6月14日(現地時間)よりロサンゼルス・コンベンションセンターにて開催中の「E3 2016」。「バイオハザード」シリーズのナンバリング最新作「バイオハザード7 レジデント イービル」のプレイレポートをお届けする。
これまで、PS VRのデモとして各所で恐怖を振りまいてきた「Kitchen」。「PlayStation - E3 2016 Press Conference」にて、その正体が「バイオハザード」シリーズのナンバリング最新作「バイオハザード7 レジデント イービル」と知った時は、衝撃的だった。
カンファレンス会場で発表されたムービーを見た筆者は、一瞬何が何だかわからず、「えっ。まじで? バイオなの!?」と声を出してしまったほど。
「バイオハザード」は確かに恐怖をテーマにしている作品ではあるが、特に、近年の「バイオハザード」から感じる恐怖と、「Kitchen」が持つジメッとしたオドロオドロしい雰囲気がなかなか結びつかなったのだ。
そんな「Kitchen」改め「バイオハザード7 レジデント イービル」の発表から一夜明けたE3初日の6月14日(現地時間)。筆者はさっそく「7」をプレイする機会を得た。というわけで、本作のプレイレポートをお届けしていこう。
ちなみに今回のプレイレポートは、現在配信されている体験版「バイオハザード7 ティザー~ビギニングアワー~」をPS VRでプレイしたものなので、ゲーム内容は、体験版そのままのものだ。
アイソレートビューがもたらす圧倒的不安感
カプコンブースには、一日前にムービーをそのまま再現したかのような不気味な邸がそびえ立っていた。そう、現時点で判明している、「7」の舞台である。こんなところでプレイするのか!? しかも、目と耳を塞ぐPS VRで? しょうがない。怖いけど、これが選んだ道だ。
というわけで、さっそくヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着してプレイスタート。
本作は、これまでのバイオハザードで採用されていた三人称視点と背中越し視点から一転、ナンバリングとしては初のアイソレートビュー(主観視点)を採用している。
良い意味で、落ち着かない、終始感じる不安感。お化け屋敷で、前の人の服を掴みたくなるような感覚と言えばいいのだろうか。360度全てが「7」の世界のため、ゲームをプレイしている限り、逃げられない。この不安、恐怖、どのように伝えたらいいのだろう。まあ、こればっかりは、悔しいが「プレイしてみてほしい」としか言いようがないのだ。一つ言えることは、没入感が桁違いということ。
ちなみに、ゲーム中はDUALSHOCK 4を使用するため、操作性自体が既存のゲームから大きく逸脱したというわけでない。そのため、プレイしにくいといった感覚はまったくなかった。既存の操作性に乗っ取ったスタイルなので、日頃からゲームに親しんでいる読者諸君ならば、問題なくプレイできるはず。あえて例を挙げるとすれば、FPSや一人称視点のRPGに近いものがあるかもしれない。
「目の前に存在する」という恐怖
ゲームの目的は、邸から脱出すること。荒れに荒れた邸内は、シンと静まり返っており、とても不気味だ。耳に入ってくるのは、環境音と、男の声のみ。BGMらしいBGMもまったくない。この静寂が、恐怖の演出に一役も二役も買っていることは間違いないだろう。
また、地味に嫌悪感を感じるのが、床を徘徊している虫。鍋の蓋を開けると黒い物体がワラワラと這い出てきたときは、さすがに泣きそうになった。これがモニター越しなら特に問題はないだろう。しかしVRなので、最悪なことに直に感じられてしまい、はっきりいってシャレにならない。虫嫌いな人は、覚悟してプレイしてほしい。
邸内を探索していると、カギやビデオカセットといった、キーアイテムのようなものを発見した。ビデオデッキの置いてある部屋へいき、カセットを再生すると……テレビモニターには、正体不明の何かが写っている。ネタバレになってしまうため詳細は省くが、非常にオドロオドロしい映像だったということは間違いない。
ビデオを視聴し終わり、自らの身にタダ事ではない危険を感じたプレイヤーは、出口を目指して動くことになる。その瞬間、謎の物体(人型の何か?)がプレイヤーに前を横切る。今のいったい何だ? その瞬間、スタッフが言う。「今の、結構レアですよ」。はあ?何言ってんだ? スタッフの言っていることの意味がいまいち分からない筆者は、この恐怖から逃れたい一新で、出口を探す。
こんな場所、一刻も早く脱出したい。そんな思いを一心に、なんとか出口に到着。ドアを開けるとそこには……なんてこった……。
最後の部分はネタバレになってしまうので詳細は書けない。ぜひプレイしてみてほしいとしかいいようがないのだが、決して希望めいた展開が待っているわけではないということだけは記しておく。
「7」をプレイしてみて感じたのは、先述したように、とにかく没入感が桁違いということ。PS VRということに加え、新たに作られたというエンジン「REエンジン」が描き出すグラフィックも影響しているだろう。単に、「リアル」という言葉だけでは片付けられない気がする。部屋全体のジメジメした不快な空気感、中を舞う埃、リビングのピアノ、型落ちのビデオデッキなどなど、全てがそこに実在するかのような錯覚に陥るのだ。
「バイオハザード」がここまで大きく生まれ変わった理由について、公式サイトでは「全ては恐怖のために」と記されている。今回体験したバージョンは、まだまだ開発途中だが、完成版をプレイして、その全体像をとらえた時、我々はどのような恐怖に直面するのだろう。そして、何を感じるのだろう。不安と恐怖でいっぱいだが、それに期待してしまうのが「7」なのだということなのかもしれない。