PS3「シャリーのアトリエ」＆テレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」完成記念発表会が開催―岡村ディレクターによるゲームの紹介や出演声優のトークが展開！

発表会の冒頭では、ガスト 代表取締役社長の襟川陽一氏が挨拶。最新作として間もなく発売を迎える「シャリーのアトリエ ～黄昏の海の錬金術士～（以下、シャリーのアトリエ）」は、2人の主人公がそれぞれのストーリーを紡ぐというガストとしては初めての試みであり、普段の倍の面白さが詰め込まれていると自信をのぞかせた。

また、「アトリエ」シリーズ全般については、アジア、アメリカ、ヨーロッパと世界各地でファンがいることについても言及。昨今リアル系のゲームがマーケットの人気を締める中で、日本独特の可愛らしいアニメ調のキャラクターがゲームで活躍し、癒やしのあるストーリーを楽しめるのが「アトリエ」シリーズの特徴だとし、今後もガストとしてユーザーに愛されるRPGを作り続けていきたいと話した。

続いて、テレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ ～黄昏の空の錬金術士～」の企画・制作に携わった創通から常務取締役の難波秀行氏が挨拶を行った。

難波氏によると、もともと「アトリエ」のアニメの話は襟川氏より持ち込まれるかたちで2011年12月ごろにスタートしたそう。アニメとゲームの親和性が高いこと、そして「アトリエ」シリーズには熱心なファンが付いていることから、話を聴いた時には大きな喜びを感じるとともに責任も感じたという。

そして、企画の段階ではゲームのキャラの魅力をいかにアニメで再現するか、という点に注力したとのこと。ゲームをプレイした人がアニメを楽しめる、アニメを見た人がゲームに興味を持ってくれる、というかたちでアニメとゲームが行き来して、より深く「エスカ＆ロジーのアトリエ」の魅力を感じてもらうことが、より息の長いコンテンツにつながると話した。

「シャリーのアトリエ」の魅力を岡村ディレクターやシャリー役の小岩井さん、上坂さんが語る

そして、ここからは「シャリーのアトリエ」のディレクターを務めるガスト 岡村佳人氏が登壇し、ゲームを紹介。ここでは、岡村氏がプレゼンテーション用の映像とともに本作のポイントとして挙げた3点をかいつまんで取り上げていくとともに、ゲストを迎えたトークの模様を紹介する。

2人のシャリーが主人公として異なるストーリーが展開

本作は、2人のシャリー（シャリステラとシャルロッテ）という愛称を持った女の子が主人公となって物語が展開。前作「エスカ＆ロジーのアトリエ」に引き続き主人公の選択制を採用しているが、前作がエスカとロジーという男女で、基本となるストーリーに変化が少なかったのに対して、今作では性格や目的が異なる2人の少女によって、別々の展開でゲームが進行する。

シャリステラについては、これまで「アーシャのアトリエ」「エスカ＆ロジーのアトリエ」と続く黄昏シリーズの中で描かれてきた世界の謎や黄昏の真相が解明されるというシリアスな内容、一方のシャルロッテについては、従来の「アトリエ」シリーズと同様、黄昏の世界での日常の生活に焦点が当てられ、コミカルな内容で展開する。

こうして2人の主人公が黄昏の海で出会い、それぞれの目的を叶えるために協力し成長していく、少女同士の友情にも焦点を当てているほか、これまでの黄昏シリーズにも登場した人気キャラクターたちが今作でも登場し、シリーズのファンにも訴求している。

自分で目的を選んで達成していくライフタスク

また、今作では最近のシリーズで採用されていたゲームの時間制限を撤廃することで、時間に追われてプレイするのではなく、プレイヤーのペースに合わせたプレイができるようになった。そして、時間制限に変わって導入されたシステムが「ライフタスク」だ。

ライフタスクでは、主人公が脳内でやろうと思ったことが目標として新たに提示され、それらの目標を好きな順番にクリアしていくことでゲームのシナリオが展開する。これにより、期間内にやれることを全てやってしまった後の時間が空いてしまっていた時間制限制とは違い、ゲームを進めたい人は今クリアできる目標を少しずつクリアしていく、ベテランプレイヤーはそのなかでも効率やより恩恵のある目標を達成していくことでじっくりとプレイできるといった、幅広いプレイヤーが楽しめるゲームループを目指しているという。

戦闘システムは入り乱れバトルが進化！

左氏によるイラストを忠実に再現した3Dグラフィックで楽しめる戦闘は、前作に引き続き、前衛3人と後衛3人が連携し、入り乱れて戦う形式が採用されている。前作でも採用されていたものの、今作ではよりテンポと戦略性を重視して再構築しているとのこと。戦闘中の行動によってゲージを溜め、バーストを発動させることでド派手で大ダメージの攻撃を繰り出すことができる。

また、それぞれのキャラクターに用意されている必殺技についても、さらにキャラクターの個性を活かした演出、キャラクターの魅力を引き出す演出を採用しているとのこと。

小岩井ことりさん、上坂さんがそれぞれのキャラクターについて語る

続いて、シャリステラ役の小岩井ことりさん、シャルロッテ役の上坂すみれさんが登壇し、岡村氏を交えながら、それぞれの演じたキャラクターやお互いのキャラクターの印象について語った。

小岩井さんは、目標のために頑張るシャリステラの姿に、声優を目指して京都から東京に出てきた境遇を重ねて見たそうで、岡村氏と話した結果、自然な演技をすることでキャラクターを作り上げていったという。一方、シャルロッテを演じた上坂さんは等身大の思春期の女の子で、悩めるお年ごろということを意識しながら楽しく演技してきたと話した。

また、収録時の印象として、上坂さんは作中でシャリステラが歌う鼻歌を即興で考えたこと、小岩井さんは「アトリエ」シリーズではお約束の「たる」の収録が楽しかったことを挙げる。それぞれ「アトリエ」シリーズに関わることができた喜びを表現していた2人に岡村氏は、「（『アトリエ』シリーズは）声優さんにも恵まれている」と感謝を示していた。

エスカ役・村川梨衣さんらがテレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」の放送を振り返る

続くテレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」の紹介では、岡村氏に加えて、アニメのプロデューサーを務めた創通 高篠秀一氏、アニメーション制作を担当したStudio五組 代表取締役の柴田知典氏が登壇。本日最終回を迎える本作についてトークを行った。

高篠氏によると、アニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」にあたっては、ゲームのストーリーの本筋には忠実に、女性キャラクターを中心としたキャラクターの描写に力を入れて作っているそう。アニメを制作する中でエスカたちの前向きなエネルギーが全面に出ている感じの映像に仕上がったと自信を覗かせた。

実際にアニメを見た岡村氏は、これまでも「アトリエ」シリーズのアニメ化の話はあったものの実現できず、こうしてガスト20周年の節目に実現できたのは感慨深かったという。また、監修として関わってはいるものの、ゲームの制作側として守ってもらいたい部分に留めて、アニメの制作についてはStudio五組と高篠氏に任せてアニメとして面白いものをお願いし、結果としてゲームで描かれない部分を丁寧に描いてもらえたと話していた。

さらに、アニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」にエスカ・メーリエ役として出演する村川梨衣さんも登場し、収録の様子に関するトークも展開。「シャリーのアトリエ」も含めるとこれまでに3回エスカを演じる機会のあった村川さんだが、「シャリーのアトリエ」の時にはエスカもお姉さんになっているということで落ち着いた雰囲気になっているものの、面白いイベントではこれまで通りのエスカになっているという。

また、アニメの収録現場は終始アットホームな雰囲気で行われたそうで、ゲーマーズでBlu-ray/DVD購入者に抽選でプレゼントされる“たる”に入って盛り上がったエピソードなどが語られた。

「アトリエシリーズ アートギャラリー」の開催＆「シャリーのアトリエ」ゲームトライアル配信が決定！

そのほか、先日事前登録を開始した「アトリエ クエストボード」の紹介や、新情報となるPlayStation Plus会員を対象とした「シャリーのアトリエ」のゲームトライアル配信、「アトリエシリーズ アートギャラリー」の開催などが明らかになった。それらの内容は下記にまとめているのでチェックしてほしい。

質疑応答では「シャリーのアトリエ」DLC情報にも言及

最後に行われた質疑応答では、発売後に展開するダウンロードコンテンツについても言及。岡村氏によると現状では詳細は明かせないということだが、早い内に情報を出すということを約束するとともに、いくつかのコンテンツについては無料で提供していくことを明かした。こちらについては今後の情報に期待しよう。