両兵衛の登場で描かれる秀吉の内面とは―PSP「下天の華夢灯り」で羽柴秀吉を演じた森久保祥太郎さんにインタビュー

0 2014年1月12日 12:00

担当：近藤智子

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コーエーテクモゲームスより2014年2月27日発売予定のPSP用ソフト「下天の華夢灯り」。今回は、羽柴秀吉を演じる森久保祥太郎さんにお話を伺ったので紹介しよう。

森久保祥太郎さん

本作は「信長の野望」30周年記念作品として2013年3月に発売された恋愛アドベンチャーゲーム「下天の華」の続編タイトルだ。前作「下天の華」に登場した織田信長、明智光秀、羽柴秀吉をはじめとする恋愛対象キャラクター7名に加え、新たに「黒田官兵衛」「竹中半兵衛」の登場が決定。プレイヤーは戦国時代を舞台に“くのいち”として、織田信長が住まう安土城にて与えられた密命を遂行していくこととなる。

数回に渡ってお送りするキャストインタビューではアフレコを終えての感想やキャラクターに感じる魅力、また本作を通したキャスト自身の話なども聞くことができた。今回は“ノリがよく、明るく頼れる「人たらし」”こと、羽柴秀吉役の森久保祥太郎さんだ。

――アフレコを終えての感想をお願いします。

羽柴秀吉

森久保さん：今回で2回目となりますが、前回よりもドラマ性が深まり、ちょっと男くさい部分も増したように感じました。前作の収録からは少し時間が経っていますけど、秀吉は演じていてすごく楽しいストレートな人物ですから、すぐフィードバックできたと思います。

――「下天の華夢灯り」への出演が決まった時の率直な感想は？

森久保さん：「下天の華」の発売から少し経った時期にイベントがありましたけど、歴史あるシリーズの新作ですから、この作品がどう受け止められたのかファンの皆さんに会う前はすごくドキドキしました。「自分たちは精一杯頑張ったけど、これで大丈夫なのかな」という感じがあったんですけど、イベントにたくさんのお客さんが来てくれて、世界観やキャラクターを受け入れてくれたんだなと思えましたね。

ファンの皆さんを目の当たりにすると「作品を応援してくれる人がたくさんいるんだな」とよりイメージが持てますから、本作の収録ではドキドキがワクワクに変わりました。イベントで手ごたえを感じた後、もう1回演じるチャンスがあったのは非常に嬉しかったです。

――秀吉の恋愛ルートを一言で言うなら？

森久保さん：「父性」ですね。秀吉にももちろん弱い部分はあるんですけど、どちらかというと大事に暖かく見守るというか、包み込むような雰囲気が多いというか。もちろんそれだけじゃないんですけど、日常では「父性」を感じますね。

――本作の秀吉を振り返って、前作よりも成長や変化などを感じられたのでしょうか？

森久保さん：全体的には、もちろん主人公がいて、さまざまな武将が絡んでくる恋愛的なストーリーですよね。ただ本作は、その背景を深く掘り下げるようなセリフも多かったです。それに両兵衛というキャラクターがいるおかげで、秀吉自身の立場や何を考えているのかがより分かりやすく会話に出てきた印象を受けました。

成長というより、1人の男としてさらにパーソナルな部分、秀吉という存在を深く知ることができたと思います。冒頭でも言いましたが、ストーリーがとてもドラマチックで男くさいので、甘いシーンだけでなく人間関係も非常に掘り下げてられているんです。どんな人物なのか、前作よりもさらに分かるようになった気がします。

――改めて、秀吉のもつ魅力について教えてください。

森久保さん：変に感情を隠すこともない、とても真っ直ぐな男ですから付き合いやすい人物だと思いますよ。男気もあるし、腕っ節も強いし、仲間思いで筋も通ってますね。仲間や羽柴一門、信長への忠誠心や友情を重んじていて、自分の欲求よりもまず周りという部分が魅力じゃないでしょうか。

――キャラクターとご自身に共通点はありますか？

森久保さん：僕自身よりよっぽど男らしいんですけど、女性に対してくだけるところは分かる気がします。真剣になればなるほどふざけたくなるというか、その辺りは共感できますね。ノリが軽い部分を出すときもやりやすかったです。

――もっと絡んでみたいなと思うキャラクターはいますか？

森久保さん：秀吉は誰とでも上手くやっていけるタイプですよね。でも信行とはあまり絡みがないので、どんな展開になるのか興味があります。

――新キャラクター「黒田官兵衛」「竹中半兵衛」への印象をお聞かせください。

森久保さん：正直、何を考えているか分からないので部下としては非常にやりにくいです（笑）。俺自身はもうちょっとコミュニケーション取ったほうがいいんじゃないかって思うんですけど、秀吉は器が大きいですからね。

出会いのシーンでも、彼らの才覚を見抜いて「自分の手元にいてくれたほうが絶対に力になる」と分かってますから。よくこんなに自分の事を語らない人たちが分かるなと思うので、秀吉は本当にすごいと思います。大事なことは言わないというか、あんまり細かく言ってくれないんですけど、秀吉達は通じあってるんですよ。この信頼関係はすごいです。俺だったらもっと喋ってよって思います（笑）。

半兵衛の外見は、こんなに女性っぽい風貌とは思いませんでした。秀吉は他のキャラクターよりやや小柄なんですけど、半兵衛は秀吉よりも小さいからそれで手元に置いたのかな？（笑）。逆に官兵衛は、もっと柔らかい感じかと思いましたね。台本で抱いていたイメージとビジュアルのイメージは少し違っていたので驚きましたし、まだ2人の芝居も聞けてないので出来上がりが楽しみです。

――本作から有能な軍師が新たに登場しますが、もし森久保さんが従えられるとしたら誰がいいですか？

森久保さん：どちらかというと僕自身が秀吉みたいに誰かに仕えるというか、ナンバー2的な立ち位置のほうが舞台にしてもバンドにしても仕事がしやすいんですよ。従えるというか、誰かを支えたりサポートしたりするほうが得意というか好きですね。どのキャラクターも曲者ですから従ってくれそうもないですし、従いたいという意味であえて1人あげるなら、やっぱり信長でしょうか。

――軍師といえば策略ですが、森久保さんご自身は駆け引きをするほうですか？

森久保さん：プライベートでは全くできないんですけど、いわゆる仕事面での駆け引きはありますね。例えばバンドとかでは「このタイミングで発表しよう」とか「こういう打ち出し方をしたほうが喜んでもらえるんじゃないか」とか、相手を喜ばせるための策を練るのは好きですし、いい意味で驚いてほしい。普段の表現活動でも常に考えている部分ですね。

プライベートも昔は頑張っていたんですけど、大失敗したことがあって。それがトラウマになって、二度とやるかってなりました（笑）。誕生日とかクリスマスとかでプレゼントを考えるのもダメで、もう直接「何がいい？」聞いちゃいますね。まあ大概「何でもいい」って返されるのでノープランになります。それに、こっそり準備してても「何かやってるな」ってバレちゃうので向いてないです（笑）。

――主人公は凛々しいくのいち姿と、可愛らしいお姫様姿を披露していますが、どちらのほうがお好みですか？

森久保さん：男っぽい格好よりは女性らしいほうが好きですけど、忍び装束っていわゆる仕事着ですもんね。OLさんとかも好きなので、パリっとしたスーツを着て仕事をする女性はすごいなって思いますよ。

――最後に、ファンへメッセージをお願いします。

森久保さん：前回の収録からイベントもあり、そこで皆さんがこの作品をすごく楽しんでくれているというエネルギーを頂きました。その上で今回の収録に臨んでいますので、より一層皆さんに楽しんでいただけるように秀吉を演じました。「下天の華」の世界がもっと広がって、さらに楽しんでもらえる作品になったと思います。発売を楽しみにしていてください。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。