【メモオフの想い出】第10回：「メモリーズオフ6 Next Relation」―5人のヒロインとの関係のその後をバリエーション豊かに描く

「メモリーズオフ」(以下、メモオフ)シリーズの歴代タイトルを順に紹介していく本企画。第10回は「メモリーズオフ6 ～T-wave～」(以下、6Tw)に登場するヒロインたちとのその後を描く「メモリーズオフ6 Next Relation」(以下、6NR)です。「メモそれ」以降、アフターストーリーを描くファンディスクのリリースが続きましたが、「6NR」はその中でもボリューム感のあるタイトルになっています。

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「6Tw」は過去のメモオフシリーズと比べても、主人公と各ヒロインの関係性にフォーカスされていたタイトルという印象なのですが、「6NR」では、プロローグでの選択肢によって、5人のヒロインそれぞれの物語へと分岐していく、まさに各ヒロインとのセカンドストーリーを描きます。いわゆる共通ルートみたいなものはないものの、すべてのヒロインにストーリーが用意されているということで、そのボリュームは本編と比べても引けを取りません。

作中で描かれるのは高校3年生に進級し、生徒会長になった主人公・塚本志雄のひと夏のエピソード。そのストーリーラインとしては、本編で起こった出来事や関係性のその後、回収しきれなかった要素を拾い上げるといった部分もありますが、何より志雄とヒロインとの学生らしい恋愛模様を描いているという点が魅力的です。

遠峯りりすであれば幼馴染という関係からの変化、箱崎智紗であればやや依存気質のある彼女との関係の進展、“鈴代黎音”こと稲穂鈴であれば年の差という壁を乗り越えていく過程、春日結乃であれば共通の趣味である“ラジオ”を通した思い出づくり、といった具合にそれぞれに一定のテーマが設けられています。本編を経て距離感が近づいているだけあって、ドキドキするようなシチュエーションが用意されているのはまた違った嬉しさがありますね。

また、嘉神川クロエのエピソードは彼女自身の成長にもつながる、本編をプレイしている人には特に触れてほしい内容になっていますが、最新作「メモリーズオフ -Innocent Fille-」のメインヒロインであるクロエの妹、嘉神川ノエルの可愛らしい幼少期も見ることができます。興味のある方はそちらもぜひ！

その上で、進路に悩む志雄が将来を見据えていくという、「After Rain」を思い出すような主人公側のテーマも用意されています。元々が少し大人びたところのあるキャラクターではあるので、こうしたテーマ性が用意されているのも入りやすい部分でした(当時はすでにこの業界に入っているくらいの年齢ではありましたが…)。

シナリオ以外の要素ではありますが、「6NR」はシチュエーションに沿ったイベントCGや背景が多彩だった印象もあります。そういった細かな点からヒロインの心情を感じることができましたし、一部のヒロインに関しては、新たに登場する“龍境温泉郷”に旅行へ赴くことになり、甘い時間を楽しめます。

メモオフらしさを感じる点は人それぞれだと思いますが、個人的には主人公自身の生活に根付くかたちで、ヒロインとの交流が描かれる点がそのひとつだと思っています。志雄とヒロインたちの甘酸っぱい青春の物語をぜひチェックしてみてください。

現在だとPSP版(PS Vitaでもプレイ可能)が単品で購入可能ですが、前回も紹介したとおり、本編とセットになったPS3/PS Vita版「メモリーズオフ6 Complete」がPlayStation Storeで配信されています。細かな点かもしれませんが、より美麗なゲーム画面でプレイできるので、気になった方にはこちらがオススメです！

PS Vita版「メモリーズオフ6 Complete」配信ページ(PlayStation Store内)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0745-PCSG00176_00-MEMORIESOFF6VITA

PS3版「メモリーズオフ6 Complete」配信ページ(PlayStation Store内)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0745-NPJB00355_00-MEMORIESOFF6PS30

PSP版「メモリーズオフ6 Next Relation」配信ページ(PlayStation Store内)
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0745-NPJH50553_00-MEMOOFF6NRPSPDLV

前作「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」から、7年ぶりの最新作にして、最終作となる「メモリーズオフ -Innocent Fille-」(イノサンフィーユ)。劇中では前作「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」から約3年の歳月が経ち、新たな物語が紡がれます。

本作では、主人公・累の視点から、他のキャラクターへ視点が変わる場合があります。

その視点では各キャラクターの内面や、累自身が知らない状況が語られ、表面からでは伺いしれない秘めた気持ちを知ることができ、キャラクターがより魅力的に描かれています。ぜひ、全ルートのクリアを目指しましょう。