バイキングが2016年冬に稼働開始を予定しているアーケード向けチームバトルアクション「マジシャンズデッド」。ここでは、初心者による魔法の心得や、モーションセンサーを用いた新規インターフェースのプレイフィールをお届けする。
立ち上がるほどでもないが、かといって手を伸ばしても絶妙に届かないちょっと遠くの物を取る際、「座ったまま物を引き寄せられたらなぁ」と考えたことがある人、いますよね。
徹夜でのカラオケ、飲み会などなど、友人と遊んで非常に楽しい時間を過ごした後、帰りの電車に揺られながら「家に帰るのだるいなぁ……自宅までワープとかできないかなぁ」と考えたことがある人、いますよね。
もしくはゲームで対戦中、コンボの〆やトドメを刺す時に無駄に指を鳴らしたり、キャラクターとおんなじポーズを取ってカッコつけてみたり、実は倒し切れてなくて画面を見ていない間に逆転されて爆笑のムーブメントを巻き起こしたことがある人、いますよね。……いるよね?
そんなまだまだ空想と妄想に憧れて童心を忘れないでいる、エンターテインメント性に富んだ人々にオススメしたい作品が、3vs3のチームバトルアクションによる協力と駆け引きが魅力のアーケードタイトル「マジシャンズデッド」だ。
本作では、「魔法使い」と「超能力者」という、似て非なる2つの勢力による戦いが描かれる。
最大の特徴は、モーションセンサーを用いた独自のインターフェースが採用されていること。これにより、プレイ中にセンサーに向かって手を動かすことでキャラクターがさまざまな攻撃を繰り広げるという、体感ゲーム的な要素が盛り込まれている。
本作を手掛けるバイキングは、アーケードゲーム「ガンスリンガー ストラトス」シリーズ(スクウェア・エニックス)などの開発を担当している実績があり、その革新的なゲームデザインが今なお多くのアーケードユーザーを虜にしているのは言わずもがな。
実際、筆者も同社が開発に携わっているタイトルには大変お世話になっており、毎日会社の昼休みには1食300円のざるそばを胃袋に収め、1クレジット投入するため近場のゲームセンターに足を運ぶほど。だから貯金が上手くいかないのは内緒の話。
そんな、もはや生活の一部と化している作品の数々を生み出した同社の新作タイトルが気にならないはずがない!……ということで、今回は同社にお邪魔し、今月頭にロケテストが終了したばかりの本作をプレイさせてもらった。以下では、気になるモーションセンサーを用いたゲームプレイの所感や、具体的な操作方法などをお伝えしていこう。
イロモノっぽさの裏にある骨太のゲーム性
体感型のゲームということもあり、大型筐体でのゲームプレイをイメージする人も多いだろう。事実筆者も発表当初は、「PlayStation Move」や「Kinect」に代表されるような、身体全体をコントローラー代わりに用いるかなり大型のモニターとそれに付随する装置を想像していた。
しかし、本作に用いられている筐体のサイズは、一般的なアーケードゲームに用いられているものとほぼ同じ。いわゆるビューリックス筐体などにモーションセンサーとグリップコントローラーが取り付けられているようなものをイメージしてもらえば遜色ないだろう。
これはアーケードゲーム界では結構重要なことで、本作の筐体は同社独自のものだが、レバーとボタンを挿すことでそのほかのゲームもプレイ可能になっている。大型の筐体ではそのゲームしか遊ぶことができないが、規格を同一化すると互換性が生まれるので、ユーザーにはあまり関心を持たれないことだが店舗側にとっては非常に重要な要素となっている。
話が少し逸れてしまったが、とにかくこちらの筐体は非常に秀逸なデザインになっているということだけは覚えていてほしい。なお、こういったお話は後日公開されるインタビュー記事にてより掘り下げた内容でお伝えしているので、興味のある人はぜひこちらも一読してほしい。
さて、肝心のゲームについてだが、そもそもモーションセンサーを用いた対戦ゲームをプレイしたことがあるという人は、重度のゲーマーの中でも稀有な存在なのではないだろうか。本作では、ゲーム前にプレイ経験の有無が確認される。ここで初心者を選ぶことで、モーションセンサーの感度を確認することができる。
最初はどの程度の速度、範囲、間隔でセンサーが反応してくれるのか分からないはずなので、本作をプレイする人はぜひこちらを経てからゲームに臨んでほしい。筆者もそうだったのだが、初心者の場合、最初は手の位置がセンサーに近すぎて上手く反応してくれない場合がある。想像よりもやや高めを意識するとスムーズに動作してくれるはずだ。筆者の座高では胸と腹の丁度中間辺りがベストポジションだったので、各々の最適な位置が一度分かってしまえば、さほど苦労することはない。
今回のゲームプレイでは、ロケテストで公開されていた8人の中から好きなキャラクターを選んでCPUとの対戦を行った。基本的なルールはとてもシンプルで、相手を倒し、敵のコストゲージを0にしたほうが勝利となる。コスト以内なら誰が何回倒されても負けにはならないが、チームプレイである以上倒され方(=落ち方)については味方と呼吸を合わせなければ勝つことは難しいだろう。
最初に選んだのは、超能力者サイドの実質的なリーダーでもあるシヴァン。本作にはフォースセットと呼ばれるものがあり、各キャラクターに3つずつ用意されている。セットにはそれぞれ2,000、2,500、3,500とコストが定められており、コストが重くなるほどキャラクターの体力も上がり、繰り出せる技も強力なものになっている。
3人全員が3,500コストのフォースセットで出撃すれば圧倒的な火力は得られるが、全体で2回しか落ちることが許されなくなる。10,000あるコストをどのように分担するかが、チームバトルにおける最初の醍醐味といえる。コスト編成を行う際のブリーフィング時には定型文によるチャットを送ることができるので、ぜひ積極的に味方とコミニュケーションを図っていこう。
実際にゲームを始めてみると、身構えていたほど操作は難しくなく、むしろスムーズに操作が行えた。移動やジャンプ、ターゲットの切り替えなどがすべて左手のグリップコントローラーに集約されているほか、ダッシュやステップ、ローリングなどの特殊な操作もない(一部誘導のかかる攻撃は横にジャンプすることで回避できる)ので、普段からアクションゲームに慣れ親しんでいる人ならば最初こそ違和感を覚えるが、操作に支障をきたすことはないだろう。
攻撃アクションを担う、右手のモーションセンサーによる操作も、先述した感度の確認を行っていたおかげか実に快適そのもの。本作では、センサーが右手を感知すると画面がややズームアップし、照準が表示される。FPSをプレイしたことがある人ならば、ADS(精密射撃)状態に移行すると思えば良いだろう。この状態になると手の動きに対応した超能力や魔法(スキルフォース)を繰り出すことができる。主に使用される手の動きは以下の通りだ。
手を閉じて親指だけを動かす
クセの少ないオーソドックスなスキルフォースを行う。単発のものや連射するものなど、キャラクターやセットによってさまざまな特徴があるが、総じてシンプルで使い易いものになっている主力攻撃。
手のひらをグーにする or パーにする
グーで車などの障害物を持ち上げ、パーで投げる。またはグーにしている間だけ正面にバリアを展開したり、グーの状態のまま手を動かすとムチを振り回すなど、キャラクター独自の個性的なスキルフォースを行う。投擲系のスキルフォースが多く割り当てられているのも特徴で、これらは手を上下に動かして物や攻撃が飛んでいく距離を調整することができる。
人差し指と親指だけを立てる or 両手を出す
手をかざしている間ビームを照射し続けたり、範囲を指定して追加操作(指を回す、右手を開くなど)を行うことで任意のタイミングで広範囲を攻撃することができるスキルフォースが多く割り当てられている。総じて高威力かつ広い範囲を攻撃可能で、中には視点が変更され、距離に関係なくターゲットの上空から大円範囲の攻撃を行えるものもある。
注意したい点としては、スキルフォース使用中は移動速度が低下するということ。通常時同様にジャンプなどの操作自体は行えるものの、攻撃しない時はセンサーから手を離し、しっかりと移動や回避に専念するといいだろう。
また、トラップなどの設置系のスキルフォースを使用する際は、手を前後にずらすことで奥行きの調整も可能。手前に動かせばキャラクターの近くの設置、画面側に動かせばより遠くに設置することができる。くわえてスキルフォースによっては上下の高さも調整可能。この“奥行き”の存在をゲームプレイ中は忘れがちになるので、ぜひ覚えておいてほしい。
さて、上記で少しスキルフォースについて触れたが、本作ではこのスキルフォースに非常に多くの用途が持たされている。
例えば、グーでバリアを張れるスキルフォースを持ったキャラクターがいるが、テレキネシス(物を掴める能力)のスキルフォースを持ったキャラクターならば、車や岩などの障害物を持ち上げて盾代わりにすることができる。
また、本作には現在火、水、風、電気の4つの属性があり、各キャラクターはそれぞれの属性に対応したスキルフォースを使う。注意してもらいたいのが、本作における属性の概念は、火属性のシヴァンに対して水属性のスキルフォースを当てるとダメージが増大する、というような単純な優劣の力関係を決めるものではない。
たとえば、水辺にいるターゲットに対して電気属性のスキルフォースを当てると威力が増大させることができる。これに関連して、味方が水属性のスキルフォースを当て、そのターゲットに対して電気属性のスキルフォースで追撃するとより効果的なダメージが与えられるというわけだ。
こういった要素はほかにもあり、味方が発生させた竜巻に炎のスキルフォースを当てるとその竜巻が炎をまとうようになったり、味方のスキルフォースで発生した氷塊をテレキネシスで掴んで投げつけることもできる。
特に、このテレキネシスにはさまざまな可能性が秘められていそうだった。単純に物を掴んで投げつけるだけでなく、浮かせた物体に味方を乗せ、そのまま相手に向かって投げつける……なんてこともできるという。CPU戦ということもあり、こちらの真偽について今回試せなかったのが非常に残念である。しかしながら、スキルフォースが相手に、そしてフィールドなどのさまざまなものにどんな影響を及ぼすのか。こういった要素を試したり戦術として用いるか考察することも、本作の楽しみの一つであると感じた。
気になったスキルフォースやキャラクターを紹介!
今回8人すべてのキャラクターを触ることはできなかったものの、複数のキャラクターでプレイすることができたので、その中でも特に気になったキャラとスキルフォースを紹介していこう。
まずは、魔法使いサイドより、金色の髪とファンキーなファッションが特徴的な“リプル・トニトルース”。魔法使い側の主人公的ポジションであるクラリスとは幼少からの親友で、音楽をこよなく愛し電気を操るスキルフォースを使う元気系な女の子だ。
今回使用したフォースセットは、3,500の「バスター・トリックスター」。使用可能なスキルフォースは、発射後一定時間軌道上に残留するエレリックテール、着弾地点を中心とした広範囲に雷撃を発生させる投擲型のエレリックグレンド、指定地点の上空から広範囲に落雷攻撃を行うヴォルトニーシスとなっている。
主力であるエレリックテールは、発射した方向に一定時間電撃が残留し、これに触れた敵にもダメージを与える。しかも、ヒットした敵はしばらくの間痺れて動けなくなるため、容易に追撃を入れることができる。ほかのスキルで手っ取り早くダウンを取るか、はたまた格闘などに繋げて大ダメージを狙うか、状況を考慮してから次の行動を選択できるのは大きなアドバンテージになるだろう。電撃の判定が残り続けるという性質上、敵の行動をある程度制限できるのも嬉しい点だ。
小さな電撃の爆弾を投げるエレリックグレンドは、逃げる際の足止めから壁越しの敵への奇襲など、プレイヤーの使い方次第でさまざまな用途に使えるスキルフォースだ。投げてから着弾・爆発するという投擲物のため時間差があり、直接当てていくには時間と慣れが必要になるので、使用する際は飛距離や爆発範囲などをあらかじめ確認しておくと良さそう。時間差がある分、エレリックテールから繋げることで敵を長い時間拘束しておける。
そして、リプルを使う上で一番楽しかったのがヴォルトニーシスだ。これはターゲットの上空から落雷攻撃を行うのだが、相手との距離や遮蔽物などが一切関係ない上、かなりえげつない範囲を攻撃できる。両手を使った操作のほか、使用中は視点がターゲットの上空に移ってしまい完全に無防備になってしまうので、上手く相手の隙を突くか味方に援護してもらうと良いだろう。扱いは難しいが、腐らせておくのはあまりにももったいないスキルフォースだ。
続いては、超能力者サイドより、頼れる兄貴風の熱血ナイスガイ“ドス”。スペイン出身のサイキッカーで、普段はシャイで無口なシヴァンとも冗談を言い合えるほどの仲だとか。水を操るスキルフォースをメインに、敵の攻撃を跳ね返すバリアを発生させることもできるタフな漢である。
使用したフォースセットはコスト2000の「アサルト・グラップラー」。構成は、クセのない水弾を発射するスプライド、攻撃を跳ね返して身を守る盾を前面に発生させるレフリクション、発射場所を自由に決められるアイスアーミーの3つとなっている。
2000コストということで全体的に威力は抑え目で、リプルの「バスター・トリックスター」と比べると派手さには劣る印象。しかし、主力となるスプライドは発生も早く連射も可能、リロードも申し分ない。アイスアーミーは指で宙をなぞった部分から氷弾を発射させられるので、ダウンした敵に対する起き攻めの選択肢としてとても優秀。そして何よりも、前方からの攻撃を防ぎ、反射させるレフリクションは高コストのスキルフォースと比較してもかなり強力な技に思えた。
盾なので当然、これそのもので攻撃することはできないのだが、移動しながら使用できるので敵の攻撃を防ぎつつ距離を詰めることができる。盾を構えた状態で相手と見合い、弾切れなどを隙を見つけたら瞬時にスプライドを叩き込むという戦法は非常に強力で、立ち回り次第では低コストとは思えない耐久性とプレッシャーを発揮できるだろう。
ただし、格闘攻撃は防ぐことができないので注意が必要だ。あまりにも近い距離で盾を構えていたら容易にかち割られてしまうので、ギリギリの距離感を掴めるようになると良さそうだ。もちろん、見た目からして想像に容易いと思うが、ドスは格闘攻撃も強力。盾で距離を詰めてインファイトに持ち込むか、格闘の届かないギリギリの距離から堅実に射撃を刺していくかは、プレイヤーの性格次第といったところか。
今回紹介できるのはここまでとなってしまうが、ほかのキャラクターもそれぞれ独特の持ち味があり、筆者はプレイヤー次第でさまざまな戦い方が可能だと確信できた。アーケードゲーマーにとっては、また新しいデザインのゲームが登場するということで、密かに注目している人も多いことだろう。
今後は夏休み期間などにさまざまなプロモーションが行われ、中には体験会などの企画も用意されているとのことなので、本稿を読んで少しでも興味が湧いた人はこういったアナウンスがあればぜひ参加してみてほしい。今までとは異なる操作だが、直感的に動かせるゲームデザインになっているので、二の足を踏んでいる人は友人などと連れ添って遊んでみてはいかがだろうか。
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※画面は開発中のものです。
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