スクウェア・エニックスより2018年内の発売が予定されているPS4/XboxOne用ソフト「キングダム ハーツ III」。海外でのイベント開催に合わせ、メディア向けに試遊の機会が得られたので、プレイインプレッションをお届けします。
ディズニーとスクウェア・エニックスによる作品として2002年に登場した「キングダム ハーツ」。2005年発売の「キングダム ハーツII」から13年の年月を経て、いよいよナンバリング最新作「キングダム ハーツ III」に会える日が近づいてきています。
成長したソラたちが「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」といったピクサー作品のワールドを駆け抜けるトレーラーなど、度々本編の映像が公開されてきましたが、実際にプレイできる機会は今回が初めて。
今回は、巨大なロックタイタンとのバトルを楽しめる「OLYMPUS」と、本作こだわりのアクションの“片鱗”とストーリーの一部を楽しめる「トイ・ストーリー」のワールド「TOY BOX」を1時間ほど触ることができたので、そのインプレッションをお届けします。
キーブレード変形からロボ搭乗までてんこ盛りな爽快アクション!
「キングダム ハーツ」シリーズの魅力の1つが、爽快感あふれるアクション。キーブレードの攻撃をベースに、スキルや魔法でコンボを生み出し、ウジャウジャ溢れるハートレスを倒していくのは今回も変わりません。攻撃ボタンを連打しているだけでもソラが格好良くコンボを決めてくれる、アクション下手安心設計ではありますが、通常攻撃と魔法、魔法と基本アクションなど、コマンドを組み合わせることで発動する派生アクションを使いこなせるとバトルの幅が広がります。
本作ではキーブレードそのものが変形し、様々なアクションが可能です。今回は「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」「ラプンツェル」のキーブレードを使えましたが、「トイ・ストーリー」ならドリルと巨大ハンマー、「モンスターズ・インク」ならヨーヨーとマジックハンドを両手に装着した様なクロー、「ラプンツェル」なら杖というように、1本のキーブレードで多彩な攻撃が楽しめました。
キーブレードの変形は本作が初なので、簡単にシステムを紹介しておきましょう。キーブレードの通常攻撃を重ねていくと、左側のコマンドゲージ上にゲージが溜まり△ボタンで変形が可能となります。変形後はキーブレードごとのアクションから、通常攻撃・魔法ともに、アクションが変化。またキーブレードによっては、引き続きゲージをためることで、さらなる変形が可能になるようです。
ゲージがなくなる前にフィニッシュボタン(△)を押すことで、フィニッシュ攻撃が発動。モンスターを思わせる巨大なヨーヨーで攻撃したり、巨大な塔から魔法を放射がしたりと、各作品のイメージに合わせた演出にも注目です。
またワールドごとの特性を活かしたアクションが、本作ではさらにパワーアップ。「OLYMPUS」では、山の頂上にいるロックタイタンを倒すため、落石を避けながら垂直に崖を駆け上がりますが、臨場感もあり自然と身体が傾きます。トイサイズのソラたちを基準にした「TOY BOX」では、すべてのスケールが大きいので高低差のあるマップが多く、壁を駆け上がったり屋根の上からダイブしたりと、幅広いアクションが楽しめました。
さらに、おもちゃのロボット「ギガース」に乗り込むことで、FPSのような攻撃を繰り出すことも。ギガースにはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なるので、敵の種類やシチュエーションによって乗り換えていくと、戦略的かつテンションも上がるかと思います。
そのほかにも、複数の敵をロックオンして倒すシュートロックをはじめとしたバトルアクションや、マップ上のギミックを使用したアクションも盛りだくさん。風船を割るとヘリウムガスが出てキャラクターの声が変わるなど、遊び心を感じさせるネタも仕込まれているので、ワールドで触れられるものは積極的に試していきたいですね。
大人からの支持も厚い、ピクサー作品のストーリー
「キングダム ハーツ」では、ディズニー作品の世界を訪れたソラたちが、さまざまな異変を解決に導く、オムニバス形式のストーリー展開が楽しめます。キャラクターとの交流や、ディズニー作品の世界観を深掘りするようなストーリーがシリーズの醍醐味です。
そんな「キングダム ハーツ」シリーズに、ついにピクサー作品が登場しました。今回プレイした「TOY BOX」では、ソラたちが“トイ”の姿でウッディやバズたちと出会い、アンディの部屋から住宅街の通り、そしてギャラクシートイズで大冒険を繰り広げます。
映画「トイ・ストーリー」をベースにした世界で、ハートレスが出現し、一部のおもちゃたちとアンディが行方不明という状況に悩まされていたウッディとバズたち。そこにソラたち一行が現れ協力を申し出るも、異質な存在の3人にバズが難色を示し…というのが物語の導入です。
「トイ・ストーリー」作中でのバズは、自分を本物の「スペースレンジャー」だと信じていましたが、ウッディとの友情を築き、自身の存在と役割を認め、すっかり頼れる存在に成長しています。
しかし本作では、レーザーが実際に出るようになっていたり、ハートレスやゼアノートといった「異なる世界」を思わせる存在が目の前に現れ、再びバズの心を揺らします。抉るポイントも絶妙ですが、純粋でまっすぐなソラがバズの疑念を払拭していく様子や、ウッディとの友情もしっかり描かれており、自然と目頭が熱くなりました。
大人と子どもで感じ方が変わるような苦味も特徴のピクサー作品は、「キングダム ハーツ III」にどのような感動をもたらすのでしょうか。関連作品を見ておくとより楽しめると思います。
今回実際にプレイして、アクションへのこだわりと作品愛があふれるストーリーの一端に触れることができました。発表から5年、ファンの期待を上回る出来栄えになることは間違いなさそうです。