イチオシのギャルゲーを大ボリュームで紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。第25回は日本一ソフトウェアより2014年4月24日に発売されるPS3用ソフト「ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。」の魅力をお届け!
三度の飯よりギャルゲーが大好きな私が己の煩悩の赴くまま旬のイチオシゲームを紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。今回は、日本一ソフトウェアさんより4月24日に発売される「ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。」を紹介しますよ!
「ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。」は、これまで「流行り神」シリーズや「特殊報道部」などの正統派なアドベンチャーゲームを手がけてきた日本一ソフトウェアさんが贈る、“美少女”アドベンチャーゲームです。
ハーレム部分とヤンデレ部分のギャップが話題を呼んでいる本作ですが、あくまでも“恋愛”アドベンチャーゲームではありません。最近恋愛ゲームに偏っていた本企画でも、本来の“可愛い女の子が出るゲームを紹介したい!”の主旨のもと、ゲームをプレイするにつれゾワゾワとした気持ちを味わった、この異色作について紹介していきたいと思います。
いつものほんわかとした雰囲気とは違って、血なまぐさい表現やグラフィックが多々含まれているので、そのような描写が苦手な人はあらかじめ控えていただけますと幸いです。
それでは、まずは本作のあらすじと登場キャラクター、キャラクターデザインの緋色雪氏描きおろしイラストを含む店舗特典情報をチェック!
あらすじ
「…ゆるキャラを作ろう」 部長の神無が提案した。
如月優也は地元の学校に通う高校生。優也が副部長を務める郷土歴史研究会は文化祭で何か成果を出さないと部室を取り上げると、生徒会から宣告されてしまった。
そこで、ゆるキャラを作り、文化祭が始まる前に宣伝すれば、ほかの出し物より目立つことができ、人気もでるはずと意気込む部員たち。
運動神経が抜群でいつも明るい陽佳。
残念な性格ではあるが、頭が良く、常に学年1位の神無。
由緒ある名主のお嬢様で家事全般が得意な佐優理。
優也の幼馴染である3人は、協力して自分たちの部活を守ろうとする。順調に見えたゆるキャラ計画だったが、これをきっかけに誰も予想していない斜め上の展開をむかえることに…。
主人公たちが作ったゆるキャラ「いざえもん」は、努力の甲斐あって知名度が上がった。その活躍を聞きつけた市役所のお姉さん・香也子から、市のために活動してみませんかと勧誘を受け…。
市の活動も順調に進み、表彰を受けることになった主人公たち。しかし、指定された場所に主人公が向かうとそこには血溜りに佇むいざえもんの姿が…。
この凄惨な事件をきっかけに、今まで微妙なバランスを取っていた主人公とヒロインたちの関係も、ヒロインたちの心も壊れ始める。皆、「誰が犯人なのか」という疑心暗鬼の闇にとらわれ、病んでいくことに。こうした疑いは解消されるどころか、さらなる事件の発生によって、より深い闇にとらわれていく…。
メインヒロイン
有末 陽佳(アリスエ ハルカ) CV:後藤麻衣
ロリ、巨乳、ボクっ娘!三拍子そろった王道ヒロイン!
元気で明るい性格で、考えるよりも先に体が動くタイプ。基本的に主人公基準でものを考え、猛烈に主人公にアタックするが、軽くあしらわれる。勉強、料理、美的センスはどれもダメダメだが、スポーツは超万能で、ほかの部活から誘いが後を絶たず、よく助っ人に呼ばれる。その超人的な運動神経をいかし、ゆるキャラの「中の人」をやることに。
尊海 神無(トウトウミ カンナ) CV:磯村知美
残念系黒髪ロング天才ヒロイン
黙っていればクールビューティー。基本的に何に対してもやる気がなく、人との付き合いも苦手。家に引きこもっていたいと思っている駄目人間。ちなみに、郷土歴史研究会の部長。頭は非常に良く、成績は常に学年1位。胸が小さいことがコンプレックスで色々と努力しているが、効果はないようだ。デザイン能力にも優れ、ゆるキャラのデザインを担当する。
宮主 佐優理(ミヤス サユリ) CV:いのくちゆか
料理裁縫万能お嬢様ヒロイン
古くから町の名主として栄えた由緒ある家のお嬢様。見た目はおっとり系。陽佳や神無に振り回される主人公をフォローしてくれるが、いつのまにか一番いいポジションにいることが多い。勉強や運動に関してはいたって平均的だが、家事や裁縫が万能で、ゆるキャラのきぐるみ作成する。
病んでしまったヒロインたち
有末 陽佳
主人公への行き過ぎた愛情表現が陽佳を暴力へと駆り立てる。物語序盤は主人公にベタベタしているだけだったが、事件後は行動、発言が徐々にエスカレート。主人公に対する独占欲や嫉妬が抑えられず、暴力的な行動をとるように…。そして、その対象は主人公にも及ぶことになる。
「怖がる必要なんてないんだよ……」
「…あの人…邪魔だったから」
「――どうして、そんなこと言うのかな?」
尊海 神無
ストーカーや盗聴、盗撮をして、主人公を管理、監視することで自分のモノにしようとする。神無の部屋の壁には一面に主人公の写真が貼ってある。
事件の後、神無はなぜか姿を消す。直接姿を現すことは少ないが、ストーキングをされたり、監視をされていたりと、確かに神無の気配を感じながら物語は進んでいく。
「償いをさせているだけ…」
「でも、これは必然。こうなる運命だった 」
「私たちの関係を阻害するものは、一人もいなくなった。」
宮主 佐優理
主人公の全てを自分の理想に当てはめ、最終的には監禁をするにいたってしまう。一番まともそうで、一番壊れている。
主人公が使ったストローや切った髪、爪をこっそりコレクションしており、食べちゃいたいくらい好き、がリアルな意味に。事件後、主人公を監禁し、身の回りの全ての世話をしようとする。
「邪魔臭くまとわりついて…」
「あなたも裏切るんですね…あなたは違うと思ったのに」
「次の生まれ変わりをお待ちしています。それでは、また」
その他の登場キャラクター
如月 優也(キサラギ ユウヤ)
特筆すべき特徴、特に無し!
ある意味正統派(?)な主人公
優柔不断という言葉がとてもよく似合う高校2年生。郷土歴史研究会の副部長。幼馴染3人から自分に対する好意はわかっているが、今の関係を壊したくなく、うやむやな対応を取っている。両親は幼いときに亡くなっており、一人暮らし。
…こうして並べてみると主人公の要件を満たしている! 君こそ主人公だ!
九条 静香(クジョウ シズカ) CV:前田愛美
お手本のようなツンデレ生徒会長
金髪、ツインテール、ツンデレと最早使い古された組み合わせ。だが、それがいい。
学園の生徒会長であり、最初はちゃんと活動をしていない主人公たちの同好会を敵視しているが、次第に応援するようになる。つまり、ツンデレ。誰に対しても公正で、面倒見も良いので生徒からの信頼が厚い。
そして、ツンデレ。
夕月 香也子(ユウヅキ カヤコ) CV:鈴木みこ
みんな大好きキレイなお姉さん
役所の職員で、主人公が幼い頃憧れていた年上のお姉さん。微笑みが似合い、包容力のある大人の女性のように見えるが、おっちょこちょいなところもある。廃れていく町を何とかしたという熱い思いがあり、少しずつ人気が出てきた“主人公たちが作ったきぐるみ”に興味を持ちはじめる。
物語のカギを握るキャラクター
いざえもん CV:無し(?)
神無がデザイン、佐優理が作成、陽佳が中に入っている郷土歴史研究会によって生み出されたゆるキャラ。地元の土地神である犬の神様をモチーフにしている。赤い前掛けが印象的。ハルカが中の人をつとめることにより、着ぐるみとは思えない軽快な動きをする。また、パフォーマンスとしてバットを使ったジャグリングやバクテンまでこなし、一気に話題になる。
町で起きる凄惨な事件現場には、なぜか血に染まったいざえもんの着ぐるみが…。ストーリーが進むにつれ、誰が中にはいっているのか、という疑心暗鬼の闇が主人公やヒロインたちの心を徐々に蝕んでいく。可愛い見た目からが想像できない不気味さと恐ろしさは、病んでいるヒロインたちを象徴しているようにも思える。
店舗特典情報をチェック!
ソフマップ
描き下ろしテレカ
いまじん/いまじんWEB
描き下ろし布ポスター(布パック販売分)
ゲーマーズ
描き下ろしA3タペストリー
あみあみ
クリーナークロス2種(天国Ver./地獄Ver.)
※表示は天国Verとなります。
エンターキング
オリジナルステッカー6種
メディアランド
缶バッジ2個セット
※販売方法はお取り扱いの店舗までご確認ください。また、一部ショップでは取り扱っていない場合がございます。
※各特典はその性質上、数に限りがございます。特典の詳細につきましては各法人・店舗様にご確認くださいませ。
すでに狂気の一部が垣間見えた感がありますが、次のページではいよいよ本作のプレイインプレッションをお届けです。この企画ではこれまでになかった内容のお話を、基本頭の中がお花畑な私がどのように紹介するのでしょうか…。
プレイインプレッションをお届け!
本作は、主人公・如月優也と3人のヒロインが所属する郷土歴史研究会を存続させるべく文化祭の成功を目指す共通パートと、凄惨な事件が発生した後のヒロインたちの狂気が描かれる個別パートに分かれています(便宜上、それぞれハーレムパートとヤンデレパートと呼称します)。どちらも文章を読み進めつつ、時折登場する選択肢を選ぶことで物語が進行していくのですが、それぞれに役割が異なります。
ハーレムパートでの選択肢は、3人のヒロインのうち、誰とより密接になっていくかというものになっており、その後のルート分岐に影響するものです。ヒロインたちは幼少期の思い出から主人公にべた惚れで、都度迫ってくるヒロインたちの中から1人を選ぶというのは、それだけでも苦渋の決断です。
もちろん、八方美人に全員のヒロインにいい顔をしようとしてもダメです。あまり誠実でない対応をしていると、ヤンデレパートにすらたどり着けないままエンディング、ということもありますので注意しましょう。
一方、ヤンデレパートはひとつでも選択肢を誤ると即BAD ENDという非常にシビアなものになっています。私は最初、佐優理さんのルートをプレイしたのですが、何度選択肢を誤って鋏で刺されたことか…(涙)。セーブをこまめにすることはもちろんですが、クイックセーブにも対応しているので、とにかく選択を誤ったらその場は諦めて殺されて(?)、何度も挑戦するようにしましょう。
さて、ここまでは選択肢という点にのみ焦点を当てて紹介してきましたが、ストーリーについてもネタバレにならない程度に紹介していきましょう。
ハーレムパートでの見どころはやはりというべきか、それぞれのヒロインの魅力です。抜群の運動神経と元気ハツラツさ、そして小柄ながらも胸に夢が詰まった陽佳、常に学年1位の学力を持ちながら、やる気がなくて人とも交流を持たないというギャップが目を引く神無、旧家のお嬢様でありつつも、鍛冶や裁縫が得意という女の子らしい面を持った佐優理と、個性たっぷりな女の子たちが全力でアピールしてくる状況は、男としては喜ばずにはいられないですよね!
主人公が彼女たちを幼いころに救ったことが、 現在の関係へとつながっています。 |
陽佳の着替えを見てしまう場面。 いろいろ破壊力が高すぎやしませんか? |
トイレで神無の下着に手をかけている この状況は言い逃れできないのでは…? |
男の子の大好物であり、夢でもある美少女の膝枕。 この眺めはいいものですね! |
昔の文献を読み解いた神無がいざえもんをデザインし、佐優理が持ち前の裁縫の技術を活かして着ぐるみを作り、それを着ながら陽佳が超人的な身体能力でジャグリングを披露するという、常人には収まらない能力を持った彼女たちとともに、優也は文化祭の成功、そして郷土歴史研究会の存続のために奮闘します。
その過程でいざえもんはゆるキャラとして町の人々の人気を得ることになるのですが、そこに目をつけた市役所の職員・香也子が学校に問い合わせたところから歯車が狂いだし、狂気をはらんだヤンデレルートへと突入します。
ちなみに、ハーレムルートでは彼女たちの魅力だけでなく、狂気も行動の中に見え隠れしています。それを感じ取ってもらって、その後の展開を想像してみるのもまたストーリーに深みを与えてくれると思います。
ヤンデレルートについては正直言葉が出ないほどに強烈な内容となっているのですが、サイコサスペンスとしてはさまざまなシチュエーションが用意されており、その手のものが好きな人にとっては刺さる部分もあるのではないかと思います。
また、いわゆる猟奇的な部分だけがピックアップされていますが、その裏にはそれぞれのキャラクターの背景であったり、登場人物同士の関係など、さまざまな伏線が張り巡らされています。そのあたりをしっかりと見極めつつ、物語を進めた先に衝撃のエンディングが待ち受けているのです。
最後に、ツンデレ生徒会長の静香についても触れておきます。当初は郷土歴史研究会を廃部に追い込む存在として登場する彼女ですが、デレてからは主人公の心のオアシスとなります。だからこそヒロインたちの反感を買ってしまう不遇な立ち位置ではあるのですが、作中における唯一といってもいい良心であり、私のみならずプレイヤーを癒してくれること間違いなしです!
第25回、いかがだったでしょうか。少なくとも被害者がゼロという状況にはならない、決して明るい作品ではない本作ですが、その中でもエンディングにはかすかな救いがあると私個人は思っています。題材はシビアではあるものの、キャラクターたちの魅力が加わることでただのサイコサスペンスではない、独特の魅力が描かれていますので、ぜひチェックしてください。
次回ですが、また来月あたりで1本紹介できればと思っています。引き続きギャルゲーを盛り上げるべく頑張りますので、今後もご覧いただけますと嬉しいです!