2013年8月21日~23日の3日間にわたり、パシフィコ横浜にて開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2013」。ここでは、グーグルの「欧米における最新デジタルマーケティング ~世界が熱狂するゲームトレーラー~」についてお届けする。
今回の講義には、グーグル 第一広告営業本部 アカウントエグゼクティブ/定元邦浩氏が登壇。定元氏はフロムソフトウェアやバンダイネットワークス、バンダイナムコゲームスを経て、現在はグーグルの広告営業部門メディア&エンターテインメント業界を担当している。参加者と同じゲーム業界に携わっている人としての目線で、オンラインでのユニークな広告事例や活用手段について紹介した。
数字だけでは見えてこない「マーケティング」の重要性
商品の販売に欠かせないのが「マーケティング」だ。そもそもマーケティングとは「買う人を増やすこと」だけでなく「買わない人を買う人に変える」ためにある。ゲーム業界では「買う人」に対し動画や体験会でアピールするものの、買わない人を変えるための手法を取っている企業はあまり多くない。スマートフォンアプリに関しても、クリック率やダウンロード数といった、目に見える数字にのみ固執する傾向が強いという。
インターネットのバナー広告におけるクリック率は、現状0.1%ほどといわれている。その裏にはマウスオーバーしただけ、広告を目にしただけのユーザーが数多く存在。クリック数を上げることのみに執着していては、潜在的なユーザー獲得の機会を失いかけないのだ。また、ウェブサイトには膨大なコストをかける一方、非常に多くのユーザーの目に触れるバナー広告にはほとんどコストをかけていない実情もある。
では、テレビCMならどうだろうか。ある旅行関連会社がテレビCMとネット広告を用いてキャンペーンを行ったところ、アンケート結果から「テレビCMとネット広告の両方に触れたひとほど評価が高い」および「両方閲覧した人ほど商品を正しく理解した」という結果がでた。あらゆるものがオンラインで繋がっている中、マルチスクリーンによるさまざまな切り口でアプローチしていくのが効果的といえるだろう。
YouTubeを活用したインタラクティブな広告事例
動画共有サービス「YouTube」には、非常にユニークな手法でユーザーにアピールする広告動画が数多く存在する。テレビCMではおおむね15秒、長くても30秒~1分程度の時間しか使えない。このようなわずかな時間で、商品の魅力を余すことなく伝えるのはほぼ不可能だろう。しかしネット上の動画であれば、時間を気せず自由な発想で商品の魅力を伝えられる。
なかでもYouTubeにおいてゲーム性を表現するのに有効なのは、画面内にリンクボタンを設置する機能だ。公式サイトなど誘導したいリンク先を用意したり、次の動画を見せたりなど、使い方はアイデア次第。すでにこのリンク機能を活用した企業は数多く登場しているが、ここではゲームタイトルの事例を紹介しよう。
「クマ・トモ」
本作では、動画を繋ぎ合わせて体験版を作成。画面内のボタンを押すと選択肢に応じた次の動画へ移動していくというもので、1つ1つの動画は1分程度ながら、バリエーションは相当数を用意しているようだ。また「クマ・トモ」は、ほかのゲームタイトルを紹介する動画でも注目を集めている。
「TANK!TANK!TANK!」
以前、YouTubeでは1日1社限定でトップページをジャックできるというキャンペーンを行っていた。その際、このWii U用ソフト「TANK!TANK!TANK!」では、思わず押したくなる「絶対に押すなよ!」ボタンを設置。クリックすると敵と戦うゲームを楽しめるほか「絶対に挑戦するなよ」「絶対にシェアするなよ」といった、つい試したくなる要素をいくつも用意。現在も公式サイト上で同様の仕掛けを楽しめる。
「TANK!TANK!TANK!」公式サイト
http://tank3.namco-ch.net/
「わくわくゲームチャンネル」
こちらは、バンダイナムコゲームス公式のキッズ向けムービーチャンネルだ。動画の最後にチャンネルの総合リンクに飛べるカットを入れてあるため、クリックするとほかの動画を続けて見てもらえるようになっている。YouTubeの関連動画では、必ず自社の動画が出てくるわけではない。「見せたいものを見せる」ためには、こうした工夫も必要になる。
このほか、ユーザーが任意で入力した年号ごとに異なる、膨大な動画を楽しめる修正テープメーカーの動画、5分にもおよぶ長尺のCMを作り、ユーザーの反応がよかった部分を抽出してテレビCMを作成したビールメーカーの動画なども登場。またYouTubeでは5秒で広告をスキップできるが、5秒以降も続けて見てもらうためのユニークな手法も次々現れている。
そもそも公式サイトに検索でたどり着くのは、熱心なゲームファンだ。普段はゲームに触れない層にも興味をもってもらうために、ゲーム性を活かしたインタラクティブな戦略をとることが重要となりそうだ。
※画面は開発中のものです。
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