「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第6回ではPS Vita用ソフト「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」についてお届けします。

目次
  1. 「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」ここがポイント!
  2. 咎人の罪を喰らい、生きることを宿命づけられた少女の物語
  3. 互いの命を懸けてともに歩んでいく攻略キャラクターたち

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回はヒューネックスから2017年6月29日に発売された「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」についてお届けします!

「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」ここがポイント!

  • 1000年前から続く因縁を丁寧に描いた和風ファンタジー
  • 長い年月を超えた愛情や、複雑な憎悪も絡み合う濃厚な恋愛模様
  • 重い運命を背負いながらも、己の信念を貫くキャラクターたち

「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」とは?

2016年に発売したPC用ソフト「罪喰い~千の呪い、千の祈り~」に新要素を追加した移植作品。平穏な日常を過ごしていた主人公がある日を境に前世「世羅姫」の呪いに囚われ、戦いを伴う過酷な運命に立ち向かう現代和風ファンタジー。メイン攻略キャラクターに永海連(CV:赤羽根健治)、上樹守人(CV:小野友樹)、陸至央(CV:立花慎之介)、サブ攻略キャラクターに田井蒼太(CV:榎木淳弥)、陸任史(CV:竹本英史)を迎え、人気声優陣が物語を彩る。

本作ではカゲロウ(CV:雪代綾乃)のルート追加や攻略キャラクターの後日談、シナリオの大幅加筆、ギャラリーモードでの録り下ろしボイスも楽しめる。PS Storeにて体験版も配信されている。

咎人の罪を喰らい、生きることを宿命づけられた少女の物語

「罪喰い~千の呪い、千の祈り~for V」の主人公は、明るく前向きな女の子・庵崎薫(CV:内田愛美)。異常者によって目の前で両親を殺されたトラウマをもちながらも、親友達と平穏な暮らしの中にいました。しかしある時突然、理不尽に死の淵に追いやられ、それをきっかけに「上樹(かみき)の一族」として覚醒することに。

上樹の一族は人間より優れた力をもち、鬼とも呼ばれる存在。なかでも主人公の前世にあたる「世羅姫」は、とくに強い力をもっていました。そんな彼女がある理由で大勢の罪もない人を殺し、それによって受けた「呪い」により、罪を犯した咎人を喰らう「罪喰いの儀」を行わなければ死んでしまうと告げられます。これまで女子高生として生きてきた主人公が突然「人を喰らう、さもなければ死ぬ」という、あまりにも残酷な現実を突き付けられてしまうところから物語は始まります。

喰らうのは大罪人であり、これからも罪を犯す可能性を摘むという意味でも、結果的には良いことかもしれません。しかし「自分が生きるために誰かを犠牲にしてもいいのか?」と悩み、苦しむ主人公。さらには世羅姫の魂の消滅を目的とする「陸(くが)一族」からも命を狙われ、否応なしに戦いの渦中に巻き込まれていきます。

穏やかな日常から一変し、自身の命が危機にさらされるだけでなく、命を奪わなければ生きていけない。厳しく辛い現実と向き合い、どんなに醜くても大切な人のために生きると決意する主人公には「これを乗り越えて、幸せになってほしい」と祈らずにはいられませんでした。

そして主人公と相手が恋に落ち、愛に生きるまでの過程はもちろんなのですが、それぞれのルートでしか語られない「1000年前の真実」「世羅姫の記憶」などが少しずつ明かされていくのも本作の見どころのひとつ。各ルートでベストエンディングを迎えても「あれはどういう意味だったんだろう?」と気になって、一気に全ルートが見たくなるのは間違いなし! たくさんの苦難を乗り越えた上での結末は、涙なしには見れませんよ!

もちろん甘い恋愛面も楽しめますが、そこまでが一筋縄ではいきません。前世から因縁がありつつも主人公にその記憶はないという温度差もありますし、最初は敵としてぶつかる場合も。

近くにいたからこそ気付けない…というヤキモキする状態もありますし、なかなか本心を見せようとしない相手もいます。そしてどのルートを辿っても誰かの恋心に蓋をしなくてはいけないため、周回プレイをする上でちょっぴり胸が痛みました。でもベストなエンディングを迎えてみれば複雑な関係も面白い形に収まっているので、主人公と攻略キャラクターそれぞれの揺れ動く気持ちをじっくりと楽しみましょう!

互いの命を懸けてともに歩んでいく攻略キャラクターたち

それでは、本作に登場する指折りのイケメン達をご紹介していきましょう。世羅姫の従者だった「連記」の転生体である連は、主人公が覚醒するきっかけとなった場に居合わせ、助けてくれた恩人。その後も前世の記憶を持たない主人公に対し、従者としてとことんサポートをしてくれる頼りになる青年です。

一方、何かをずっと隠しているような空気をまとい、出会い頭からキスシーンが始まるなど接する距離は「近い!最初からものすごく近い!」と慌てる状態なのに、心はなかなか近づけないもどかしさがありました。その分、やっと結ばれた時の達成感はひとしおです!

1000年前から婚約者として世羅姫を愛し、見守ってきた守人。クールそうな外見ですが、意外と性格は直情型とでもいいますか、思っていたよりも大胆な行動に出るケースもしばしば。主人公を「世羅」と呼び続けるものの、記憶のない主人公とはなかなか気持ちが重なりませんが、少しずつ彼の気持ちが変化していく様子にグッときます。一見天才肌のように見えますが、実はたゆまぬ努力の人なのにもキュンとしました。

陸一族の御曹司であり、主人公の命を狙う至央との出会いは率直に言って「印象最悪!!」です。高い戦闘力を秘めているため、危うく主人公や周りの人が死ぬところでしたからね。そこから意外な形での再会を経て見えた彼なりの優しさや、実は…という本心が見え隠れするギャップには一気にやられてしまいました。

唯一の生きる目的であり、殺すはずだった主人公が彼にとって大切な存在へと変わっていく展開がとても丁寧に描かれていて、最初の印象からは考えられないくらい好きになりました。声優さんのドSなボイスと合わせ、個人的なイチオシです。

ちなみに主人公を含め、連・守人・至央は戦闘の際に着物のような和風の「戦衣」という姿に変身します。人の世界で暮らす姿と、上樹の一族としての力を存分に発揮する時の差にも注目ですよ。

至央の側近である任史は、柔らかな物腰のまさしく「紳士!」といった人物。穏やかな立ち振る舞いですが物事の優先順位はとてもはっきりしているため、至央の敵として対峙している際は底の見えない部分もありました。彼の辿ってきた過去を思えば、その深さにも納得なんですけどね。至央という絶対の存在がありながらどう主人公に惹かれていくのかと、他のキャラクターにはない大人っぽさが魅力です。

その一方で、主人公の親友である素子の双子の兄・蒼太は同年代の男の子。出会った当初から妹への溢れんばかりの愛情と、主人公へのあからさまな好意に微笑ましくなりつつ、主人公には一切気づかれていないというちょっと可哀相な部分も。主人公と同様に普通の生活を送っていたので、とくに心に寄り添ってくれるのが嬉しかったですね。彼もなかなかの運命を背負っていてかなり驚かされましたが、個人的には将来にとても期待できると思います!

PS Vita版でルートが追加されたカゲロウは、まるで猫のように気ままな男の子です。とはいえ術によって生み出されたホムンクルスなので、実際の年齢は主人公よりも相当上になります。明るく無邪気な性格は敵であれば恐ろしい残虐さとなりますが、味方で良い意味で遠慮のない、とても温かいものでした。主人公と並ぶと、本当に美少女が二人って感じの可愛さですね。

このほか、主人公の父であり母でもあるオネエ系のイケメン・司や、主人公とは違うベクトルでたくましい美少女・素子など魅力的なキャラクターもたくさん登場します。濃厚な恋愛模様や壮大な和風ファンタジーのストーリー、重い境遇を背負ったイケメン攻略キャラクターがまとめて楽しめる本作をぜひ遊んでみてください!

※画面は開発中のものです。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー