?
横田:これは同時ですね。5年ぐらい前に作っていたスマホアプリの開発が終了して、次にどんな作品を作ろうか会議をすることになりました。事務所に行く途中でどんな作品を作ろうか考えていたときに、もともと考えていたもうひとつの企画のほかに、フィーリングカップルでカップルになったら死ぬってどうだろうと思いつきました。
――急に企画が天から降ってきた感じなんですね。
横田:そうかもしれません(笑)。それで、事務所でどちらの企画がいいのか聞いてみたところ、「フィーリングデス」がいいだろうと。企画がキャッチーだったからこちらに決まった感じですね。
――試遊させていただきましたが、本作はループものなんですね。キマイラ文庫の「サマータイムモンスターズ」もループものでしたし、横田さんはループものがお好きなのでしょうか?
横田:はい、本作もループものです! ループものは大好きで、ループものに骨を埋めてやろうと思っています。これからもループものと共に生きていきます(笑)。
――カップルになると死んでしまう内容ですが、システム的には好感度を上げないと選択肢が増えずに先に進めないのがおもしろそうですね。
横田:そうなんです。そういったジレンマを描けたらいいなと思いました。体験版は最初の10分しか遊べませんが、今後のストーリーでは誰のボタンを押してカップルを作ればいいんだという悩む展開が増えていきます。ぜひ製品版をプレイしてもらいたいです。
――本作はひとつの真実に向かってストーリーが進んでいくのか、それともいろいろなルートが存在するのか、どちらなのでしょうか?
横田:物語の真実としては1本筋が通ったシナリオをご用意しています。一方で好感度を上げることによって別のエンディングになるといった分岐要素もあります。
――個性的なキャラクターが多そうなので楽しみです。SYUPRO-DXさんは倒産寸前の危機に陥って、本作の支援クラウドファンディングも行っていましたが、ここまでとても苦労されたのではないでしょうか。
横田:そうですね。開発には丸5年かかっていますが、開発をはじめて1年ぐらいのときには資金がもたないことは分かっていました。15か月間、僕たち社員3人の役員報酬を0にして給料なしで作っていたものの、生活費がないのでそれもやがて限界が来ました。
そんな現状をみなさんにお伝えして資金をクラファンで募ることにしたんです。そんなとき、もう亡くなってしまったのですが、もともとよくしてくださっていたゲーム開発者のいたのくまんぼうさんがパブリッシャーのroom6さんをご紹介してくださいました。それが2年前でしたね。
――ようやく軌道に乗ることができたと。今回、会場で試遊できた体験版は配信される予定はありますか?
横田:今回の体験版よりも、もっとボリュームアップしたものを6月のSteam NEXTフェスで配信予定です。楽しみにしていてくださればと思います。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
横田:フィーリングカップルでカップルになると死ぬデスゲームという、非常にワクワクする設定になっているかなと思うんで、ぜひ遊んでほしいです。みなさん、よろしくお願いします!
「クライムライト/CRYMELIGHT」

死後の世界を舞台に、罪を背負った少女たちが自由を求めて戦うローグライクアクションゲーム。特徴的だったのは敵を倒すと断末魔が弾け、青紫の空間“ワンダーディメンション”が地面に広がり、この空間が広がるほどに能力が強化されていくこと。この断末魔の演出に関しては、直接的な続編では無いようだが、「CRYSTAR -クライスタ-」を彷彿とさせるため、シリーズファンとしてうれしかった。
なお、今回の体験版では収録されていなかったが、背負った“罪”を告白し、昇華することで力に変える「CRYSTAR -クライスタ-」でおなじみのシステムも搭載されているようだ。

ステージクリア時に3つのスキルカードから好きなものひとつを選んで性能を強化するデッキライク要素も。5枚の手札で“役”を作る“ポーカー式ビルド”が特徴となっており、組み合わせが揃うほど、手札の効果のレベルが上がっていく。
そのため、どのカードを残すのか、どの役を狙うのかといった選択が生まれる。単純に効果の高いもの、強力なものを選べばいいわけではなく、ポーカーの役も考えながらスキルを選んでいくのが新鮮で楽しかった。

夜汽車氏がキャラクターデザインを手がけるキャラクターはかわいらしいし、「不思議の国のアリス」をモチーフとした世界観も独特で引き込まれる。今回、試遊できたアクション部分に関しても想像以上のデキで、とても爽快感あふれるバトルが楽しめたので、さらに製品版への期待が高まった。

Steam
https://store.steampowered.com/app/3891160/
「超翼戦騎エスティーク」
キャット・ホイ商事によるファミコン用オリジナルシューティングゲームが、あまたにより、Nintendo Switch/PS5/XBOX Series X|S/PC(Steam)で発売。2026年にファミコンの実機でプレイしようと思うと大変なので、今回の移植を待ち望んでいた人も多いのではないだろうか。

原案が「GG アレスタ II」や「スプリガン mark2」で知られる小玉大合体氏、メインプログラムが「ザナック」や「ガーディック外伝」のじぇみに広野氏だったりと名作シューティングを手掛けた豪華クリエイター陣が集結しているだけあり、しっかりゲームの完成度が高くおもしろい仕上がりの作品に。

縦方向の当たり判定が小さい“ファイター形態”と、地形ダメージを無効化し回復力に優れた“ロボット形態”に任意のタイミングで変形することができ、この2種類の形態を状況に応じて切り替えていくのが攻略のカギになってくる。


なお、一定時間で回復するライフ制やパワーアップの排除など遊びやすさを重視したゲームデザインによって、もともと初心者から上級者まで遊べる作品であるが、移植版ではクイックセーブ&ロードや巻き戻し機能も備えており、より手軽に遊ぶことができるようになっている。
ビジュアルも素晴らしいが個人的に最高だったのが音楽。坂本慎一氏、細江慎治氏、佐宗綾子氏らの手がけるBGMはゲームを盛り上げてくれるのでぜひBGMも堪能しながらプレイして欲しい。
Steam
https://store.steampowered.com/app/4078160/
「HeroesSagaZero」
ドット絵キャラクターによる2.5Dバトルに、ローグライトやハクスラ、クラス制RPGなどを融合させたドット絵のローグライトRPG。

キャラクターを配置したあとはオート戦闘になるので、最初の配置やステータスの振り分けが重要となりそうだ。敵の初期配置を見てパーティメンバーを配置していくことになるが、ナイトのようなタンク役を前にして、その後ろにグラディエイターのような火力のある職業を配置、さらにその後ろに回復と蘇生のスペシャリストであるプリーストや豊富な遠距離スキルを持っているアーチャーなどを配置したりと戦略を練っていく。

ゲーム全体のサイクルとしてはプレイするたびに変化するマップを探索し、敵を倒してアイテムを収集。スキルやステータス、配置や装備の選択をしてバトルに挑んでいく流れ。


装備はレアリティに応じてランダムな能力や特別な効果が追加され、自分好みに強化することが可能。装備アイテム数も膨大にあり、まさにハクスラと言えるやり込みがいのありそうな作品だった。

Steam
https://store.steampowered.com/app/4070690/
インタビュー
本作を手がけたStudioMoraGamesのディレクター、もらもら氏へのインタビューをお届けする。
――自己紹介をよろしくお願いします。
もらもら:もともとはStudio51株式会社に所属していました。夢を叶えるために1年前に独立して、今に至ります。
――「HeroesSagaZero」は王道ファンタジーのゲームですが、そういった作品が好きで、自身も手がけてみたくなったのでしょうか?
もらもら:ハクスラ系やローグライク系のゲーム、具体的なタイトルをあげると「ディアブロ」のようなゲームが好きで、敵を倒して気に入ったアイテムを手に入れるような作品を作りたいと思い、今回の「HeroesSagaZero」を制作しました。

――戦闘は観ているだけで簡単でありながら、多彩な職業やアイテムが存在するので戦略性が高そうですね。
もらもら:ありがとうございます! 普段遊んでいないときであっても、「こういう組み合わせながら攻略できるかもしれない」と考えられるような無限に妄想が広がるゲームを目指しました。プレイヤーが100人いたら、100人とも異なるビルドを組めるような自由度の高い作品になっています。
――総プレイ時間はどれぐらいになりそうですか?
もらもら:ストーリーは15時間ぐらいになると思います。それ以外にもローグライトと呼ばれるような死んでしまったらすべてのアイテムをロストしてしまうようなハードコアのモードなども実装したいと考えています。

――体験版の配信予定はありますか?
もらもら:年内には配信したいと考えております。
――最後に発売を楽しみにしているユーザーにひとことお願いします。
もらもら:ドット絵キャラクターによる2.5Dバトルにこだわっているのでぜひ注目していただきたいです。また、非常に自由度の高い作品で、ユーザーさんそれぞれが好みのデッキ構築ができる作品にしたいと思っているので、ぜひ応援よろしくお願いします。
「イノリガミ ハックダウン」
“祈り”と“ハッキング”をテーマとした、ポイント&クリック型ホラー脱出アドベンチャーゲームで、幸せを呼ぶと言われる異様な家を探索してパズルを解いていく内容。

怪異と遭遇すると、カウントダウンがスタート。カウントゼロでゲームオーバーとなるので、カウントダウン内に怪異を退けなければならない。

今回の体験版ではプレイできなかったものの、ハッキングで怪異と戦うモードも。怪異をデータの塊と見立て、その脆弱性を突いて怪異内部へとダイブ。怪異の持つ恨みの根源を突き、怪異をハックダウン=撃退するという。
怪異というホラーに科学的なハッキングとして立ち向かっていくのが斬新で、どのようなストーリーが展開していくのかとても気になった。

Steam
https://store.steampowered.com/app/4399160/
インタビュー
Gamerのライターとしても活動している本作のクリエイター、田中一広氏へのインタビューをお届けする。

――よろしくお願いします。田中さんはゲームライターとして活動する傍ら、ゲームクリエイターとしても活動されているんですね。
田中:ゲームライターと専門学校の講師、あとクリエイターをしています。
――専門学校はゲーム系ですよね。なにを教えていらっしゃるのでしょうか?
田中:プログラムです。あとは企画も担当していますね。
――本作「イノリガミ ハックダウン」の製作期間はどれぐらいでしょうか?
田中:4か月ぐらい経過している感じですね。今年に入ってから作り始めました。
――田中さんが本作で担当している部分はどこになりますか?
田中:ぜんぶですね。シナリオ、グラフィック、作曲も自分でやっています。効果音も自分で収録して、加工したものを使っています。
――多才ですね。クリアまでの想定プレイ時間はどれぐらいでしょうか?
田中:2時間から3時間ぐらいを考えています。
――「イノリガミ ハックダウン」は怪異をハッキングするというストーリーで、心霊と科学を組み合わせたテーマになっていますが、どのような発想から生まれたのでしょうか?
田中:江戸時代や大正時代に活躍した三遊亭圓丈の“真景累ヶ淵”の冒頭には怪談は時代遅れだから病気の一種で扱ったほうがいいという表現がでてきます。そのため、昔から科学的ではあるんですよね。今回の「イノリガミ ハックダウン」は科学的にあり得る怪異というものが存在するのであればどんな話になるのだろうというのがきっかけで生まれた作品です。
――発売はいつ頃になりそうでしょうか?
田中:今のところ今年の8月を予定しています。
――まさにホラーにピッタリの季節ですね。ホラーが好きな人はもちろんプレイすると思いますが、ビックリがニガテな人もいるかと思います。本作の怖さはどれぐらいでしょうか?
田中:驚かす要素は少ないので怖くないとは思います。因習めいたもの、おぞましい怖さのようなものを目指しているので、そういったものが好きな人はぜひプレイしてみてください。
「不見不聞の大罪」
筆者が今回の東京ゲームダンジョンでとても気になった作品。実際に障害就労移行支援に通所していた作者が障害者の格差、貧困と孤独を描く作品となっている。

当事者が描くからこそ、“こういうことを言われると傷ついてしまう”“この社会制度のこの部分がおかしいから生活が大変になる”といったことが生の言葉として伝わってくる。

メディアが自粛しているワードも登場する刺激の強い作品ではあるが、作者の伝えたいメッセージがよく分かる誠実な内容だったため、取り上げさせていただく。フリーゲームなので、本作が気になったらぜひプレイしてみて欲しい。
ノベルゲームコレクション
https://novelgame.jp/games/show/12290
「九頭龍奇譚 龍宮之使 THE GAME 印須磨町編」
クトゥルフ神話と日本の龍宮伝説を掛け合わせたアドベンチャーゲーム要素が強めのRPG。「RPG Developer Bakin」で制作されているのが特徴のひとつとなっており、2Dのキャラクターと3Dの背景を組み合わせたリッチな演出が楽しめる作品になっている。
なお、本作は和風の作品となっているが、「RPG Developer Bakin」はファンタジーの素材が主流であるため、自身で素材を作ったり、Unityのアセットを購入したりすることで世界観を統一しているそうだ。



ストーリーの舞台は怪獣ブーム真っ盛りの昭和40年の日本で、主人公・狩沼京太郎はポスト怪獣を狙う新SFテレビドラマのネタを探していた。そうした中で謎の町“印須磨町”と、そこで28年前に起きた奇怪な“乙姫事件”のことを知ることになり、その事件の真相を探るために印須磨町へと旅立つ。


クトゥルフ神話と龍宮伝説がメインとなるものの、“ムー大陸”や“ネッシー”など多彩なオカルトネタが登場。伝奇やオカルトが好きな筆者は本作のなかに仕込まれた細かいネタにニヤニヤしてしまった。


ゲーム部分はオーソドックスな探索メインのRPGとなっており、キャラクターの正気度が下がったり発狂してしまったりといったクトゥルフ神話のエッセンスも存在。今回の試遊では必須のイベントでキャラクターが発狂してパーティから離脱することになったが、製品版では正気度が下がらないように探索を続けることも重要になりそうだ。


Steam
https://store.steampowered.com/app/3830250/
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。

































