本格スマホカードバトル「シャドウバース」の世界選手権「Shadowverse World Grand Prix 2018」が12月16日に開催。本大会の模様をレポートする。
「Shadowverse World Grand Prix 2018」は、Cygamesが主催して行う「シャドウバース」の世界一を決めるeスポーツ大会。
2018年1月から世界各地域で予選大会を勝ち上がった23名の選手と、2017年12月に開催された第一回大会の優勝者1名の、計24名が日本に集結。世界最高峰の激戦を繰り広げた。
本大会の特筆すべき点は、なんといってもその賞金額の高さだろう。賞金総額1,310,000ドル、優勝賞金は1,000,000ドルにもなる。1USドルを110円で換算すると日本円にして約1億1千万円だ。それだけに選手たちにかかる重圧も相当なものがあるのではないだろうか。
12月15日に行われたDay1では、24名の選手による激戦が繰り広げられ、Day2に進出する選手が8名まで絞られた。12月16日に行われたDay2では、この8名によるトーナメントにより世界最強の「シャドウバース」プレイヤーが決定することになる。
100万ドルのポセイドンが炸裂!優勝は日本のふぇぐ選手に!
世界一を決める頂上決戦はよしもとLibalent所属のふぇぐ選手と、Tempo_Storm所属のPotwasher選手の2人による一戦に。ふぇぐ選手は、「Shadowverse World Grand Prix 2018 JCG オンライン予選大会にて優勝し本大会への出場権を得た選手。一方のPotwasher選手は、アメリカ・ロサンゼルス地域にて行われた「PAM Shadowverse Open:2018 Contenders Cup」で勝利し本大会へ出場を決めた選手だ。
「シャドウバース」の世界一を決める決勝戦という大舞台にもかかわらず、両選手共あまり気負った様子は無い。むしろ決勝戦という舞台を最後まで楽しもうという良い表情が見え隠れするほどだった。
ちなみにデッキリストは以下の通りだ。これは本大会を通じて言えることでもあるが、ドラゴンとヴァンパイアに関しては、ほとんどの選手が同じような構築を持ち込んでおり、それだけ現環境における強力さを物語っていると言えよう。決勝で相対する2選手に関しては、ふぇぐ選手はウィッチを、Potwasher選手はネクロマンサーを持ち込んでいるのが特徴だ。
ふぇぐ選手の使用デッキ
Potwasher選手の使用デッキ
1戦目:ヴァンパイアvsヴァンパイア
やはりどのデッキも見れるヴァンパイアは初戦にうってつけなのか、スタートはヴァンパイアミラーでスタート。序盤は、両選手共、“双石の悪魔”を展開しドローを進めながら様子を伺うといった展開に。ここで先に沈黙を破ったのはPotwasher選手。先にフォロワーを展開していくが、返しのふぇぐ選手は自傷で“フラウロス”を直接召喚。ここからはお互いに盤面を取り合う一進一退の攻防が続く。
試合が大きく動いたのは、試合終盤。ふぇぐ選手が誤って“フラウロス”を手札から通常召喚してしまう。この隙を見逃さなかったPotwasher選手が盤面をリード。そのまま“闇喰らいの蝙蝠”で試合を決め、まずは1勝を勝ち取った。
2戦目:ドラゴンvsウィッチ
2戦目は、Potwasher選手のドラゴンと、ふぇぐ選手のマナリアウィッチの対決。“竜の託宣”や“オルカの大渦”といった、カードをキープすることに成功したPotwasher選手が、序盤から安定して盤面を取っていく展開となった。
だが5ターン目にふぇぐ選手が“マナリアの竜姫・グレア”を引き当てたことで試合内容は一転。一気にデッキが回り6ターン目にして非常に強力な盤面を作り出すことに成功する。Potwasher選手も、“侮蔑の絶傑・ガルミーユ”で除去を進めるも、この展開の早さについていくことができず、ふぇぐ選手が勢いのまま1勝をもぎ取った。
3戦目:ネクロマンサーvsヴァンパイア
3戦目は、Potwasher選手のネクロマンサーvsふぇぐ選手のヴァンパイア。序盤からアグレッシブにフォロワーを展開していくPotwasher選手に対して、“双石の悪魔”でドローを優先していくふぇぐ選手という構図になった。この試合ではPotwasher選手の試合運びの上手さが光る。“フラウロス”などの展開に対して、“冥界の闘犬・オルトロス”といった盤面に干渉できるカードを冷静に使用して、徐々にアドバンテージを稼いでいく。
最後は温存していた“冥界の番犬・ケルベロス”からの“冥界の番犬・ケルベロス”でフォロワーをバンプし一気に勝負を決めた。
4戦目:ドラゴンvsヴァンパイア
Potwasher選手にとっては世界一に王手をかけた、ふぇぐ選手にとっては絶対に負けられない試合となった4戦目。Potwasher選手がドラゴンを、ふぇぐ選手がヴァンパイアを選択する試合となった。本日だけでも幾度となく行われたこの2リーダーのマッチアップ。最初に仕掛けたのはふぇぐ選手となった。
4ターン目と、かなり早い段階で“フラウロス”を着陸させることに成功したふぇぐ選手。しかしPotwasher選手も負けてはおらず、進化権を使いながら“ドラゴンスネーク”で盤面を広げていく。これに対して“邪眼の悪魔”で盤面を一掃するふぇぐ選手だったが、次のPotwasher選手のターンでは、“ポセイドン”が登場。さらに横に広げられかなり苦しい展開となる。
しかし次のふぇぐ選手のターン。なんとトップで再度“邪眼の悪魔”を引き当てることに成功。これが決定打となりふぇぐ選手が辛勝。試合は最終ラウンドまでもつれ込むこととなる。
5戦目:ドラゴンvsドラゴン
泣いても笑ってもこれが最後の試合。100万ドルか20万ドルか。もちろん金額以上に得られる名声も違ってくる。2018年最後の大一番はドラゴンミラーでの試合となった。最初のマリガンではお互いに“竜の託宣”、“オルカの大渦”をキープする理想的な手札でスタート。序盤はお互いに宣告を使用するが、先行を取ったことにより先にオルカを展開するのはPotwasher選手となった。
思わず返しのターンで同じく“オルカの大渦”に手が伸びてしまいそうなこのターン。ふぇぐ選手はこの手を回避する行動にでる。だが、実はこれが正解でPotwasher選手の手札にはピン挿しの“ドラゴニュートの威圧”が握られていたのだ。両選手の手札が見えている観客席からは、このプレイングに大きな歓声があがっていた。
試合はこの後も一進一退で進んでいく。ふぇぐ選手が“原初の竜使い”と“ドラゴンスネーク”のコンボで盤面を制圧すればPotwasher選手がそれを冷静に除去していくといった流れだ。そしてこの試合、最後の最後に王手をかけたのはPotwasher選手となった。お互いに次のターンでリーサルが見えている状況で、ふぇぐ選手は守護フォロワーを引き当てることだけが唯一の勝ち筋といった状況。
このような絶望的な状況ではあったが、諦めること無く“侮蔑の信者”、“竜の託宣”とドローを回していくふぇぐ選手。そしていよいよ最後の手となった“純心の歌い手”から、なんと“ポセイドン”を引き当てることに成功した。この“ポセイドンの兵士”により、次ターンにリーサルダメージを与えることができなくなったPotwasher選手。この一手が全ての引き金となり、最終試合はふぇぐ選手の逆転勝ちというドラマチックな幕切れを迎えることとなった。
激戦を勝ち抜いたふぇぐ選手へインタビュー
大会終了後、本大会にて優勝したふぇぐ選手へ囲み取材の時間が設けられた。ここではその模様をお届けしていこう。
――優勝おめでとうございます。改めて優勝した今の気持ちを教えてください。
ふぇぐ選手:100万ドルのポセイドンが輝きましたね。本当に嬉しいです!
――優勝の要因はどこにありましたか?
ふぇぐ選手:最後はミスもありましたが、それまでは納得いくプレイがずっと続けられたので、その積み重ねだと思います。
――今回マナリアウィッチを採用した理由などを教えてください。
ふぇぐ選手:BO3だったらドラゴンとヴァンパイアがほぼほぼ間違いないと思っています。そこにもう1枠と考えたときに、ロイヤルとネクロマンサーが多くなると予想して、マナリアウィッチを選択しました。
――今回の大会を振り返って一番苦しかったシーンはどこになりますか?
ふぇぐ選手:決勝戦の一回戦目で“フラウロス”が飛び出ちゃった場面がありました。そこで集中が切れてしまい、持ち直すのに時間がかかってしまいました。
――今回の大会を通してMVPのカードを一枚選ぶとしたら何になりますか?
ふぇぐ選手:“ポセイドン”です!
――優勝賞金の使いみちは考えていますか?
ふぇぐ選手:壮大過ぎてまだわからないんですよね。とりあえずマンションを買いたいです!
――本大会を振り返ってどんな2日間でしたか?
ふぇぐ選手:2日間とも一度ずつ緊張してしまって、普段のプレイができないことがありました。今回は優勝できましたが、来年も優勝するためにそこは直していきたいと思います。
――現在、eスポーツが注目されていますが、今後どうアピールしていきたいですか?
ふぇぐ選手:最後の試合観てもらったらわかると思うんですけど、全員が一体となることができる楽しいものだということを広めていきたいです。
――eスポーツがオリンピック競技として採用が検討されていますが、選手としてどう考えていますか?
ふぇぐ選手:もしそうなってくれたら嬉しいなとは思いますが、eスポーツというものに対して共感できていない方も多いと思います。なので、まずはしっかりと土台を作っていくことだ大事だと思っています。
――今後の目標などを教えてください。
ふぇぐ選手:所属するよしもとLibalentでチームとしてリーグ優勝。そして来年の世界大会での連覇を狙っていきたいです!
――ありがとうございました。
(C) Cygames, Inc.
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