カプコンより2026年10月9日にリリースされる「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」について、プロデューサーの大山直人氏、ディレクターの木下研人氏に実施したインタビューをお届けする。
2024年にリリースされたオープンワールドアクションRPG「ドラゴンズドグマ2」。拡張タイトルとなる「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」には、新舞台「極北の地ノルガン」など大規模な追加要素が収録される。
新たにNintendo Switch 2がプラットフォームとして加わり、本編と新規要素がひとつにまとめられたタイトルとしてリリースされるほか、「ドラゴンズドグマ2」の所有者に向けては新規要素がエクスパンションDLCとして配信予定だ。
今回はこちらの拡張タイトルについて、大山直人氏と木下研人氏に開発の狙いや、ファンへの想いなどを語ってもらった。
――「ドラゴンズドグマ2」の発売当初の反響や「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」の開発経緯について教えてください。
大山:「ドラゴンズドグマ2」リリースから、カプコンへ直接寄せられたご意見だけでなく、プラットフォームのストアレビューや掲示板などに投稿されたコメントも含め、数万件を超えるご意見をいただきました。我々は一つひとつ確認しながら「今後どうしていくべきか」を発売直後から検討し、アップデートの計画を進めてきました。
半年以上にわたって更新を続ける中で今後の展開について改めて考えたとき、「まだまだ遊び足りない」「もっと遊びたい」と感じてくださっているユーザーには、タイトルアップデートだけでは応えきれないという結論に至りました。そこで、新たなストーリーやアクション、敵などを含めた大型コンテンツとして、新しい体験をお届けしようという考えから、今回の「ダークアリズン」プロジェクトがスタートしています。

――初代「ドラゴンズドグマ」の拡張タイトルも「ダークアリズン」でしたが、今回改めて同じ名前を使った理由についても聞きたいです。
大山:ユーザーの皆さんからいただいたフィードバックをもとに、「どのようなコンテンツを作るべきか」という企画を立て、コンテンツの内容が固まった段階で正式名称として何がふさわしいのかを社内で議論しました。「ダークアリズン」という名称を採用した理由についてですが、「物語との親和性」として今回描きたかった物語のテーマと相性がよく、内容を象徴するネーミングだと考えたこと。
もう1つが今回追加したゲームサイクルである「ハックアンドスラッシュ」で、未鑑定品を集めて持ち帰り、鑑定して武器や防具、新たなスキルを獲得し、再び冒険へ向かう。このゲームサイクルは、初代「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」をベースとしたゲーム性とも共通しています。こうした要素をユーザーの皆さんにわかりやすく伝えるうえで、最も馴染みのある名称が「ダークアリズン」だろうという結論に至りましたし、我々としても腑に落ちる名前だったため、正式に決定しました。

――木下さんは「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」でもディレクターを務められていましたが、今回拡張コンテンツとして「ダークアリズン」を改めて制作することへの思いを聞かせてください。
木下:「ドラゴンズドグマ2」への反響をいただいた中で私が強く感じていたのは、「これで終わりじゃないよな。頼むぞ、カプコン」という、ユーザーの皆さんの期待でした。「もっとこの世界で遊びたい」「ポーンと一緒に冒険して戦いたい」という熱量を強く感じて、その思いが私たちにとって大きな原動力になっています。
今回のコンテンツでもバトルを軸に据えしっかりとした戦闘体験があってこそ、皆さんの期待に応えられると考えています。また、初代「ダークアリズン」では、ハックアンドスラッシュというゲーム性を高く評価してくださる声も多くいただいたため、改めてハックアンドスラッシュを軸にコンテンツを設計し、「もっと戦いたい」という皆さんの要望に応えられる作品を目指しました。
――本作は発売以来、拡張コンテンツやDLCを待ち望む声が非常に多かったと思います。先日公開された2周年記念アートでも、意味深な内容が書かれているのではないかと、ユーザーの皆さんが解読を試みるなど盛り上がりを見せていました。そうしたファンの反応をご覧になって、どのように感じられましたか。
大山:当時は6月の発表に向けて社内はもちろん、外部の協力会社とも調整を進めていた時期だったため、タイトルの正式発表はできませんでした。それでも2周年という節目に、ファンに向けて「まだ『ドラゴンズドグマ』に期待していていいんだ」と感じてもらえるようなメッセージを届けたいという気持ちを込めて、仕掛けを盛り込んだ記念アートを公開しました。
――「ドラゴンズドグマ2」本編発売後、伊津野(英昭)氏の退職という出来事がありましたが、シリーズのキーパーソンの不在は開発チームにどのような影響を与えましたか。また伊津野さんの残した「ドラゴンズドグマ」のDNAを、新体制でどのように引き継いで発展させていくのか方針を聞かせてください。
大山:伊津野の退職についてですが、カプコンはチームでゲームを開発していますので、一個人が退職したことで「ドラゴンズドグマ」が作れなくなる、ということは一切ありません。シリーズのDNAという意味では、生みの親が伊津野であることは間違いありませんが、立ち上げ当初から関わってきたスタッフも数多く在籍しています。
木下も長年「ドラゴンズドグマ」シリーズに携わっており、前作「ダークアリズン」ではディレクターを務め、「ドラゴンズドグマ オンライン」でもディレクターを担当してきました。そうした経験を持つスタッフがチームにいることも含め、DNAはしっかりとカプコンの開発チームに受け継がれています。そのうえで、「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」も、シリーズらしさを大切にしながら制作できていると考えています。
――先日のアップデートで「不便さ=リアルな旅」というこだわりから、「遊びやすさ」へと舵を切ったように感じましたが、開発チーム内における議論のプロセスなどを教えてください。
大山:まず、「不便さ」と「リアルな旅」をイコールとは考えていません。ユーザーの皆さんの間では、「『ドラゴンズドグマ』は不便さを楽しむゲームだ」という意見やコメントも広まっていると思います。しかし、開発として不便さを強いるゲームを目指しているわけではありません。
私たちが重視していたのは、あくまでも「リアルな冒険感」です。ただ結果として、一部の要素が「不便だ」と受け止められてしまったことも事実です。そうしたフィードバックに対しては、選択肢を増やすことでより快適に遊べるよう調整を行い、プレイヤーの皆さんが楽しみやすい形を目指してタイトルアップデートを進めてきました。
――「不便さ=リアルな旅ではない」とのことですが、改めて「ドラゴンズドグマらしさ」について、お二人のお考えをお聞きしたいです。
木下:僕が一番大切にしている「ドラゴンズドグマらしさ」の根底は、先ほどもお話しした「リアルな冒険感」です。その意味では、「ドラゴンズドグマ2」はリアルな冒険感を突き詰めたゲームとして、良い作品に仕上がったと考えています。
一方で、「今の時代には合っていないのではないか」というご意見や、「不便だった」という声も数多くいただきました。時代性やユーザーのニーズを踏まえると、より多くの方により長く楽しんでいただけるゲームへと進化させる必要があると判断しました。そのため「リアルな冒険感」というコンセプトは維持しつつも、遊びやすさの面では思い切って改善に舵を切り、さまざまな修正を進めています。
大山:僕が考える「ドラゴンズドグマらしさ」は、「自由な冒険」「多彩なアクション」「ポーンたちとの冒険」です。シリーズは一貫してシングルプレイの作品ですが、ひとりで遊んでいるにもかかわらず、まるでマルチプレイをしているような体験が味わえることは、本シリーズならではの大きな魅力だと思っています。そうしたポーンという存在も含めて、王道ファンタジーの世界で仲間と旅をする冒険感を深く味わえるのが、「ドラゴンズドグマ」の根幹にあるのではないかと考えています。

――遊びやすさという点では、本編リリース時に賛否の分かれた「竜憑き」や、牛車での移動中に頻繁に発生する襲撃などの要素もありますが、DLCの導入や今後のアップデートを通じて、根本的な仕様変更や緩和を行う予定はあるのでしょうか。
木下:現在発表しているとおり、8月末にもさまざまなアップデートを予定しています。開発としては、そのアップデートを一区切りとし、本編でいただいたさまざまなご意見に対しては、改善や調整という形で一定のフィードバックを反映できたのではないかと考えています。
大山:「竜憑き」については、もともと「ポーンが強くなる」というメリットと、放置し続けると最悪の事態が起こるというリスクと表裏一体のシステムとして実装しました。ただ、「ポーンが強くなる」というメリットがプレイヤーの皆さんに十分伝わっておらず、さらに竜憑きに気づかなかった場合のリスクが大きすぎるという課題がありました。
今後はメリットをより分かりやすく伝えるとともに、竜憑きそのものにも気づきやすくなるようバランスを調整しています。加えて解消したいと思ったときには、8月のアップデートで追加される「竜下し」で、手軽に治せるような仕様へ調整する予定です。
牛車の襲撃については、6月10日のタイトルアップデートで対応済みで、牛車の襲撃を防ぐ効果を持つポーンのスペシャリティ「襲撃対抗」を追加しました。そのため、「襲撃が発生してほしくない」という方は、このスペシャリティを持つポーンを雇うことで、襲撃を回避しながら旅を楽しめます。このように、プレイヤー自身が選択できる幅を広げる形でタイトルアップデートを行っています。
――ポーンに関してAIの賢さの向上や、性格ごとの新たな行動パターン、本編にはなかった細かな指示の追加など、ポーンに関する新要素や機能拡張は予定されていますか。
木下:ポーンについては、新エリアでの要素に加え、新たな命令や行動をタイトルアップデートで追加していきます。例えばスタミナ切れで疲弊しているプレイヤーや、凍結状態になってしまったプレイヤーをポーンが助け、飛びついて敵の攻撃を回避させてくれます。
さらに敵によじ登る際に、ポーンが手を差し伸べて高所まで持ち上げてくれるなど、探索や戦闘をサポートする新たな協力アクションも実装予定です。加えて4.0アップデートでは新たな「スペシャリティ」も追加予定で、これに伴ってポーンのボイスや行動、思考についてもアップデートを行います。
大山:ポーンは単純にAIを賢くすることだけが目的ではなく、少しお茶目な部分も含めて「ポーンらしさ」だと考えています。一方で、「さすがに崖から飛び降りてしまうのは違うよね」といったような、プレイヤーから見ても不自然な挙動についてはひとつずつ改善を進めていきます。

――「加護なき世界」に行っていたり、2周目だったりと、プレイヤーによって進行状況が大きく変わるタイトルですが、新エリアの開放条件を教えてください。
木下:プレイヤーの皆さんがゲームをどこまで進めているかは、人によってかなり幅があると考えています。まず本作では新たな舞台となる「ノルガン」に加え、「忘れられた試儀」と「滅びの王土」という2つの大型コンテンツを用意しています。これらへは、ゲーム開始後に最初の大きな街である王都・ヴェルンワースへ到着すると、ベルントというNPCからクエストを受注することで序盤からアクセスできる仕組みです。
「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」から完全新規で始めたプレイヤーの方も、早く新しいエリアに行ってみたい人も多いでしょうし、適正レベルに関しては「忘れられた試儀」がレベル25〜27、「滅びの王土」はレベル40ほどの設計にしています。ゲームスタートしてヴェルンワースに着いた時点でレベル8~10ほどに上がっていると思うので、少し王都のクエストを遊んでいただくと「忘れられた試儀」に入れるようなバランスです。DLCエリアではレベルが上がりやすくなっているのと、強力な装備品も手に入りやすいので、比較的早く「滅びの王土」が遊べるレベル40まで到達します。
すでに「加護なき世界」に行っている方が「滅びの王土」に行くには、いわゆる通常世界からアクセスする形なので10日間寝ていただいても良いですが、待てない方も強さを引き継いで最初から遊んでヴェルンワースに行っていただくと、DLCエリアに行くことが可能です。

――幅広いレベル帯でDLCエリアを楽しめそうですね。
大山:特に「忘れられた試儀」と「滅びの王土」のダンジョンについては、推奨レベルに幅を持たせています。序盤のレベル20程度から挑戦できるとお話しましたが、奥へ進むにつれて難易度は大きく上がり、各ダンジョンごとに異なる特徴や個性を持たせているので、進行に合わせて手応えを楽しんでいただけると思います。また通常よりも経験値を多く獲得できるように調整しているため、ダンジョンを一つひとつ攻略していくことで、レベルアップを重ねながら無理なく先へ進められるバランスになっています。
木下:ちなみにDLCの追加によって、レベルを上げながら進めやすくなっているという側面はありますが、一方で、現在はハードモードの実装に向けた準備も鋭意進めています。熟練した冒険者の皆さんやすでにレベルキャップやステータスキャップに到達している方には、ハードモードを選んでいただき、より歯ごたえのある戦闘を楽しんでいただければと考えています。

――今回新たな収集要素として、初代「ダークアリズン」の呪具のような「遺戦品」が追加されましたが、ハックアンドスラッシュ要素について深堀りして聞きたいです。
木下:遺戦品は「滅びの王土」の中核となる要素で、未鑑定の装備品を入手して鑑定することで性能が明らかになり、どのような能力が付与されているのかを楽しみつつ、自分に合った装備を選び、さらに強くなって次の冒険へ進んでいきます。
鑑定によって決まる性能は、攻撃力や防御力といった基本ステータスにも幅があるほか、付与される特殊効果も毎回変化し、カスタムスキルを強化したり特殊アビリティが付与されたりと、遺戦品のランクによって内容も変化する仕組みです。そうしたランダム性のある装備を集めながら、自分にとって最も使いやすく楽しいビルドを追求し、キャラクターを強化して冒険やストーリーを進めていくことが、根本的なゲームサイクルになっています。
――本編でもさまざまな武器が用意されており、先ほど「DLCコンテンツを遊ぶことで本編も進めやすくなるかもしれない」というお話もありましたが、遺戦品とはどのように住み分けていますか。
木下:「忘れられた試儀」で入手できる武器や防具は、本編と同様に強化を重ねることで性能が向上していく仕組みです。一方で、「滅びの王土」のハックアンドスラッシュで手に入る武器・防具には、通常の強化要素はありません。その代わり鑑定するたびにどのような能力が付与されるかが変化するため、性能を育てるのではなく「どんな性能を引き当てられるか」というランダム性を楽しめるように設計しています。ちなみに武器・防具は今回のDLC全体として、完全新規デザインで150点以上追加されているのも魅力になっています。
――「忘れられた試儀」の紹介では、「歴代の覚者たちが手にした希少な装備」という説明がありました。入手可能な装備には、どのような特徴がありますか。
木下:「忘れられた試儀」で入手できる装備は、先ほどもお話ししたとおり、強化を重ねることで性能が伸びていくタイプの装備です。「忘れられた試儀」の設定としては、かつて多くの覚者が挑んできたという背景があり、ダンジョンを攻略していくと、歴代の覚者たちが使用していた装備を入手できます。また「忘れられた試儀」を最後まで攻略することで、このダンジョンが何のために作られ、なぜ存在しているのかといった背景も明らかになるというストーリー面でも意味を知っていただける構成です。
――ダンジョンにもバックボーンが用意されているのですね。
大山:「ノルガン」でも新たな攻略要素として、ノルガンエリアを進めていくと、装備の性能はそのままに見た目だけを変更できる、いわゆる「重ね着」のような機能を利用できるようになります。そうした要素も含めて、さまざまな鑑定品や装備を集めながら、自分好みの見た目やビルドを追求する楽しさも味わっていただける内容になっています。

――拡張に合わせてジョブ強化要素に関する新要素はありますか。
木下:レベルについては、上限がすでに999となっているため、今回レベルキャップを引き上げる予定はありません。成長要素としては、各ジョブに新たなカスタムスキルを追加しています。これまで使用していたカスタムスキルの上位版に加え、本編にはなかった新規スキルも遺戦品の鑑定結果に応じて各ジョブに用意しています。
大山:方向性としては、新しいコンテンツを追加するのであれば、それに見合った新しいエリアや、新たなエネミーをしっかり用意することが重要だと考えています。それらが揃って初めて、ゲームサイクルとして成立するからです。
一方で、プレイヤー側のアクションに何も変化がなければ、新鮮味は薄れてしまいます。そこで今回は、カスタムスキルの拡充にも注力し、新たな遊びの幅を生み出せるよう開発を進めました。また、8月末に予定しているタイトルアップデートでは、カスタムスキルの装備枠を4枠から6枠へ拡張します。この仕様変更によって、アクションの組み合わせがさらに多彩になり、より奥深い戦闘を楽しんでいただけるようになると考えています。

――カスタムスキルについて、4枠から6枠になると紹介されていましたが、本編と立ち回りが大きく変わるジョブはありますか。
木下:特に恩恵が大きいのは、アリズンだと思います。アリズンはあらゆる武器を切り替えながら戦えるジョブですが、これまでは装備できるカスタムスキルが3つに限られていました。今回、カスタムスキルの装備枠が6枠に拡張されることで、単純計算でより多くのスキルをセットできる結果、これまで以上に幅広い立ち回りが可能になると思います。
大山:なお、カスタムスキルの装備枠を4枠から6枠へ拡張する仕様は、8月末に予定している本編向け無料タイトルアップデートで実装する内容です。そのため、本編と「ダークアリズン」で操作感が大きく変わってしまうことはありません。基本的なプレイフィールは共通のまま、新たなコンテンツを楽しんでいただけるよう設計しています。
――新キャラクターの「エイル」や「理外の竜」についてお話しできる範囲で紹介いただきたいです。
大山:実はどちらも物語の鍵を握る存在にはなっており、具体的な詳細までは現時点ではお伝えできません。ぜひプレイされた時に確かめていただければと思っています。


――新たな舞台「ノルガン」に関するアートディレクション・ロケーションなどについて、特に力を入れた部分やプレイヤーに感じてほしい点はありますか。
木下:本作では、極北の地という雪深い大地を舞台に冒険を繰り広げることをテーマとして据えています。もちろん雪景色といったビジュアル面にもこだわっていますが、それだけではありません。「ドラゴンズドグマ」の冒険を雪の世界で描くにあたって、どのような自然表現や環境の影響をゲームプレイに落とし込めるかという点にもフォーカスしながら開発を進めてきました。
また「ダークアリズン」というサブタイトルを冠していることもあり、一面が雪景色というだけでは終わりません。深層へ近づくにつれて、よりダークな世界観や、土地で起きた出来事の本質が徐々に見えてくるようにデザインしています。
――「ドラゴンズドグマ」シリーズでは、地形を活用した戦い方も魅力の一つですが、雪といった新たな環境は、戦闘や探索にどのような影響を与えるのでしょうか。
木下:「ノルガン」という新たなエリアでは、戦闘に活用できる新しいギミックを用意しています。また、天候や環境の変化によって視界が変わるなど、探索にもさまざまな影響があります。そうした状況の中で、どのように攻略するのか、どう考えて行動するのかといった部分も、ゲームプレイを通して実感できるように設計しています。
例えば、激しい吹雪によって視界が悪化した状況では、蛮族のような人型の敵「ベルカン」の声だけが周囲から聞こえ、姿が見えないまま包囲されて襲われるような場面があります。そうした状況をどう切り抜けるかも、本作ならではの体験の一つです。他にもつららや雪崩など、雪国ならではの想像可能な環境ギミックを数多く用意しています。

――ノルガンの過酷な環境音の構築や新規の楽曲において、アレンジのロジックや楽器の編成などをどのように変化させたかという点について聞きたいです。
木下:楽曲については、サウンドチームとコンセプトの段階から一緒に作り上げています。今回追加される環境に合わせて、拠点、フィールド、戦闘など、BGMはすべて新規に制作しました。戦闘曲については、本編では聴けなかったような、より迫力があり、戦いのエネルギーを感じられるサウンドを目指しています。
一方、フィールドやステージの楽曲は、先ほどお話ししたようにエリアごとのグラデーションを意識して制作しています。麓の比較的穏やかな地域から、雪深いエリア、深層へ近づくにつれて、不気味さや緊張感を感じさせる環境へと移り変わっていく。そうしたストーリーやロケーションの変化に合わせて、BGMも段階的に変化するよう構築しています。
――サウンドエフェクトと戦闘BGMを両立させるためのミキシングなど、音響設計の技術的なこだわりについてもうかがえますか。
木下:吹雪の場面では、視界だけでなく、耳でも吹雪の激しさをしっかりと感じられるようなサウンド設計です。先ほどお話ししたベルカンが登場する場面では、音量バランスを細かく調整し、吹雪の中でもベルカンの声がより印象的に響くよう、サウンドチームとミキシングを詰めながら作り込んでいます。

――今回「ダークアリズン」の発売やNintendo Switch 2版の発売をきっかけに遊び始めたり、戻ってきたりと考えている方も多いと思います。最後にお二人からプレイヤーへメッセージをお聞かせください。
大山:今回の「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」は、新しく「ドラゴンズドグマ」に触れる方と、これまで遊んでくださっている方、その両方を意識して開発を進めました。もちろん、オリジナル版の「ドラゴンズドグマ2」を気に入っている方が多くおられることも理解していますので、そうした方々が楽しんでいるゲーム体験を損なわないことは大前提として考えています。
その一方で、新しくシリーズに触れる方には、より遊びやすい選択肢を用意し、「どのように遊びたいか」を選べる幅を広げたいと考えました。そうしたプレイスタイルの選択肢を広げることが、今回の「ダークアリズン」プロジェクト全体のテーマでもあります。
木下:ポーンとともに旅をし、さまざまな出来事を乗り越えていく「1人じゃない冒険」こそが、「ドラゴンズドグマ」シリーズならではの魅力だと思っています。「ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン」では、その体験を大切にしながらも、現代のプレイヤーにもより遊びやすく感じていただけるよう、さまざまな改修を行いました。
さらに、新たなエリアや拡張コンテンツを通じて、「ドラゴンズドグマ2」の世界をより深く楽しめる内容になっています。これまで遊んでくださった方はもちろん、今回初めて「ドラゴンズドグマ」に触れる方にも、ぜひポーンとの冒険を体験していただきたいです。
――ありがとうございました。
(C)CAPCOM
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