CygamesがiOS/Android/PC向けに配信中の「プリンセスコネクト!Re:Dive」。2018年2月15日の配信開始から半年を迎え、ゲームの現状とこれからについてプロデューサーの木村唯人氏にメールインタビューを実施した。
“アニメRPG”というコンセプトに違わないビジュアルのインパクトがありつつも、プレイヤーにストレスを感じさせないUIの構築など丁寧な作りが印象的な「プリンセスコネクト!Re:Dive」(以下、プリコネR)。配信開始から半年を迎えて行われている「Half Anniversary キャンペーン」も大きな反響を得ており、今年リリースされたタイトルの中で今なお盛り上がりを見せるタイトルの一つとなっている。
Gamerでは、さまざまな機能が追加されるとともに、ゲームサイクルも見えてきたこのタイミングで、本作のプロデューサー・木村唯人氏にメールインタビューを実施。ゲームの魅力についてさまざまな面から改めて伺うとともに、配信開始後に実装されてきたコンテンツの現状や展望についても、可能な限り回答していただいたので紹介しよう。
――「プリコネR」をプレイしてまず驚くのはアニメーションを始めとした、コンテンツ全体のクオリティの高さですが、制作する上でどのような意図をもって取り組まれたのでしょうか?
プリコネRの世界観やヒロインたちをどのようにユーザーの皆様に伝えるかを考えた時「アニメRPG」というコンセプトを思い立ちました。アニメとゲームの融合を掲げリッチなアニメーションや使い勝手のよいUIなど目に見えるところ以外にも、画面遷移の高速化などあらゆる面で質の高いコンテンツを目指しました。
――メインストーリーは各章ごとにEDや次回予告が用意されていたりと、ひとつのアニメーション作品のような構成になっている印象ですが、こちらは意識されているのでしょうか?
はい。「アニメRPG」を実現するにあたりEDや次回予告といったテレビアニメのフォーマットをメインストーリー内に落とし込んでいます。制作中盤くらいまでは次回予告のみが存在し、デザインチームから「EDも作れそうなんで作っていいですか?」と提案があり現在の形になっています。
――アニメムービーからADVパートへのスムーズな移行にリリース時から驚かされたのですが、この仕様は当初から考えられていたのでしょうか?
はい。単にゲーム内にADVパートを入れるだけでは、ユーザーの感情を途切れさせてしまいます。アニメの興奮を持ったままADVパートをプレイしていただくために、アニメパートとADVパートがシームレスに繋がるようにしました。
――単純なアニメーション以外にも、バトル中でもデフォルメされたキャラクターたちがアニメーションしますが、アップデートを重ねて、独自のモーションも加えられています。これらのアイデアはどのようなところから生まれてくるのでしょうか?
開発チームのスタッフたちから自発的にアイデアが上がってくることが多いですね。すでに完成しているモックを持ってきてくれたりもします。スタッフはみんなプリコネが大好きなので、どうすればユーザーにキャラクターを好きになってもらえるかということを、常に考えてくれています。
――大きな流れの中で物語が進行していくメインストーリー、キャラクターの普段の姿や交流を楽しめるキャラクターストーリー・ギルドストーリーと、振り幅の大きなストーリーが用意されているのも魅力だと思いますが、日日日氏にシナリオをお願いする上で、意識している点があればお聞かせください。
ストーリーをゲームシステムと分けることで、シナリオに自由度を持たせることができました。
メインストーリーは、前作「プリンセスコネクト!」の世界観や資料を元に、日日日さんと何度も会議をしながら流れを構築しました。世界の謎を探究する物語なので、必然的に重厚でシリアスな面も描いて頂いています。
その分キャラクターキャラクターシナリオは、ヒロインたちのかわいさを前面に押し出した作風にしています。前作のキャラクターシナリオのエピソードなども可能な限り踏襲し、前作をプレイしている方にも喜んでいただけるように作っています。
前作では登場ヒロイン同士の交流が余りなかったので、今作ではギルドシナリオを作成しました。こちらはヒロインたちの楽しい日常を描くようにしています。
その女の子の交流をもう一段深く描いているのが、毎月開催しているストーリーイベントです。ただかわいく楽しいだけでなく、ヒロインたちのつながりを描くエピソードとなっています。
――それぞれのキャラクターが生き生きと描かれているのも日日日氏のシナリオならではだと思いますが、その中でコラボキャラクターとして登場するジータ、モニカ、アリサについても世界観に馴染んだストーリーが用意されている印象でした。このあたりのこだわりについてもお聞かせください。
コラボキャラに関しては、そのキャラクターのファンの方、そしてプリコネRで初めてそのキャラクターを知る方の両方がいらっしゃるので、どちらの方々も違和感なく楽しんで頂けるストーリー作りにこだわりました。
――個人的には限定のキャラを除けば、メモリーピースを集めることでキャラクターを解放できるのがガチャに依存しないという意味でも嬉しいところでした。この仕様についてはどのような意図があったのでしょうか?
自分が気に入ったキャラクターを育ててゲームを楽しんで頂けるよう、キャラクターに格差を設けず「全キャラを最高レアリティにできる」というのは開発当初から構想としてありました。
また、どのキャラクターも育てると「そのキャラクターならではの強み」を持つよう設計することで、パーティ編成を考える楽しみを創り上げたいという意図もありました。
――バトルアリーナ、プリンセスアリーナはゲームバランスの面でも難しい要素ではないかと思いますが、特に新たなキャラクターを追加される際などに意識されている点はありますでしょうか?
プリコネRでは、取り得るパーティ編成の組み合わせが膨大なため、通常のバランス調整方法では限界があります。そこで独自のシステムを構築することで、新たにキャラクターを追加した際も極端にバランスが壊れないように調整しています。
――クランバトルも実装されてからしばらく経ちましたが、現状での手応えはいかがでしょうか?
クランバトルに関しては盛り上がっていることもあり、ご意見もよく頂くコンテンツなのですが、ひとまずは成功していると考えています。
プリコネRには、多様な楽しみ方があってよいと思っているので、やり込みたいプレイヤーの皆様はいかに高いダメージを与えるかパーティ編成にこだわって頂き、ライトに楽しみたい皆様にとってはサクッとプレイできるコンテンツに仕上げられたと思います。
もちろんクランバトルに限らずコンテンツのブラッシュアップは引き続き続けていきますのでご期待ください。
――ストーリーイベントも含め、ひと月ごとのゲームサイクルが出来上がってきたように感じます。遊び方の違いはあれど、基本的にはこのサイクルの中でユーザーの方に遊んでほしいというイメージでしょうか?
直近の予定としては、新コンテンツ「ルナの塔」の追加も考えていますし、それ以外にもプレイヤーの皆様が継続的に楽しんで頂けるような新たな仕組みも計画しております。
――先日(8月9日)のアップデートで細かな機能追加・改善がされているなど、アップデートを通じてユーザーが遊びやすい環境づくりを意識されているように思いますが、そういった点も踏まえて今後の運営方針についてお聞かせください。
改修における方針としては、可能な限りプレイにおけるストレスを軽減することを目指しています。また、それだけではゲームがワンパターンになってしまうので、プレイヤーの皆様がより熱中できるような仕掛けも計画しております。
リリースから半年が経ち、プリコネRもたくさんの方に遊んで頂けるようになりました。今後も、多くのプレイヤーの皆様にプリコネRを楽しんで頂けるようゲームの枠組みにとらわれず挑戦していきたいと思います。