迫力満点の殺陣と最新テクノロジーが融合した、「天誅 舞台版」のゲネプロをレポート

発表会・イベント取材
0コメント 仁志睦

5月7日、フロム・ソフトウェアの忍者アクションゲーム「天誅」を舞台化した「天誅 舞台版」が、東京・シアターサンモールにて公開初日を迎えた。ここでは初演に先駆けて行われたゲネプロ(公開リハーサル)の模様をレポートしよう。

「天誅」シリーズは東忍流の忍者である力丸と彩女を操って、さまざまな任務を遂行していくフロム・ソフトウェアの忍者アクションゲームだ。敵から身を隠しながら進むステルス要素や一撃必殺の「忍殺」をはじめとする多彩な忍術アクション、テレビ時代劇のお約束を踏襲したストーリーなどが受け、多くのファンの支持を獲得。いくつもの続編や外伝が発売される人気シリーズとなっている。

今回の舞台版では、力丸役にTBSの「究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦」3連覇の実績を持つアスリート俳優の森渉さん、彩女役に新体操全国大会での優勝実績を持つ若手女優の江田結香さんが起用。さらに、ふたりの兄弟子である龍丸を刀道4段、空手2段の市瀬秀和さんが演じるなど、いずれのキャストも身体能力抜群でアクロバティックな本格アクション時代劇を楽しむことができる。

上演に先立って、まずは本舞台のプロデューサーを務める前田和紀氏が挨拶を行った。前田氏は「天誅」を舞台化したのは「魅力あふれるキャラクターがたくさん出ているからです」と語り、「今回の舞台では登場していないキャラクターがまだまだいます。この“舞台版 天誅”をシリーズ化できるよう、我々スタッフ、キャスト一同頑張ってまいります」と意気込みを述べた。

力丸役の森渉さん 彩女役の江田結香さん
龍丸役の市瀬秀和さん 企画/プロデューサーの前田和紀氏

「天誅4」以降を舞台にしたオリジナルストーリーが展開

舞台の内容もネタバレにならない範囲で紹介しておこう。物語は東忍の頭領となった力丸と女忍者の彩女が、主君である郷田松乃信を裏切った男・才川俵兵衛を追っているところから始まる。見事、才川を討ち取った力丸と彩女だったが、郷田家のひとり娘である菊姫は何者かにさらわれて行方不明となっており、心痛から松乃信は床にふせっていた。

そんななか、力丸と彩女のもとに隣国の当主・北神氏就が挙兵したとの知らせが入る。さらに、死んだはずの龍丸がふたりの前に出現。はたして龍丸は敵なのか味方なのか。かくして、力丸と彩女は窮地に陥った郷田家を救うべく、新たな戦いに身を投じることとなる。

ジャンプ、キック、バック転などの多彩なアクションを交えた殺陣を楽しめる。

このように、今回の舞台版は「天誅4」以降の物語を描いた完全オリジナルストーリーとなっているが、伝説の忍者・鬼陰をはじめ「天誅 紅」などに登場した始末屋の凛や「天誅 弐」で龍丸と行動をともにしていた香我美など、おなじみのキャラクターたちが多数登場。歴代のシリーズの設定もしっかり踏襲されており、「天誅」ファンなら十分に楽しめる内容になっている。

さらに、シリーズ全作の楽曲を手がけた朝倉紀行氏が今回も音楽を担当。オープニングで「天誅 参」の主題歌である「宿命~SADAME~」が流れるほか、敵地に潜入する場面や戦闘シーンなど随所でおなじみの「天誅」サウンドを堪能することができる。

そのほか、ゲームのステージ冒頭でナレーションが流れるオープニングロールが再現されていたり、龍丸と彩女が再会するシーンではシリーズ屈指の名場面である「天誅 弐」龍丸編のエンディングムービーが流れたりと、「天誅」ファンにはうれしい演出がてんこもり。もちろん、敵の背後から忍び寄って一撃で仕留める「忍殺」アクションもバッチリ再現されている。

「天誅」シリーズの定番であるオープニングロールをステージ上で再現。
敵を一撃で葬り去る「忍殺」シーンは少しコミカルに描かれていた。

ゲームの舞台化ならではの斬新な演出を導入

神奈川工科大学の技術協力による最新テクノロジーを使った戦闘シーンも大きな見どころのひとつだ。力丸が緑色の炎をまとった巨大な影と戦うのだが、この敵のCGは舞台の下で演じている役者のモーションをリアルタイムで映し出したもので、ゲームならではの巨大なボスキャラとのバトルを迫力たっぷりに再現していた。

緑の炎の姿をした巨大な敵と力丸が戦闘。敵の声は声優の魚健さんが舞台上で演じていた。

ゲネプロ終了後、このモーションキャプチャーシステムを見せてもらうことができた。機材は舞台の奈落の下にセッティングされていて、役者が演じるスペースの正面には舞台を見ながら演技できるようにモニターが設置。その周囲に無数のモーション計測用のカメラが置かれており、ここでキャプチャーしたモーションを舞台上に映し出していたというわけだ。

モーションデータはネットワークを介してリアルタイムで転送されるが、神奈川工科大学の小島一成准教授によると、タイムラグはほとんどないので、役者同士でタイミングを合わせながら演技できるのだという。システム自体は3年ほど前に発表したものだが、「本当にできるの?」「大変じゃないの?」と言われることが多く、「私自身チャンスを狙っていたので、今回のお話をいただいて、やらせていただくことにしました」と技術協力の経緯を述べた。

TOKYOガールズアワードなどで使われたことはあるが、舞台で使用するのは初めてとのこと。

今回の舞台ではワンシーンのみの使用で、CGもシルエットのようなものだったが、小島氏いわく「もっといろいろなことができます」とのこと。例えば、テクスチャーを貼ってアニメのようなキャラクターをリアルタイムで映し出すこともできるそうで、「アニメやゲームの世界観をより忠実に再現できると思います」と語るなど、このテクノロジーの持つ意義やメリットを説明してくれた。すでに次の使用も決まっているとのことなので、今後もいろいろなイベントや舞台などで、このシステムを使った演出が見られそうだ。

神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科准教授の小島一成氏。

公演後にキャスト陣の囲み取材も行われた。力丸役の森さんは「すごく有名なゲームなので、どう観られるのかプレッシャーでした」と打ち明けつつ、「原作の世界観をそのまま……いや、もしかしたら超えているんじゃないかというくらい、しっかり表現できているので、ぜひ生の”天誅”を観にきていただきたいと思います」とアピール。彩女を演じた江田さんは「どうやったら彩女に近づけるかという部分でとても苦戦しました。アクションもそんなに経験がなかったんですが、皆さんに助けられて今日を迎えられたので千秋楽までやり切ります」と意気込みを述べた。

モーションキャプチャーを使った戦闘シーンについては、敵の映像との距離が近く、客席と見え方が異なることから「お客さんにちゃんと見えていますようにと祈りながら(刀を)振っていました」(森さん)と意外な苦労話を披露。また、龍丸役の市瀬さんは「このキャストで“天誅2”をやりたいですね」と早くも続編を希望していた。

なお、今回の舞台では人気声優の関智一さん、魚建さん、木村昴さんなどがナレーションゲストとして参加。アフターステージではキャスト陣のトークショーや本舞台のために結成された「天誅娘☆てんむす」の生ライブも実施されるので、こちらも楽しみにしておこう。

出演者・配役一覧(敬称略・順不同)

森渉(力丸)
江田結香(彩女)
市瀬秀和(龍丸)
富田翔(滝川来栖)
木本夕貴(菊姫)
逢沢凛(凛)
沖野晃司(鬼陰)
葉山レイコ(桂)
竹石悟朗(火影)
高田淳(北神氏就)
葵洋輔(使者)
いしはらだいすけ(橘十兵衛)
糸永徹(水蜘蛛)
今井久美子(松)
内田智太(茂吉)
大音文子(祭)
大神拓哉(繁松)
大友歩(美国)
貴瀬雄二(風雷)
熊野直哉(小太郎)
春原優子(香我美)
添田翔太(大吾郎)
竹花久美(満)
中村宜広(関谷直忠)
七海とろろ(とろろ)
福田智行(下塚雪之承)
三宅克幸(郷田松乃信)
宮内かれん(美弥)
宮原華音(綺羅)
山沖純(円谷義家)

ナレーションゲスト

魚建さん
5月7日19時、9日19時の回

木村昴さん
5月11日17時の回

関智一さん
5月9日14時の回、11日13時の回

坂本頼光さん
5月8日19時の回

恒松あゆみさん
5月10日13時の回、18時の回

脚本・演出

久保田唱

音楽

朝倉紀行

公演期間

2014年5月7日(水)~11日(日)

入場料金

全席指定 前売り4800円(税込)、当日5000円(税込)

舞台版「天誅」公式サイト
http://www.tentyu-butai.info/

※画面は開発中のものです。

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