スクウェア・エニックスは本日11月21日、アーケードゲーム「星と翼のパラドクス」のオープニングセレモニーを、タイトーステーション 溝の口店 3Fの「MEGARAGE(メガレイジ)」にて実施した。
スクウェア・エニックスが送り出した、アーケード向け完全新作のハイスピード対戦メカアクション「星と翼のパラドクス」。世界観設定とアニメーションをサンライズが手がけ、キャラクターデザインの貞本義行氏、メカニックデザインの形部一平氏、石垣純哉氏、主題歌作曲の菅野よう子氏と、そうそうたるスタッフが参加しており、ゲームと連動した可動筐体になっていることも話題を呼んでいる。
いよいよ稼働日を迎えた11月21日には、本作の稼働を記念したコラボカフェを展開しているタイトーステーション 溝の口店 3Fの「MEGARAGE(メガレイジ)」にて、稼働記念セレモニーが執り行われることなった。
セレモニーにはスクウェア・エニックス プロデューサーの丹沢悠一氏のほか、ゲーム内キャラクター(アズワン)で出演の声優より、シャーリー役の佐藤美由希さん、カズマ役の花倉洸幸さんが登壇。早朝の実施にも関わらず、会場に集まった多くのファンに向け、キャラクターにまつわるトークが繰り広げられた。
花倉さん演じるカズマは、ロボットものには欠かせない、熱血漢のキャラクターになっているという。また本作に登場するキャラクターの中では特に叫ぶセリフが多かったようで、花倉さん自身も9割方“!”がついていたとその収録を振り返る。それだけに、2日で終わる予定だった収録が、結果的に3日かかったというエピソードも語られた。
一方、佐藤さん演じるシャーリーは、作中世界では辺境の出身であることをコンプレックスに持っているものの、地球のことをさらに田舎だと思っている、ひねくれた面もあるそう。収録にあたっては、なまりを何パターンも試しつつ、結果的に可愛らしいキャラクターにできたと振り返っていた。
なお、アニメーションPVの収録についてはゲームと違って一緒に収録に臨んだそうで、冒頭でカズマがシャーリーに向かって「まあ遠慮すんなよ」と話す場面は、その場で追加したものであることが明かされるなど、映像の中で見える関係性にも注目したいところだ。
いよいよ稼動開始ということで、佐藤さんはドキドキしながら当日を迎えたこと、花倉さんはスクウェア・エニックスの本気を感じられる作品になっていることに触れつつ、丹沢氏からは3年前の「動くロボットものを作ろう」というアイデアからプロフェッショナルが集まって開発が進み、ユーザーの前に届けられたことの喜びが語られる。そして、丹沢氏自身が今までの経験を活かして積み上げてきたという、本作への自信を覗かせて場を締めくくった。
イベント終了後に丹沢氏にインタビュー!
――稼動を迎えての心境についてお聞かせいただけましょうか。
丹沢氏:企画の始まりは大型筐体を作ろうと、一人のおじさんが思ったことなんですけど、そこにいろいろなプロが集まってくれて、イメージとして雪だるまを転がしているうちにだんだん速くなってきて、僕がもう追いつけないぐらいのスピードで転がりだして、ここまで来たという感じです。長いというよりは途中から加速していった印象で、準備期間には1年かけていきましたが、転がりだしてからはあっという間だったなと思います。
――稼動後のアップデートやイベントについては、どういった内容を予定されているのでしょうか?
丹沢氏:アップデートの頻度としては、エアリアル(機体)に関しては2ヶ月に一回ぐらいのペースでは追加していこうかなと思っています。アズワン(キャラクター)については、一人のアズワンとどんどん“デプス”という親密度を高めていくゲームシステムになっていて、いきなり増えていっても訳が分からなくなってしまうと思うので、とりあえずは今の6人で走っていって、ロングスパンで追加していくようなスタイルで考えています。
実はゲームがガラッと変わるのは武器が追加されたときで、それによって戦場も変わってくると思うので、武器に関してはしばらくの間、毎月新しい武器を投入しつつ、様子を見ながらまた新しい武器を、と考えています。
イベントについては、ゆくゆくは大会をやりたいですが、まず年内ぐらいはカジュアルに遊んでいただくお客さんに楽しんでもらいたいと思っています。いきなり頂上決戦みたいなムードに運営側がなると、ガチのプレイヤーしか遊んではいけないゲームみたいな雰囲気が漂い始めてしまうので、そこは様子を見ながら、来年の春から夏ぐらいに大会やイベントが出来たらいいなと思います。
ただ、交流戦みたいなみんなでワイワイ集まって遊ぼうというイベントは今週末からセガ 秋葉原 2号館で行われますし、来週には大阪と名古屋でも行われるので、こちらは早い段階から実施していきたいです。
――「星と翼のパラドクス」が発表されてから、ゲーム業界の中で働く人からも評判があったと思いますが、どういった評価や感想をいただきましたか?
丹沢氏:アーケードゲームに関わってから長いんですけど、JAEPOの前日設営の夜、いろいろな開発チームの方が「ちょっと1プレイさせて」みたいな感じでそっと来てくださったのが印象的でした。みなさんゲーム業界にいると、どうやってこの企画を通したのか、安全基準が厳しくなった中で、どうやって可動させているのかなど、技術的なところで興味を持ってもらったのが多いと思います。あとは新規のIPとして作るというところも含めて、古株のゲーム業界の先輩からは「よく頑張ったな」と言っていただき、若手の人からは「僕もこういうの作ってみたいな」という反応をいただけましたので、一波乱起こせたのかなとは思います。
――ここに至るまでに、JAEPOだけでなく、ワンダーフェスティバル(以下、ワンフェス)やC3AFA TOKYO(以下、C3AFA)と、普段アーケードゲームの筐体があまり出ないような場での試遊出展がありましたが、ファンの反応で気になったところはありますか?
丹沢氏:今回、いっぱい味方をつけていこうというところが一つあって、ワンフェスについては壽屋さんとプラモデルの話を早めに動かしていたこともあり、出してみませんかと打診をいただけたことがきっかけです。今までJAEPO、TGSとゲーム業界が出すショーってある程度決まっていましたが、その中で急にワンフェスやC3AFAのような、自分がただ見に行くだけだった場所に出展するという選択肢があるんだと思い、思い切って出してみました。
JAEPOに来る方はゲーセン勢なので、NESiCA(ネシカ)と言われたらすぐに分かってくれるのですが、ワンフェスやC3AFAで乗る方はゲームセンターに行ったことのない方もいるので、「NESiCAってなんですか?」「これってどういう場所で遊べるんですか?」といった、新鮮な反応がありました。そこは出してよかったと思いますし、ぜひゲームセンターに行ったことのない方も、近くのゲームセンターに勇気を出して来ていただけたら、この筐体を出した意味はあるかなと思います。
――1プレイの料金が300円、コンテニューが200円(※おためしは100円)という料金形態が先日発表されていましたが、この料金形態ならではのメリットについて改めてお聞かせいただけますでしょうか?
丹沢氏:ロケテストの際は時間制で実施させていただきました。時間制のメリットって気軽に入って、気軽に抜けられるというところがあると思っていて、可動筐体なのでどこで疲れるかというのは人によるかなというところで、1試合丸々プレイするよりは疲れたところで止められるほうがいいかなというところで取り入れました。
実際にロケテストを実施してみて、アンケートを見てみたら分かりにくいという意見や、途中で抜けた後に今まで一緒に戦っていたみんながどうなっているのか気になって困るという話があって、やはりシンプルに分かりやすく、1試合で切ったほうが良いんだろうなと。ここは見えないところで、ゲームシステムや評価システムでの改修が必要だったので、この半年間はそこでガッツリ作業しましたが、今の反応を見る限り、やって良かったかなと。ただ、今日からプレイしてもらうので、実際にこれが良かったのかどうかはこれからも慎重に見ていきたいと思っています。
――サンライズさんが携わっているということでメディアミックスの展開も期待されるかとは思いますが、今の段階でお話できることがあればお聞かせください。
丹沢氏:いつ何をするといったことはまだお話できないんですが、サンライズさんとは話を進めています。僕としてはまずゲームが上手く軌道に乗らないことに進められないと思っているので、まずはしっかりゲームとして成立させて、お客さんがついて、そこを見たところで今準備しているメディアミックスを一気に動かそうかと思っています。現時点ではすでに発表しているプラモデルなどの情報のみとなりますが、決まり次第どんどん発表して盛り上げていきたいと思います。
――会場のMEGARAGEで実施されているコラボカフェについてご紹介いただけますでしょうか。
丹沢氏:MEGARAGEさんは広くて良いお店で、まずはコラボドリンクというかたちでコラボさせていただいていますが、今後もこちらをお借りしてイベントもやっていきたいと思います。今回のコラボカフェではアニメのカットや、壽屋さんのプラモデルも展示しているので、期間中に足を運んでいただければと思います。
――最後に、今後の抱負についてお聞かせいただけますでしょうか。
丹沢氏:僕らの使命って、ゲームセンターのファンが増えていくことが一番だと思っているので、このゲームを通じてでも良いですし、このゲーム目当てに来たけど1ゲームで終わって別のゲームに移っても良いですし、ゲームセンターにどんどん人を呼べるようにしたいので、来やすいイベントや雰囲気作りを今後も進めていきたいです。そして、人が増えたとゲームセンターの店長さんが後で言ってくれたら成功だと思っています。
――ありがとうございました。
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賞品
「星と翼のパラドクス」特製ネシカシール(キャラクター6種類セット)
提供
株式会社スクウェア・エニックス
当選者数
4名(抽選)
応募期間
2018年11月21日~2018年12月2日