キャラクターとリアルライブがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」のライブイベント「BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館」が8月21日に行われた。
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「BanG Dream!」では、作中に登場するバンド「Poppin'Party」(Gt.&Vo. 戸山香澄(CAST. 愛美)、Gt. 花園たえ(CAST. 大塚紗英)、Ba. 牛込りみ(CAST. 西本りみ)、Dr. 山吹沙綾(CAST. 大橋彩香)、Key. 市ヶ谷有咲(CAST.伊藤彩沙))のキャストが自ら楽器を手に演奏するという、声優ユニットとしては前代未聞の試みが行われていることからも注目を集めてきた。
そして、2017年1月より放送を開始したTVアニメ、そしてスマートフォン向けゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!(以下、ガルパ)」などのさまざまなメディアミックス展開によりその勢いは加速。フルメンバーでのライブイベントとしては4回目となる今回の会場は日本武道館。これはガールズバンドとしても、声優ユニットとしても最速の日本武道館単独公演となり、まさに快挙といえるだろう。
今や華やかな歴史に彩られていく「BanG Dream!」だが、今回のライブイベントは彼女たちが選んだ道のりをその構成からも感じさせるものとなっていた。ここでは、そんなライブの模様を紹介していこう。
アニメのシーンを彷彿とさせるパフォーマンス!
ステージが幕を開けると、印象的なドキュメンタリー風のオープニング映像から5人がステージ上に登場。会場をぐるっと囲むバンドリーマー(※「BanG Dream!」のファンの呼称)たちに向けて、円形のステージでアニメのOP映像を彷彿とさせる「ときめきエクスペリエンス!」で盛り上げる。
そこから息をつく間もなく、夏の季節にピッタリのカラッとした演奏の「夏空 SUN! SUN! SEVEN!」から始まるメドレーを披露。ライブならではの観客との一体感が感じられた「ぽっぴん'しゃっふる」、そしてじっくりと聴かせつつ徐々に盛り上げていく「1000回潤んだ空」と、それぞれに色の異なる楽曲を会場に響かせた。
その後のトークでは会場をぐるっと回ってのウェーブを披露したりと、この日を待ちわびたかのようにはしゃぐ5人。続けて、アニメでの印象的なシーンを振り返るミニドラマを繰り広げると、その流れで「きらきら星 ~はじまりのステージVer.~」「私の心はチョココロネ」を作中と同様の編成で演奏。そしてPoppin'Partyのメンバーが揃う場面で披露された「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」は、アニメの感動的なシーンを思い起こさせつつ、会場と一体となるステージを見せてくれた。
「ガルパ」カバー曲、キャラクターソング、アコースティックとバラエティ豊かな楽曲を披露
ここで一休みと言わんばかりに大塚さん、大橋さんの2人が「ガルパ」をガチプレイ。大塚さんは追加されたばかりの「夏のドーン!」をフルコンボ、大橋さんは途中充電のアラートが出るハプニングに見舞われながらも「ティアドロップス」で安定したプレイを見せる。そして次は協力プレイ…ということでカバー曲の「光るなら」を選んだところで、ステージに再びPoppin'Partyの5人が登場し、生演奏で披露するサプライズ。愛美さんと大橋さんはタンバリン、伊藤さんはショルキーを手に、ステージを駆け回った。
そこから間髪入れずに、公約の“歯ギター”を披露した大塚さんの「花園電気ギター!!!」から始まるキャラクターソングのメドレーに。可愛らしさのあふれる西本さんの「チョコレイトの低音レシピ」、伸びやかな声を響かせた大橋さんの「遠い音楽 ~ハートビート~」、有咲の複雑な心の有り様を歌った伊藤さんの「す、好きなんかじゃない!」と続けて披露。そしてトリを飾ったのは、愛美さんの「どきどきSING OUT!」。香澄らしい元気いっぱいのステージで大いに盛り上げた。
5人はお披露目となったガルパの衣装に触れつつ、ここでガルパの夏のカバー曲キャンペーンとして、Poppin'Partyによる「only my railgun」が追加されることが明らかに。さらに初披露となった「きらきら星 ~はじまりのステージVer.~」「私の心はチョココロネ」のエピソードに話を膨らませていた。
続いては、こちらもおなじみのアコースティックコーナー。まずはPoppin'Partyとして初めて5人ボーカルで披露した「走り始めたばかりのキミに」。元々は力強い楽曲ではあるが、アコースティックならではのシンプルな音色、そして優しい歌声で違った印象を与えるパフォーマンスだった。
さらに、5人が初めて一緒に音を合わせたという、Poppin'Partyの原点とも言える「Yes! BanG_Dream!」もアコースティックバージョンで披露。これまで幾度に渡って演奏されてきた楽曲も、アコースティックになることで新たな魅力を生み出しており、そのテンポに合わせて会場からは手拍子が鳴り響いていた。
これまでの歩みを感じさせる新曲「Time Lapse」をお披露目!アンコールでは気持ちのこもった挨拶も
愛美さん、伊藤さんによるラジオの出張版を挟みつつ、再び新たな衣装に身を包んだ5人がステージに登場。9月20日に発売となるニューシングルから、この場でお披露目となる「Time Lapse」を演奏。会場のバンドリーマーと一緒に拳を突き上げて“Wow wow”という掛け声を唱和しつつ、Poppin'Partyとしては珍しいカッコいい系の楽曲になっており、演奏を終えると会場からは大きな歓声が沸き起こっていた。
5人がステージ中央で円陣を組み、おなじみの掛け声を出すとライブもラストスパート。アニメの終盤でPoppin'Partyが演奏した「前へススメ!」を披露。ステージ上部のモニターに映し出されたアニメのライブ映像とリンクするようなパフォーマンスに会場のボルテージが高まると、最後はアニメ最終話のライブで披露された「夢見るSunflower」で締めくくった。
その後は西本さん、そしてアニメに出演する橘田いずみさんによるアニメの聖地巡礼映像を楽しみつつ、そのままアンコールの流れに。再び登場した5人より、まずはPoppin'Partyの7thシングルや書籍、そして「ガルパ」とローソンのコラボレーションに関する情報が紹介される。
さらに新情報として、10月29日に開催される「ガルパーティ!in大阪」の出演者情報が公開。そして、「ガルパーティ!in東京」、そして同時開催の「ガルパライブ」にPoppin'Party、Roseliaが出演することが発表。そしてシングルA面の楽曲で唯一ミュージックビデオのなかった、「ティアドロップス」のミュージックビデオがお披露目されると、会場も大盛り上がりとなった。
会場のバンドリーマーとともに記念撮影をしたところで、先日テレビ放送されたばかりのOVAに触れつつ、こちらも初お披露目となる「八月のif」を披露。愛美さんと大橋さんのツインボーカルというこれまでのPoppin'Partyにはない編成で、しっかりと聴かせる楽曲となっていた。
これまでの2年半を振り返りつつ、関わった人々やバンドリーマーへの感謝を、時には感極まりながらも口々に述べていく中、最後に挨拶した愛美さんは、リーダーとして日本武道館にかけてきた思いを真っ直ぐな言葉で届けていく。
そして3時間半に及ぶライブを締めくくったのは、TVアニメのエンディング主題歌となっている「キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~」だ。会場に笑顔を振りまきつつ、エネルギーが爆発したようなパフォーマンスで楽しむ様子が伝わってくるようだった。最後は会場に向けた「Poppin'Partyでした-!」の挨拶で幕を閉じた。
セットリスト
M01. ときめきエクスペリエンス!
(TVアニメ「BanG Dream!」オープニング主題歌)
M02. メドレー
(夏空 SUN! SUN! SEVEN!・ぽっぴん'しゃっふる・1000回潤んだ空)
M03. きらきら星 ~はじまりのステージVer.~
(TVアニメ「BanG Dream!」第3話挿入歌)
M04. 私の心はチョココロネ
(TVアニメ「BanG Dream!」第5話挿入歌)
M05. STAR BEAT!~ホシノコドウ~
M06. 光るなら(カバー曲)
M07. 花園電気ギター!!!
M08. チョコレイトの低音レシピ
M09. 遠い音楽 ~ハートビート~
M10. す、好きなんかじゃない!
M11. どきどきSING OUT!
~Acoustic Ver.~
M12. 走り始めたばかりのキミに
M13. Yes! BanG_Dream!
M14. Time Lapse(新曲)
M15. 前へススメ!
(TVアニメ「BanG Dream!」第12話挿入歌)
M16. 夢みるSunflower
(TVアニメ「BanG Dream!」第13話挿入歌)
アンコール
EN01. 八月のif
(OVA「BanG Dream!」挿入歌)
EN02. キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~
(TVアニメ「BanG Dream!」エンディング主題歌)
終演後のPoppin'Partyにインタビュー!
終演後すぐのタイミングで、Poppin'Partyへの囲み取材を実施。当日の感想などを伺いつつ、ライブが終わったばかりの解放感が感じられる内容になっているので、ぜひチェックしてもらえればと思う。
――本日の公演の感想をお聞かせください。
愛美さん:想像以上の景色が待っていました。360度(のステージ)ということで緊張するかなと思ったのですが安心感のほうが強くて、本当に楽しいライブができたことにビックリするとともに、嬉しい気持ちでいっぱいです。
大塚さん:武道館を迎えるまでにたくさんの方々に支えていただいて、私たちPoppin'Partyは今日ここに立つことができました。誰一人欠けても今日という日は迎えられなかったと思っています。ライブの頭ではオープニング衣装を着てアニメのオープニングを再現させていただきましたが、その時に後ろを振り返ってメンバーと一緒に、本当の意味で絆を奏でられたライブだなと頭で感じて、「これで今日はもう大成功だ!」と思うぐらい今日は全部が大成功の素晴らしいライブになったと思っています。
西本さん:初めてのセンターステージで360度、すごくサイリウムが綺麗でそれこそ海みたいで、こんなにたくさんのバンドリーマーのみなさんにずっと支えられて、ここまで歩ませていただけたんだということをすごく実感しました。ライブ自体はあっという間ではあったんですけど、一瞬一瞬で武道館のステージに立てているんだということを大事に感じながら楽しくライブができたと思います。すごく楽しかったです。
大橋さん:今日のライブは今までで一番バンドらしいライブができたような気がしました。今回は360度ぐるぐる回転するということで全員が外側を向いていて、アイコンタクトができないのってこんなに不安なんだと初めて感じて。今までは無意識にアイコンタクトをしていたので、みんなで目線を合わせるのがこんなに大事なんだというのを今回のライブで気づいて、みんなとの絆を感じたライブでした。楽しかったです。
伊藤さん:今回、武道館という節目ともなるだろうライブだったので、できることは全部やりたい、バンドリーマーさんへの私たちの思いを全て届けたいということで盛りだくさんのライブになりました。その分練習や準備することが盛りだくさんで、メンバーも自分の時間をたくさん削ってこの当日を迎えたんですけど、今まで不安だった気持ちがすっと取れました。武道館公演を通じてポピパの絆が5倍ぐらいになったんじゃないかなと思います。
――今回、ガールズバンドとして最速で武道館のステージに立つという金字塔を打ち立てたPoppin'Partyですが、これまでの活動を振り返っていかがですか?
愛美さん:今までがすごく長かったので、最速と言われてもビックリという感じはあります。でも今まで築いてきた歴史があるからこそ最速になれたということで、私はこのメンバーがとても誇らしいです。
――「ガルパ」のカバー曲「光るなら」やキャラクターソングの初披露、そして新衣装としてゲームの衣装も着られましたが、いかがでしたか?
大塚さん:「BanG Dream!」のTVアニメが終わってから初めてのライブだったのですが、実は「ガルパ」のリリースから初めてのワンマンライブでもあったので、「ガルパ」のコーナーをタイトなスケジュールの中でやらせていただきました。「ガルパ」の衣装は、これまでの衣装とは一味違ったライブ用の衣装になっていて、メンバーの髪色も今回はキャラクターに寄せているので衣装とマッチしていて、ガルパコーナーからキャラクターソングまでは全員が生きているキャラクターのような感じがしました。今回披露したキャラクターソングも早く全部「ガルパ」に入ってプレイできたらいいなと思っています。
――今回の武道館公演に向けて5人で頑張ったことなどのエピソードをお聞かせください。
西本さん:この日を最高のものにするためにみんなでセットリストを考えたり、あんなことをやりたい、こんなことをやりたいと何度も話し合いの場を設けて、みんなで協力して作り上げたライブでした。この日のために全力で駆け抜けてきたなという感じがします。
――新曲「Time Lapse」を初披露しましたが、初めてお客さんの前で演奏した感想はいかがでしょうか?
大橋さん:初披露だったのでめちゃくちゃ緊張したのですが、最初に掛け声の練習をしたら、みなさんの対応力が神すぎて、実際に演奏した時もみんなの一体感があって、カッコいいパフォーマンスができたんじゃないかと思います。ポピパの中だと珍しいゴリゴリのカッコいい感じなので、これからも“Time Lapse”をぐるぐると巡らせて、もっとたくさん披露する機会があれば良いなと思います。
――今後新しいステップに踏み出すPoppin'Partyですが、これからぜひやってみたいことはありますか?
伊藤さん:武道館公演をやり終えたので、もうなんでもできるんじゃないかなと思うぐらい、やりたいことは本当にたくさんあります。音楽番組にも出たいし、アリーナでのライブもしてみたいし、世界でもライブしたり…。メンバー全員での実写PVにも憧れがあります。最近「ガルパ」で実写CMを撮らせていただいたのですが、それがすごく楽しかったので。例えば「Yes! BanG_Dream!」のアニメーションMVをそのまま再現しました、といったようないろいろなことに挑戦していきたいです。ゲームから発信したり、私たちから広げていけることを増やしていけたらと思います。
――ありがとうございました。