セガ・インタラクティブが開発を務め、7月26日から全国のゲームセンターならびにアミューズメント施設にて稼働を開始する「Fate/Grand Order Arcade」のプレイインプレッションをお届けする。

人気スマートフォンアプリ「Fate/Grand Order」(以下、FGO)初のアーケードゲームとなる「Fate/Grand Order Arcade」。「FGO」の世界観を忠実に再現しつつ、「FGO」にも登場するサーヴァント3体と概念礼装を編成してチームを結成、さらに自らが操作し、他のプレイヤーと一緒にバトルを楽しむことができる、「英霊召喚チームバトル」が特徴となっているタイトルだ。

ゲームプレイに必要となるGP(ゲームポイント)を購入して、チュートリアルをスタート

まずゲームを起動して最初に表示されるのが、GP(ゲームポイント)を購入する画面。本作のゲームプレイは、このGPを消費する形で行われ、メニュー画面での時間経過の他、クエストなどを選択した際にも消費される。1クレジットあたり300GPで、一度に最大3クレジット分(900GP)の購入が可能。編成画面でも時間経過で消費されるという違いはあるが、基本はアプリ版「FGO」におけるAP的なものを想像してもらえれば分かりやすい。

GPの消費量はクエストやゲームモードによって細かく異なるが、「サーヴァントの編成をある程度行い、いずれかのクエスト1つに出撃する」までの流れが、概ね1クレジット分で行えるようになっており、対戦格闘ゲームの筐体などに代表される「1クレジット=1プレイ」に近い感覚だ(後述するシングル専用モードにはGPの消費が少ないクエストもあるので、うまく組み合わせればそれ以上の効率でプレイすることも可能だと思われる)。

メニュー画面から自由なタイミングでゲームを終了させることもできるが、注意するべきは、余ったGPは自動的にフレンドポイントと呼ばれるポイントに変換されるため、次回以降のプレイへの持ち越しができない点。そのため編成だけを済ませて早めにゲームを終了し、次に余ったGPを上乗せして遊ぶ……といったことはできない。このフレンドポイントは、稼働初期の段階ではその使用用途が実装されていないのもあり、あまりGPを余らせすぎない方がいいだろう。

お馴染みのフレンドポイントだが、アーケード版ではやや位置づけが異なる。
今後どのような使い道が用意されるのか気になるところだ。

なお初めてゲームをプレイする場合は、チュートリアルで基本的な操作方法をレクチャーしてくれる。本作の操作は非常にシンプルで、スティックでサーヴァントを移動、ダッシュボタンで走らせ、ターゲットボタンでロックオン対象を切り替えるなど、それぞれのボタンの役割が明確で分かりやすい。そして何よりも特徴的なのが、攻撃とガードの動作が共にアタックボタンに割り振られていることだ。

多くの対戦ゲームでのガードは、相手の攻撃を先読みする必要があったり、防ぐことができる方向が限定されたりと、初心者には使いこなすのが難しいことが多いのだが、本作ではアタックボタンを長押しするか、もしくは相手の攻撃にあわせてボタンを押すことでガードが発動する。適当に連打しているだけでも、相手の攻撃を防いでくれるので、初心者が上級者に一方的にやられてしまうといったことが起こりにくい。攻撃も全てアタックボタンに集約されており、複数のボタンを組み合わせたり同時押ししたりと、複雑な操作というものが一切ないので、対戦やアクションゲームをあまりプレイしたことがないという人でも、すぐに慣れることができるだろう。

だからといって底が浅いゲームなのかというと決してそうではない。「FGO」同様に、サーヴァントは攻撃時には一度に5枚までのコマンドカードが配布され、一度の攻撃で3枚までのコマンドカードが消費される。アタックボタンを連打しているだけでも、自動で前3つのカードが選ばれるが、画面内のコマンドカードを直接タッチすることで、使用されるカードを任意で選ぶことができる。

バスターなら攻撃力が高い、クイックならクリティカルの発生に関わるスターが発生するなど、それぞれのカードごとに攻撃の効果が異なる(ただし、モーション自体の変化はない)のに加えて、同種のカードを揃えると「チェイン」が発生するのも「FGO」と同様。適当にカードを消費するより、ボーナスが加算されるチェインを常に狙う方が効果的な攻撃を行えるが、配置の都合上カードを選ぶにはどうしてもアタックボタンから一度手を離す必要がある。この間は敵の攻撃をガードできなくなるので、コマンドカードの選択は移動中や障害物に隠れた余裕のある状況で行うか、スティックを弾いて行う「回避」で攻撃を凌ぐなど、何かしらの対策を練る必要がある。

アルトリアであれば「カリスマ」など、「FGO」と同様にサーヴァント達は個別のスキルを習得しており、
こちらも画面のスキルアイコンをタッチすることで発動できる。

一度コマンドカードを消費すると、再びカードが配布されるまでの間には僅かにタイムラグがあり、コマンドカードが消失しているタイミングは、攻撃もガードも行えない隙だらけの状態となってしまうので注意が必要。ただし、これは当然敵にとっても同じで、カードが失われた状態となると「CHANCE」という文字が表示され、効果的な攻撃のタイミングというのがわかりやすくなっている。

またアプリ版と同様に、サーヴァントはそれぞれのNPをもっており、最大になると強力な切り札である「宝具」を使用できる。宝具は発動まで時間が掛かるものの、複数の敵も一度に攻撃できる強力な必殺技。ただ、NPが溜まる前に倒されてしまうことも少なくないので、積極的にアーツチェインを組みNPを溜めながらの戦いを意識したいところだ。

「霊基召喚」でサーヴァントを入手。初の10連の結果は……?

本作でプレイヤーが操作するサーヴァントは、「FGO」と同様の「霊基召喚」(ガチャ)によって獲得し、召喚に成功したサーヴァントのカードが筐体から排出される。異なるのは、何らかのクエストをクリアすると、霊基召喚を一度行える呼符必ず1枚を獲得できることと、実際に霊基召喚を行うには追加で1クレジットが必要になること。例えば1クレジット100円の店舗でプレイする場合、GPの購入に100円、そこからサーヴァントカードの排出を行うのに100円と、合計で200円が必要ということになる。手持ちのサーヴァントが十分になったなら、召喚を行わないという手もアリだが、召喚を行わない場合は獲得した呼符は失われてしまう。実質的には、2クレジットで1プレイというのが基本になってくるだろう。

「霊基召喚」では、サーヴァントだけではなく、サーヴァントに装備させることで効果を発揮する
概念礼装も排出されるのも「FGO」と同様。異なるのは、サーヴァントは星1~星5までが全て対象となるが、
(現段階では)概念礼装は星4以上のもののみとなっていた点だ。

一方、10連召喚の場合は、呼符ではなくクエストのクリア時や対戦後の報酬として獲得できる「聖晶粒」2500と、カード排出のための10クレジットの両方が必要になる(1クレジットが100円なら、聖晶粒2500個と1000円が必要)。聖晶粒は、課金ではなくゲームプレイでのみ獲得でき、上限である2500以上は蓄積されないため、一気に20、30連と回すことはできない。10回召喚は月に5回までという上限も定められているが、これらの制限は、プレイヤー間の格差が開きすぎないようにする配慮だと思われる。

個人的に嬉しかったのが、「FGO」でのサーヴァント召喚時の自己紹介は一枚絵にボイスつきの台詞が表示されるだけだが、本作ではサーヴァントごとに異なるモーションを見せてくれる。例えばレオニダスなら、非常に暑苦しい仕草でポーズをとったり、それぞれの個性を活かした「らしい」ものになっていたり、個々のサーヴァントのファンにとってはたまらない仕様だと感じられた。

なお筆者が本作を初めて試遊したJAEPO2018では、チュートリアルではいずれかのサーヴァントが完全にランダムで召喚される形式になっていたが、正式稼働版では最初に入手できるサーヴァントはマシュ・キリエライトとなっていた。ご存知の通り、マシュは「FGO」で必ず最初に獲得できるサーヴァントなので、より「FGO」本編に近い流れでゲームを開始できるようになったと言えるだろう。

今回の体験プレイでは、筆者も実際に10連召喚に挑戦。概念礼装「レコードブレイカー」がダブったもの、星4サーヴァントである「カーミラ」を引くことができ、上々の結果と言える。

写真だとわかりにくいが、この中の星5概念礼装「プリズマコスモス」と「理想の王政」は、ホログラム加工がなされてる。これは「Fatalカード」と呼ばれる、一定確率で排出されるレアカードで、通常のカードとは僅かに性能が異なるものになっている。星5礼装やサーヴァントだけではなく、低レアリティのサヴァントの Fatalカードも存在しているとのことだ。

シングル専用の「グランドオーダー」と、チーム戦の「グレイルウォー」の2種のゲームモード

本作のゲームモードは、シングル用の「グランドオーダー」と他プレイヤーとのチーム戦である「グレイルウォー」の2種類が存在し、それぞれにルールが異なる。

まずシングル専用となる「グランドオーダー」は、「FGO」本編と同じように世界に残された唯一のマスターとして各地の特異点のクエストをクリアし、焼却された人理を修復していくモード。「FGO」のメインシナリオに沿う形でクエストが進行していく。

この「グランドオーダー」の序盤に登場する敵はさほど強くないので、ゲームを始めたばかりの初心者がプレイするのにはうってつけ。クエストをクリアすれば、素材や呼符もしっかりと獲得でき、自身のデッキの強化することもできるので、まずはこの「グランドオーダー」をプレイし、操作やシステムに慣れておくことをオススメしたい。

「グランドオーダー」におけるクエストは、「FGO」と同様にいくつかのWAVEに分けられており、それぞれのWAVEで待ち受けるエネミーを全て撃破することでクエストクリアとなる。事前には最大3体までのサーヴァントを編成して出撃するが、一度に出撃できるのはその内の1騎のみ。WAVEを1つクリアするごとに自動で後続のサーヴァントへの交代が行われる。

例えば、先頭からマシュ、清姫、アルトリアの順にチームを組んだ場合、1WAVEにマシュ、2WAVEに清姫、3WAVEにアルトリアが出撃するようになる。基本的にボスエネミーは最後のWAVEに登場するが、そのWAVEで出撃したサーヴァントが撃破された場合、控えている後続のサーヴァントが出撃するようになっているので、必ずしも3WAVE目に強力なサーヴァントを配置しておく必要はない。

嬉しいのは、クエストの選択画面からBGM、ステージまで、アプリ版の「FGO」の世界観が徹底的に再現されていること。あの思い出深い特異点の数々を、自らの操作でもう一度突破していけるというのは、「FGO」ファンにとってはたまらないはず。今回のプレイではたどり着けなかったが、個人的にはオルレアンに出現するであろうワイバーン達をジークフリートで蹴散らし、佐々木小次郎に負けないドラゴンスレイヤーっぷりを発揮したいところだ。

ただ、「グランドオーダー」では「FGO」本編にある膨大なストーリーテキストはほぼ存在しない。どちらかというと、すでに大まかなストーリーを知っており、該当するシチュエーションで想像を働かせられる、既存の「FGO」プレイヤー向けのモードだと感じた。

一方の「グレイルウォー」は、ネットワークで繋がったマスターと3人1組のチームを組んで、他のマスター達と戦うチーム対抗戦モード。相手チームのサーヴァントを倒すと画面上中央に表示された自チームの「撃破ゲージ」が加算されていき、このゲージを先に最大するか、制限時間終了までに多くのゲージを溜めた側のチームの勝利となる。

「グレイルウォー」でも、事前に3体までのサーヴァントと概念礼装を編成することができるが、こちらでは敵に撃破されてしまった場合のみ、後続のサーヴァントと入れ替わるようになっている(任意のタイミングでの交は不可)。

なおこれは「グランドオーダー」においても言えることだが、サーヴァントの編成はそれぞれマスターレベルに応じたコスト上限が設けられている。そのため、ゲームを始めたばかりの頃はコスト不足からサーヴァントを編成できないという事態も起こりうるのだが、その場合はサポート枠としていずれかのサーヴァントが自動で編成されるようになっているので安心だ(ただし、「FGO」のように自分でサポート枠のサーヴァントを選ぶことはできない)。

また敵味方合わせて7騎のサーヴァントが撃破されると、「FATAL TIME」と呼ばれる状態へと突入し、7騎目を撃破したサーヴァントの元に聖杯が顕現する。この状態で敵を撃破すると、より多くの撃破ゲージを獲得できるようになるため、一発逆転を狙うチャンスができる。どちらのチームが7騎目を倒すか、聖杯を獲得したサーヴァントをいかに封じるかという、巡る駆け引き的な面白さはもちろんのことながら、原点である「Fate/stay night」での聖杯戦争の設定を元にしたと思われるシステムに、「Fate」シリーズファンとしては思わずニヤリとさせられる。

セイバーはランサー、アーチャーはセイバー、ランサーはアーチャーに有利と、「FGO」でサーヴァントがそれぞれ持つクラス相性は本作でも健在だが、「グレイルウォー」ではさらにそれが重要になる。当然、相性がいいクラスのサーヴァントを攻撃するのがセオリーになってくるだろうが、ランサーを倒すために近づいてきたセイバーを、味方のアーチャーに攻撃して弱点を補いあったり、3on3のチーム戦ならではの様々な戦術が考えられる。

個人的に鍵となるのではと思っているのが、全クラスの弱点をつける代わりに、被ダメージも倍増するバーサーカーのクラス。「FGO」では、被ダメージが増大するバーサーカーの運用はある種の運任せになってしまう部分が大きいが、本作ではプレイヤースキルでそれを補うことができる。また、ギリギリまで相手チームのクラスが分からない「グレイルウォー」では、相性のいいサーヴァントを優先して選ぶということができないので、どのクラスとも渡り合えるバーサーカーはかなり貴重な存在。その分、敵からの集中攻撃を受けやすくもなるだろうが、ゲームに慣れていけばいくほどその真価を発揮できるのではないかと感じられた。

アーチャーやキャスターはやや特殊で、エミヤやアタランテ、クー・フーリン(術)など、遠距離攻撃をもっているサーヴァントが存在する。本作の通常攻撃は、敵とのターゲットカーソルが赤色の状態(かなり近くまで近づいた状態)でなければその場で空振りしてしまうのだが、遠距離攻撃持ちならその心配はない。敵との距離に応じて自動で遠・近の攻撃が切り替わるようになっているので、遠距離メインのキャラクターにありがちな扱いにくさはなく、初心者でも戦いやすいキャラクターになっていると感じられた。

コストで管理された少人数でのチームバトルという面では「機動戦士ガンダムvs.」シリーズや、「ディシディア ファイナルファンタジー」といったアーケードの人気シリーズにプレイ感覚は比較的近いが、それでいてとにかく操作が簡単でなのが本作の大きな特徴。プレイヤースキルによる実力差が比較的出にくいようになっているため、対戦ゲームとしての間口が非常に広く、アクションゲームがあまり得意ではない人でも、十分に対戦の醍醐味を味わえるような作りとなっている。

また全体のプレイを通して強く感じたのは、UIや音楽、サーヴァントの再現度に至るまで、「FGO」らしさを感じさせるための細部に渡るこだわりが尋常ではないことだ。誰でも遊べる対戦ゲームとして、「FGO」の知識が一切なくとも楽しめるのは間違いないのだが、それ以上に「『FGO』ファンが遊んで楽しい」という点何よりもを重視して作られたタイトルであるという印象を受けた。

素材や種火、QPを使用してサーヴァントを強化していく育成システムも、「FGO」とほぼ同様だ。

開発陣の「FGO」への愛がこれでもかと詰められた「Fate/Grand Order Arcade」。「FGO」プレイヤーであれば、まず間違いなく楽しめる出来となっているので、普段アーケードゲームをあまりプレイする習慣がないという方も、是非ともこの機会にゲームセンターへと足を運んで見ることをオススメしたい。

関連ワード

(C)TYPE-MOON / FGO ARCADE PROJECT

※画面は開発中のものです。

この記事のゲーム情報

Fate/Grand Order Arcade

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