1万本以上のゲームを所持しているゲームコレクターの酒缶さんが、ゲーム関係の方にインタビューを行う連載企画「ゲームコレクター・酒缶のスーパーリコレクション」。連載再開第1回目は、フリーの音楽家であるサカモト教授へのインタビュー前編をお届けします。

これまでは「リコレクションアーカイブス」として、プレイステーションアーカイブスで配信されているタイトルに限定して記事をお届けしてきましたが、「スーパーリコレクション」では酒缶さんが気になる方へインタビューを行っていきます。

今回より連載再開。これまでよりも幅広く、色々なゲーム関係の方にインタビューをさせていただくことをはっきりと示すため、ちょっと変わった方に話を訊こうと思い、以前からものすごく気になっていたこの方に話を訊きに行ってきました。

今回のリコレクター:サカモト教授氏

平日はサラリーマン、土日は音楽を打ち込む二重生活から解放され、2013年4月よりフリーの音楽家として活動を開始。ニコニコ生放送でファミコンを頭に乗せてエイトビットサウンドを演奏する姿が有名だが、2011年にはラストラムからメジャーデビュー、3DS用ソフト「勇現会社ブレイブカンパニー」にサウンドクリエイターとして参加している。

酒缶:2013年2月1日にBABYMETAL(ベビーメタル)のライブに行ったんですけど、ライブ中に流れる映像に…。

サカモト教授(以下、教授):ああー、出ていましたね。あの時はまだ発表されていなかったんですけど、ミニパティの曲を書いたときに、レコーディングスタジオでベビメタの映像を作っている人と知り合って色々と話をしていたら「今度出しますね」みたいな話になって、知らない間に出されてました。

酒缶:(笑)。ボクはその映像でサカモト教授がいるのを見た瞬間に「あっ!」と思ったんですけど、周りからあまり反応がなかったので、Twitterで個人的にツッコミを入れさせていただいたんですけど…。

教授:はいはいはい。

酒缶:ボクは今、さくら学院にハマっているんですけど、サカモト教授の最近のお仕事として、さくら学院内のユニット、ミニパティの「ミラクル♪パティフル♪ハンバーガー」の作曲・編曲をされているじゃないですか。以前からさくら学院との接点があったんですか?

教授:いや、特にないですけど、アミューズ(芸能事務所の株式会社アミューズ)さんとは何度か仕事をしていて、仲良くさせていただいています。たまたま去年くらいから音楽界隈ではBABYMETALが単体でザワザワしていたので、BABYMETALは認識していたんですけど、さくら学院のことはあんまり認識していなくて…。でも、その繋がりで「さくら学院に対して曲を提供してほしい」という仕事が来て、BABYMETALが盛り上がっているので面白そうだしやってみよう、ということで始まったんですけど、仕事をしてみたら、自分もさくら学院にハマっちゃったんです。

酒缶:ハマっているんですね(笑)。

教授:結構やばいですね。

酒缶:あれ、食べに行きました? タワーレコードカフェとのコラボ企画のハンバーガー。

教授:2回食べに行きました。

酒缶:行っているんだ(笑)。なるほど。サカモト教授が作曲した曲はさくら学院のアルバムの中の一曲ですけど、そのアルバムとのコラボ企画がピンポイントにその曲だったのに…。

教授:関係者なのに普通に食べに行きました。

酒缶:ちなみに、さくら学院祭でさくら学院の華ちゃんが「ミニパティの新曲ください!」と言ったことが、サカモト教授が作曲・編曲をした曲が作られるきっかけになっているようですけど?

教授:仕事を貰ってだいぶ経ってから自分で調べて、「あっ、そうだったんだ!」とたどり着いた感じです。

酒缶:そのことは、さくら学院のブログで華ちゃんが書いているんですけど、その日記がアップされた日付が2月11日なんですよ。

教授:自分の誕生日だ! それ、初めて知りました。すごい偶然ですね。あとでつぶやきます(笑)。

酒缶:ちなみに今、さくら学院にハマっていると言っていましたけど、誰推しなんですか?

教授:推しですか? 最初はベビメタのすぅちゃんがかわいいなと思ってたんですけど、両サイドがミニパティの子達でもあったので調べていくうちにゆいもあコンビにハマって、実際ミニパティのレコーディングやライブに参加して華ちゃんの魅力にもハマり、今はミニパティの箱推しですね。

酒缶:なるほど(笑)。

教授:それで最近、さくら学院の過去の映像を漁ってすごい研究したんですけど、とにかくそれぞれの子がそれぞれの良さを持っていて、もうさくら学院ってほんとすごいなって。今年はまり菜が生徒会長ということで、この一年はまり菜を中心とした中3の4人も応援していこうかなと思います。

酒缶:どんどんハマっていますね(笑)。普段関わっている音楽とアイドルの曲は違うような気がするんですけど、明確に感じる違いはありますか?

教授:一番大きく違うのは、歌があるというところ。普段はインストの曲、チップチューンのピコピコのインストが多いので。自分はももクロ(ももいろクローバーZ)もAKB48も嗜む程度には聴いていたけど、いわゆるドルオタ的なハマり方をしたことがなかったので、アイドルの曲は何が大事か考えたんです。その結果、ライブで歌った時にファンとの掛け合いで盛り上がることが大事だと思ったので、ミニパティの曲も最初はそういうノリにしようと思って作り始めたんですけど、やっぱり彼女達は単純に可愛いので、ピコピコで可愛らしさをいかに引き出すか意識して作りました。そういうところは、普段の曲作りとは全然違ったところですね。

酒缶:でも、そこまでファミコンのようなピコピコ音ばかりじゃないですよね。

教授:単純にピコピコの音だけだと、一般受けしにくいというか、マニアックになってしまうので、J-Pop寄りの音を選びながら聴きやすい感じにして調整しました。

酒缶:ちなみに、あの曲もチップチューンというカテゴリーに入るんですか? チップチューンという言葉はよく聞くんですけど、ボクは音楽に詳しくないので、どれがチップチューンなのかわからなくて…、ファミコンの音だと言われればわかるんだけど、そこからどこまで派生するとチップチューンじゃなくなるのか、というボーダーがわからないんですよ。

教授:今は結構定義があいまいというか、本当の狭義のチップチューンはファミコンとかゲーム機のサウンドチップの音を鳴らして、それだけで作った曲だと思うんですね。だから、自分の音楽は厳密に言うとちゃんとしたチップチューンじゃないんだけど、聴いた人が「ファミコンっぽいな」「エイトビットなサウンドだな」と認識する音楽は、基本的にチップチューンという言われ方をすることが多いです。

酒缶:テレビ番組の「ドリームクリエイター」の中でサカモト教授が出てくる時には「チップチューンアーティスト」という肩書になっていたんですけど…。

教授:そうですね。そういう呼び方もあって、番組によってまちまちですね。

酒缶:曲の頭のところはディスクシステムの起動音を繰り返しているようなイメージでゲームっぽかったんですけど、実際に曲に入るとピコピコした音ではないような分け方をしているように感じたんですけど。

教授:最初のイントロは後付けです。あれをなぜ付けたかというと、アルバムの中でミニパティの曲だけサウンドのテイストがあまりにも違うため、流れで聞いたときにあの世界観にふっと変えなければいけなかったので、ここからファミコンの世界に入りますよ的な導入部として後から付けたんです。ライブでも可愛い振りが付いていて、「いい感じになったな」と思っています。

酒缶:曲を作る時に何かイメージしたゲームとかあったんですか?

教授:特に具体的にこのゲームを参考にしようというのはないですね。ただ、ノリというか楽しい感じのラテン系じゃないけど、ノリが欲しいところがあったので、それこそ「スーパーマリオ」とか「チャレンジャー」とか…。ウエスタンなノリのところがあったので、あえて言うなら、「チャレンジャー」の一面かな。

酒缶:なるほど。で、ここから一気に時間を遡るんですけど、ディスクシステムが出たのが1986年2月21日。サカモト教授が生まれて初めてゲームに触れたのが6歳ということで、計算すると1986年頃ということになりますけど、最初に遊んだゲームは何だったんですか?

教授:一番最初に父親が買ってきたゲームは「ディグダグII」でした。

酒缶:「ディグダグII」って、6歳だと難しくなかったですか?

教授:当時、自分はファミコンとかテレビゲームとかに縁がなかったので、父親がやっているのを見て、慣れて…、でも、そんなに難しいと感じた記憶はないです。

酒缶:島をドリルで壊していく…。

教授:そうそう。確か全部で72面だったかな?

酒缶:どっちの土地が大きいか考えて壊さないと、自分のいる方の土地が壊れてしまって…。

教授:そうそうそうそうそうそうそうそう。あれを繰り返し遊んでいた記憶がありますね。一番最初に「なんだこのゲームは!」って壁にぶつかったのは「ドラクエ」(ドラゴンクエスト)でしたね。初代「ドラクエ」は、最初にやったときはやり方が全然わからなくて、「何だこれ!」ってなったんですよ。初めてのRPGだったので、やり方が全然わからなくて、それがファミコンで最初にぶつかった壁ですね。

酒缶:「まだ自分の記憶のない幼少期にファミコンの音を聴いていて、その音がいまにも影響してます」みたいなエピソードはないんですよね。

教授:クラシックピアノを始めたのは4歳からなので、ファミコンがある頃にはすでにピアノを習っていて、姉ちゃんがピアノをやっていたので、0歳の頃から毎日ピアノの音を聴いて育っていたと思います。

酒缶:家が音楽の家庭というわけでは?

教授:そういうわけではなくて、父親も母親も普通の人なんですけど、子どもが生まれた時にピアノを買おうという話になったらしくて、姉ちゃんが9個上と10個上で離れているんですけど、まぁ、折角ピアノを買ったんだから、姉二人が習っているんだし、弟も習え、みたいな感じになって。

酒缶:そこからしばらくピアノを習った上で、ゲーム音楽に接する機会がやってきたということですか?

教授:そうですね。

酒缶:で、子どもの頃によく遊んだゲームなんですけど…。

教授:自分、RPGがめちゃめちゃ好きだったので、よく遊んでいたゲームはRPGが多いです。

酒缶:でも、小学校1年生の頃の「ドラクエ」はダメだったじゃないですか? 学年が上がって、文字が多いゲームでも遊べるようになったんですか?

教授:どこでRPGを突破できたのかというと、「ドラクエII」はちゃんとクリアした覚えがあるんですよ。パスワードをめっちゃメモりまくって何度か間違えて…。そんな記憶があるので。近所のちょっと年上のお兄ちゃんが遊び方を全部教えてくれたんです。それで、初代「ドラクエ」も…(手を叩きながら)そうだ! 最強のパスワードを教えてもらって、それを入力したらすごく楽になって、竜王を倒したのが初めてのクリアだったんです。

酒缶:(笑)。それをクリアって言っていいのかわかりませんけど…。

教授:(笑)。その時のパスワードは今でも覚えています。それが初めてで、「ドラクエII」に関しては自力でクリアしました。「ドラクエIII」はクリアしたけど、「FF」(ファイナルファンタジー)は…「FF」は初めて遊んだのが「FFII」だったんですけど、クリアできなかったんですね。「FFII」も「FFIII」もラストダンジョンが難しすぎてクリアできなかったんです。一時間の制限じゃ無理っていう…。

酒缶:あっ、ゲームは一日一時間だったんですね。

教授:一応、小学校の頃はそういう制限があったんですよ。

酒缶:でも、一日一時間の制限だと、「ドラクエII」のパスワードとかも大変ですよね。55分になったらパスワードを記録するために城に戻らないと…。

教授:そうそうそうそう(笑)。そういう時間を計算しながらやっていました。

酒缶:1人で遊ぶのはRPGが多かったんですね。

教授:アクションゲームはクリア出来ないけど、RPGはゆっくりできるし、世界観にハマれるし、音楽もいい感じだったので、RPGで世界に没入するのが好きだったんです。でも、「ドラクエ」とか「FF」をやり出した後でもう一つRPGの壁にぶつかってしまいました。「ウィザードリィII リルガミンの遺産」をジャケ買いして…。

酒缶:「ウィザードリィ」は小学生には難しいですよね。

教授:買って帰ったら、わけのわからないゲームで半泣きになったのが、RPGの2回目の壁です。でも、「ウィザードリィII」も、いつものお兄ちゃんが「こうやって強くするんだよ」とか「こうやって罠を外すんだよ」とか教えてくれて、方眼用紙を使ったマッピングを教えてくれて、面白さがわかりました。

酒缶:同じ時期だと「マザー」はどうだったんですか?

教授:うちの母親はゲームに厳しい人だったけど、唯一、初代「マザー」だけは「このゲームを買ってあげる」と言って自主的に買ってくれました。うちの母親は新聞大好き人間だったので、新聞で「糸井重里が任天堂に企画を持っていって実現した」みたいな記事を見て、新聞に書いてあるくらいだからちゃんとしたゲームなんだろうと思ったようです。でも、子どもの頃には「マザー」は恐かったですね。

酒缶:絵的にはポップなんだけど、遊んでみると結構大変なゲームでした。

教授:最初の墓場に行くところとか、お化け屋敷の地下に入っていくところとか、音楽が暗い感じだし、マジカントに行くまでの洞窟とかも暗いし、結構恐かったです。

酒缶:でも、「マザー」は最近の仕事というか…。

教授:そうそうそうそう。ほぼ日さんと色々と仕事を出来るように…これか!

教授:これは昔自分が買ってもらって借りパクされないように名前を書いていたんですけど、それに糸井重里さんとかサインを貰っています。

酒缶:(笑)。ここに書いてあると落書きみたいですね。どこかのワゴンに入っていたら、わからないですよ。でも、すごいですよね。当時遊んでいたゲームのクリエイターさんと一緒に仕事を出来るなんて。

教授:当時を思えば夢のようなことだと思うんですけどね。

酒缶:その頃、色々なゲームで遊んでいることが、今、演奏をしていることの元になっているんですね?

教授:そうですね。クラシックピアノを小さい頃からやっていて、絶対音感があったので、一度やったゲームの音楽は覚えているんです。だから、別に練習しなくてもすぐにパッと弾けるスキルが身に付いているんです。

(インタビュー後編へ続く。後編は来週5月19日に掲載予定です)

●プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/

■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/

※画面は開発中のものです。

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