ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、米国時間2月20日に米国ニューヨークでPlayStation Meeting2013(PS Meeting2013) を開催し、「プレイステーション4」(PS4)および、PS4にて開発中のタイトルラインナップの発表を行った。
発表会の冒頭で、ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長 兼 グループCEOのアンドリュー・ハウス氏が登壇し、プレイステーションはリビングルームだけでなく、ユーザーがどこにいても楽しめる“最高の遊び場”へと進化していくとし、以下のように語った。
SCEは、開発者の皆様の制作意欲を刺激し続け、常に「プレイステーション」の中心にいるユーザーの皆様に、これまでの常識を覆すようなゲーム体験をお届けしてまいります。私たちは、本日、ゲーム体験の将来像を語るにあたり、ユーザーや開発者の皆様の飽くなきご要望にお応えするべく、無限の可能性を秘めたアイデアの一端を紹介しました。
ハウス氏に続き、PS4のシステムアーキテクトであるマーク・サーニー氏が登壇。サーニー氏は、PS4が提供するエンターテインメント体験を表す5つのキーワードとして、使いやすさ(Simple)、サクサク(Immediate)、ソーシャルとの融合(Social)、さまざまなデバイス/サービスとの連携(Integrated)、ユーザー体験の最適化(Personalized)を挙げた。これらによって開発者の豊かな創造力を最大限に引き出し、最高の没入感を実現するという。
また、以下のようなコメントも寄せている。
ユーザーの皆様に、「プレイステーション」ならではの体験を、PS4、PlayStation Vita (PS Vita) や様々なモバイル端末、PlayStationRNetwork (PSN) 上で、思い立ったらすぐに、シームレスにお楽しみいただけることを主眼に、システムの開発を重ねてきました。このたび、PS4が、開発者の皆様による、開発者の皆様のためのプラットフォームとして完成したことを、大変喜ばしく感じています。
PS4で用いられるコントローラー「DUALSHOCK 4」は、PS3と同様、ジョイスティックや振動機能などを搭載。新たに中央にタッチパッドが設けられたほか、SHAREボタンが追加され、気軽にゲーム体験を共有することが可能になっている。
専用カメラ「PlayStation 4 Eye」は、2つの高感度カメラと4つのマイクを搭載することにより、複数人の前後関係や音源の方向を検出することが可能になっている。また、PS Moveにも対応している。
PS4本体と周辺機器については、記事「ソニー・コンピュータエンタテインメント、「プレイステーション 4」および周辺機器「DUALSHOCK 4」「PlayStation 4 Eye」を発表」を参照頂きたい。
続いて、SCE ジャパンスタジオのタイトル「KNACK」を用いて、ソーシャル要素についての紹介が行われた。PS4では、ゲームプレイが常時録画されており、ユーザーはコントローラーに搭載されたSHAREボタンによる簡単操作で、Facebookにアップロードできるほか、Ustreamなどを用いて配信できるようにもなっている。
昨年、SCEグループに加わったGaikai, Inc. CEOのデビッド・ペリー氏は、PS4がクラウド技術を活用し、ゲームの「発見」「入手」「共有」「遊び」を劇的に変えていくことを強調した。ソーシャルとPS4の融合を通じて、ユーザーはPSNとSNSを連携させながら、自分のゲームプレイを瞬時に外部に公開することができるほか、友達に自分のゲームプレイを手助けしてもらうことなどが可能となるという。これらの体験について、次のように語った。
ユーザーの皆様が、興味のあるタイトルを試遊し、気に入ったら友達にシェアして、本当に欲しいゲームに出会う」というコンセプトの下、将来的には、PlayStation Store (以下、PS Store) で配信される様々なタイトルをユーザーの皆様がお気軽にお試しいただけるよう、開発を進めてまいります。さらに、お客様は、PS Vita、スマートフォンやタブレットをPS4のセカンドスクリーンとして利用し、場所を選ばず、お好みのコンテンツをお楽しみいただけます。
PS4の最適な連携デバイスとして機能するPS Vitaは、その美麗な5インチディスプレイ上で、PS4専用タイトルの快適なプレイを可能にします。将来的には、Wi-Fi経由でのストリーミングにより、ほぼ全てのPS4専用タイトルをPS Vita上で、リモートプレイを通じてお楽しみいただけるよう尽力してまいります。
開発タイトルや各メーカーの発表
続いて、SCEおよびソフトウェアメーカー各社の開発者が登壇し、開発中のPS4タイトルを紹介した。
Killzone:Shadow Fall (WWS Guerrilla Games)
プレイステーション」は、これまで、素晴らしいタイトルの数々によって支えられてきました。今後も、世界中の優秀なクリエイターの皆様の創造力によって、ユーザーの皆様を刺激する新しい体験がもたらされることを期待しています。
Knack (WWS Japan Studio)
Driveclub (WWS Evolution Studios)
今回発表された次世代機の魅力は、単に、ハードウェア性能の向上だけにとどまりません。私たち自身が次世代のゲームユーザーとして、より楽しいゲームを求めると同時に、人と人とが常につながる現代のライフスタイルにあった新たな遊び方を求めています。
Evolution Studiosは、チームを組んで遊ぶゲームスタイルを提案します。制作スタジオとして、新しい「プレイステーション」の技術を活用しながら、Driveclubの開発を通じて、仲間と一緒に楽しむレーシングゲームの興奮を届けられることにワクワクしています。
inFAMOUS Second Son (WWS Sucker Punch Productions)
The Witness (Jonathan Blow)
インディーズゲーム開発者のジョナサン・ブロー氏より、ゲーム機向けとしてはPS4専用タイトルとなる、The Witnessの第一弾トレーラーが紹介された。同タイトルを含め、SCEは、エンタテインメント体験の境界線をさらに拡げたいという意欲に満ちた開発者を積極的にサポートしていくとしている。
Quantic Dream
「Heavy Rain」シリーズや「BEYOND: Two Souls」などを手がけるQuantic Dreamのデヴィット・ケイジ氏が登壇し、PS4の高度な処理能力がいかに、ユーザーの感情に訴えかけるような、ストーリー性の高いゲーム開発を可能にするかを語った。
ユーザーの皆様が、現実との区別がつかないような、今まで見たことのない世界へ誘い、現実の生活では味わったことのない感情を抱くようなタイトルを制作していきます。これは、PS4を通してこそ実現できる未来です。
PS Move
続いて、Media Moleculeのアレックス・エヴァンス氏は、PlayStation Move (PS Move)のデモを披露し、PS4と連携することで、開発者だけでなく、ユーザーも自由に創造し、独自のコンテンツを生み出し、ゲームを楽しめることを改めて述べた。
PS4は、ユーザーと開発者双方の創造力を刺激するシステムになると確信しています。PS4は、頭に思い描いたことを実現するためのツールです。PS4を通じ、音楽、ゲームプレイ、脚本など、あらゆる面にわたって、ゲーム制作のあり方を変えていきたいと思います。
Deep Down (仮称) (CAPCOM)
小野義徳氏が登壇し、プレイステーションの歴史と共に歩んだカプコンの技術を紹介した。今回、新たなゲームエンジンであるコードネーム「Panta Rhei」が開発中であることを明らかにし、同エンジンを採用した新IP「Deep Down」を発表するとともに、PS4で動作する同作のムービーを上映した。
小野氏は「プレイステーション4という新しいアイテムと新しい力を使って、ユーザーの皆様に新しいゲーム体験をしていただきたいと思っています」と意気込みを語った。
SQUARE ENIX
スクウェア・エニックスCTOの橋本善久氏が登壇し、同社のゲームエンジン「ルミナススタジオ」を使ったリアルタイム技術デモ「Agni’s Philosophy - FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO」を上映した。
後半にはFinal Fantasy Brand Director 橋本真司氏も登場。PS4タイトルとして、「ファイナルファンタジー」シリーズを開発中であることが発表され、E3で何らかの情報公開を行う予定であると示唆した。
Watch_Dogs (Ubisoft Entertainment)
Ubisoft Entertainmentの共同創設者およびCEOのイブ・ギユモ氏は、PS4にあわせて発売予定のWatch Dogsを紹介。本作品は、2012年のE3で発表されたタイトルだ。
本日SCEは、素晴らしいプラットフォームの発表を行いました。このプラットフォームの登場により、我々を含めた開発者は、これまでの家庭用ゲーム機では実現できなかったことを叶えられるでしょう。我々が考える「未来のゲーム」をPS4ユーザーの皆様にお届けすることができると確信しています。
Diablo III (Blizzard Entertainment, Inc.)
Blizzard Entertainment, Inc.のクリス・メッツンSVPが登場し、Diabloシリーズをゲーム専用機としてははじめて、プレイステーション向けに発売することを明らかにした。PS4のコントローラーでも自然に操作できるよう、PS4向けの「Diablo III」は専用のインターフェイスを採用すとのことだ。
Destiny (Activision Publishers, Inc. / Bungie, Inc.)
Activision Publishing, Inc. のエリック・ハーシュバーグCEOは、PS4に向けたタイトルの開発を強力にサポートしていくと述べ、PS3向けに開発中のタイトル「Destiny」のPS4バージョンを用意することを明らかにした。
Bungie, Inc.プレジデント ハロルド・ライアン氏
「プレイステーション」ユーザーの皆様にDestinyの専用ダウンロードコンテンツをお届けします。PS4と同じく、Destinyは、いつでもどこでも遊べるだけではなく、同タイトルを介して、お気に入りのゲームをあらゆるデバイスでお楽しみいただけます。また、PS4と同じく、Destinyは、ソーシャルと融合し、プレイヤー同士のつながりを一層深める機会を提供します。DestinyをPS4ユーザーの皆様にお届けできることをとても楽しみにしています。
各タイトルのプレゼンテーションが終わると、スクリーンに「COMING HOLIDAY 2013」と映し出され、PS4が2013年末に発売されることが発表された。
最後に、アンドリュー・ハウス氏が次のように語り、発表会を締めくくった。
PS4では、ゲームプレイを劇的に進化させ続けながら、想像を遥かに超える新たな体験をもたらしたいと思っています。ソーシャル機能の向上に加え、より良い、より楽しいそしてより没入感のあるゲームプレイの提供、そしてもっとシンプルで親しみやすさを追及したユーザーインターフェースの実現まで、これまでにないほどの豊富な体験をユーザーの皆様にお届けできるプラットフォームだと確信しています。
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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