千葉・幕張メッセにて4日間にわたって開催された「東京ゲームショウ2015」。ここでは9月20日にスクウェア・エニックスブースブースで行われた「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ スペシャルトークショウ」をレポートする。
今回のイベントでは本作のプロデューサーを務める藤本則義氏、「ドラクエ」大好きタレントの吉田早希さん、Vジャンプ編集部のサイトーブイさん、そして、「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏が参加。「ドラゴンクエストビルダーズ」に関するさまざまな情報の紹介や実機を使ったデモプレイなどを行った。
「ドラゴンクエストビルダーズ」は「ドラゴンクエストI」(以下「ドラクエI」)で、「りゅうおう」に「味方になれば世界の半分をやろう」と言われ、「はい」と答えてしまったあとの世界が舞台になっていて、荒廃してしまったアレフガルドの復興を目指して、ブロック素材を集めて道具、施設、町などを作っていくことになる。すべてがブロックで作られた広大なフィールドで、自由なものづくりが楽しめることから「ブロックメイクRPG」と銘打たれている。
堀井氏によると、「ドラゴンクエストI」では方眼紙にマップを手書きで書いて作っていたそうで、「そういう意味では“I”はブロックの世界だったんです」(堀井氏)と当時の思い出を語った。ここで、集英社のサイトーブイさんが「ドラクエI」の記事が載った29年前の週刊少年ジャンプを披露。記事を手がけたのは当時ライターをしていた堀井氏自身で、思わぬお宝の登場に会場は大いに盛り上がった。
ここからは実機を使って説明が行われた。「ドラゴンクエストビルダーズ」では、フィールドを探索して素材を「あつめる」、素材同士を組み合わせて新たなモノを「つくる」、いろいろなモノを組み立てて、自分だけの町を「たてる!」というのが基本的なサイクルとなるという。
素材を集める方法はいたってシンプルで、フィールドを削れば土のブロックが、木を切れば木材のブロックが手に入る。フィールドにいるモンスターたちを倒した場合にも素材が手に入るようになっていて、今回のデモプレイではスライムを倒して「青い油」という素材を入手していた。このようにフィールドをあちこち探索して素材を集めていくわけだ。
続いて、集めた素材を使って壊れた家を修復。2段以上の壁で周囲を囲み、扉を1個以上つけ、室内に明かりとなるものを置くと、ゲーム中で「部屋」として認識される。この3つの条件さえ踏まえてさえいれば、どんな家でも作ることが可能だと藤本氏は語った。
とはいえ、自分でイチから作るのはかなり骨が折れる。そこで役に立つのが「設計図」だ。好きな場所に置いて、指定されているとおりに素材を置いていけばいいだけなので、いたって簡単。もちろん、素材を置く場所を変えてオリジナルの家を作ることもできる。
作ったものに村人たちがいろいろな反応を見せるのも面白い。例えば、今回の実機デモでは家を完成させたところで村人がやってきて、部屋に置いたベッドで寝てしまうというユニークな反応を見ることができた。このような村人たちのさまざまなリアクションもお楽しみ要素のひとつと言えそうだ。
岩山の探索でも素材を利用。「ドラクエI」では岩の山を徒歩で越えることはできないようになっていたが、本作では素材を積み重ねて足場にすることで岩山を登っていくことが可能になっている。さらに、素材を繋げて空中に独自のルートを作ったり、空中に家を建てたりすることもできるが、高所から落ちるとダメージを受けてしまう。高すぎると一発で死んでしまうため、高所を移動するときは慎重な操作が求められるだろう。
落ちて死んでしまった場合は持っていたアイテムの一部を落としてしまうが、落下した場所で回収することが可能になっている。藤本氏によると、最初はアイテムを全部落とす仕様になっていたが、何も持っていない状態から再スタートした場合、取り戻すのにかなり手間がかかるため現在の形にしたそうだ。
ここで、山本さんが「お城なんかも作れるんですか?」と質問。堀井氏はかねてから「お城をゼロから作るのは大変だから、壊れたお城を修復したりできたら楽しいんじゃないか」と開発陣にオーダーしていたそうだが、藤本氏によると、すでに導入できているもよう。当初はスライドだけ見せる予定だったが、堀井さんの鶴の一声で実機での映像を見せてもらうことになった。
スクリーンに映し出された城は非常に巨大で、中はかなり荒れ果てているが、自分なりに修復できるので、最初から作るよりもはるかに楽とのこと。さらに、観客の要望に応えて、修復後の城も実機で公開。城のある場所が、なんとメルキド周辺だったことも明らかにされた。
城の内部も非常に広大。ただ、かなり荒れ果てており、毒の沼も点在していた。 | |
修復した城では懐かしの「ドラクエI」のBGMを聞くことができる。 | |
城の周囲を見渡しているとき、見せてはいけないものが映るハプニングも。 |
最後に堀井氏は「このゲームには“竜王を倒す”という目的があるんですが、そのあとも好きに作り続けることができます。しかも、何回でも違うフィールドで遊べるようになっています」と驚きのコメント。詳しいことは明らかにされなかったが、もしかしたらフィールドやダンジョンなどがランダムで変化するようになっているのかもしれない。いったいどれだけの謎が隠されているのか。今後の情報を待とう。