「天空の機士」の「機士」が「騎士」の当て字だとすれば、英語にすると「ロデア・ザ・スカイナイツ」なんじゃないかな、と思ってしまうことでおなじみ(?)の「ロデア・ザ・スカイソルジャー」のインプレッションをお届けします。
Wii Uのソフトなのに初回版にWiiのソフトが付いてくるということでコレクター的には興味津々だったこのタイトル。早速、編集部からソフトをお借りしました。
開けてみると2本のソフトがしっかりと入っています。
やっぱりこっちのパッケージが気になりますよね。
裏面の「非売品」の文字に惹かれます。
いやー、いいモノを見せてもらいました……いや、これが本番ではなかったですね。今回の主役はWii Uの「ロデア・ザ・スカイソルジャー」でした。早速プレイしてみましょう。
ゲームを始めると早速、緊迫したムード。巨大な敵と戦う少年と、飛行船を操作して敵から逃げる少女。どうやら少年がこのゲームの主人公のロデアで、少女がセシリア姫のようです。
墜落する飛行船。それを遠くから見ているロデア。この構図でプレイヤーに操作が明け渡されます。
「ロデア・ザ・スカイソルジャー」のジャンル表記はスカイ・アドベンチャー。ざっくりと解釈すると、空を飛ぶことが気持ちよくてストーリー色の強い3Dアクションゲーム、といった感じでしょうか。
最初のステージはいわゆるチュートリアルなので、操作に慣れていきましょう。Lスティックを使って歩行、ジャンプ中にLスティックでポインタの位置を確定して飛行、ブーストを活用して敵をやっつけるなど、基本操作はここで学びます。
飛行エネルギーを消費して飛行し、飛行エネルギーがなくなればその時点で落下。地面にたどり着けば飛行エネルギーは回復するため、適度に地面に戻りながらの移動になりそうです。
敵をやっつけるときはブーストアタック。飛んでいる時ブーストボタンを押すと押している間だけブーストアタックを使えます。敵にポインタを合わせて間合いを詰めたらブーストアタック、といった感じです。
敵を倒すと墜落した飛行船を発見。飛行船の入り口をふさいでいる岩をブーストアタックで破壊して姫を救出します。
セシリア姫は、機械帝国ナーガから奪った「時のねじまき」を2つに分けて、1つをロデアに渡すと、ロデアをどこかに飛ばしてしまいます。早くもセシリア姫との別れ。
ロデアがたどり着いた先は砂漠。この砂漠は機械帝国ナーガから遠く離れたガルーダ大陸のようで、ロデアは地面に右手を打ち付けて、右手が破壊された状態で深い眠りにつきます。
……と、ここまでがチュートリアルを兼ねたプロローグ。さて、これから本気出すぞ、と思ったところ、ゲームの中では1000年の時が流れます。「天空の機士ロデア」が発表されてから「ロデア・ザ・スカイソルジャー」が発売されるまでの時間がとても短く感じてしまいます。
第1話からがこのゲームの本番、いきなり巨大な敵とのクイックタイムイベント的なバトル……かと思ったら、失敗しても成功しても目が覚めて、巨大な敵と対峙していたのが夢だと気づきます。目の前にはイオンという少女。どことなくセシリアと似ています。どうやらこのイオンが砂漠に埋まっていたロデアを助けて、腕も修理してくれたようです。妙な形の腕になっちゃっていますけど……。
ここでは試運転がてらに目的地を目指す飛行をすることになります。GamePadにはイオンが表示された状態で、ゲーム中にも頻繁にイオンが話しかけてきますが特に相手をする必要はなく、適当にマップを進んでいきましょう。
空中には金色の塊が並んで配置されています。この金色の塊はグラビトンと言って、取るとロデアの飛行エネルギーが補充され、100個集めるとロデアのスペアが1つ増えたり、複数個使うことで特殊な技が使えたりするため、とにかく大事に取っていきましょう。
グラビトンが並んでいる場合には、並んでいる方向に向かって1つ目のグラビトンを取ると、自動的に高速移動で全部のグラビトンを取っていきます。この動きは本当に爽快感があります。
ここは天空の島なので、地上に降りようとしたら足場がないところがたくさんあります。ここで覚えておかないといけないのが、Yボタンの操作。Yボタンを押すとその場で上昇飛行をすることができます。
敵を見つけたらポインタを合わせてブーストアタック。ブーストアタックで攻撃して跳ね返ったところで周りを見渡し、ポインタを合わせて次の敵に攻撃、という操作を繰り返すのも本当に気持ちが良い。
しかし、ブーストアタックをケチってうっかり敵にぶつかるとアーマーエネルギーが奪われて、アーマーエネルギーがなくなるとロデアが1機失ってしまいます。ロデアは画面左下に表示されている数字の数だけスペアがあり、スペアがなくなるとゲームオーバーになってしまう為、久々にガチなアクションゲームの臭いを嗅ぎ取りました。
ブーストアタックは敵を攻撃しない時でも高速移動用にも使えます。この辺、飛行エネルギーの量を考えての使い方になりますが、かなり自由度のある使い方に感じました。更に、ギミックのスイッチを押す時にもブーストアタックを発動。
ギミックをクリアして目的地まで進むと機械帝国ナーガの皇帝ギアードが復活して、ガルーダ大陸にピンチが訪れる演出になります。それと同時にロデアは誰かにガルーダ大陸を救うように指示されたことを思い出し、記憶を少しだけ思い出したロデアのガルーダ大陸を救う冒険は今始まりました。
第2話以降も進むたびにチュートリアルが発生して、徐々に操作に慣れながらゲームを進めていくことになります。第2話ではロデアと同サイズの敵、オルトスとの対決があり、ブーストアタックでバリアを破壊して再びブーストアタックを決めるような空中での激しいバトルを楽しめます。第3話では広いマップの中に隠れているオイル探し、第4話では高いところに飛んでいる飛行船との対決という大きなイベントをクリアしてアクションに慣れながらストーリーも進んでいくと、5話ではプロローグで出て来た巨大な敵との対戦。ここまで終わると一区切りといった感じでしょうか。
ただアクションゲームとしてクリアを目指してみたところ、ボクの腕前ではこのあたりが限界でした。ここまでに学んだ操作もところどころ忘れ気味で、第6話で落下アウトを連発しすぎて進めないという状態。さて、どうしたものか。
そもそもYボタンで上昇できることをいつの間にか忘れていました。焦った時にはYボタン、このことだけでも覚えておくと、ゲームをかなり有利に進められます。但し、Yボタンを押す時にLスティックを倒していると倒した方向に高速移動してしまい、下を入れていた時には高速落下してしまうので注意しましょう。焦っている時は、左手は離して右手でYボタン。憶えておきましょう。
そういえば、取ったアイテムでアップグレードができましたっけ。マップに落ちている部品を拾ったり、敵を倒した時に発生する部品を手に入れたりすると、部品のストックが増えていきます。この部品を使って、ワールドマップでロデアをアップグレードできるんですよ。
ベーススペックとして、アーマー、パワー、スピードを強化することができ、スペシャルギミックでは飛行ギミックと特殊ギミックの強化、少しステージを進めると特殊な攻撃をする時に使うマシンギアもアップグレードできるようになります。ベーススペックは部品があればどんどん強化できますし、スペシャルギミックはレベルが上がるごとに新しいギミックが追加されていくので、効果的にアップグレードしていきましょう。
そうそう、ステージクリアの際にクリアタイム、スコア、チェイン、コンボにそれぞれSABCの評価が出るため、ひたすらやり込めます。マップ中に隠れているレガシーコイン集めという要素もあるし、アップグレードをするために必要な部品集めもあるため、ゲームが下手なら下手なりに繰り返しプレイして、腕前を上達すると同時にロデアのアップグレードも繰り返しながらゲームを進めていくことができるのです。
青いクリスタルを破壊してグラビトンを獲得。箱を破壊して隠れているアイテムを取得。ルートから外れたところに行ってレガシーコインを発見。敵を倒して部品を調達。
クリア条件を満たせばステージクリアはできるけど、ステージ内をくまなく飛べばいろいろなモノが隠れている、そんな作りのステージが続きます。結果、昔ながらの、アイテム収集がリスクになるようなプレイスタイルのゲームを楽しむことができます。
但し、気を付けないといけないことがあります。このゲームではロデアのスペア数を全部使い切ってしまうとあっさりとゲームオーバーになってしまいます。たとえステージ途中のチェックポイントを通過していようが、たくさんのアイテムをゲットしていようが、後一撃で敵を倒してクリアできようが関係なく、スペアが全部なくなった時には無情にもゲームオーバー。必死で探して取ったレガシーコインなんかも当然リセットです。
プレイしていて、ターゲットとなるモノがないと遠くに行けないため、最初は自由に飛べない不自由さを感じたのですが、落下アウトがあり、遠くに飛んで行ってしまうと戻るのが大変になることも考えると、決められた箱庭内で自由に飛べる状態を作るためには、この不自由に見えるターゲットがないと横方向に飛べない作りはアリだと感じました。
当然ながら、アップグレードをすると自由度が増すので、きっとプレイヤーの腕前が上達するのとアップグレードしたロデアの能力がマッチして、更なる気持ちの良いプレイができるのでしょう。期待しておきましょう。
ワールドマップでYボタンを押すと、アンロックという項目があり、5話までクリアすると「チケット諸島解放」をアンロックすることができます。チケット諸島では指定された敵を倒すと部品をゲットできるので、ストーリーと並行して挑戦していきましょう。アンロックにはレガシーコインをかなり使うので、本編でレガシーコインを集めることを忘れずに。ストーリーとチケット諸島で部品を集めてアップグレードを繰り返し、プレイヤー自身の腕も上達したら、きっといつか先のステージに進めることでしょう。
そうそう、Wiiの「天空の機士ロデア」にもちょっと触れておきましょう。序盤をプレイしてみたところ、イベント関係は「ロデア・ザ・スカイソルジャー」と同様に進行していくのですが、操作方法が全然違って驚きます。プレイ感覚が全然違うんですよ。
「天空の機士ロデア」ではWiiリモコンを向けた方向でポインタを操作して飛行するような直感操作になっています。カメラ操作もWiiリモコンを画面から外れたところに向けて行い、歩行の際には十字ボタンを使う為、「ロデア・ザ・スカイソルジャー」をプレイした後だといろいろと違和感がありますが、カスタマイズ要素はなさそうで、さらにガチなアクションゲームとして仕上がっているように感じました。
一度は発売延期になったタイトルがこのような形で日の目に見ることになったのは喜ばしいことですし、なぜ発売しなかったのか考えながらプレイすると感慨深いものがあります。
というわけで、「ロデア・ザ・スカイソルジャー」はプレイヤーが操作に慣れれば慣れるほど気持ちよく飛び回れるガチな3Dアクションゲームで、成長要素もあるためアクションゲームに慣れていなくても繰り返しプレイをしてカスタマイズをすれば先に進めるゲームと認識しました。そして、コレクター的にはやっぱり初回版に付いてくるWiiの「天空の機士ロデア」ですよね。とにかくお得なソフトでした。
まだ間に合うかな。これからゲームショップに初回版を探しに行きます。Yボタンで上昇して店内を見渡し、ソフトを見つけたらポインタを合わせて飛行アクション。もし最後の一つを持っているお客さんがいたらすかさずブーストアタックですね(ダメです)。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
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