2019年3月8日にカプコンより発売される「デビル メイ クライ 5」(以下、「DMC5」)について、開発に携わったカプコンの伊津野英昭氏、岡部眞輝氏、マシュー・ウォーカー氏3名へのインタビューの模様をお届けする。
なお、このインタビューは「DMC5」先行プレイ後に行われているため、ぜひ「DMC5」プレイインプレッションの記事から先に目を通してほしい。
気になる三人目のプレイアブルキャラクター…その名は「V」
――「デビル メイ クライ 5」(以下、「DMC5」)は、10年ぶりの「デビル メイ クライ」シリーズのナンバリングとなりますね。何故今、「DMC5」を作ろうというところに至ったのかをお聞かせいただければと思います。
伊津野氏:4年くらい前に急に「DMC5」を作りたくなって、それでうちの上層部の方たちに「作りたいのですが、いいでしょうか」とお願いしに行きましたら、意外とあっさり「いいんじゃないか」とOKが出まして、割と珍しい流れで作らせてもらうことになりました。普段は、こういう流れで制作が始められることはあまりないんですよ。
「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」(以下、「DMC4SE」)は、「DMC5」を作るのが決まったのとほぼ同時に進行していましたので、実際に「DMC5」の制作に入ったのは「DMC4SE」の後になります。つまり「DMC5」は、3年前くらいから制作を開始したということになります。
――「DMC4SE」を作ったことが「DMC5」へのきっかけになったのかと思っていたのですが、違うのですね。
伊津野氏:「DMC4SE」は関係ないんですよ。「デビル メイ クライ」に限らずシリーズ作品をずっと作っている人はきっと共通の気持ちだと思うんですが、ひとつを作り終わるとやり切った感があって、当分このゲームは作りたくないってなるんです(笑)。実際「DMC4」も当時はそういう感じだったんですけれど、何年か経つとやっぱりまた作りたくなるんですよね。そのタイミングがたまたま「4SE」のタイミングと重なっただけです。
――「DMC5」は「DMC4」の数年後ということですが、「DMC4」と「DMC2」の間ということでよろしいのでしょうか?
伊津野氏:「DMC4」の後であることはもう明かしていますけど、「DMC2」の前かどうかは今のところ語っていないですね。そこはあえて、現時点では明言しない方向で(笑)。
――では、気になる3人目のプレイアブルキャラクターですが、これはバージルなのでしょうか?
岡部氏:このポスターの右端にいる謎の男ですね。
伊津野氏:9月20日からの「東京ゲームショウ2018」(以下、「TGS」)にて、謎の男「V(ブイ)」ということで、こちらを向いた容姿が公開されます。
岡部氏:でもまだ、この「V」の正体とかはわからないです。
伊津野氏:TGSで、「V」の日本語音声も公開されます。
――日本語で喋るということは、声優さんから正体の予想がついたりするとか?
伊津野氏:それはないです。
――つまりこれまでのシリーズで日本語音声があるキャラクターではない、ということですね。
伊津野氏:そういうことになりますね。
「DMC5」はHDR対応! より美しい映像で遊ぶことが可能に
――先日試遊をさせていただきまして、まずは映像のあまりの美しさに驚きました。「バイオハザード7」(以下、「バイオ7」)で使用した「RE ENGINE」を使用されているとのことですが、映像の美しさでは「バイオ7」を超えた気すらしました。
岡部氏:ありがとうございます!
伊津野氏:「RE ENGINE」のデビュー作が「バイオ7」だったので、まだまだチューンナップの余地を残したエンジンだったんですね。
そもそも「RE ENGINE」は「バイオ7」専用エンジンとして立ち上がっていますので、派手なエフェクトの機能とかは全然入っていなかったんですよ。それを「DMC5」開発時に、どんどん機能を拡充していきました。
当時の「RE ENGINE」から2年が経っていて大分熟成も進んでいますので、映像の美しさ的に「バイオ7」を超えた感じがしても大丈夫かなと思います(笑)。
岡部氏:新作としてはやはり超えていかないといけませんしね(笑)。
伊津野氏:(笑)。まぁそんな訳で、「RE ENGINE」が「スタイリッシュRE ENGINE」になった、という感じですかね。「バイオ7」専用エンジンから、随分と汎用的な機能が多くなりました。
ウォーカー氏:「DMC5」は、兄弟タイトルの「バイオハザード RE:2」(以下、「RE:2」)と同時に社内で作られていたんですね。「RE ENGINE」は、「RE:2」のために更に進化させていき、そして「DMC5」のためにも進化して、お互いの開発チームでその技術を共有することができました。だからそれもあって、かなりパワーアップできたかなと感じます。
「DMC5」のカットシーンは、リアルタイムでよくあんなに綺麗なものを描けたな、というくらいに綺麗で、ハリウッド映画と比べても遜色ないクオリティを出せたと思います。
――その美麗なグラフィックをより堪能したいのですが、「DMC5」はHDR対応はしているのでしょうか?
伊津野氏:はい。PS4 ProとXbox One X、どちらも4KでのHDR対応をしています。
――では環境が整っているユーザーは、更に綺麗になるということですね。
伊津野氏:ちょっとびっくりするくらい、綺麗だと思いますよ。ちなみに僕は「DMC5」が発売になったら、自宅でのHDR環境を整える予定です(笑)。
「オートマチックアシスト」機能は、ゲーム中いつでもオンオフ切り替え可能!
――まずネロ編を遊ばせていただいて、アクションが好きなのにアクションが下手という私でも「オートマチックアシスト」のおかげでとてもスムーズに遊ぶことができました。このオートアシストは、今作でもゲームの難易度関係なく使えるのでしょうか?
伊津野氏:はい、オートアシストは難易度に関係なく存在する機能ですので、どの難易度でも使うことができます。
僕らはアクションゲームに厳しい人たちなので、ゲーム開始時にオートマチックアシストのオン・オフを選んでもらうようにすることしか考えていなかったのですが、うちのボスのほうから「もっと気軽にスタイリッシュさを味わえるように、いつでもオンオフできるようにしてほしい」という要望があったので、今作からは右レバーを押しっぱなしで、いつでもオートマチックアシストを切り替えられるようになりました。
例えば「新しい武器を手に入れたけど使い方がよくわからない」というときはオートマチックアシストをオンにしていただいて、「こんな使い方ができるんだ」とわかってからはオフにして自分で色々試してみるとか、そういった切り替えができるようになります。
――ゲームの難易度は何段階まであるのでしょうか?
岡部氏:ひとつじゃないのは確かですね。
伊津野氏:とりあえず、最初から解放されているのは、2つですね。ヒューマンと、デビルハンターです。残りはクリアするごとに解放されていきます。多分、ご期待通りのやつもあるかと思います。
――今回も、スタイリッシュランクはSSSが最高ですか?
伊津野氏:SSSが最高ですが、SSSをどれだけ長くキープできるか、というところは結構難しいと思います。
――確かに、試遊でSSSが出せたのも一瞬だけでした。ポイントの稼ぎ方は基本的にこれまでのシリーズと同じで、できるだけ違う武器やコンボ、スタイルを切り替えていけばいいのでしょうか。
伊津野氏:はい。今回は、ネロが使える「ブレイクエイジ」という大技があって、このブレイクエイジはデビルブレイカーを破壊するのと引き換えに敵に大ダメージを与えるんですが、ブレイクエイジでフィニッシュしていくと、よりたくさんスタイリッシュポイントが貯まります。
スタイリッシュランクを維持しようとすると、ブレイクエイジをどこで出すかというのも重要になってきますね。
伊津野流ゲームの作り方―こだわりぬいた細部の演出の数々
――デビルブリンガーはネロにとってとても特徴的な武器だったと思うのですが、そのネロの特徴をあえて切り捨ててデビルブレイカーに変えたのは何故でしょう?
伊津野氏:「DMC5」は「DMC4」の続編になりますので、ゲームをプレイしてもらうユーザーの皆さんがどんな場面になったら気持ちが盛り上がるかなぁと考えた時に、「DMC4」の時にあれだけ強くてかっこよくて斬新ですごかったデビルブリンガーを、開幕でいきなり奪われたらこの先が気になるんじゃないかって思ったんですよ。ネロと一緒に、ユーザーの皆さんにも、スタートから「どうすればいいんだろう」という気持ちになるようにしたかったんですね。
「DMC3」のオープニングでも、ダンテがいきなりバージルにリベリオンごと腕を斬られるというシーンを入れていますが、あれはレーティングの問題があったので実際には袖が切れただけなんですけれど、最初の案ではダンテは腕ごと斬られていたんです。つまり僕は、開幕で一番強いところを奪うのが好きなんです(笑)。
あと、ネロがデビルブレイカーを破壊されても、「まだ次があるぜ!」と新たなデビルブレイカーを腕にはめる、という演出をやりたかった、というのもあります。
――まず演出面が先だったんですね。
伊津野氏:そうです、ネロが血をぬぐいながらそれをやるっていうのがやりたかったんですよ。ゲーム性とかは、それができるゲーム性を後から整えていって、まずはかっこいいシチュエーションありきで作っています。
――伊津野さんは普段から「こんな場面があったらかっこいい」というあたりからゲームを作成されることが多いのでしょうか?
伊津野氏:僕はストーリーから何から、全部そうですね。このシーンを作りたいからこのストーリーを作る、という感じです。
わかりやすくいうと、「DMC3」では最後に敵だったバージルが次元の壁を破って「待たせたな」と助けに来るあのシーンをやりたいというのと、ラストに2人がすれ違ってバサッと斬り合うシーンがやりたかったんです。
…とはいっても僕が最初に頭の中で作っていた絵コンテでは、あの最後の斬り合うシーンではバラの花びらがファーっと舞うような感じだったんですが(笑)、実際には少し違う絵にはなってしまいました。その2つのシーンをやりたいがために作ったストーリーが、「DMC3」でした。
――良作と名高い「DMC3」が、そういう経緯で作られていたのは驚きですね。
伊津野氏:今作も詳細は明かせませんが、僕が見せたいシーンのために作ったストーリーです。ネロのデビルブレイカーも然りです。
僕はまずネタが思い浮かぶタイプで、そのネタを作りたいがために「DMC5」を作りたくなったんですね。今回まだ全然明らかにしていないストーリーの詳細なども全部まとめて、セットでぶわっと思い浮かびました。
――デビルブレイカーがゼロになった時に、ネロの右腕の肘から先がなくなるという細かい演出にも、こだわりを感じました。
伊津野氏:そこはすごくこだわった部分です。間に入るカットシーンでもネロの右腕の状態は全部反映されるので、ネロの大事なシーンは右手を一切使っていないんですよ。
ウォーカー氏:これは、このインタビューで初めて明かした事実ですね(笑)。
伊津野氏:何も考えないでプレイしていると多分気が付かないと思うんですけれど、「あれ、このシーン右手ないけれどどうなるのかな」というところは、ちゃんとうまいことになっているんですよ!
岡部氏:そこはゲームならでは、という感じですね。
試遊版とゲーム本編での違い―まずは試遊版について掘り下げる
――ネロ編の試遊ではデビルブレイカーはかなりたくさん落ちていましたが、実際のゲームでもあれくらい落ちているんですか?
伊津野氏:デビルブレイカーは、まず皆さんに使ってみてもらいたいというのがあるので、今回の体験版では多めに配置しています。
今回の体験版でプレイするマップはゲーム本編だと「ミッション2」の想定なので、ゲームを起動して最初にプレイするマップではないんですね。でも皆さんにとっては初見のマップですし、デビルブレイカーも色々試していたらすぐになくなっちゃうだろうな、ということで、多めにしてあるんです。
――ではあれは体験版の特別バージョンということですね。
伊津野氏:そうです、実際のゲームではあそこまでたくさんは落ちていません。そのかわりステージの後半あたりで「DMCモーターホーム」という大きいトレーラーを電話で呼び出すことが出来て、そこでレッドオーブと引き換えに補充するという感じです。
――なお、試遊ではデビルブレイカーをかなり使ってしまって、あれだけ落ちていてもすぐに残数がゼロになってしまっていたのですが、開発側のデビルブレイカーの使用頻度や使用タイミングなどはどのようなものを想定されているのでしょうか。
伊津野氏:今回の試遊版ではデビルブレイカーを4個まで持てたかと思うんですが、実際のゲームスタート時は3個しか持てないです。…ということは!?っていうのが、ある種のヒントです。
ゲーム本編のように皆さんに「DMC5」のシステムをきちんと理解してもらってから遊んでいただくのではなく、限られた時間の中で初めてのゲームを遊んでいただくので、体験版は特別にしてあります。
ウォーカー氏:そうですね、体験版は所持数が増えているんですよね。そこは実際の本編との違いで、攻略の鍵ですね。
伊津野氏:ネロは操作がシンプルで、持っているデビルブレイカーをいつどのように使うかっていうのがテーマのキャラクターなので、デビルブレイカーもボタンを一回押すか、溜め押しして離すかだけしか使い方はないんですよ。使うタイミングが地上なのか空中なのかによって変わるというのもありますけれど。
「DMC4」でデビルトリガーを使った時の投げ外しとか、ピンチから脱出する用途で使っていたのと同じような感じで使ってもらいたくて、それでこのボタン配置にしてあります。デビルブレイカーも自分の意志で爆発させて緊急脱出をすることが出来るんですが、ただ緊急脱出用として使っているとすぐにゼロになってしまいます。
あと、デビルブレイカーの溜め中に敵から攻撃を食らうと壊れてしまうので、すぐゼロになってしまう人はちょっと使い方をコントロールしていただいたほうがいいかな、というのはありますね。
ネロが持てる数の上限と、途中で自由に補充できる場所があるということ、あとはマップにもところどころ落ちている、という点を計算していただいて、うまくいいところでタイミングよくデビルブレイカーを使えるようにというマネージメントも、今回の遊びのひとつにしてほしいなぁと考えています。
なので、デビルブレイカーが足りなくてボスが倒せなかった、という時は、「道中では温存しておこう」とか、逆に「ここの戦闘が終わったらこのあとデビルブレイカーが手に入るはずだから、全部使っちゃっても大丈夫」だとか、そういう計算をしながら使っていただく想定です。
――TGSの体験で、ユーザーの皆さんに試してみてほしいプレイとかはありますか?
伊津野氏:ゲーム本編だと後半にならないと手に入らないスキルとかもTGSの体験版ではオープンにしているので、いきなりコンボ職人さんたちが頑張って作らないといけないようなプレイまでできてしまうようになっています。
TGSでの見せプレイを意識してプレイしてくださる方が現れるのを、僕たちも楽しみにしています。ぜひ、えげつないプレイをやっていただけると嬉しいです。
岡部氏:日本の方たちには、「DMC」発祥の地として素晴らしいコンボを披露していただき、その動画をネットとかで上げてくれると嬉しいなぁと思いますね。
伊津野氏:挑発も惜しまずに全部いれちゃっているので、色んな挑発を試してもらうといいかと思いますね。
ウォーカー氏:スタイリッシュランクによって、出る挑発が違うんですよね。
伊津野氏:ランクによっても違いますし、地上空中でも違うので、挑発はめちゃくちゃたくさん入っています。色々試していただけると嬉しいですね。試遊は15分しかないので、その15分をそれだけに費やすのももったいないと思うんですけれど(笑)。
でも最速で10分くらいでボスを倒せるようにはなっているので、残りの5分で色々試せる時間は出来ると思います。
ネロのEXアクトは、前作より大幅に出しやすくなっている
――ネロのイクシードですが、「DMC4」同様、今作も柄にあるスロットルをひねることでEXゲージを溜めて消費、という感じですよね?
伊津野氏:はい、同じです。
――イクシードのEXアクトについては、私は多分今回の試遊では出せていないのですが、こちらも「DMC4」と同じ仕様でしょうか?
伊津野氏:EXアクトは「DMC4」の時があまりに難しく、特にMAXアクトについては受け付けフレームが1フレームとか2フレームとかで難しすぎてプレイヤーの皆さんがチャレンジすらしなくなる、という傾向があったので、大幅に出しやすく調整を加えています。MAXアクトはあまり判定は変わっていないんですけれど、EXアクトは大当たり、中当たり、小当たりくらいの判定があって、バッチリのタイミングじゃなくてもEXアクトの効果があるようにしました。
チャレンジすることは損じゃないので、バッチリ出せるところまで練習がてら試すことができるようにしていますから、今回はぜひ皆さんEXアクトにチャレンジしていただきたいと思います。
――大当たりが出ればラッキーくらいのつもりで使っていけばいいんですね。
伊津野氏:はい。そのつもりで使っていただくだけで、ボス戦でのボスのHPゲージの減り方が全然違いますよ。
――小当たり程度でも、それなりの威力があるということでしょうか。
伊津野氏:小当たりでも、それを積み重ねていけば全然違ってきますよ。なので、ぜひ積極的に出していってみてほしいです。
――ダンテ編は初代からのユーザーには動かしやすいキャラクターになっていたと思いますが、あえてあまり変えなかったのでしょうか。
伊津野氏:ダンテはただでさえロイヤルガード(※バトルスタイルのひとつ。ロイヤルガードは防御・カウンター型のスタイル)とかは使いこなすのがすごく大変なので、基本のシステム自体はあまり変えず、武器のクセをとても強くした感じです。キャバリエーレ(※バイク型近接武器)などはその最たるところですね。
まだお見せしていない武器にもクセの強いものが多くなっていますので、そちらのほうでの変化を楽しんでいただきたいキャラクターです。
――ダンテやネロの新しいアクションの注目ポイントを、ぜひ開発の皆さんからいただければと思います。
ウォーカー氏:僕は、コートの処理をぜひ見てほしいです。自分がこのキャラクターを操作している、という感覚がより一層強くなる自然な動きになっているので。バトルとは直接関係のない部分ですけれど、こだわっているところです。
伊津野氏:今作では剣を抜いた後に走ると剣を持ったまま走って、走りながら剣を元に戻すとか、これまでキャンセル処理していた部分を全部作っているんです。歩きながら銃を撃つ動きも自然になっていたり、あと右移動からの左移動という時のキャラクターの体重の移動とかも、すごく細かく作ってあります。
――確かに試遊していて、全体的に動きにリアリティがありました。
伊津野氏:絵が綺麗になりすぎたので、そこをゲーム的に割り切って作っちゃうと、すごい違和感が出てしまったんですよ。なので、今回は画的に全部綺麗につながっているように作ろうと。ただしそれでレスポンスを悪くすることは許されない、ということで、そこへの作り込みに時間をかけすぎたくらいにかけてしまって、全然仕上がらなくて大変でした(笑)。でも、その成果は出たと思っています。
――アクションとアクションの間をつなぐ動きを見てほしい、ということですね。
伊津野氏:はい。そこに注目していただけると嬉しいです。
――「DmC」の時にロックオン機能をなくしましたけれど、今作でまたロックオン機能が復活していましたね。ロックオンの有無についてはプレイヤーさんによって様々な意見があるとは思うのですが、何故復活させたのでしょう?
伊津野氏:僕個人としても「DMC4」の時にロックオン機能がなくなったらいいなと思っていて、それで「DmC」と、あとその時同時に制作していた「ドラゴンズドグマ」ではロックオンを無くしました。実際この2作品は、ロックオン無しでも戦えるように作ったつもりです。「DMC5」でも、ロックオン機能を使わなくても戦えるようには作っていますが、やはりファンからロックオンを復活させてほしいという要望が多かったんですね。
日本では発売になっていないのですが、「DmC Definitive Edition」という海外限定のバージョンでは、実は「DmC」でもロックオン機能が復活しています。そういう経緯もあったので、今回はロックオンを復活させました。
――ロックオンの機能の要望が多いのは、やはり特定の敵だけを集中して倒したいからでしょうか?
伊津野氏:ロックオンを使わない場合ですと、自分が向いている方向で一番近い敵に攻撃することになります。今作では、デビルブレイカーのオーバーチュアを敵に刺すと時限爆弾になるんですけれど、遠距離から銃で攻撃して起爆するというときに、ロックオン機能がないと全然当たらなくなっちゃうんですよ。
あとはボスと一緒に雑魚が湧くバトルとかもあるので、ユーザーの皆さんの判断でどちらから攻撃したいかという場面もあり、今作では最終的にロックオン機能は必要、という判断になりました。
――プレイをしてみてかなり完成度が高いと感じましたが、発売はまだ半年ありますよね。大体開発はどの程度まで進んでいるのでしょうか。
岡部氏:大詰めですね。
ウォーカー氏:本編の最終調整と、あとはデラックス版についてくる追加要素の作成ですね。システム自体はもう全部実装されていますので、本当に細かいところの最終調整を残す段階まではきています。
ついにダンテのテーマ曲も公開! こだわった今作の音楽に迫った
――音楽が、「DmC」に共通する雰囲気を感じました。「DmC」では「Combichrist」と「NOISIA」が音楽を担当していましたが、今作でもバンドサウンドを採用しているのでしょうか?
岡部氏:プレイアブルの3キャラクターそれぞれに、バトル中のメインテーマとして、ネロ曲、ダンテ曲、V曲、と用意してあり、ロサンゼルス在住のアーティストさんとカプコンのサウンドチームとでコラボしてもらって、一曲ずつお願いしています。
バンドサウンドだったり、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)だったり、キャラクターによって特色がありまして、E3の時にまずはネロ曲を同時にリリースさせてもらいました。Casey Edwards feat. Ali Edwardsさんの「Devil Trigger」という曲で、既にApp Storeとかで購入できるのですが、TGSではスーサイドサイレンスというメタルバンドとコラボレーションをした、メタルコアなダンテ曲をリリースします。このダンテ曲は、ダブステップ(リバーブが強くかかったドラムを使用した2ステップの総称)とメタルを掛け合わせ、作曲者曰く、メタルステップという音楽ジャンルだそうですが、僕たちはそういった細かいジャンルについては詳しくないので(笑)。
ヘヴィなサウンドがダンテで、デジタルなダンスサウンドがネロで、Vはこの先を楽しみにお待ちください。色々なアーティストさんとコラボレーションをさせていただいておりまして、本当に特色豊かな音楽になっていますよ。
――スタイリッシュランクに応じてゲームの中の音楽が盛り上がっていきますよね。最近ユーザーのプレイ環境に応じて音楽を鳴らす手法は多いですが、「DMC」のシステムと噛み合っていると感じました。
伊津野氏:うちのサウンドチームから、スタイリッシュランクに応じてどんどん音楽に楽器が足されていくとか、AメロとBメロの繰り返しだったのがランクがあがるとCメロが追加されるとか、そういうのをやってみたいという話があって、「それはとてもいいけれど、実際にできるの?」とはなったんですよね。
今までのゲーム機だとメモリがそんなに多くなかったので、そういう点に特化したゲームでないとなかなか音楽の細かい仕様にまでメモリを割けない状況だったのですが、「DMC5」はXboxOneやPS4というメモリの多いハードで出せることになったので、可能になりました。
バンドのライブに行った時に開幕と同時に照明が一斉におちて、ベースやドラムだけが「ドンドン…、ドンドン…、ドンドン…」と鳴って、「はじまる、はじまる!」という気持ちが高まるじゃないですか。そして、いざ本番というところで全部の照明がついて「ジャーン!」と高まる流れを戦闘でやってほしい、というのは、僕のほうからサウンドチームにお願いしました。
なので敵は沸いているんだけれど戦闘曲がまだ流れていないパートがあって、敵が攻撃した瞬間にバッと曲が始まって、戦闘が盛り上がっていくとパートがどんどん増えていくなりメロディが追加されていくなりして…、というのが今回のサウンドになっています。そして、その音楽を無理やりブツッとつなぐのではなく、小節単位で自然につながるようにするというシステムが、うちのサウンドチームのこだわりですね。
バトルと音楽との相乗効果で自然と気持ちが盛り上がっていく感じを、体験していただければと思います。
気になるオフラインイベント―カプコンはファンの気持ちを尊重する!
――「DMC5」にあわせて、再び「DMC」シリーズの舞台(※2015年8月に上演された、舞台「戦国BASARA VS DMC」)をされたりとかはありませんか?
岡部氏:カプコンは、いつもファンの気持ちを考えています(笑)。
――と、いうことは…?
伊津野氏:見たいというファンがいるなら、考えるべきでしょうね。ちなみにあの舞台のダンテは、男が惚れるくらいすごくかっこよかったです(笑)。
――舞台に限らず、最近はゲームのオフラインイベントも随分増えましたし、「DMC」でオフラインのイベントをやってみたいとか、そういう思いはありますか?
岡部氏:そういったものをやってみたいという野望はありますね。特に今回は音楽を色々頑張っているのもありますから、音楽を中心にしたイベントとかもやれたらいいな、という気持ちはあります。
――歴代の「DMC」楽曲をやるライブとかいいですよね!
岡部氏:いいですね! PR担当のほうになってくるとは思いますけど、どうですか?
PR担当:(笑)。ライセンスですかね。
伊津野氏:「モンスターハンター」だとオーケストラコンサートになりますけど、「DMC」ならちょっと小さめのライブハウスでとかでやるのが似合いそうですよね。
PR担当:その可能性は、なくはないです。
ウォーカー氏:お、PRから前向きな発言が!(笑)
岡部氏:でも本当に、そういったファンの皆様と一緒に楽しめるような場というのは作っていきたいです。
伊津野氏:先日、「PAX WEST」というアメリカのシアトルで開催されたゲームイベントに3人で行ってきたんですけれど、3日間ひたすら海外のファンと握手と写真とサインをしてきたんですよね。日本のユーザーはそこまで積極的じゃないかもしれないですが、ファンへのそういうイベントはできればもっとやっていきたいです。
――「DMC4」の頃からこの10年の間に、ゲームのオフラインイベントという環境は全然変わったと思うので、今こういうイベントをやるとファンの方もきっと喜んでくださるんじゃないかと思います。
伊津野氏:そうですね。一応「DmC」の時に小さなトークイベントはやったんですけれど、そういうのもまたやりたいですね。発売前は話せないことが多いので、もし実現できるなら発売後にやりたいなぁ。
岡部氏:その時はぜひまた取材にきてくださいね(笑)。
――もちろんです! では最後に10年待っていたファンに向けて、一言ずつお願いいたします。
ウォーカー氏:10年間も待っていただきましたが、「DMC5」は開発チームがファンのために作った作品ですので、とにかくファンが喜べれば開発チームは嬉しいです。まずはぜひTGSで体験版を遊んでいただいて、そこで満足していただければ嬉しいですね。ぜひTGSの会場でお待ちしております。
岡部氏:10年間待っていただいた甲斐のある作品になっていると思います。TGSの会場で楽しんでいただける方にはぜひブースにお越しいただきたいですし、TGSからいよいよ予約を開始いたします。お気に召しましたらその場で予約をしていただければ、開発もそこから先まだ少し期間がありますので、より一層士気も上がるかと思います。よろしくお願いします。
伊津野氏:僕自身が「DMC」ファンの一人で、その僕が欲しかった「DMC」シリーズの続編なので、恐らくファンの皆さんにも満足していただけると思っています。今でもたくさん情報を出したつもりですけれど、まだまだいっぱい色んなことを仕込んでいますし、発売するまで言えないことも大量にありますので、発売を楽しみにお待ちいただければと思います。
――ありがとうございました!
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