日本マイクロソフトは本日9月18日、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2014にあわせて、Xbox One用ソフト「Scalebound」のメディア向けセッションを開催した。
「Scalebound」は、今年6月にE3で発表されたプラチナゲームズによる新作タイトル。今回、本作のディレクター 神谷英樹氏、クリエイティブプロデューサーのジョーン ピェール ケラムス氏、エグゼクティブプロデューサー 稲葉敦志氏にお話を聞くことができたのでお届けする。
――現在の開発状況はいかがですか?
神谷氏:非常に大変な状況です(笑)。
稲葉氏:今どのくらいの開発状況かを説明できないので答えづらいですね。
――完成はいつ頃を目指していますか?
神谷氏:そんなに遠くない日だったらいいな(笑)。
稲葉氏:タイトルを出した以上は、ここから何年も待たせるようなことはしたくないですね。
――開発は日本が中心となって行っているのですか?
神谷氏:中心はプラチナゲームズなので日本です。ただ、今回マイクロソフトとパートナーシップを組んでいるので、技術的なサポートも含めてアメリカのマイクロソフトゲームスタジオのスタッフたちのサポートを受けています。そういう意味ではアメリカのマイクロソフトスタジオと日本のプラチナゲームズとの共同開発体制になっています。
――何人くらいの開発体制ですか?
神谷氏:AAAクラスの体制です。ここまで規模が大きい体制はなかなかとれないですし、マイクロソフトのいろんなスタッフが関わっているので巨大なプロジェクトであると言えますね。
――実機映像が出るのはいつ頃ですか?
神谷氏:まったくなんとも言えないですね。出せるクオリティにあるかどうかではなく、いつ出すかを僕らだけで決められないので。作っている自分たちが日々、「すげーなー」「かっこいいなー」と言いながら開発しているのは確かなので(笑)、そういうレベルだと思ってもらえればと。
稲葉氏:映像の方向性については、今まではベヨネッタやデビルメイクライなどで、触り心地や遊び心地、反射神経や動体視力をかけて操作するアクションにフォーカスして開発していましたが、今回はそういうベクトルでゲームを作っていないんです。単純なアクションゲームとして説明できないゲームを作っているので、グラフィックん関してもすごく大事に考えていて、今まで我々が作ってきたものとは違う絵作りを見せられるんじゃないかなと考えています。
――具体的にかっこいいと感じたポイントは?
神谷氏:プロモーションビデオで表現したとおり、このゲームの柱になる部分は巨大な怪物同士の激しいバトルになります。その部分をどう迫力を出すのか、自分がどう関与し、戦略的に戦っていくのかを、今力を入れて作っています。どんどん満足いく形になっているという実感はあります。
――E3で公開された映像はプリレンダリングですか?
稲葉氏:そうですね。あれはプリレンダリングです。
――インゲームでもあの映像に近いものになるのでしょうか?
稲葉氏:単純にリアルタイムとプリレンダリングを比べられないと思います。プリレンダリングの映像についても、我々が目指す100%の絵作りとして出した映像ではないので、もう少し時間をかけて満足の行く絵作りというのを現場では目指しています。
神谷氏:実機のほうが、驚きと迫力は遥かに高いと思います。
――あの映像はどのくらいゲーム性を表しているのでしょうか?
神谷氏:ゲーム内容について詳しい説明はできないのですが、意味のないことを描いているカットはありません。実際に出てきたゲームと照らし合わせれば、「こういうことだったのか」とわかってもらえると思うのですが、あそこに入っている映像のひとつひとつの要素はすべてゲーム性に直結しているものなので、そういう所も意識して見てもらえればいいと思います。
稲葉氏:1フレームたりとも無駄はないですね。最後の最後まで神谷がフレームにこだわっていました。
――Xbox Oneで出すにあたって、SmartGlassやKinectにも対応するのですか?
神谷氏:興味はありますね。
稲葉氏:基本のゲームが完成した上で、ハード独自の要素は付けれるだけ付け加えていきたいなと思います。何かがないとゲームが楽しめないということはありません。それがあることで違う楽しみが得られるのであれば、そこを活かしていきたいという考え方です。
――基本はコントローラーだけで遊べるということですか。
稲葉氏:そこは否定するところではありませんね(笑)。
――ひとりで戦うのか、それとも複数人で戦うのでしょうか?
稲葉氏:その辺りは答えられないのですが、このゲームは短いプレイ時間で終わるゲームではありません。そういうあたりから想像いただきたいです。
神谷氏:僕が作っていることから、ボスを倒して、1周終わったから2周目やろうといったゲームを想像している方も多いかと思いますが、そういうゲームでは全くありません。プラチナゲームズとしても僕としても作ってなかったタイトルに挑戦しています。
――シングルプレイかマルチプレイかどちらでしょうか?
稲葉氏:話せないですね。話すと怒られてしまいますから(笑)。何かしないと面白くなるというよりも、違うプレイスタイルで違う面白さが表現できるタイプのゲームだと思います。
ケラムス氏:今までのプラチナゲームズのタイトルを見ると、必ず新しい刺激を与えたいという信念があります。本作も同じで、ハードも変わりましたし、学んだこともありますし、新しい刺激を与えたいのです。新しい楽しさを本作で伝えたいと思っています。
神谷氏:ベヨネッタのようなタイトルは、動的なゲームが得意な人に絞られ、そういう人にはたまらないのですが、そういう裾野をもう少し広げたいと意識して作っています。
――キーコンセプトは?
神谷氏:巨大なモンスター同士のバトルの迫力を出したいというところからスタートしています。コンセプトを思いついた時には、具体的にどういうゲームにしようというものはなかったのですが、その方向に向けてゲーム性を練って、今形になりつつあります。形になりつつある今も、そこは一番大事な柱として守っています。
僕は子供の頃からドラゴンが好きで、そういうゲームをいつか作りたいと思い、それを叶えるゲームです。そういうドラゴンファンのような人も多いと思うんです。そういう人に楽しんでもらえるゲームにしたいと考えています。
――ゲームエンジンは何を使っていますか?その採用理由は?
神谷氏:Unreal Engine4です。
稲葉氏:いろんなテクノロジーに対して対応しなければなりませんし、新たなハードということもあります。そこに対するベストな対応としてUnreal Engine4を選定しました。
――Xbox Oneで開発してどのような印象を持たれましたか?
神谷氏:僕は、大概のゲームを新しいハードで開発してきたので、新しいハードでゼロから作っていくという刺激的な面白さは、いつもと同じだなと感じています。
稲葉氏:今回、マイクロソフト ゲームスタジオのサポートには相当驚かされました。レベルの高い人材が揃っています。そことガッツリ組んでやっていることは刺激的です。マイクロソフト ゲームスタジオとゲームを作っていること自体がものすごく刺激的な体験です。
もともと、OSやさまざまなソフトを開発している会社なので、エンジニアのレベルがものすごいものがありますし、マイクロソフト ゲームスタジオとしてもゲームをリードしてきた実績があり、いろんな方がいるので、意見に対する重みやコンセプトを膨らます方向に対して、とても説得力があります。
ケラムス氏:神谷のビジョンを実現させる意思を感じます。どんな壁があっても一緒に乗り越えましょうというサポートがあります。
――王道ファンタジーを作ってみていかがですか?
神谷氏:取材を受けて初めて気がついたんです。王道ファンタジーを作ろうと思っているわけではなく、やりたいものを作っていった結果、言われてみればファンタジーの世界だなという感じです。
子供の頃から「ソーサリアン」や「ハイドライド3」のような、剣と魔法の世界を楽しんできたのですが、過去の作品では出していなかった、ファンタジー世界に対する思いを今回は出しています。開発していて楽しいですね。今までとは違った楽しさがあります。どこかでドラゴンを出したいと、どの開発でも思っていて、「The Wonderful 101」でもドラゴンっぽい敵がいたり、ベヨネッタにもいましたし、デビルメイクライでは、博物館に飾ってある骨の標本という形で恐竜を出したり。いつかメインにしたゲームを作りたいなという思いが昔からあったので、そういう気持ちを今回は素直に出して作っています。
――ドラゴンは味方になることもあるのでしょうか?
神谷氏:強大な力を持つドラゴンという存在と等身大の人間。このふたつの存在の絆を描きたいなというのがあります。バトルを通じてもそうですし、ストーリーを通じても二者の絆を描きたいです。
――両者はどのようにコミュニケーションするのでしょうか?
神谷氏:ペットであったり、攻撃するための道具であったりという作り方はしたくないですね。生きてる命のあるものとして作り……。
稲葉氏:それ以上は、ゲーム性に深くかかわるので(笑)。
――今までで一番好きなドラゴンは?
神谷氏:一番印象に残ってるのはソーサリアンですね。ソーサリアンの一番最初のシナリオ「消えた王様の杖」の最後にでてくる敵がヒドラなんですけど…、だからといって今回のPVの最後にでてくるヒドラが関係あるかはなんとも言えないのですが(笑)。というくらいソーサリアンには影響を受けましたね。
ソーサリアンを作りたいという意味ではありません。ただ、あのような剣と魔法の世界は心に深く突き刺さっているので、本作を作る上での財産になっています。
――日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
神谷氏:単純にアクションにフォーカスしたゲームを作ってきたので、そういうものを期待している人もいると思います。そこで培った操作性やゲーム性などのノウハウは最大限発揮しますが、今まで僕自身が作ったことのないジャンルに挑戦しているので、そこも含めて楽しみにしていて欲しいです。
稲葉氏:体験したことがない遊びを楽しめると思います。それも敷居が高い遊びではなく、まだゲームがこんな方向に進化できるんだという遊びを体験できると思うので、待っていて下さい。
ケラムス氏:楽しさはチーム全員が最優先にしています。ずっと楽しめるコンテンツにしたいので、ご期待ください。
――ありがとうございました。
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