iOS/Android「ジャスティス モンスターズ ファイブ」開発者インタビュー!ノクトたちが遊んでいても違和感のないゲームにするために

iOS/Android「ジャスティス モンスターズ ファイブ」開発者インタビュー!ノクトたちが遊んでいても違和感のないゲームにするために

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スクウェア・エニックスが配信中のiOS/Android用アプリ「ジャスティス モンスターズ ファイブ(JUSTICE MONSTERS FIVE)」の開発者インタビューを掲載。今回はゲーム業界がうねりにうねったTGS 2016会場にて、ゲーム制作に関する話を本橋大佐氏と江波戸天仁氏に伺ってきた。

日本国内のみならず、全世界のRPGファンが期待しているシリーズ最新作「ファイナルファンタジーXV(以下、FFXV)」。その展開の先駆けとして配信されたスピンオフアプリ「ジャスティス モンスターズ ファイブ(以下、ジャスモン)」は、ピンボールRPGと題した、“FFXV本編内に収録されるミニゲームを題材にしたスマートフォンゲーム”である。

今回はそんなゲームアプリの開発事情を伺うべく、先日行われた東京ゲームショウ2016の会場にて、本作のプロデューサー・本橋大佐氏(以下、本橋氏)とディレクター・江波戸天仁氏(以下、江波戸氏)へのインタビューを行ってきた。コテコテすぎるアメコミデザインの原点はどこにあるのか? ぜひとも知ってほしいジャスティスが、ここにある。

※予習・復習用のジャスモンのプレイレビュー記事はこちらでチェック!

左から本橋大佐氏、江波戸天仁氏
9月13日、ジャスモンは生まれ変わった

――ノクティス王子のお面のおかげで、東京ゲームショウ2016の会場中がイケメンだらけですね(笑)。スクウェア・エニックスブースが非常に大盛況の中、お時間をいただきましてありがとうございます。まずはお二方の簡単な自己紹介からお願いします。

本橋氏:こんにちは。ジャスモンのプロデューサー・本橋大佐です。私が初めて勤めたゲーム会社はスクウェアでして、「ファイナルファンタジーXI」の運営に関わっていました。

しかし、その後はいくつかのゲーム会社さんで成功や失敗を重ねつつ、モバイルゲームやオンラインゲームにも携わり、その辺りで縁あって、スクウェア・エニックスに出戻りした次第です。

――オンラインゲームからはじまり、モバイルゲームを専門に歩んできたのですか。

本橋氏:いや、前職時代にはコンシューマのパブリッシングも手掛けていましたので、コンシューマもPCオンラインもモバイルも一通り経験できています。

――まさにオールラウンダーですね。続いては江波戸さんの遍歴をお教えください。

江波戸氏:私も前職でほかのゲーム会社さんに約8年ほど在籍しておりました。その後、スクウェア・エニックスに入社し、モバイルで「キングダム ハーツ コーデッド」を開発、DSへの「キングダム ハーツ Re:コーデッド」の移植、「ファイナルファンタジー零式」に携わった後、「ファイナルファンタジー アギト」を作って、今はジャスモンでディレクターをしています。

――江波戸さんはモバイルを専門としていたのでしょうか。

江波戸氏:そういうわけでもなかったのですが、私が入社したときに、田畑さんがモバイル開発をしていたので、自然とモバイル開発になりました。

本橋氏:田畑さんは元々モバイルの開発を手掛けていたのですが、「クライシス コア ファイナルファンタジーVII」や「ファイナルファンタジー零式」で、ガツンとコンシューマのプロジェクトで結果を収め、今は満を持してFFXVのディレクションとFFXVユニバースの統括をなされております。私もスクエニに戻ってからは田畑さんに付いていっているので、今こうやってジャスモンを開発しているんです。

――つまり、お二人にとっては田畑さんは尊敬する方なんですね。

本橋氏:そうですね、尊敬しています!

江波戸氏:え、はい、尊敬してます。

本橋氏:今、若干ためらいがあったよね?(笑)

――実際に口にするのは恥ずかしい時ってありますので(苦笑)。それではジャスモンについてということで、まずは簡単なゲーム紹介からお願いします。

江波戸氏:ジャスモンはピンボールを題材にしたRPGで、ユーザーの皆さんに“とにかく気持ちよく遊んでほしい”と思い、開発を進めてきました。社内ではアクティブ・タイム・ピンボール(ATP)なんて呼んでいましたね。ゲームとしては昨今のスマートフォンRPGと近しい構造ではありますが、それらよりももっとバトルを楽しんでもらいたいという思いが、我々の考えの一番にあります。

――このジャスモンですが、企画の発端はどこにあるのでしょうか。FFXVが先か、ジャスモンが先か、そういった当時の流れについてです。

本橋氏:FFXVが田畑体制(※FFXV制作時の組織変更)になった当時、同作の大幅な作り直しがはじめられました。そして、FFXVはシリーズの正式なナンバリングタイトルとなりますので、「FFのナンバリングといえばミニゲームだろう!」という考えの元、いくつかのミニゲームの候補が挙げられていたんです。

そして、FFのナンバリングタイトルともなると日本はもとより、世界中で受け入れられなくてはなりません。となると必然的に、ゲーム内に収録するミニゲームも世界中で受け入れられやすい題材にしなくてはいけなかったんです。その点、ピンボールは世界中で馴染みのある題材でした。

――しかし、単なるピンボールという作りにはなっていませんよね。

本橋氏:そうですね、単にピンボールなだけだと面白くなりづらいので、さまざまな案の中から、“FFシリーズのモンスターたちをボールにしてぶつける”という案に決めました。これがジャスモンの原点です。

――FFXV本編版のジャスモンとは、どのような違いがあるのでしょう。

本橋氏:基本的にグラフィックなどのソースは同じものを共有しています。スマートフォン版は「ゲームが短く」「手軽に遊べて」「爽快感がある」と、スマートフォンRPGのリテラシーに則っています。対してFFXV本編版はコンテンツに触れる場面の違いから、エンドレスモードなど、“やりこみ”がいのある内容となっています。

――私は正直なところ、世代的に実物の「ピンボール筐体」を目にしたことがないのですが、開発チームにもやはり筐体を見たことがない人はいたのでは?

本橋氏:手近なところだと、チームのプランナーとアートディレクターの2人は、筐体がある高田馬場のコアな店舗に足を運んだりしていましたね。あと、うちのタイトーのアーケード部門に協力を仰いで、我々も実際に筐体を確認してきました。

――ジャスモンの開発チームの成り立ちについてはいかがでしょう。FFXVチームからのトップダウンで作っていたり、独自で開発していたりと、いろいろな想像ができるのですが。

本橋氏:当然、両制作環境へのバイパスとなる人はおります。ただ、田畑のスタジオである第2ビジネス・ディビジョンの良いところだと思いますが、チャレンジングな姿勢で、闊達に自主性を重んじて、開発してますよ。

――その言い様だと、結局のところスクウェア・エニックス主導で?

本橋氏:“FFXVの中心価値”を知っている我々で主導した方がいいという結論に至り、ジャスモン開発チームを中心として制作を進めてきました。とはいえ完全内制ではなく、外部の会社さんにも協力をお願いしています。

――なんとなしにですが、「出来ちゃうなら作り込んじゃう!」がクリエイターの常々だと思いますので、結果的にゲームボリュームも大幅に膨れたのでは?

本橋氏:膨れましたね、大幅に(笑)。

――続いてはユーザーさんも気になっているであろう、春頃配信予定からの延期に至ってしまった理由についてお聞かせ願えますか。

本橋氏:大きく言うと2つありまして、一つは当時のネットワークの不具合です。データ消失やメンテナンスができないなど、いまどきのスマートフォンゲームであれば“出来て当たり前”な部分がうまくいっておりませんでした。

――すると、もう一つの理由とはなんでしょう。

本橋氏:もう一つは元々の配信予定であった春頃に、開発体制の大幅な変更が余儀なくされてしまったことです。具体的な明言は避けますが、4月時点でゲームのシステムの基礎部分には大きな不安が抱えられていたままだったので、これをリリースすることはできないと考え、そこからジャスモンというゲームの再スタートを切りました。これが5月のゴールデンウィーク辺りのお話です。

――その決断に至ったとき、開発チームの雰囲気は……修羅場でしたか?

本橋氏:もう、阿鼻叫喚ですよね……。

――そうして5月以降、開発チームは面変わりしたんですね。

本橋氏:ええ、社内のメンバーに関してはそれほど変わっていませんが、モノ作りの決定者を江波戸に変えるなど、最低限の人事変更は行っています。また、モノづくりの姿勢において共感でき、懇意にさせていただいた開発会社さんに新たに協力を仰ぎました。

――江波戸さんがディレクターに就任したのは、その件あっての抜擢ということで?

本橋氏:そういうわけでもないんですよね。江波戸は2月からジャスモンの開発をヘルプしてくれていて、その頃から実質上のディレクションを担っておりました。「じゃあ人事も合わせようか」ということで、江波戸をディレクターとしたのです。肩書きだけの問題ですね。

――もう一点、お尋ねしづらいのですが、日本のユーザーさんからの反響はいかがでしたか。

本橋氏:ユーザーの皆さんには本当に申し訳なく思っております。ゲームにかかる期待の分だけハードルが上がっていたため、ゲームそのもののおもしろさに到達する前に、不具合に関してのお叱りを多くいただいてしまいました。皆さんからの意見・要望を真摯に受け止め、第1弾としてそれらの修正を主としたアップデートを9月13日より配信しています。

――その一方で、海外での反響はいかがでしょうか。

本橋氏:海外ではアジア、北米、欧米の地域を対象に約17ヶ国ほどで配信しています。まだレビュー数は多くはありませんが、9月13日のアップデート以降は高評価が大部分を占めています。一時期はプロモーション展開も止めていましたが、再始動以降は素直にゲーム内容が評価されているのが目に見えるようになりました。

――なにやらその9月13日のアップデートで、大幅に生まれ変わったようですね。

江波戸氏:9月13日のアップデートでは、(iOS/Androidともに)プレイしていると画面が止まってしまう、起動時のローディングが不必要に長いなど、致命的なものからユーザービリティに関わる不具合の修正を行いました。

――アップデート以前は「こう飛ぶと思ってたら、こう飛んじゃった」が頻発していましたが、今は結構思うように飛ばせるようになりました。

本橋氏:アップデート前は“画面をタップしてからボールが飛んでいく角度”が少し不自然でしたので、より直観的に飛ばせるように調整しています。

――不具合に関しては、配信前から想定していたものと、思ってもみなかったものとで、どちらの割合のほうが多かったのでしょう。

江波戸氏:分かっていたものも一部ありましたが、「こんなのあったんだ!?」というケースも結構存在していました。ジャスモンに関しては、最初に作ったゲームの土台から、後から後からバグが噴出してしまったので、最後までバグとの戦いになってしまい……。

――私は「倒した後の敵の判定にボールを当ててスコア稼ぎ」が仕様かと思っていました。

本橋氏:あれは先日直しました。倒した敵にボールを当てられるオーバーキル要素は一案としてありましたが、“倒した敵のビジュアルが消え、判定だけが残っている状態”はあくまでバグであったため、意図せずそのプレイをさせてしまっていたんです。

これまではゲームの面白い・面白くない以前のつまづきでしたので、ユーザーの皆さんには本当にご迷惑をかけてしまいました。先のアップデートで問題はほぼ取り除けたので、これからはジャスモン本来の面白さを届けていければなと考えています。

――そうなると9月13日のアップデートは不具合の修正、来たる10月上旬のアップデートは目指すところ「コンテンツの拡充」と見受けられますが?

江波戸氏:その通りです。9月13日のアップデートで大きな不具合を対処しましたので、これからはユーザーフィードバックを大切にしつつ、コンテンツの拡充も進めていきます。10月上旬のアップデートでは「覚醒システム」の追加、映画「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」イベントを予定しています。

アメコミが好きだったから、こうなりました

――ここからはゲーム面についてお伺いしますが、まずは公式サイトやメインビジュアルの“やたらアメコミっぽいノリ”、あれはどなたの発案だったのでしょう。

本橋氏:ジャスモン開発メンバーの好みでして、中核の人間が“アメコミ好き”だったからです。

江波戸氏:「ジャスモンを作る!」と企画が決まった後は、「ゲームジャンル」と「ゲームのタイトル画面」しか存在しておらず、ジャスモン自体にFFXVの世界観は反映されていませんでした。なので、我々でアメコミエッセンスを注いだわけです。

本作はFFXVユニバースという大きな枠組みの中で展開していくものなので、中にこういうタイトルが1つはあってもいいんじゃないかと。件の5月から先は、このアメコミ要素を重点的に押し出し、ほかとの差別化を図ることを目指してきました。

――アメコミからはどのようなキーワードを抽出しましたか。

江波戸氏:「アメコミ」「戦隊もの」「宇宙」の3点です。

――公式Twitterなどでお馴染み「ジャスティス!」の決め台詞が生まれたのも、この当時で?

江波戸氏:そうです、僕が考えました。

本橋氏:えっ、そうだったの?(笑)

江波戸氏:とりあえず「ジャスティス!」って言っておけば大丈夫だろうと(笑)。Twitterでの「ジャスティス!」は、最初イメージしたものとは違いますが、スタッフがより面白くしてくれてるのでとてもよいと思っています。

――それにちなんでチュートリアルの物語部分、中々にコテコテなストーリー展開でしたね。

本橋氏:ベッタベタですよね(笑)。嫌いじゃないですが。

江波戸氏:あれはウチのスタッフが考えてくれたもので、僕からは前述した「アメコミ」で「戦隊もの」で「宇宙っぽい感じ」という要点を伝えただけでした。そうしたら、あのストーリーが出てきたんです。

――ハッピーボム率いる「ジャスティス モンスターズ」たちの設定も、やはりジャスモンチーム側がひねり出したもので?

本橋氏:タイトル名が決まってから、より具体的に決まった形でした。正義の味方「ジャスティス モンスターズ」の5体は、FFXVチームのデザイナーにイメージカットを制作してもらいまして、そこにアメコミ設定を付加したのが昨年の11月頃です。ジャスモンではそれを元に、ゲーム全体の世界観を掘り下げてきました。

――ですが、チュートリアル以降はストーリーがバッサリとカットされています。

江波戸氏:当初からそうするつもりでした。ストーリー性を詰めていくと、どうしてもピンボール本来のシンプルなゲーム性がどんどん薄くなってしまうので。ただ、今後はイベントを通して、ストーリーを見せていくことも考えています。

本橋氏:「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」イベントでは、同作のキャラクター性の濃い面々が期間限定で登場するので、映画ご覧になってくださった人には響くと思います。ちなみに私も当初は、ストーリーを入れること自体は推しておりませんでした。

――しかし、ストーリーは導入されましたね。

本橋氏:あまりにもゲームとして分かりにくかったのです、ピンボールRPGというだけでは。それに今はストーリーを入れてよかったと思っています。今後は江波戸のいう通り、イベントごとにショートストーリーなどを用意していきたいですね。

――それでは次に、ジャスモンの具体的なコンセプトを教えてください。

本橋氏:アメコミのヒーローのようなノリでいて、どこかピンボールらしさを感じながら、手軽に、気持ちよく遊べるゲームであることです。それともう一つ、“FFXVの主人公・ノクトたち4人が楽しんでプレイしていても違和感のないゲーム”であることが重要でした。

――ノクトが遊んでいても違和感がない、そう言われるとなるほどしっくりきます。

本橋氏:彼らのキャラクターにも負けない存在感と、グローバルに受け入れられる主題を用意したのが、このジャスモンなのです。もちろん、FFXV本編版のジャスモンと、スマートフォンゲーム版のジャスモンではゲームモードの違いはありますが、登場モンスターは一緒です。

――ジャスモンではピンボールをゲームに落とし込むうえで、試行錯誤が重ねられていると感じられました。フリッパーにしても、既存のピンボールとは設計が違いますし。

本橋氏:企画立ち上げ時は“ガチなピンボール”を作ろうとしていましたが、純粋なピンボールというのはボールが結構落球しやすいので、スマートフォンゲームのユーザー層とは合致しないなと思い、そこから“落ちないピンボール”に辿り着きました。

――ピンボールと聞いた当初「スマートフォンだし、引っ張りアクションかな?」と考えていましたが、ジャスモンはタップアクションでした。他意はないのですが、引っ張りアクションが市場で人気を博す中、タップアクションを採用された意図はなんでしょう。

本橋氏:最初は実物のピンボールと同様、画面右側にプランジャー(※ボールをフィールドに送り出す機構)を表示し、そこで引っ張り操作をして、ボールを飛ばすように作っていました。しかし、ジャスモンの場合、その引っ張る操作のテンポ感が意外と“長くて面倒”に感じたのですよね。

――長かったというと、動作でしょうか、時間でしょうか?

本橋氏:時間です。この操作でボールをフィールドに送り出していると、アクション毎に数秒、演出もそれなりにかかってしまうので、ユーザーさんがゲームに介入しはじめるまでの時間が長くなってしまうんです。レスポンスを考慮すると、これは気持ちよくないと思ってボツにしました。

――現実の筐体にある実在感もありませんし、スマートフォンゲームの操作と考えると、ボールが落ちてくるまで手持無沙汰になってしまうわけですね。

本橋氏:でも、江波戸の仕上げ方であれば、違うアプローチも考えられたかもしれません。

江波戸氏:僕としては単純に、絶対にターン制の攻防にはしたくなかったからです。

――と言いますと?

江波戸氏:引っ張りアクションって、“考えて1手を撃つ”ゲームじゃないですか? ジャスモンのバトルではリアルタイムの応答性をしっかりと活かしたかったので、それではコンセプトに合いません。さまざまな類似にも繋がってしまいますしね。

――そうして完成したジャスモンでは、1ゲームがスピーディに遊べるようになっていますが、その中で「絶対に入れたいと考えていた要素」はなんでしょう。

江波戸氏:それは「スコア」です。最初の仕様にはあったのですが、私が入ったときには無くなっていました。なので、再度復活させました。今後はスコアランキングなども楽しんでもらいたいので、アップデートで対応していきます。

――スコアがあるとないとでは、印象もガラッと変わりそうです。スコアがなかったら、ピンボール的な意味合いも大分薄れてしまいますしね。それと、ジャスモンは“プレイング次第で敵の攻撃を回避できる”というアクション性が重要視されているのかなと。

本橋氏:そこは大分練ってきました。

江波戸氏:一応、ゲームとしてはゴリ押しでも進めますが、そういった回避テクニックを使うなど、プレイングでカバーできるようにも設計しています。私はチャージアタックでボールを止めて、敵の攻撃を回避していますよ。

――なんと、それは気付きませんでした。

江波戸氏:用途を試行錯誤してもらえますと、いろいろできると思います。

――正直、私はスライスアタックがいまだに上手く扱えません……。

江波戸氏:私も苦手です(笑)。ただ、上手いプレイヤーはあれを使い、これまた敵の攻撃の回避に利用しているんですよね。「そうやって使うんだ!?」とこっちが驚いてしまいました。

本橋氏:これは違うタイトルの話ですが、FFXIのジョブ「忍者」に“ダメージ量に関係なく敵の攻撃を1度無効化にする「空蝉の術」”というスキルがありました。これは本来、攻撃役として稼いでしまったヘイトからダメージを受けないようにするためのものだったのですが、ユーザーの皆さんはこの空蝉を使い、“攻撃しながらタンク役として避ける”を実践したんです。これがゲーム内で大流行しました。

開発側が想定していた使用方法に対して、ユーザーさんの意図せぬプレイで付加価値がついていくこの現象。良し悪しはあるのでしょうけど、私はこういった構図がありだと思っています。ジャスモンでもそういう不確定性といいますか、懐の広さを見せられればいいなと。

――申し訳ないことに、私はFFXIには疎いのですが、いわゆる「忍者きたない」と呼ばれていた時期のことでしょうか?

本橋氏:そうです。(一同笑)

――ちなみにモンスターのサイズ感はどれくらいですか。小型の宇宙船(正式名称はボールポッド)に乗っている設定ですが、大きさは宇宙サイズであったり?

本橋氏:よく見られてますね(笑)。でも、大きさに関してはFFシリーズに登場する一般的なモンスターのサイズだと思ってもらえれば大丈夫です。

江波戸氏:ほぼ人間大ですね。宇宙船にしても、ベ○ータが乗ってきた宇宙船をイメージしてもらえれば問題ありません。

――書き方によって私の問題になってしまいます(笑)。ときに、さまざまな形状のモンスター自体を飛ばすことは考えましたか? 物理計算やグラフィックの問題で答えは見えていますけれども。

江波戸氏:考えていた時期もありました。

本橋氏:モンスターはいろんなシルエットがいるので、あまりにも正直なままですと、跳ね返りの簡単な予測が難しいんですよね。例えば、「ラグビーボールを平面な壁にぶつけてみて、どう跳ね返るか?」という問いに正確に応えられる人は、稀だと思います。

――バトルといえばジャスティススロットの由縁も気になるところですが、実際にスロット機能が備わっているピンボール筐体って存在していたのでしょうか?

本橋氏:我々が見てきた中にスロット機能が備わっている筐体は無かったです。ただ、スロットとは違いますが、絵柄がランダムで変化し、それが揃うとフィーバーするという演出機能を持った筐体はありました。

――そういう筐体からインスピレーションを得たのですね。

本橋氏:いや、感覚が近しいから入れただけだったと記憶しています。

江波戸氏:僕が開発に来たときには既に備わっていましたよね?

本橋氏:おそらく、ピンボールがあるところってアメリカ(というイメージ)なんですけど、そのピンボールがよく置いてあるのって、カジノ的な娯楽色の強い場所なんですよ。ピンボールを遊ぶ人たちは飲みながら「Yeahーーー!!!!」ってプレイしている気がしたので、「ノリいいし、まあいんじゃない?」みたいに採用したのではなかったかと……(苦笑)。スロットならランダム性も演出もパッと見で違和感がありませんでしたし。

江波戸氏:ちなみに、ジャスティススロットは基本的にプラス要素のみで構成しています。今のところ、ゲーム部分はテクニックでどうにかなるように作っていますが、ランダム性のある要素も取り入れたかったんです。それも良い事尽くめのものをです。

――マイナス要素の「ハズレ」を引いていたら、出た瞬間にゲンナリしていたと思います。

江波戸氏:マイナス要素を入れようかと考えたことはあったんですけどね、やっぱり出たら嫌じゃないですか? こういうときは「気持ちのいいゲームにしたい」という根底に立ち返って、判断しています。まあ、「宝箱が欲しかったのに回復だった」などの事態はありますが、あくまで間接的なマイナスであって、基本はプラス要素だけです。

――ゲームとしての手軽さに焦点を置いていくと、バトル時にオートモードが搭載されると便利かもしれません。通勤・通学のお供になりますので。

江波戸氏:そのうち搭載したいと考えています。やはり、人によっては同じステージを何度もプレイする場面も出てくると思うので。

――プレイしやすさの話だと、クエストクリア後に「リプレイ」や「ネクスト」で、すぐに次のゲームに進めるのも嬉しいポイントです。

本橋氏:開発中、私は江波戸を横目で見ていましたが、かなりジャスモンを遊んでいたんですよね。彼は素直な性格なので、素直にプレイし、素直に判断し、より遊びやすいシステムを導入しているんです。このようなフィードバックはスマートフォンゲーム開発において最も大切なものですので、それが良い方に出ているんでしょう。

――江波戸さんは設計書の通りに進むのではなく、自分で遊んだ感想を大事にしてらっしゃるんですね。

本橋氏:じゃないの?

江波戸氏:いや、ちゃんと考えてもいますよ!(笑)

企画当初のタイトル名は「ファイナルファンタジーモンスターズピンボール ファイナルファンタジーXV」?

――ジャスモンとFFXVの関係についてですが、私は当初「ジャスモンはFFXV本編を遊んでもらうための導線」なのかなと捉えていました。しかし、導線であるならばタイトル名も「ファイナルファンタジーXV -ジャスティス モンスターズ ファイブ-」などになりそうなものです。この辺りのFFXVに対する立ち位置などをお聞かせください。

本橋氏:実は、企画当初はストレートに関連性を伝えられるタイトル名として、「ファイナルファンタジーモンスターズピンボール ファイナルファンタジーXV」と名付けられていました。しかし、ゲーム内容をアップデートしていく度に、タイトル名が段々と不釣り合いになってきて、キーワードとして存在していた「ジャスティス モンスターズ ファイブ」を正式名称にしたのです。

――ノクトたちが「ファイナルファンタジーモンスターズピンボール ファイナルファンタジーXV」というゲームを遊んでいたら、多少なりともメタ的でモニョモニョしていたかもしれません。

本橋氏:ジャスモンはジャスモンで世界観が立ってきましたし、ゲーム性も独特でいて、ノクトたちに対する問題も解消できました。

――そうなると現状にも言えることですが、ゲームへのアンテナを張っている人には“ジャスモンはFFXVの関連作品”であると伝わりますが、それよりもカジュアルな層には関連作品であることが伝わりきらず、機会損失を生んでしまうのではないのでしょうか。

本橋氏:その辺は「(FFXVを)やる前に遊んでもらう」というプレゼンテーションに、「(FFXVを)やってもらった後に遊んでもらう」というプレゼンテーションが追加された形になっております。

――なるほど、ゲーム発売前の盛り上げ役だけでなく、長期的に見てメリットが大きそうです。FFXVユーザーさんの流入を考えると、今後は間違いなくもう一波きそうですね。

本橋氏&江波戸氏:もちろん、期待しています(笑)。

――あと、ジャスモンの課金要素はガチャとスタミナ回復のみで、言ってみればクラシカルな構造です。それでいて課金を煽っているようにも見えないゲームバランス、課金通貨の配布・入手もあって、個人的には“課金色が薄いゲーム”であると考えているのですが。

本橋氏:ジャスモンには課金要素がありますが、課金通貨の「ゴールデンボール(GB)」は比較的手に入りやすい調整にしていますし、ゲーム内の最大価値は「時間(プレイ時間・回復時間等)」としています。ここは最初からブレずにおります。

それにジャスモンに関しては、“課金を煽るような姿勢を見せたら、その時点でFFXVブランドにネガティブなイメージがついてしまうかもしれない”ということを最大限に考慮し、ゲームを作ってきました。

――確かに、ジャスモンが“収益マシーン”であったら、FFXVに対するいわれのない不信感を覚えてしまっていたかもしれません。非常に好感できる姿勢だと思います。

本橋氏:ありがとうございます!

――今後のアップデート予定についても教えていただけますか。

江波戸氏:今後はFFシリーズに登場するモンスターをジャスモン風にアレンジし、追加配信していきます。そして10月上旬スタートの「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」イベントを皮切りに、FFXV関連の施策を進めていくつもりです。

――開発時、実装しきれなかった要素はありますか。

江波戸氏:いっぱいありますね。例えば装備システムであったり、レアリティの変化であったり、スコア重視のエンドレスモードやランキングモード、友達と一緒に遊べるオンラインマルチプレイにしても、やりたいことだけはいくらでもありました。

――スマートフォンゲームの実装案は夢ばかりが膨らむというお話ですからね……(笑)。それらに関しては、あくまで構想の段階といったところでしょうか?

江波戸氏:いえ、既に着手しはじめています。その第1弾が10月アップデートで実装する覚醒システムなので、これからはある程度のスパンで拡張を進めていく予定です。

――そういった辺りをすべて整備していくと、若干複雑なスマートフォンゲームにもなってきそうですが、いかがでしょう。

江波戸氏:ゲームとしての核を変えず、UIなどの見せ方でカバーしていくつもりです。

――FFXV本編版との連動要素は予定されていますか。

本橋氏:昨年、とあるアプリストアの事情で取り止めになりました。連動には本編版/スマートフォン版をそれぞれ遊ぶとプレゼントくらいのものから、深いところでは“本編版データ=スマートフォン版データの相互利用”が挙げられます。後者に関しては両プラットフォームで遊ぶ機会が異なることから、最初から白紙でした。

――Windows 10版もアナウンスされていましたが、こちらの進捗はいかがでしょう。

江波戸氏:こちらも進めています。

――PCだと何か勝手が違ったのでしょうか。

本橋氏:現在、マイクロソフトさんと共に整備を行っています。時期に関してお伝えできることはありませんが、着実に進んでいます。

江波戸氏:既にWindows 10向けのストアにアップロードし、それをダウンロードし、実際にデスクトップ上でプレイするところまで完成していますしね。

――Windows 10版はブラウザゲームではなく、ダウンロードして遊べるネイティブアプリなんですか?

江波戸氏:そうです。現状は「スマートフォン版とユーザーIDを同期する」などのプラットフォーム間における抜本的な問題をどうするかを採決しないといけないので、提供にはもう少し時間がかかると思います。

――いろいろと期待しております。それでは最後に、TGS 2016という日本で一番ゲームが賑やかな日にちなんで、ユーザーに向けてジャスティスな一言をお願いします!

江波戸氏:そうですね、ジャスモンに関しては不具合が多く、ユーザーの皆さんには配信直後から大変ご迷惑をおかけしました。多くの不具合に関しては先日のアップデートで対処しておりますが、今後もさらに面白いゲームにできるよう、継続的にアップデートを配信していきますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。

本橋氏:私からは一言、ぜひとも遊んでください! ジャスティス!

江波戸氏考案「ジャスティスのポーズ」。いきなり現場でお披露目されたこのポーズだが、指の形が“相手から見てJの形”になるよう、皆も今から練習しておこう!

ジャスティス モンスターズ ファイブ

スクウェア・エニックスPCアプリ

  • 発売日:未定
  • 価格:基本無料
  • Windows 10用アプリ
ジャスティス モンスターズ ファイブ
(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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