NetEase Gamesの「The Room: Old Sins」は、人気脱出ゲームシリーズの最新作。無料脱出ゲームが多い中、有料ゲームとして販売されている本作の魅力はどこにあるのか、プレイレビューとしてお届けしたい。
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NetEase Gamesから3月にリリースされた「The Room: Old Sins」は、謎解きアドベンチャーゲームの人気シリーズ「The Room」の最新作。タップやスワイプといった操作で手がかりを探して謎を解いていく、いわゆる「脱出ゲーム」と呼ばれるタイプのゲームだ。
スマホ向けの脱出ゲームというと、無料でプレイできるものが多い中、「The Room: Old Sins」は有料600円の売り切り型。数ある脱出ゲームのひとつとして考えると超強気の価格設定だが、本作はそこまでおもしろいのか? そして、どうして「The Room」はシリーズを通して人気を博すことができたのか? この記事では本作の持つ魅力について、プレイレビューとして紹介したい。
錬金術の世界が見れる接眼鏡でドールハウスの謎に迫る!
本作の目的は、謎めいたドールハウス…人形サイズに作られた模型の家の謎を解くこと。オープニングで、主人公が何らかの事件の謎を追っていることが描かれる。どうやらその謎のカギがドールハウスに隠されているようだ。「The Room」シリーズに共通して登場する、錬金術師や「零因子」と呼ばれるキーワードは本作にも登場。もちろん、「接眼鏡」も登場する。
「接眼鏡」は片目用のレンズで「接眼鏡」ボタンをタップすることで、錬金術的な仕掛けを見ることが可能だ。「接眼鏡」を使った時しか見れない情報や、操作できないギミックが存在するため、肉眼と接眼鏡の切り替えがゲーム的なポイントになっている。他の脱出ゲームなどにはないユニークなシステムだ。
錬金術の世界が見れる接眼鏡でドールハウスの謎に迫る!
また、操作方法もいわゆる「脱出ゲーム」のスタンダードとは大きく異なっている。「脱出ゲーム」の多くでは風景をタップすることで調べ、移動ボタンやアイテムボタンなどをタップすることで場所移動やアイテム持ち替えを行う。つまり、タップが中心となっている。
一方本作では、タップよりもスワイプ操作がメイン。風景内を調べる方法こそダブルタップだが、風景内のギミックを動かしたり、視点の角度を変えたり、アイテムを使用したり取ったりといった操作はスワイプによって行う。
こうした本作の操作方法は、本作に他の脱出ゲームでは味わえない魅力を与えている。具体的に書くと、“臨場感”があるのだ。ダイヤルを回したり、ハンドルを持ち上げたりといったゲーム内の動作とスワイプ操作がシンクロしているため、実際に自分がギミックを動かしているような気分になれる。
操作性が生み出す臨場感を支えているのが、美麗な3Dグラフィックスだ。FPSと違って激しい動きが少ないため目立たないが、本作のビジュアルはコンシューマゲームに勝るとも劣らないクオリティ。ハイクオリティな3Dグラフィックスでリアルに描かれたギミックが、自分の指で直観的に動かせる。だからこそ、自分が物語の主人公になったかのような“臨場感”が強く味わえるのだ。
謎を解くごとに大きく姿を変えるドールハウス!
強力な臨場感に加えて、本作の魅力の柱と言えるのが、ドールハウスが大きく姿を変えていくという点。ひとつ謎を解く度に、扉が開いて中から奇妙な機械が出てきたり、それまで壁だったところが突き出して台座となったり…と、ダイナミックに形が変わっていくのだ。
謎を解くことに大きな変化が訪れるので、「この先どうなるんだ!?」という好奇心が強くかき立てられる。この楽しさは、テレビ番組の「ピタゴラスイッチ」に近い気がした。「ピタゴラスイッチ」では、では仕掛けと仕掛けが絶妙に連動して、最後にある目的が達成される…というギミックを描いているが、「次にどんなギミックが動くんだろう?」と好奇心を刺激されるのが楽しい。本作も、「次にどんなギミックが動くんだろう?」というワクワク感がたまらないのだ!
背後に漂う大きな謎!ミステリアスなムードも魅力
基本的に「次はどんな謎?」「次はどんなギミックが動く?」ということが本作の展開を引っ張っていく。その中で見え隠れする背後の大きな謎も、本作の魅力と言えるだろう。主人公の道具ボックスや、ドールハウスの中のさまざまな部屋には本が置かれており、そこには過去にあった事件のことが書かれている。主人公は多数の小さな謎を解きながら、事件の核心という大きな謎に迫っているわけだ。
謎に迫るムードを盛り上げているBGMも魅力的だ。本作はホラー要素を備えたゲームではないが、ミステリアスなBGMによって常に不気味な雰囲気が漂っている。知ってはいけない「謎」に迫っているんだ…ということがBGMを通して伝わってくる感じだ。プレイの際は是非ともBGMありで楽しんだ方がいい。
有料の価値あり!人気作になるのも頷ける謎解きゲームの良作
本作の魅力を並べ立ててきたが、実際本作は非常におもしろく、魅力たっぷりのゲームだ。高い臨場感を味わえる操作システム、美麗な3Dグラフィックス、次の展開が気になるドールハウスの変化、そしてミステリアスなBGM。いずれも魅力的で、600円出して買う価値は十分過ぎるほどある。
App Storeのスコアを見ても4.9という超ハイスコアがついており、人気シリーズというのも頷けるところ。唯一気になるところといえば、ハイクオリティな3DCGを描写するために端末が発熱するところ。ただこれについては、あまり長時間プレイしないように気を付けてプレイすれば問題ないだろう。…といっても、良質なミステリーのように先の展開が気になって、気づくと長時間経っているのだが…。
上質なミステリー映画を1本観ると思えば、十分有料の価値を実感できる本作。謎解きゲームが好きという人は是非プレイしてほしい。エンディングを迎えるまでの間、質の高い謎に悩まされる至福の時間を過ごすことができるだろう。
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