横浜・幕張メッセにて8月30日に開催された「初音ミク『マジカルミライ2013』」のソニーブースでは、セガが2014年春に発売を予定しているPS3/PS Vita用ソフト「初音ミク -Project DIVA- F 2nd」のPS Vita版が試遊出展されていた。ここでは、同作の試遊レポートをお届けしよう。
「初音ミク -Project DIVA- F 2nd」は、電子の歌姫・初音ミク主演のリズムアクションゲーム「初音ミク -Project DIVA-」シリーズ最新作。ハイクオリティな映像に加え、PS Vita版ではスクラッチ、PS3版ではフリップといった操作で新たなゲーム性を実現した「F」の系譜を受け継ぎつつ、さらなる面白さ、さらなるやり応えを目指して開発が進められているという。
また、「F」シリーズのクオリティでリメイクした、PSP版の楽曲たちが収録されているのも本作ならではのポイント。今回の試遊バージョンでは、「初音ミク -Project DIVA- 2nd」に収録された「ロミオとシンデレラ」と「カラフル×メロディ」、そして本作で新たに収録される「アカツキアライヴァル」の3曲を、EASYとNORMALでプレイすることができた。
今回試遊できたのはPS Vita版ということで、主にスクラッチについて触れている点を事前に伝えておくが、それでも前作を経て、開発スタッフがどのような進化を目指しているのか、その一端が垣間見えたので、ぜひチェックしてほしい。
スクラッチの遊びを広げる、2つの新要素
PS Vitaで発売された「初音ミク -Project DIVA- f」で新たに追加されたスクラッチ操作は、前作でも楽器を奏でるようなプレイ感を実現していたが、ゲームとして完成されていた「初音ミク -Project DIVA-」のボタン操作に比べると、まだリズムゲームにおける要素として物足りない部分もあった。
しかし、今作では前作よりもやや判定が厳しめになったことでよりスリル感のあるゲームプレイが楽しめるようになり、さらにスクラッチそのものの楽しさを広げる2つの新要素が加わっている。
その一つは、スクラッチをコンボでつなげることでスコアが徐々に上昇する「リンクスクラッチ」。出現時にはスクラッチの目印である☆ターゲットが線でつながれ、その線上をアイコンが移動するので、各ターゲットが重なる瞬間にスクラッチを行う。
今回は画面写真で伝えることができないのでややわかりづらいかもしれないが、実際にプレイした感想としては、一定のテンポで小気味よくスクラッチをする必要があるため、リズムに合わせて楽器を奏でている感覚がより一層楽しめるようになっていると感じた。
そして今作で追加されたもう一つの新要素が「ダブルスクラッチ」だ。これはボタン操作における同時押しと同様のもので、Wの文字が中央に書かれた☆ターゲットが出た際に、2ヶ所を一度にスクラッチするものとなっている。
こちらは必然的に両手で同時にスクラッチする必要があるため、気を抜いたところに登場するとなかなかにスリルのある展開に。スクラッチ中心の箇所では、ダブルスクラッチが出現する可能性を考慮する必要がありそうだ。
今回遊んだ楽曲の中では「アカツキアライヴァル」がスクラッチの多い楽曲だったが、プレイに馴染んでくるとスクラッチがより自然に楽しめるようになるなど、スクラッチが単なる+αではなく、ゲームプレイにおける一要素として組み込まれているように感じた。この点は前作を遊んだユーザーにこそ、さらなる驚きをもって迎えられる新要素と言えそうだ。
PSP版の楽曲も「F 2nd」仕様でやり応えたっぷり!
今作で再収録される「ロミオとシンデレラ」と「カラフル×メロディ」については、スクラッチなど「F」シリーズの要素が追加されたことで、「初音ミク -Project DIVA- 2nd」で遊んだユーザーも新鮮な体験が得られるようになっている。
今回は限られた時間でのプレイとなったのでしっかりと確認することはできなかったが、チャンスタイムでの分岐も存在するようなので、実際にプレイできる瞬間を楽しみにしていてほしい。
もちろん新しくなっているのはリズムゲーム部分だけでなく、各楽曲のモジュールもリメイクして収録されている。すでに公開されている画面写真からも分かる通り、「初音ミク -Project DIVA- 2nd」と比べてみてもそのクオリティの違いは明らかなので、ぜひPS Vitaの画面上でチェックしてほしいと思う。
チャレンジアイテム&ヘルプアイテムは2つまで使用可能に
本シリーズでは、EASYからEXTREMEまで4段階の難易度が用意され、初心者から上級者まで幅広いユーザーに訴求しているが、その点を補足する要素として、1プレイごとに付加できるヘルプアイテム、チャレンジアイテムが存在する。これまでも時にプレイヤーを助け、時にプレイヤーにやり応えのあるプレイを提供してきたこれらの要素だが、これまでは1プレイにつき1つしか付加することができなかった。
しかし、今作ではアイテムを2つまで付加することができ、よりプレイヤーの好みに合わせたカスタマイズが可能に。今回のバージョンでは、チャレンジアイテムとして「ハイスピード」と「シャイターゲット」の2つが選択可能だったが、実際に付加して遊んでみるとまさに地獄。NORMALですら阿鼻叫喚なレベルになり、筆者はクリアさえもできなかった。
もちろん、1つよりも2つ付加したほうが1プレイごとに獲得できるDPは増加するので、DPをどんどん稼ぎたい、普通のプレイじゃ物足りないという人は、プレイする際にはぜひ試してもらいたい。
そのほか、前作ではボタン音とスクラッチのみ音を変更できたが、今作では長押し、同時押し、リンクスクラッチ、ダブルスクラッチと全ての操作に対してそれぞれ音を設定することができるように。細かい点ではあるが、操作によって明確に音を分けたい人などには嬉しい要素と言えそうだ。
発売時期は2014年春ということでまだまだ先ではあるものの、今回の試遊で「F」シリーズの確かなブラッシュアップを実際に体感することができた。今後どういった要素が加わってくるのか筆者自身も興味の尽きないところではあるが、発売に向けて今後も試遊できる機会はあると思うので、ぜひ注目してもらえればと思う。