アークシステムワークスが9月22日に東京・AKIHABARA ゲーマーズ本店にて開催した「BLAZBLUE CENTRALFICTION 発売記念イベント」の模様をレポート!

2016年10月6日発売予定のPS4/PS3「ブレイブルー セントラルフィクション(以下、BBCF)」にちなんで、ゲームの予約購入者を対象に行われた今回の発売記念イベント。会場ではゲームを一足早くプレイできる店頭体験会をはじめ、開発者&出演キャストによるトークショーが行われた。

トークショーに登壇したのは、「ブレイブルー」シリーズのプロデューサー・森利道氏、「XBLAZE」シリーズのキャラクターデザイン・樋口このみ氏、司会進行として「ブレイブルー」シリーズなどに携わるプランナー・相馬峻氏、そしてゲストにBBCFで参戦を果たした「Es」を演じる野村真悠華さんの4名。

左から相馬峻氏、野村真悠華さん、樋口このみ氏、森利道氏

コスプレ自体がこれが初めてだという野村さん(※正確には先日の東京ゲームショウ2016が最初)。Esの衣装はさまざまなパーツが組み合わさっていて、着用するのも意外に大変だという。頭頂部のアホ毛のディティールも忠実に再現。ガッチガチであった。

また、同社が公式で制作したコスプレには、Esの武器である「契晶封刃ムラクモ」もあり、実物大の寸法で作っているという。そのため迫力もさることながら、重量も相当なものになったらしく、(野村さんの手に持たせて)舞台に出ずっぱりとはいかなかった。

イベントではまず「BBCF リドルの時間だよ!」と題し、Esの原点である蒼き運命のアドベンチャーゲーム「XBLAZE」シリーズにちなんだコーナーからスタート。Esの簡単なプロフィールについて来場者たちが挙手で答えていく本コーナーでは、正解者に「Es 特製缶バッジ」がプレゼントされていた。

しかし、その進行模様といえば“こういうイベントによくある予定調和”とはいかずに、明後日の方向に右往左往。登壇者のみならず、来場者もがボケの洗礼に巻き込まれる。さらに、WEBラジオ「ぶるらじH 第10回 ~『XBLAZE』発売記念スペシャル」を視聴していた人なら想像もつくだろうが、野村さんの言動も“飛ばしに飛ばしているあの姿”のままであった。口にされたことは到底ここでは書けそうにない(※ちなみに来場者はほぼ「ぶるらじ」視聴者でした)。

また、これまでイベントなどにはまったく出演してこなかった樋口氏だが、その言動はなかなかにタレント性もあるもので、野村さんと樋口氏による掛け合いも絶妙極まっている。これこそまさに同好の好といえよう。

続いて「XBLAZE」シリーズの登場キャラクターを紹介するコーナーでは、キャラデザ担当の樋口氏ならではのコメントを聞くことができた。樋口氏によると、同作のメインヒロインであるEsのデザインは「スッと考えたら生まれた」とのことで、衣装の細部を除き、キャラクターとしての骨格はほぼ初稿通りに進んだという。

対して、ラスボスである「ゼクス」はものすごい数のパターン数が挙げられたらしく、ボスらしい威圧感を出すための試行錯誤が続いたと語る。その結果、ゼクスには樋口氏の好きな要素が全部詰め込まれているのだとか。

また、話が「ブレイブルー」シリーズのキャラクターに飛ぶと、森氏いわく「キャラの露出が高くなると、(ユーザーなどから)大概俺のせいにされる」らしいが、その裏には森氏の好みだけではなく、社内のデザイナーの暗躍……もとい活躍があるという。冥王・イザナミの衣装も考えたのはデザイナー・加藤勇樹氏であって、俺じゃないと主張するのだ。「92%は俺のせい、8%はスタッフのせい」とは森氏の言葉なので、その8%を汲んであげるのがファンの優しさだろう。

なお、露出に関してはこちらも負けないとばかりに、樋口氏が「XBLAZE LOST:MEMORIES」のノーバディについて語る。樋口氏はノーバディをデザインする際、「(ギリギリラインを攻めてきた)「ギルティギア」シリーズのイノがいけるのなら、ノーバディも行けるだろう」と考えていたのだとか。しかし、ノーバディが立体物になってから「この服は恐ろしい服だ……」と実感してしまったという樋口氏。ここでも風評被害を受けていた森氏に対して、心の中で「森さんのせいじゃないんだよ……」と擁護していたらしい。いい話だ。

件のノーバディから、加藤氏がデザインした“誰かの若いときの姿に妙に似ている「わたし」”などなど、クリエイター陣からの貴重な感想が飛び出していた。

次はBBCFに参戦する、格闘ゲームキャラクターとしてのEsについて。野村さんはEsのBBCFへの参戦が決まった際、「まさかEsが参戦するとは思っていなかった」「(XBLAZEの主人公)篝燈八役の菊池幸利くんに『私は出るぞ! 私は!』とめっちゃ自慢した」とのことで、その嬉しさを存分に表現してくれた。菊池さんへのフォローもしてあげてほしい……。

というのも、これまでの他作品からの参戦キャラクターというのは、小説「ブレイブルー ブラッドエッジエクスペリエンス」よりナオト=クロガネ、漫画「ブレイブルー リミックスハート」よりマイ=ナツメと、性別は違えど、いずれも各作品の主人公たちであった。しかし、Esは作品のヒロインである。世界観との親和性が前提にあることは想像に難くないが、これもEsというキャラクターへの人気があってのことだろう。

Esは大剣を使ったリーチの長さはもとより、挙動もスピーディでいて、必殺技もスタンダードなものが揃っており、初心者でも扱いやすいキャラクターである。ドライブの「クレストアーツ(紋章技)」も説明だけではよく分からない人がいるかもしれないが、扱ってみれば直観的に分かるものなので問題なし。全体的に「プレイヤーにあまり難しいことはさせないように」をコンセプトに制作していると森氏は述べた。

しかし、Es制作の裏にはかなりの修羅場があったと制作陣は語る。どうやら各々の“Esに対するこだわり”が強すぎたがために、各セクションのいたるところで喧嘩が勃発したというのだ。樋口氏はまさにその筆頭で「エフェクトでもモーションでもSEでも喧嘩しました」と口にする。SEにしても「Esの紋章はジンの氷とは違う、透き通ったガラスのような音」を追求したらしい。

その中でも最も大きな言い争いに発展したのが、投げ技「エレック」の失敗時のモーション。必殺技としてはノエルの「玖式・マズルフリッター」と同様、立ち状態の相手のみを掴める投げ技だが、これを失敗したときに「Esがしりもちをつく失敗モーションが発生」する。これがまた喧嘩の争点になったらしく、Esが倒れたその姿に対して樋口氏とデザイナーは「もっと内股に!」「ここでやっても仕方ないんじゃないんですか!?」「仕方なくないんだよ!!!」と、熱量高まる言葉のキャッチボールが繰り広げられていたとか。

こういったこだわりの前例には枚挙がないという「ブレイブルー」チーム。森氏はここで前例の一つとして、「バングのアストラルヒートがBBCTでは普通の姿だったのに、BBCSになってからなぜかふんどし姿になった」ことの真相を告げる。これにはなんでもモーション担当のとある女性が「どうしてもやりたいんです!」と、バングへの愛を形にしたらしい。なるほど、うん。

そして最後に樋口氏はEsのオススメ技として、彼女のクラッシュトリガーを挙げた。その攻撃モーションは「クルっと回転しながら大剣で攻撃する」もので、しなやかに舞う、天使っぽい軽やかな印象がよく出ているという。ゲームが発売された折にはぜひとも自身でチェックしてみよう。

例の投げ技の失敗モーション。かわいい。

続いてはまたまた「BBCF リドルの時間だよ!」へと戻り、ESのプロフィール穴埋めクイズが行われる。しかし、今回は最初のコーナーとは趣きが違い、なんと正解者の内1人がBBCFで森氏と対戦することとなった。

「森Pリベンジ」と題した1戦のみの対戦会。栄えある挑戦者は奇しくも森氏と同じナオト使いだ。

開幕、両者ガードキャンセルオーバードライブからのエクシードアクセルの打ち合いと熱い展開。挑戦者はリバーサル重視の森氏の動きに翻弄されつつも、なんとか1ラウンドを先取する。続く2ラウンドはドライブ技でけん制し合う両者であったが、最後に魅せたのは挑戦者。コンボからのアストラルヒートを見事に繋げ、この大一番でアストラルフィニッシュ。これには会場からも歓声と拍手が送られていた。

今回のこの対戦は、ガチなプロフェッショナル同士の対戦かと問われればもちろん違っていた。しかし、会場はとても盛り上がっていて、それこそ大会に負けず劣らず、声を飛ばしていて、みなで親しみを共有していた。この場には確かに、格ゲーの上手い下手が関係なく楽しめる雰囲気があり、そういうものが今後の大会シーン、ひいては格ゲー界に求められるものかもしれないと、しみじみと感じ入ってしまった。

挑戦者が勝利すれば、ポスターが贈呈。

イベントの最後には、樋口氏がこの日のために描き下ろしたEsのサイン色紙などを用意した、プレゼント抽選会が実施。当選者にはサイン色紙に野村さんのサインが記入されていた。

また、最後のコメントで森氏は「BBCFではエクステンド(※拡張版的な続編)は絶対に出しません」と強く宣言する。その理由として、エクステンド待ちで購入を控えてしまう人、エクステンド待ちでノーマル版をやり続けない人など、ユーザー側の姿勢に曖昧さを与えてしまっていたのだと語る。確かに、筆者もとても心当たりのあることだ。「エクステンドがくるなら、ノーマル版はこのくらいでいいや」と、放置していた経験が多々思い返せる。

また、エクステンドをリリースするとなると、どうしても全世界同時発売とはいかず、海外ではローカライズの問題で遅れが出てしまう。それによって海外プレイヤーのモチベーションは「日本で先に発売されちゃったし……」と減少してしまう傾向に繋がるという。これは森氏が実際に海外へと足を運び、現地で実感したことなのだと述べた。我々日本人としても、日本語版というローカライズ作品の発売日遅れを思うと、共感しやすいかもしれない。

つまり、今回は上記を理由にして、絶対にエクステンドはリリースされないのだ。そのため、「BBCFには詰め込めるものをすべて詰み込みました」と口にする森氏。BBCFを購入するプレイヤーにおいては、安心して、いつまでもBBCFというゲームで遊び続けられることだろう。制作陣とファンとの距離感が非常に近かったこのイベント。今後はもう一つ、ゲーム発売日にも記念イベントが予定されているので、気になる人はチェックしておくといいだろう。

イベント終了後の一言コメント!

森氏:今回のイベントは、いつも一緒に動画などをやっている弊社のメンバーとは違い、普段は表に出てこない樋口や相馬と一緒にやらせていただきました。少ない人数でのクローズドなイベントとなっていたこともあり、ユーザーの皆さんと一緒に楽しみながら、新鮮な気持ちで臨むことができました。

樋口氏:こういうイベントに出させていただくのは初めてのことで、右も左も分からず、何を喋ったのかも覚えてないくらいですが、Esに対する愛は皆さんに伝わったんじゃないかなと思っています。なので、ぜひ“全一”を取ってください!(※Esが全国大会で優勝キャラクターになること)。

野村さん:今日は「ブレイブルー」のイベントでしたが、「XBLAZE」シリーズのキャラクターや設定の話もできて、「XBLAZE」をやったことのない人にも知ってもらえてよかったです。なんかいろいろとアレな話もしてしまいましたが……(笑)。もっとカップリングの話ができたら! って反省しつつ、またこういう機会があったら皆さんにEsを使った感想などをいただけたら嬉しいです。

ブレイブルー セントラルフィクション Limited Box

アークシステムワークス

PS4パッケージ

  • 発売日:2016年10月6日
  • 15歳以上対象
  • 同梱:ねんどろいどぷち、メモリアルブック、サウンドトラック
ブレイブルー セントラルフィクション Limited Box

ブレイブルー セントラルフィクション

アークシステムワークス

PS4ダウンロード

  • 発売日:2016年10月6日
  • 15歳以上対象
  • PS Store ダウンロード版

      ブレイブルー セントラルフィクション Limited Box

      アークシステムワークス

      PS3パッケージ

      • 発売日:2016年10月6日
      • 15歳以上対象
      • 同梱:ねんどろいどぷち、メモリアルブック、サウンドトラック
      ブレイブルー セントラルフィクション Limited Box

      ブレイブルー セントラルフィクション

      アークシステムワークス

      PS3ダウンロード

      • 発売日:2016年10月6日
      • 15歳以上対象
      • PS Store ダウンロード版

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