7月17日から9月14日までの期間、六本木ヒルズ森タワー52階・森アーツセンターギャラリーにて行われる「Fate/Grand Order展 -星見の回廊-」。開催に先立って行われた内覧会の模様をレポートする。
本展は、「Fate/Grand Order」(以下、「FGO」)の歩みを辿る展示会。会場には、これまでの膨大な冒険の記録や、制作の裏側を覗ける貴重な資料が展示されており、マスター(プレイヤー)が歩んできた旅路を追体験できる空間が広がっている。

なお、会場ではボイスガイドも販売。音声ガイドは2種類用意されており、キャラクターの組み合わせに加えて、ツアー内容なども異なるとのこと。ぜひともカルデアの仲間たちとともに、旅路を振り返ってほしい。

旅の始まり(エリア1:オープニングシアター)
会場でマスターたちを最初に待つのは、本催事初出の映像で送るオープニングシアターだ。マシュと共に歩んできた「FGO」。彼女がこれまで様々な人と出会い、成長し、つらい経験もしながら駆け抜けてきた旅を振り返るような内容となっている。
ここまでプレイしてきた筆者にとっても過去の出来事を振り返りつつ、セリフも相まってか、いきなり感極まりそうになってしまった。ここは単なる映像展示ではなく、11年という歳月を共にしてきたマスターたちの感情を呼び覚ますための、物語への導入路となっている。

創作の軌跡(エリア2:制作資料室)
次のエリアでは、「FGO」の創作の軌跡を辿る。並べられた膨大なシナリオの紙束は、「FGO」という物語がいかに緻密に、かつ情熱的に紡がれてきたかを雄弁に物語っている。
絵コンテや設定資料に加え、本エリアでは開発の裏側を覗ける貴重な資料も展示。キャラクターたちが息づくまでの過程を克明に示しており、一つひとつの線に宿るクリエイターの息遣いを感じることができる。
2つ目のエリアからかなりの情報量となっており、この場所に足を踏み入れた筆者も、プロットやシナリオ、イラストなどを一つ一つ、食い入るように眺めていた。







冒険の足跡(エリア3:イベントストーリー保管庫)
続いては、これまでに「FGO」で開催されてきた数々のイベントが再び光を浴びる。期間限定の物語でありながら、マスターたちにとっては掛け替えのない思い出である各イベントで登場したモチーフやアイテムが所狭しと展示されている。
展示を眺めていると、イベントシナリオの内容などはもちろん、登場したサーヴァントたちとの思い出もよみがえり、足を止めて熱心に見入っていた。
また、エリア内中央に位置し、印象的なフォウくん。柱から飛び出しているのかな…と思っていたが、後ろに回ると突き破っていることが確認できた。正面だけではなく、後ろからフォウくんをこんな距離で眺められるのはなかなかないのでは…? と思いながら眺めていた。
カルデアの歩み(エリア4:カルデアの旅)
「FGO」のメインストーリーを辿る本エリアでは、冒険の結晶ともいえる旅の全貌が展開される。特異点から異聞帯へと至る道程は、単なるゲームの攻略記録ではなく、マスターとサーヴァントが紡いできた対話と決断の歴史そのものだ。展示されている資料の数々が、あの時の選択の重みを改めて突きつけてくる。
壁の展示はもちろんだが、天井にも注目してもらいたいのがこのエリア。ここでは17mの巨大天井画がマスターたちを迎えてくれる。そして、奥ではマシュが皆のことを待っていてくれる。
絆の回廊(エリア5:星見の回廊)
展示の終盤、第2部終章を想起させる空間へ。ここでは映像演出と空間が一体となり、これまで出会ったサーヴァントたちの存在を強烈に意識させる仕掛けが施されている。
キューブに浮かび上がるサーヴァントの姿と、激動のバトルを追体験する演出は、言葉を失うほどの没入感をもたらす。ここでの体験は、本展のコンセプトである「星見」の名にふさわしい、静謐でありながら熱い結末といえる。
メッセージ(エリア6:メモリアルメッセージ)
旅の締めくくりとして、制作に携わった関係者たちからのメッセージやイラストが掲出されている。本展のために寄せられた、それぞれの想いが詰まった言葉の数々は、11年という重みある歩みを支えてきた情熱そのものだ。
ファンと共に歩んできたこれまでの道のりと、これからも続く物語への想いが交差する場となっている。





旅の結び(エリア7:FGOストア)
最後のエリアでは、この旅を記念するアイテムがマスターを待つ。また、併設カフェ「THE SUN & THE MOON (Cafe)」では、展示の余韻を深めるコラボメニューが用意されており、最後まで「FGO」という作品の世界観に浸ることができる。
本展は、記録の展示という枠を超え、作り手と演者、そしてマスターたちが共に歩んだ11年の絆を確かめ合う巡礼の地である。ぜひ自身の目と心で、「星見の回廊」の深淵に触れてほしい。
11年の歩みを振り返る——川澄綾子さん、坂本真綾さんが語る旅の記憶
内覧会では、川澄綾子さん、坂本真綾さんを招いたゲストセッションも行われたので、そちらの模様も併せて紹介する。

展示の入り口となるオープニングシアターについて、川澄さんはマシュの旅路の集大成であり、パートナーとしての強い思いを持つマスターたちにとって、「FGO」の世界へ入るための特別な空間になっているとコメント。坂本さんも、映像が流れた瞬間、込み上げるものがあったと話し、その没入感の高さに心を動かされた様子を見せた。
展示の見どころについて、川澄さんは、制作資料室に並ぶ膨大なシナリオの束に触れ、それだけの言葉が紡がれてきたことに11年の重みを感じたと語った。また、自身も一人のプレイヤーとしてプレイしてきた経験から、展示されている資料の一つ一つが当時の思い出を呼び起こすと話した。また、第2部終章のバトルを表現した星見の回廊エリアについては、画面だけでなく周囲のキューブにもサーヴァントが映し出される演出に深く感銘を受けた様子であった。

坂本さんも同様に、制作資料室は目移りするほど情報量が多く、アフレコ現場で目にしていたコンテなどの資料をファンと共有できることに喜びを見せた。
続けて、「FGO」の主題歌についても自身の思い出を披露した。最初の楽曲である「色彩」について、当時はこれほど長い旅路になるとは想像しておらず、制作を通じてプレイヤーの心に寄り添う楽曲へと育ったことに感慨を深めている。また、最終章の主題歌である「時計」についても触れ、自身のこれまでの旅路を走馬灯のように振り返りながら書き下ろした楽曲であると明かした。「FGO」のファンからは「時計」を聴くと自然に涙が出るという声が多く寄せられており、物語との深い親和性の中で音楽が届けられていることに幸せを感じているという。
さらに、物語の展開と連動し、特定の楽曲が種明かしのような形で大きな話題を呼んだことにも触れた。制作はかなり前に行われていた楽曲ではあったが、シナリオの進行と合わせてその意味が明らかになったことで、ようやく読者やプレイヤーに対して答え合わせができたような、肩の荷が下りた心境であると語った。

セッションを通じて、キャスト陣からも本展が11年間の絆を再確認し、資料など様々な角度から旅路を振り返る特別な場所であることが強調されていた。

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