セガゲームスは、2018年3月21日に発売を予定しているPS4用ソフト「戦場のヴァルキュリア4」のメディア向け先行体験会を本日2月24日に開催した。

目次
  1. 質疑応答では熱心なファンからの質問が多数
  2. ゲーム序盤のプレイインプレッション

発売まで残り1ヶ月を切ったPS4版「戦場のヴァルキュリア4」(Nintendo Switch版は2018年夏発売予定)。本体験会ではゲームメディアや抽選で招待されたユーザーが製品版の冒頭部分を90分間プレイすることができたほか、ゲームの内容についてプロデューサーの三神桂氏、ディレクターの山下浩平氏への質疑応答も行われた。

筆者も当然プレイさせていただいたのだが、そのインプレッションを紹介する前に、まずは質疑応答で語られた内容についてお届けしよう。

質疑応答では熱心なファンからの質問が多数

(左から)三神桂氏、山下浩平氏

冒頭の挨拶では、今回のプレイ時間でおおよそ進めることのできる第2章までを楽しめる序盤体験版を2月26日より配信することが明らかに。こちらは体験版専用のミッションも用意されており、製品版への引き継ぎも可能だという。

ナンバリングタイトルとしては7年越しの新作ということもあり、質疑応答ではメディア以上に、会場のユーザーから数多くの質問が寄せられた。開発のスタートからは2年、企画書やシナリオの準備を含めるとさらに以前から進めていたというプロジェクトだけあって、両氏からも熱いメッセージが届けられていた。その中からいくつか印象的な内容を紹介していく。

まず筆者が質問を寄せたのは、新たに追加された兵科「擲弾兵」について。「戦場のヴァルキュリア(以下、1)」当時の5兵科も武器の切り替え等で対応できる部分も含め、バランスの良い編成になっている印象だったが、山下氏曰く、「1」の当時から爆発の中を駆け抜けるような戦場感を出すために、銃だけでなく砲撃による迎撃を加える構想を持っていたのだとか。当時はアイデアが生まれたのが開発終盤だったため断念したものの、いつかまた据え置き機で出す際には取り入れたいと思い、今回実現できたことに喜びを示していた。

また、「2」以降はサブも含めてキャラクターを掘り下げるエピソードも入っていたが、今回もそういった要素は用意しているのかどうかについても質問。「戦場のヴァルキュリア4」ではサブキャラクターにもグループ単位での断章を用意しているということで、ゲーム本編以外のボリュームも期待したいところだ。

「1」から発展した設計思想が随所に現れており、「2」「3」で膨らんだ兵科はよりシンプルなかたちで最適化、新たに加わった擲弾兵についても、範囲内で弾がブレたりとバランス調整を重ねていることも感じられる。また、戦車についても行動を1コストに変更、その分徹甲弾の数には制限をかけるなど、戦車そのものをより活用しつつもバランスブレイカーにはならないような配慮も見えた。

さらに、実際にプレイしてみないと分かりづらい部分ではあるものの、マップが広くなっているのも今作の大きな特徴だ。APの多い偵察兵と、逆に少ない狙撃兵を比べると足を使っての移動には差があるものの、装甲車に乗せての移動、「3」のクルトに用意されていた「直接指揮」もできるそうなので、幅広い戦略が楽しめそうだ。

そのほか、全ての兵科が行うようになった迎撃に関する質問、サブキャラクターとして登場する鉄仮面が目を引くフェリエのことなど、ファン目線の質問が数多く寄せられていた。ちなみにフェリエが仮面を被っていることには理由があり、ボイスを担当しているキャストも、発案者のアピールにより、有名な方を起用しているとか。

なお、限定版や初回特典に追加ダウンロードコンテンツが用意されているように、今作でも発売後のダウンロードコンテンツの展開も予定しているとのこと。こちらの続報にも期待しよう。

ゲーム序盤のプレイインプレッション

最後に、筆者がゲームをプレイしてみて感じたポイントについて触れていこう。「戦場のヴァルキュリア」シリーズは全作プレイ済みではあるが、今回は「3」以来、本当に久しぶりのプレイとなったため、拙い点があるかもしれない旨、あらかじめご容赦願いたい。

まず最初に、分かっていてもやはりその雰囲気に魅了されたのが、手描きの水彩イラストを3Dで動かすグラフィック表現「CANVAS(キャンバス)」だ。冒頭の花畑のシーンから濃淡がしっかりと表現された色合いに惹き込まれ、据え置き機に「戦場のヴァルキュリア」が帰って来たことを実感させる。質疑応答でも触れられていたのだが、「CANVAS」のキモはあえて綺麗に表現しないことであり、細かな表現上のノイズがPS4の性能でよりしっかりと反映されているというわけだ。

ゲームを始めると、そのままチュートリアルとして「BLiTZ(ブリッツ)」の基本を確認しながらプレイすることになる。過去作との大きな違いはないためここでは割愛するが、筆者自身も懐かしのこの感触に胸を焦がしつつ、ひとつひとつの要素を再確認しながらプレイを進めていった。

もともとが情報量の多いゲームにはなるため、プレイにあたって段階的に選択肢が提示されるようになるのは嬉しいところ。最初のミッションは簡単な内容になっており、本作から始めるという人も安心して遊ぶことができるだろう。

本作の物語は、主人公であるクロード・ウォレスが記した手帳を通じて読み進めていく。手帳はエピソードとミッションで構成されており、ある程度読み進めたところでミッションが登場、それをクリアすることでさらなるエピソードが読めるようになる。

今作のストーリーは、ガリア公国を舞台とした過去3作とは異なり、第二次ヨーロッパ大戦の東部戦線を描く。ストーリーは独立しているものの、同一の時代を背景としていることからシリーズファンにとっては馴染みのあるワードが登場することもある。

そのままゲームを進めると、ゲーム開始時にはいなかったレイリィ・ミラーも部隊に加わることとなる。ここで本作で新たに加わった兵科「擲弾兵」を実際に触ることができたのだが、その最大の特徴は遮蔽越しに、かつ高い弾道高度で相手を攻撃できる擲弾砲を武器としていること。従来はあの手この手を用いて接近する必要があった高い位置にいる敵も、擲弾兵さえいれば難なく攻撃できるというわけだ。

その代わり、APは低めでかつ移動速度も遅く、加えて擲弾砲を撃つためにはターゲットモード時に武器を展開する時間が発生する、弱点も多く抱えた兵科でもある。実際、今回体験したミッションでも隠れていた狙撃兵に撃たれた場面もあり、慎重さと大胆さのバランスが求められそうだ。

レイリィはクロードとの確執も抱えているなど、ストーリーにおいても気になるキャラクターの一人だ。

その後は訓練開発の要素を一通り確認したところで時間切れ。兵科ごとのレベルアップやオーダーやポテンシャルの習得、歩兵や戦車の装備開発に加えて、今作では部隊との仲間たちと意見交換を行うことで特別なオーダーを習得できる「サロン」も用意されている。

改めて、90分があっという間に感じられるほどに密度の濃いゲーム体験だったが、その中で「戦場のヴァルキュリア」シリーズの持つ魅力を改めて再確認することができた。プレイヤー自身の迷いやポテンシャルなどの偶発的な要素が生む状況の変化、そしてミッションコンプリートに向けて一つ一つの過程をクリアしていくシミュレーションとしての楽しさ、その全てが「BLiTZ」という戦闘システムに詰め込まれている。

ゲームが進むことでさらに複雑かつ広大なマップが登場したり、強力な敵ユニットに苦しめられることもあるだろう。しかしながら、そうしたハードルを乗り越えて仲間たちを失わずにクリアしたその瞬間に訪れる喜びはまさに戦場を表現した本作ならではの醍醐味といえるのではないだろうか。

※画面は開発中のものです。

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