ブシロードは本日11月27日、東京・中野にある同社社屋にて「ブシロード・グループ響ミュージック設立プレス・カンファレンス」を開催し、新たに設立した響ミュージックの趣旨や今後の展開についての発表を行った。
カンファレンスの始めには、ブシロード代表取締役社長・木谷高明氏が登壇し、まずはグループの体制を説明。現在の体制は、親会社であるブシロードグループパブリッシングの下に、国内ではトレーディングカードゲーム(TCG)やスマートフォン用ゲームサイト「ブシモ」を展開予定のブシロード、プロレス興行を担当する新日本プロレスリング、インターネットラジオと声優事務所の響、以上の3社で成り立っている。
これら3社には、ブシロードであればTVアニメ「カードファイト!!ヴァンガード」の主題歌や挿入歌、新日本プロレスリングであればプロレスの試合における選手入場時のテーマソングといった、それぞれ音楽と関連のある人気コンテンツがあるという。こうしたグループ内で音楽に直結するコンテンツが多く存在しており、今後も新たに生まれていくだろうという考えによって、響ミュージック設立に至ったという。
今後のグループの体制については、響が2つに分かれ、従来の響は声優事務所と音楽出版に特化。新設される響ミュージックは、響からネットラジオ部門を移管すると同時に音楽事業を始める形となる。これにより、響ミュージックではインターネットラジオとも連動し、より幅広い音楽や音声の展開ができるのではないかとしている。
また、「探偵オペラミルキィホームズ」のライブをはじめ、新日本プロレスの試合、カードゲームの大会やイベントなど、多くの人が集まるライブの場も多く持っているため、音楽と親和性が高いものに関しては、ともにリリースしていく予定とのこと。
響ミュージックでの目標のひとつには、自社が持っているジャンルで、もっと音楽を進化させたいという考えもあるようだ。例えば、カードゲームミュージックというジャンルを作ったりと、ブシロードグループだからこそできることをやっていきたいという。
木谷氏個人としては、プロレスのテーマ曲では「入場時だけでなく退場時にもあっていいのではないか」「勝った時と負けたときで違う曲をかけてもいいのではないか」といった、良い悪いは別にした案を持っている様子。ほかにも、大きな会場を借り、一日目は響を中心としたライブを、二日目はプロレスを開催するなど、同じ会場で別のイベントを開催することで、音楽を異なるジャンルの架け橋にしていきたいと考えているようだ。
続いては、響ミュージックの代表取締役社長・源田雅巳氏が登壇し、今後のビジネス展開についての説明が行われた。響ミュージックが担当する音楽事業では、同社が企画・制作する楽曲の第一弾として、2013年1月より放送開始となるTVアニメ「カードファイト!!ヴァンガード」第3期のオープニングテーマを収録したシングルCDが、2013年2月20日に発売となる。楽曲はPSYCHIC LOVER(サイキックラバー)が担当し、販売はポニーキャニオンが行うという。
本シングルCDには通常版と初回生産限定盤があり、それぞれにブシロードが展開するTCGのPRカードをはじめとした特典が用意されている。そして限定盤は、ミュージックビデオを収録したDVDが付いた2枚組だ。価格は通常版が1500円、限定版が2100円と発表されたが、特典や商品の詳細については、明日11月28日に響ミュージック公式サイト(http://hibiki-music.jp/)オープンと共に公開される予定なので、そちらをチェックしてほしい。
なお、本CDがポニーキャニオンから発売されることからも分かる通り、今後も自社以外の音楽会社と組んで展開していくこともあるという。木谷氏は「ケースバイケースで考えています」としており、自社に合うものは自社で販売するが、すべてを自社でやることは考えていないようだ。
また今後1年間の販売計画としては、「カードファイト!!ヴァンガード」のオープニングおよびエンディングテーマをはじめ、「ブシモ」のタイトルに関する楽曲やCDも3~4タイトルリリース予定だという。さらに2013年後半から2014年にかけては、ブシロードの新規TCGアニメ、あるいは新日本プロレス選手のテーマソングを手掛け、1年間でシングル・アルバム合わせて年間30タイトルのCDをリリースしていくとのこと。
アニメやゲームから離れた楽曲の制作も将来的な課題として持っているようだが、そちらへの進出に関しては現状では未定だとしている。
響が引き続き担当していくインターネットラジオ事業については、収益性を高めるため既存番組の質の向上に努めるだけでなく、新番組も採算性を重視して積極的に導入していくとのこと。インターネットラジオの収入源としては、ラジオ番組の制作費、番組CDのみならず、番組から派生するキャラクターグッズを番組制作チーム、デザインチーム、営業チームが一体となって開発する体制を確立し、キャンペーングッズ販売の大幅な拡充を図っていくとした。
この後は、響ミュージックの第一弾楽曲を担当するサイキックラバーのYOFFYさんとIMAJOさんがゲストとして登場。二人は楽曲を担当した感想として、「サイキックラバーはキッズミュージックにこだわって活動してきたので、また新しいキッズたちに自分たちの音楽を届けられる機会をいただけて光栄に思っています」とコメント。子供たちに分かりやすい楽曲を提供してきたこともあり、響ミュージックの第一弾アーティストとして恥じないように頑張っていきたいと意気込みを語っていた。
また、第一弾タイトルのシングルCDに収録されるカップリング曲も制作中のようだ。カップリング曲が挿入歌などで使用されるのかといったことはまだ未定だが、「カードファイト!!ヴァンガード」の世界を意識して作っている楽曲だというので、どういった扱いで登場するのか楽しみにしたい。