千葉・幕張メッセにて9月15日より開催された「東京ゲームショウ2016」。ここでは9月18日にスクウェア・エニックスのブースで行われた「サガ スカーレット グレイス」スペシャルステージについてレポートする。

MCに声優の中村悠一さんを迎え、ゲームデザイン/シナリオを担当した河津秋敏氏、プロデューサーの市川雅統氏、作曲家の伊藤賢治氏が登場。PVに続き、河津氏を中心に本作を紹介していく。

まず河津氏は、制作時間の関係から中村さんをはじめボイスは全く入っていないと説明。決められた1つのストーリーではなくプレイヤーによって変化するフリーシナリオが魅力の1つで、小林智美氏がデザインした4人のキャラクターごとに異なる展開が待っている。

貴族の令嬢 ウルピナ

武門の貴族の令嬢で、主人公らしい主人公だと河津氏。可愛らしい雰囲気ながらバトルではしっかりと戦ってくれる。河津氏が武家の家に生まれ、まだ甘い部分もあるが家を背負って立つ覚悟もあるといったオーダーからこのデザインが誕生し、ウルピナは一発OKだったという。

ウルピナのテーマはイラストも含めた上で考えられており、伊藤氏は「戦うお嬢様」のどこに比重を置けばいいか悩んだそうだ。ストーリーはウルピナから作られていったが、曲が出来上がったのはウルピナが最後というあたり、伊藤氏の苦労が伺える。

農民の青年 レオナルド

今までに出したことのない、ヤンキー体のキャラクターを出してみたいという発想で生まれたレオナルド。農民だが最も主人公らしく、ユーザーが感情移入しやすいだろうと市川氏が薦める。小林氏は「ヤンキー」という部分に悩み、レオナルドのデザインはかなり苦戦したそうだ。

各主人公によりフィールド曲とバトル曲を書き下ろされているが、序盤は相当リテイクが出たと伊藤氏。レオナルドのオーダーは「レオナルドが聞くような音楽」という一風変わったもので戸惑ったという。

法定処刑人 バルマンテ

「処刑人を出したい」という河津氏たっての希望だったというバルマンテ。ストーリーも目的が決まっていて、同じ世界観ながら雰囲気はずいぶん変わると市川氏が語る。

なお導入は主人公により異なるものの、目指す到達点は1つで、ラスボスは複数いるわけではないようだ。

陶芸家 タリア

「陶芸家は基本的に旅に出ないのでは?」と率直な疑問をぶつける中村さん。タリアは「アーティストのような人物を主人公にしたい」と河津氏が語り、本来はもう少しアーティスティックな部分もあったそうだが、結局ゲーム内で陶芸をするというわけではないようだ。旅立ちの時から戦う気満々とのことなので、どのような立ち回りをするか非常に気になる。

大人の女性がコンセプトとなっており、結婚して子供も産んでいるというタリア。伊藤氏はテーマ曲について、見た目のインスピレーションから「和風」「アジアン」といった違いの際立った楽曲に仕上がっているそうだ。

レオナルドを操作する実機プレイを公開

続いて市川氏が操作、河津氏が解説するレオナルドを主人公とした実機プレイを披露。本作はワールドマップのみ、ダンジョンは排除という大胆な発想を取り入れており、フィールドにあるさまざまなオブジェクトは近づくと飛び出す仕掛け絵本のような印象を受けた。

街では会話イベントも発生し、レオナルドではエリザベートというパートナーのような女性キャラクターが登場。何をすべきかガイドしてくれるような役割も担っているという。スタート時からワールドマップの情報は確認可能で、エリアは20ほどで。行ったことのない場は暗く表示される。今回はあらかじめプレイヤーにさまざまな情報を与え、プレイヤー側が判断するという手法を取ったそうだ。

フィールドのオブジェに近づくと簡単な説明も表示され、バトルもシンボルエンカウントではなく特定の場所で行う。バトルの難易度や報酬、ボーナスは事前に判明しており、イージーであれば難なく勝てるのでシナリオを中心に遊びたいユーザー向け、歯ごたえのあるバトルや成長を楽しみたければハードがおすすめだ。

バトルには準備画面があり、バトル中とはBGMが異なる。戦闘に出れるのは5人までとなり、画面下部には敵味方すべての行動順が表示されていて、どんな攻撃を仕掛けてくるかも分かる。一見プレイヤーにのみ有利に思えるが、逆に敵の攻撃をどのように防ぐか、攻めるのかをじっくり考えなくてはならない。サクサク進むプレイとは対照的で、一戦ごとに腰を据えて挑戦することとなる。負けても再戦可能になっているのも初心者には嬉しい仕様だ。

画面中央にある星マークは技を使うためのBPで、強力な技ほど消費も激しくなるのでPTメンバーの誰がどれだけ使うのかを考えなくてはならない。BPは陣形によって変化し、もともとBPが多いもの、徐々に増えていくものなどがあるという。仲間と仲間に挟まれた敵を攻撃すると「連撃」が発生し、その後のBP消費を抑えてターンを優位に進められる。

LPも搭載されており、LPはバトルメンバーから外すと回復。使い続けると肝心なところでキャラクターが使えない可能性があるので、準メンバーを強化してLPを管理するのも戦略の1つ。控えメンバー数に制限はないものの、適当な人数で旅をするのが良さそうだ。

キャラクターにはさまざまな「ロール」というものも用意されていて、特定の技を覚えることで習得するようだ。報酬などで手に入る素材を利用すると、装備品を強化できる。武器固有の技もあるので、どれを強化していくかがポイントとなりそうだ。キャラクターは70人ほど登場し、条件を満たせば街などで仲間に加わることもある。

主人公1人あたりのプレイ時間は20時間ほどに収めたいと河津氏はいうが50時間くらい必要になりそうなため、引き続き調整していくという。すでに最終的なデバッグに入っており、12月15日の発売を目指して調整中とのこと。今回の実機プレイはまだまだ作品のほんの一部にすぎないようなので、今後の続報を待っていよう。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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