12月20日、カプコンは千葉・幕張メッセで開催中のジャンプフェスタ2015にて、ニンテンドー3DS用ソフト「大逆転裁判-成歩堂龍ノ介の冒険-スペシャルステージ」を開催した。
本イベントにはプロデューサーの小嶋慎太郎氏とディレクターの巧舟氏がゲストとして登場。2015年発売予定の「逆転裁判」シリーズ最新作「大逆転裁判-成歩堂龍ノ介の冒険-」の見どころや最新情報の紹介を行った。
既報の通り、今回の物語は現代から100年さかのぼった明治時代の日本やロンドンが舞台となる。この時代を選んだ理由について、巧氏は「裁判や弁護士のシステムができた始まりの時代だから」と説明。舞台のひとつにロンドンを選んだのも同様で、ガス燈や車などが生み出され、科学捜査が始まるなど「新しい何かが生まれる激動の時代」であることを理由に挙げた。
続いて、主要登場人物が紹介された。主人公の成歩堂龍ノ介はゲーム開始時点では一介の大学生で、とある事情から弁護士を目指してロンドンに留学することになるという。ヒロインは御琴羽寿沙都(みことばすさと)。物知りの勉強家で、法務助士として龍ノ介を頼もしくサポートしてくれるとのことだ。
そして、このふたりとともに活躍するのが、ご存じ名探偵シャーロック・ホームズ。巧氏は以前からホームズを自分のゲームに登場させたかったそうで、「今回オファーというか、企画書に書いて出してみたところ、いらっしゃってくださいました」と感慨深げに笑った。もちろん、相棒のワトソンも登場。なんとアイリス・ワトソンという女の子で、まだ幼いながら医学博士にして文学少女という天才児とのこと。原作とはかなりギャップがあるだけに、「大逆転裁判」ならではのホームズとワトソンのコンビを楽しめそうだ。
もうひとりの注目キャラが今回のイベントの直前に公開された、龍ノ介の親友の亜双義一真(あそうぎかずま)だ。まだ大学生だが、すでに弁護士の資格を持っており、龍ノ介のピンチを助けることになるという。巧・小嶋両氏によると非常に熱い男で「見た目も心もかっこいい快男児」とのことなので期待しておこう。
本作のシステムだが、「探偵パート」で事件現場を調査し、「法廷パート」で集めた証拠品や証言をもとに証人や容疑者のウソを見破っていくという、おなじみの流れを踏襲しており、今回のステージでは最初の「法廷パート」が実機プレイで公開された。龍ノ介がある事件に巻き込まれ、初めて法廷に立つというもので、どうやら殺人の容疑をかけられているもよう。ここで登場するのが、親友の亜双義一真で、彼の力を借りて無罪を勝ち取るべく法廷で戦っていくことになるという。
法廷内は背景も含めて、すべて3Dで描かれており、小嶋氏は「奥行のある表現など、いろいろこだわっています」とコメントしていた。さらに、裁判では事件を目撃したというふたりの証人が同時に登場。ふたりの発言を聞き比べたりして証言のムジュンを突いていくなど、これまで以上に奥の深い謎解きを楽しめそうだ。また、今回の実機プレイにはなかったが、明治時代は言葉使いが少し難しいことから、製品版ではセリフなどにルビがふられるとのことだ。
もちろん、「ゆさぶる」「つきつける」というおなじみのコマンドも健在。通常はこれらのコマンドを使うと「待った!」「異議あり!」のかけ声が表示されるのだが、今回公開されたパートでは、まだ龍ノ介は弁護士ではないため、おどおどしていて、かけ声も「はいっ!!」という初々しいもの。この点について巧氏は「きっと最後には目も泳がなくなって、まっすぐ前を見てやれるようになるんじゃないですか?」とコメント。そうした龍ノ介の成長もみどころのひとつになるとも小嶋氏も語った。
本作の新要素のひとつ「共同推理」の説明も行われた。ホームズは天才なのだが、それゆえに推理があさっての方向に飛躍してしまいがち。このホームズのズレた推理に龍ノ介が突っ込みを入れながら真実を導き出していくことになる。また、「探偵パート」では怪しい箇所を見つけたとき、画面を上下左右に動かして調べることも可能で、今回のステージではヒゲをたくわえた黒メガネの怪しい人物を上から見たり、下から見上げたりするところが紹介された。ちなみに、画面上には「つきつける」、「調べる」というコマンドも表示されており、これらをどう使うかも調査を進める上でのポイントになりそうだ。
そのほか、舞台「逆転裁判」の第2弾となる「逆転裁判2~さらば逆転~」の紹介ではキャスト陣のビデオメッセージが公開。「とにかくがんばるぞ! 劇場で待っています!!」(成歩堂龍一役の渡辺大輔さん)、「パワフルに元気よくがんばりたいと思います」(綾里真宵役の荻野可鈴さん)、「ゲームファンの方にも舞台ファンの方にも初めて見る方にも、御剣怜侍を愛してもらえるようにがんばります」(御剣怜侍役の和田琢磨さん)と、メインキャスト3人がそれぞれ意気込みを述べた。
最後に小嶋氏は「名探偵と弁護士の化学反応が非常に面白いタイトルになっています。年明けからも新しい情報をどんどん出していくので、そちらも期待していただければと思います」とメッセージ。巧氏も「今、ゲーム作りが佳境で、心ここにあらずな感じですが(笑)、がんばりますのでご期待ください」と挨拶し、ステージは終了となった。
なお、カプコンブースでは、龍ノ介とホームズが協力して謎を解き明かしていく、「共同推理」を体験できる試遊版もプレイアブル出展されていた。詳細は明かせないが、今回のステージでも紹介された黒メガネを付けたヒゲづらの人物が登場するパートで、ホームズのユニークな推理や龍ノ介とのやり取りなどが楽しめる興味深い内容になっていたので、本編の発売を期待して待とう。
※体験版のため本編とは異なる場合がございます