6月29日に発売された「ザ クルー2」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。
目次
「ザ クルー」シリーズといえば、アメリカ全土を舞台にしたオープンワールドMMOレーシングゲーム。2014年に発売された「ザ クルー」は、オープニングでいきなり逮捕されてしまうこともあり、どことなくアンダーグラウンドな世界を肌で感じる作品でした。実際には、無実の罪で逮捕されてしまい、本当の犯人を突き止めるために警察に協力してモータークラブに潜入するという内容で、使命感を持った状態でドライビングテクニックを駆使してレースに挑んでいくのですが、いずれにしても緊張感のあるストーリーの中で、重要な役割を演じるゲームでした。まぁ、実際にはミッションを無視してアメリカ全土を走り回るようなこともでき、自由度の高いゲームだったりするわけですが……。
アンダーグラウンドなイメージとオープンワールドレーシングというジャンルから、「ニード・フォー・スピード」シリーズが近似するゲームかと思うのですが、とにかく「ザ クルー」はハリウッド映画の中で見るアングラ感のあるアメリカを感じることができました。
さて、それでは「ザ クルー2」は果たしてどんなゲームなのでしょうか。早速プレイをしてみましょう。
生きがいを楽しむ「ルーキー」登場!
ゲームを始めるといきなり「未来のスターを選択」する画面になります。様々な人種の男性16人の中から一人を選ぶことになるのですが、見た目と一言コメントから一人を選ばなくてはならないため、結構悩んでしまいます。
バックボーンがわかるともう少し感情移入をできそうな気がしますけど、これはきっと、まっさらな状態からキャラクターを作り上げていくことが必要なのでしょう。なので、この力強い一言から、彼を主人公にしてみました。
オープニングムービーは、どこかのチームに入れてもらったようなシチュエーション。どうやら、「LIVE」というイベントがあり、イベント中のすべての状況が動画配信されている設定のようで、自分たちの実力を見せればフォロワーが付いてくるとのこと。とんでもない走りを見せれば人気者になれるため、俄然、レーサー魂が燃え上がります。
しかし、その後のムービーを見ると、車はいいとして、ボート、ヘリコプター、飛行機などが登場して、これは何事かと思うわけです。
まぁ、ヘリコプターは「LIVE」のスタッフだと思うので間引くとしますが……。
「ライブ・エクストリーム・シリーズ」の「シーズン1」が始まり、まずは演出でクルマが登場すると、突如プレイヤーに操作が移行します。レース中のため、画面右下には地図が表示され、チェックポイントは黄色い丸で示されています。間違った方向に進めば「WRONG WAY」が表示され、チェックポイントに近づくと、コースの左右に黄色いサンドバッグみたいなモノがあり、この間をすり抜けていけばいいことがわかります。
続いて、場面は変わって海になります。水上には道がないため、クルマよりも自由に走ることはできますが、やはりレースではチェックポイントを求めて走っていき、水上のチェックポイントは青で示されていることがわかります。
ジャンプ台を飛んだかと思えば、今度は飛行機を操縦することになります。空を飛ぶということは水上と同様に見える形でコースはありませんけど、上下への移動が加わります。リアルシチュエーションでは、いきなり飛行機を操縦するようなことはありませんけど、ここはハリウッド映画で、突如、パイロットが犯人に打たれてしまったシチュエーションでも思い出したつもりになって、華麗なる飛行テクニックを見せつけてやりましょう。まぁ、そうはいっても、ここでは最低限の操作を学ぶだけなので、大雑把にチェックポイントを通過しちゃいましょう。思いっきりビルに激突しちゃいましたけど、ここはゲームの世界。すぐに復活してくれるのでご安心を。
というわけで、今回の舞台はクルマだけでなく、海や空でも活躍するチャンスがあるようですが、ここまでの時点ですでにフォロワーの反応があり、「ルーキー」として認められたようです。
他にオフロードカーやバイクもあるようで、活躍の舞台は更に広がっていくようです……
が、最初に選べるのは、「STREET RACING TRIAL」「OFFROAD TRIAL」「FREESTYLE TRIAL」「PRO RACING TRIAL」の4つのようです。
「STREET RACING TRIAL」を選ぶと、ストリートレースファミリーの歓迎役みたいな方から話を聞いたかと思えば、いきなりレースが始まります。
「ストリートレース」とはいえ、最初のレースなので、ドリフトを軽く決める程度のカーブがあるような比較的穏やかなレースかと思えば、いきなり高いところから落ちたり、ジャンプ台みたいな坂があったりと、激しいレースで驚かされます。
予想外に激しいレースだったため、いまいち適応できずに、7位というみっともない順位になってしまいましたけど、フォロワーと賞金を獲得して、「STREET RACING FAMILY」に仲間入りすることができ、報酬としてマシンを貰うことができました。
「STREET RACING FAMILY」の拠点では、フォロワーに応じてレベルが上がると、「DRIFT」「DRAG RACE」「HYPER CAR」がアンロックされるようですが、今はまだ「STREET RACE」しかできません。それでも「STREET RACING FAMILY」に行けばいつでも、それぞれのマシンのテストドライブをすることができます。
すぐに制限時間が来ちゃいますけどね。
ともかく、「STREET RACING FAMILY」になったことで、アメリカ全土にいくつか参加できるレース会場が発生します。
がむしゃらに走って「ポピュラー」な存在に(2時間半経過)
オープンワールドのレーシングゲームなので、このままアメリカ全土を走り回ることができます。しかし、「さて、レース会場に向かうか」と思って街を走っていても、レース会場と現在地の位置関係がいまいちよくわかりません。そこで、マップを開こうと思ったのですが、実はこんな感じで緩やかに広がりを感じながらマップを確認することができます。
そこで、レース会場にチェックを入れてから、クルマを走らせて目的地に向かうのかと思えば、チェックを入れた瞬間に、そのレース会場に一気に行くことができました。いわゆる「ファストトリップ」的な要素を、普通に備えているイメージだと思ってしまって問題ありません。街をクルマで走り回りたい人は、そのまま走り回ればいいし、レースに没頭したい人はマップから直接レース会場に行ってしまう、そんな自由度が備わっていました。
とにかくレースに参加して上位に入ると、アイテムがいきなり目の前に現れ、ぶつかるとゲットすることができました。
また、レースによっては、特定のイベントを見る事が出来、チームのバックボーンが見えるようになっているようです。
このように、新規に発生したレース会場でレースをこなして賞金を稼ぎながら、同時にフォロワーを稼いでいきます。また、レースに参加しなくても、アメリカ全土をクルマで走り回り、このようなジャンプ台をうまく飛べばフォロワーを稼げるのではないかと思いっきり飛んでみると……。
見事、普通には脱出できない場所に入り込んでしまいました。
こうなってしまっては、どうにもなりません。「LIVE MAP」を開いて拠点移動をしてしまいましょう。
「STREET RACING FAMILY」に入ると、ストリートレースを楽しむことができましたけど、他のファミリーに慣れないわけではありません。まだ選んでいなかった「OFFROAD TRIAL」「FREESTYLE TRIAL」「PRO RACING TRIAL」についても、選ぶと同様にレースが発生し、それぞれ「ルーキー」レベルに該当するレースで必要なマシンを1台ずつ無料でもらえるようになっています。
「OFFROAD FAMILY」では、「ルーキー」レベルでは「RALLY RAID」がアンロックされ、「MOTO CROSS」や「RALLY CROSS」が後に控えています。
「PRO RACING FAMILY」では、「ルーキー」レベルでは「POWER BOAT」がアンロックされ、「TOURING CAR」「AIR RACE」「ALPHA GP」が後に控えています。
「FREESTYLE FAMILY」では、「ルーキー」レベルでは「AERO BATICS」がアンロックされ、「JET SPRINT」や「MONSTER TRUCK」が後に控えています。
4つの「FAMILY」全部に入ると、アメリカ全土でとんでもない数のレースができるようになります。
ここから先は、「LIVE MAP」からレースを選ぶことで、ひたすらレースを繰り返してフォロワーや賞金を獲得しまくることができます。
そして、「ポピュラー」レベルに達すると新たなレースが発生し、それぞれの「FAMILY」でマシンを購入することで、「DRIFT」「MOTO CROSS」「TOURING CAR」「JET SPRINT」といった、参加できるレースを増やすことができます。
細かいイベントをこなして「フェイマス」へ(5時間経過)
「LIVE MAP」からレース会場を選ぶことで、いろいろなレースに参加してフォロワーと賞金を稼ぐことができるのですが、当然ながらアメリカ本土を走り回る楽しみは健在です。「LIVE MAP」に表示されている稲妻みたいな標識のところに行けば「SPEEDLAP」や「ESCAPE」「SLALOM」に挑戦できます。
「SPEEDLAP」は単純に、その地点で指定された速度以上を出すだけなので、マシンスペックが高ければ比較的簡単に成功させることができます。今は失敗しても、後により高いスペックのマシンを手に入れれば成功させることができるため、後回しにしてもいいかもしれません。個人的には、「LIVE MAP」で移動してきた後で、更に距離を取った上で、ニトロを活用することで、比較的サクサクと達成できてしまったりしましたけど。
「ESCAPE」は、赤い丸い光が大きくなって追いかけてくるため、光に呑み込まれないように逃げてその距離を競っていきます。
「SLALOM」は、指定されたポイントで、指定された方向を通過しながら進んでいく、スキーのスラロームのような競技。あまり大きく膨らむような運転をするとうまくいかないため、ポイントにぶつかってもいいからギリギリを攻めるような運転をするとどうにかなる印象です。
「ボート」を入手することで「水上」、「飛行機」を入手することで「空」を自由に移動できるようになっているため、クルマでアメリカ全土を走り回ることの延長として、「水上」も「空」も自由自在に移動できるようになります。この、「水上」や「空」を移動できるということは、当然ながら、「ボート」や「飛行機」で挑戦できるチャレンジも用意されています。
「ボート」では、「水上」で「ESCAPE」や「SLALOM」に挑戦できるのですが、「SLALOM」にはUターンの要素が入ってきて、より難しくなっている印象です。そして、「SMASHING」では、制限時間内に、水上に浮かぶ緑の物体をできるだけいっぱい破壊していきます。
「飛行機」の「LOW ALTITUDE」では、低空飛行でポイントを稼いでいき、「AEROBATICS」では、配置されているサークルの中を指定されている角度で通り抜けていきます。
「LIVE MAP」で拠点移動すると、そのシチュエーションにあったマシンが自動的に選ばれるようになっているのですが、たまに変更されない場合があるので、例えばクルマで「SPEEDLAP」に挑戦するであろう拠点に「飛行機」で行くと、「飛行機」のパワーによって、余裕で「SPEEDLAP」を達成することができます。
さすがに、道路の上に「ボート」で登場した時には、どうにもなりませんでしたけど……。
アメリカ全土を移動しまくり、拠点移動でレースをこなしていくと、すべてをこなし切れないうちに「フェイマス」レベルに達し、新たに、「DRAG RACE」「RALLY CROSS」「AIR RACE」「MONSTER TRUCK」に挑戦できるようになりました。
カスタマイズも活用して「スター」達成(10時間経過)
参加できるレースが多いため、失敗したら他のレースに挑戦することで、それなりにフォロワーや賞金を稼ぐことができるのですが、ここまでプレイしていると、レースによってはマシンスペックの足りなさが起因して負けることがあります。そして、ここまでカスタマイズをしていないとしたら、大量のアイテムが持ち腐れ状態になってしまっています。
アイテムの一部は、「FAMILY」の本拠地にストックされているので、適度に入手する必要があります。
そして、レース終了時に発生し、マシンをぶつけることで入手したマシンはすでにガレージに届けられています。そこで、「LIVE MAP」のここに注目。
「ガレージ」に戻ると、入手したマシンが部屋に管理されているので、入手したアイテムを使ってマシンをカスタマイズしていきます。
とりあえず最初は数字が大きいアイテムに付け替えていき、余裕ができたら色を揃えるようなカスタマイズがよろしいようです。
アメリカ全土を移動していると、適度に「付近にフォトクエストあり」と表示されることがあります。
この時、△ボタンを押すと画面左上の表示が変わるため、この周辺で被写体探しを楽しむことができます。この被写体探しはどのマシンを使ってもできると思いますが、とりあえずオフロードカーが扱いやすいですよ。山を登っているときに、偶然、「ヘラジカ」に出会えちゃいましたし。
ちなみに、写真撮影とは言っても、リアルタイムに撮影をするのではなく、例えば、画面に何かが横切ったとしたら、その場で方向キーの左を押してカメラモードにして、早送りや巻き戻しで被写体のポーズを確認しつつ、カメラを自由に動かし、ベストなポジションで写真撮影をすることができます。先ほどの「ヘラジカ」はこんな感じでカメラを使って追いました。
そして、ここまでのプレイでどうにか「スター」になることができ、「HYPER CAR」や「ALPHA GP」に挑戦できるようになりました。
そして、まとまらないまとめ
約10時間プレイした結果、ある程度自信が付いたため、ここまで逃げていた「ライブ・エクストリーム・ツアー」に挑戦してみました。「ライブ・エクストリーム・ツアー」は、複数のマシンを使って競うちょっと変わったレース。レースはリアルタイムに進行するのですが、コースの特定の場所までたどり着くと、その場にあったマシンにトランスフォームするため、それぞれのマシンの特性を理解しながらシチュエーションに対応していきます。
今回挑戦した「ライブ・エクストリーム・ツアー」の「第2ステージ」では、最初は「ストリートカー」から始まるのですが、薄暗い空と木々に囲まれた環境で、いまいち見通しが悪くて(という言い訳をして)ビリ爆走中。
続く、「ボート」では、マップにライバルマシンが一切登場せず、どれだけ差が付いているかわからない状況で、とにかく必死に走り切りました。
そして、最後にオフロードカーになるのですが、ここで思いのほかライバルマシンと差がついていないことがわかり、できるだけ道を走らず泥の上を走り、ライバルに一気に差をつけて、トップでゴール。
ここまでのプレイ状況から、次のようなデータが集まりました。
見てわかる通り、まだまだ挑戦できるイベントやレースが存在しますし、発生していない要素が山ほどあります。冒頭で、前作はアングラ感があったことを書きましたけど、今作はアングラ感はあまりなく、どちらかというとノー天気にアメリカ全土を駆け巡り、ひたすらレースに明け暮れることができます。タイプ的には、「ニード・フォー・スピード」シリーズよりも「Forza Horizon」シリーズが近いかもしれませんね。「ボート」や「飛行機」など、やれることの次元が全然違いますけど。
気が付けば「ワールドレコードを保持!」と気になる内容がありました。
早速調べてみると……。
こんな無謀な落下シーンまで記録として残してくれるなんて、このゲームが全く底の見えない、奥深いゲームだと確信できましたよ。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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