2019年3月8日、カプコンより発売になる「デビル メイ クライ 5」(以下、「DMC5」)の先行プレイレビューをお届けする。
また、この先行プレイレビューと共に、開発陣にインタビューも行っている。ぜひこのプレイレビューの内容を頭にいれてから、そちらのインタビューにも目を通してほしい。
ダンテは初代からのユーザーには指馴染む操作性
今回試遊させてもらったダンテ編は、崩壊した高層アパルトメントのような場所が舞台となっている。試遊時の雰囲気からすると、恐らくは「DMC4」の時のように、ストーリーの進行に応じて、特定のミッションで操作キャラがダンテへと変わるのだろうと思われた。
基本の操作は「DMC4」のダンテが一番近い印象だ。今回の試遊で使えた武器は、以下の通り。まず、近接武器はお馴染みの剣リベリオン、殴りと蹴りを出すバルログ、そしてバイク型の武器のキャバリエーレの3種類。特にキャバリエーレはバイクとして乗って攻撃することもできるが、双剣のような形になって攻撃することもできる、面白い武器だ。
遠距離武器は、ハンドガンのエボニー&アイボリー、そしてショットガンのコヨーテAの2種類。
スタイルは移動・回避特化のトリックスター、遠距離攻撃特化のガンスリンガー、近距離攻撃特化のソードマスター、防御・カウンター特化のロイヤルガードの4種類。
もちろんダンテが魔人化するデビルトリガーもあり、DTゲージが3まで貯まると魔人化することができる。魔人化の発動中はスーパーアーマー状態になり、攻撃力も上がり、HPが徐々に回復するなど、プレイヤーに有利な効果が様々得られる。
実際にゲームを起動してまず思わず漏れたのが「…綺麗ですね…」という、感嘆の声だった。そうしていざダンテを動かしてみて、あまりに滑らかかつスピーディーな動きに感動し、音楽のカッコよさに痺れ、全てリアルタイムレンダで描かれるカットシーンの美しさに、溜息が零れた。
基本のゲーム内容については「DMC」をよく知るユーザーならばそこまで大きな変化があるものではない。マップを進んで行けば敵がポップし、その敵を華麗なコンボで倒し、スタイリッシュランクを上げながら、マップ最後にいるボスを目指すことになる。
どのゲームでも重要な要素のひとつであるキャラクターの移動速度は、まさに「快適」の一言に尽きる。適度にスピード感があり、それでいてこちらが違和感を覚えるほど早くもなく、非常にスムーズにマップを移動できていて、ストレスがまったくない。
ダンテ編ではスタイルと武器をひたすら切り替えながら戦うことになるが、歴代の「DMC」プレイヤーならば恐らくはこれまでとほぼ変わらない感覚で使用することができるだろう。
ダンテのスタイルは、初心者やアクションがあまり得意でないユーザーならば、トリックスターをデフォルトにしておくのがおすすめだ。慣れてきたら状況に応じてスタイルを変えていくようにする、というだけでも十分に楽しむことが出来る。
HPが少なくなってきたのに回復用のグリーンオーブが落ちていないという時は、魔人化してHPを回復するといい。試遊時の感触では、デビルトリガーは比較的貯まりが早く、魔人化を積極的に使っていっても良さそうに感じたので、危なくなったら魔人化、を覚えておくといいだろう。
また、日本語ボイスが実装されたことによって、カットシーン以外でもマップを進みながらダンテがぽろりと今の心境や状況を呟いたりする場面が多々見られた。ストーリーに直接関係のあるセリフはないかと思われるが、これまでカットシーン以外ではセリフらしいセリフを喋ることがなかったので随分と新鮮に感じつつ、キャラクターの心情などをより深く理解することができるセリフもあるので、道中での細かいセリフにも注目しながら進めてほしい。
試遊のマップで感じたオートマチックアシストの有難み
「DMC」シリーズ不変のテーマである「いかにスタイリッシュで美しいコンボを作るか」という点については、今作でもどれだけ敵の攻撃を受けずに様々な武器を使いこなすかが重要になってくる。ましてや敵はほぼ複数で出現するため、最初のうちは敵の攻撃パターンも読みにくく、なかなか思う通りにコンボをつなげられるプレイヤーはいないだろう。
だが、うまくコンボがつなげられない人やアクションゲームが苦手な人のためにあるのが、”オートマチックアシスト”機能だ。オートマチックアシストとは、例えば適当に攻撃ボタンを連打していれば、タイミングなどは一切関係なく自動的にコンボ1→コンボ2→コンボ3…とつながっていく機能。
ダンテはスタイルを変えつつ、近距離遠距離の武器も変えつつコンボコマンドを入力するという、比較的マニアックな操作が要求されるキャラキターだ。実際にどのようなコンボがあるかはここでは割愛するが、初心者はダンテのコンボのコマンドとスタイルの切り替えを見ただけでも、恐らくは「難しい」という気持ちになるだろう。
かくいう筆者も、アクションが好きなのにアクションが下手で、スタイル切り替えを必要としないコンボは出せるものの、コンボ1発目と2発目はソードマスター、コンボ3発目でトリックスターに切り替える、というようなコンボはなかなか出せない程度の腕前だ。ましてや筆者も「DmC」以来の復帰となるので、もうコンボのコマンド自体、覚えてもいない。
そんな筆者でもオートマチックアシスト機能のおかげで、今回の試遊中にスタイリッシュランクSSSを出すことに成功している。いわゆる”レバガチャ”プレイでも、SSSが出せるのが、オートマチックアシストの素晴らしいところなのだ。
このオートマチックアシストだが、今作からゲーム中にいつでもオン・オフの切り替えが可能になっているのも注目ポイントだ。「DMC」に慣れているユーザーでも、いきなり新システムでコンボをつなげるのは自信がないと思ったらオートマチックアシストをオンに、ある程度掴めてきたらオフにする、というような遊び方が可能になっている。
また、今作ではスタイリッシュランクに応じてバトル音楽がどんどん変化していく演出もある。ネロのバトルテーマは既に2018年6月に開催されたE3にて公開されているが、ダンテ編の音楽もTGSにあわせて公開される。このバトルテーマが最高にかっこいいので、ぜひ実際にバトルの中で自分の動きに応じて盛り上がっていく音楽にも注目してほしい。
マップの最後に待ち構えていたボスの黒騎士は相当の強敵で、一度で勝てた人はほとんどいないらしい。一撃が重く、これまでのような”レバガチャ”では、いくらオートマチックアシスト機能をオンにしていても、あっという間にこちらのHPが削られてしまう。できるだけ距離を取って、黒騎士の攻撃をきちんと回避しつつ、大ダメージを入れるタイミングを狙いたい。
筆者はコンティニューを一回してなんとか勝つことが出来たが、それでもこちらの残りHPは1ミリという状態での辛勝だった。黒騎士を倒すと「DMC5」の重要なストーリー進行が見られるらしいので、実際に製品版を遊ぶのが楽しみだ。
ダンテの新しい姿は、10年待ったファンを歓喜させるに相応しいものであった。
筆者は特にキャバリエーレがお気に入りで、試遊でもついついキャバリエーレを多用してしまったが、バイクになったり双剣になったりというキャバリエーレの多彩な攻撃は、実際に体験してみてほしい。
ひたすらに華麗なコンボを追求したい人、なんとなくボタンを押しているだけでかっこいいプレイが出来るのを楽しみたい人、キャラクターに惹かれた人、世界観に魅了された人、「DMC5」に興味がある理由は人それぞれだろうが、そのいずれのファンの欲望を満たす作品になってくれていそうだ、と感じられた。恐らく今作でも搭載されていると思われる極悪な難易度のモードで、自分の腕を極限まで試したいという、ディープなユーザーもいるだろう。
「DMC5」の片鱗については、前述の「DMC5」開発者インタビューでも迫っているので、ぜひそちらにも目を通してほしい。